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外務大臣 岸田 文雄 様
「核兵器禁止条約」制定交渉開始を定めた決議に関する日本政府の対応について
本日、国連総会第一委員会において、2017年中の核兵器禁止条約制定の交渉開始に向けた決議が採択されたとの報に接しました。
今回、国連加盟国の過半数を超える123か国の賛同を得て決議が採択されたことは、被爆者の切なる願いへの第一歩が踏み出されるものであり、心から歓迎します。
来年には、この決議に基づき核兵器の法的禁止の交渉が開始されることとなる中で、日本政府が核保有国や核の傘の下にある国と同様に決議に反対したことは、「核兵器のない世界」の実現を待ちわびる被爆者の思いに背くものであり、極めて遺憾です。
核保有国と非核保有国の橋渡し役を自任する日本政府には、戦争被爆国として、これまで以上に力強いリーダーシップを発揮し、全ての国連加盟国により建設的な議論が行われるよう、力を尽くしていただくことを強く要請します。
平成28年(2016年)10月28日
広島市長 松井 一實