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ページ番号:0000017778更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

第1章 計画策定の基本姿勢

1 計画策定に当たっての基本的考え方

広島市は、人類史上最初の原子爆弾投下により甚大な被害を受けた都市であり、「他の誰にもこんな思いをさせてはならない」という被爆者の声の実現は本市の使命です。

このため、本市では、平和都市の理念の下、世界の多くの都市や長崎市をはじめとする国内の都市、NGO、被爆者の人たち等と連携し、戦争の悲惨さ、核兵器の残虐さを世界に訴え、世界恒久平和の実現と核兵器の廃絶を目指した取組を進めてきました。

「忘れられた過去は繰り返す」と言われますが、被爆から60年以上が経過し、若い世代を中心に平和に対する意識の低下が懸念されています。こうした中、核保有国における核兵器廃絶の取組は進んでおらず、北朝鮮やイランによる新たな核開発など核兵器の拡散も進んでいます。このような現状において、被爆者が訴えてきた「憎しみと暴力、報復の連鎖」を断ち切る「和解」の道を世界に訴え続けることの重要性はますます増しています。

一方、原子爆弾によって破壊し尽された本市は、「平和のないところに人権は存在し得ない」「人権のないところに平和は存在し得ない」という20世紀の教訓を自らの悲惨な体験から得ました。そのため、本市は、平和とは、単に戦争がない状態にとどまらず、安全で良好な環境の下に人類が共存し、一人一人が尊厳を保って人間らしく生活することができる状態ととらえ、人間としての尊厳に基づく権利の尊重を市政の重要な柱としてきました。

日本国憲法は、第11条で「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる」と規定しています。平和を構築するためには、人が人として生まれながらに持っている基本的人権の確保が極めて重要です。

都市には、住民の生命、身体及び財産を守る義務があります。広島市の国民の保護に関する計画(以下「市国民保護計画」という。)は、万一、住民の生命、身体及び財産を脅かす事態が起こった場合に、本市がとるべき措置をあらかじめ定めておくこと等を目的として、「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」(以下「国民保護法」という。)に基づき策定するものです。

本市は、平成13年(2001年)8月6日、今世紀初めての平和宣言において、「『戦争の世紀』の生き証人であるヒロシマは、21世紀を核兵器のない、『平和と人道の世紀』にするため、全力を尽くす」と宣言しました。そして「21世紀の広島は人道都市として大きく羽ばたきたい」と述べています。市国民保護計画で想定されるような事態は起こってはならないものであり、世界の恒久平和を希求する本市としては、今後とも国に対し、有事を起こさせないための最大限の外交努力を求めていきます。また、世界の2,000を超える都市が加盟する平和市長会議の取組等の一層の推進を図ります。

本市は、戦争は最大の人権侵害であり、人権を守ることが、国民の保護につながり、戦争のない世界、そして核兵器のない世界の実現につながるという認識の下、この計画を策定します。

2 核兵器攻撃による被害想定の実施及びそれに基づく基本認識

市町村の国民保護計画の策定に当たり、国は、「国民の保護に関する基本指針」(平成17年(2005年)3月25日閣議決定。以下「国の基本指針」という。)や「市町村国民保護モデル計画」を示し、想定される武力攻撃事態の一つとして、核兵器による攻撃を挙げていますが、核兵器攻撃がもたらす具体的な被害想定やこれに基づく対応策は示されていません。このため、本市は、「核兵器攻撃による具体的な被害想定の実施、被害想定の結果とそれに基づく対応策の明示」を国に要望しましたが、その回答は、いまだ得られていません。本市としては62年前の被爆体験を踏まえた場合、国の基本指針に書かれている、爆心地周辺から直ちに離れる、避難に当たっては風下を避けるなどといったことでは対応できないと考えています。

こうした中、現実問題として、核兵器の恐しさを想像できない人たちが増えています。そのため、平和市長会議では、加盟都市に対し、世界の都市で実際に核兵器が使用された場合、その都市で起こる被害やそれに伴う世界への経済面での影響等について想定を行い、広く世界へ伝え、核兵器廃絶に向けた世論の醸成を図っていこうと呼びかけています。

このようなことから、この計画の策定に当たっては、本市独自に核兵器攻撃による被害の甚大さを明らかにする必要があると考え、広島市国民保護協議会(以下「市協議会」という。)に核兵器攻撃被害想定専門部会(以下「専門部会」という。)を設置し、被爆体験や科学的知見に基づく被害想定を行いました。

その結果、核兵器攻撃によってもたらされる被害を回避することは不可能であり、行政が最善の対処措置を講じることができたとしても、被害をわずかに軽減する程度の効果しか発揮し得ないことが示されました。

このため、核兵器攻撃に関しては、それに対する有効な対処手段はなく、核兵器攻撃による被害を避けるためには唯一、核兵器の廃絶しかないという認識の下、この計画を策定します。

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