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伊勢志摩サミット開催時におけるトルドー・カナダ首相の被爆地訪問を求める要請(2015年12月24日)

ページ番号:0000010058 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

カナダ首相ジャスティン・トルドー 閣下

被爆地広島・長崎の訪問について(要請)

謹啓 寒冷の候 貴台にはますます御清祥のことと心からお喜び申し上げます。

来年、我が国で開催される主要国首脳会議を前に、貴台の被爆地訪問を求める広島・長崎の願いをお伝えしたいと存じます。

今月7日、国連総会において、我が国が貴国をはじめ106か国と共に提案した「核兵器の全面的廃絶に向けた新たな決意の下での共同行動」決議が166か国の賛同を得て採択されました。核兵器使用の非人道的結末への深い懸念の下で、貴国の「核兵器のない世界」に向けた決意を改めて示し、核兵器廃絶への積極的な共同行動を世界各国に促すものと受け止めており、採択に向けた御尽力に心から感謝しております。

決議には、政治指導者や若者の被爆地訪問、被爆者による被爆体験証言といった核兵器の非人道的影響に関する認識向上に向けた取組の重要性が盛り込まれております。こうしたことは、政治指導者の被爆地訪問を求める思いが、世界中の多くの国々に拡がり、共通の願いとなっていることの表れと感じ、大変勇気付けられました。

貴台におかれましても、主要国首脳会議の機会を捉え、是非とも被爆地広島・長崎を御訪問いただきたいと願っております。被爆地において、被爆者の体験や平和への思いに耳を傾け、一発の原子爆弾がもたらした被爆の実相に触れた上で、核兵器廃絶に向けて被爆地と共に歩み続けるとのゆるぎない決意を世界へ発信していただければ、必ず他国の政治指導者の被爆地訪問に繋がるとともに、「核兵器のない世界」に向けた国際的な動きを前進させることができると信じております。

核兵器廃絶への道のりは厳しく、今なお1万6千発近くの核弾頭が存在する現実の中で、貴台には、引き続き核兵器の非人道性の認識拡大とともに、「核兵器のない世界」の実現に向けた国際社会の取組のスピードが増すよう更なるリーダーシップの発揮を期待しております。

なお、来年4月に被爆地広島で開催される主要国首脳会議に先立つ外相会合を前に、参加各国の在日大使館関係者の方に広島にお集まりいただき、安全性や魅力などを知っていただく機会を設けたいと考えていますので、是非、大使館関係者の方の派遣をお願いいたします。

末筆ながら、貴台のますますの御活躍と御健勝を心からお祈りいたします。

謹言

2015年12月24日

広島市長 松井 一實

長崎市長 田上 富久