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2014年08月31日臨時記者会見「避難勧告等の解除について」
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避難勧告等の解除について
市長 避難勧告の解除についての発表をいたします。この発表に関しましては、昨日の一連の会議状況を見ていただければ、おおむね理解いただけると思うんですが、昨日の16時過ぎくらいにTEC-FORCE(テックフォース:国土交通省緊急災害対策派遣隊)の方からのこれまでの調査をした評価結果を踏まえながら、国・県・市の会議が17時くらいから始まったんですが、そこでの評価をベースにしながら議論する中で、私自身はその前段として、安佐北区、安佐南区の現場を区長さんからの報告を踏まえながら、要所要所点検するということでやってきておりまして、それを踏まえた見解を皆さんの中でご議論し、テックフォースの方からは調査結果をいただき、また県の方からがけ崩れなどの調査をいただいて、三者議論しながら進めたわけです。
そこで意見が早急に収れんされれば、まだ日も高いわけですし、その日は非常に晴天でしたので、解除を出すかということで議論したんですが、なかなか評価についての意見が収れんできなくて、だんだん日も暗くなりますので、物理的にはこの夜の時間に向けて解除するというのはないだろうと。
今避難されている方に、夜中に帰れというような命令を出すということはおかしい、有り得ないんじゃないかということで、その日の解除はしないで、内容を引き続きやろうということで協議を進めるという状況になりました。
中身についてはどんどん深めてまいりまして、状況が大分分析できたんですが、もう一点は、翌日から勧告を解除するかどうかということも予測ではなく、実際の天候を見て、結果当日と同じように晴れるという状況になれば、やってもおかしくはないけれども、また雨が降ったりする中で、あらかじめ勧告を解除するという話はないだろうと。
確認した上で、やる必要があろうということで、当日の、朝方の明るくなってからの天候を見て発動するかどうか、そんな状況でを整理しまして、今に至ったということで、幸いこういった天気になりましたので、これを踏まえて勧告等の一部解除という結論に至って、これは前日の会議を踏まえての対応であるということをご了解いただきたいと思います。
その上で、平成26年8月豪雨に伴って、安佐北区内に発令いたしました避難指示・避難勧告については、本日8時に解除いたします。解除しますが、今後雨が降った場合は、この度の豪雨により、土砂災害等の被害が多かった地域については、当分の間、避難勧告を大雨警報発表時に避難指示を土砂災害警戒情報発表時に発令することといたします。
今までの運用が、これを中心にしながら、今後の天気の動向等を勘案するという留保条件を付けて、発令するための指示をしていましたので、判断が鈍ったという当座の対応がありましたので、当分の間、これについてはしっかり検証して本当にこれでいいかどうかということは、しっかり検証しなければいけないんですが、当分の間というのは、もうしばらくしたら台風シーズンも来るということがありますので、今申しましたように、この度の土砂災害等の被害が多かった地域に関しましては、当分の間、異議を許さない対応をするということにした上で、解除するということです。
避難勧告等の解除に伴って、自宅等に戻られる避難者の皆様方には、まずもって気象情報、行政としてもしっかり把握しながらいたしますが、自らも気象情報等の入手手段を確保していただいて、今後の気象情報等に十分留意していただき、自らの対応もよく考えておくということをぜひお願いしたいと思っています。
なお、もう一つの安佐南区内に発令しておりました避難勧告等の解除につきましては、昨日の検証結果の中で、現地の状況が安佐北区とは相当異なります。従いまして、住民の安全・安心の確保を図りながら、応急対策を加速するための具体的な対応をどのように組み合わせればいいかということについての詰めをまだやっているところで、今しばらく時間のかかる見込みです。そんな状況です。発表は以上です。
記者 安佐北区で避難指示を解除したこの四つの地域については、指示は解除なんですけど、避難勧告という状況でもあります。そのへんはどういう考え方なんでしょうか。
市長 避難指示も避難勧告も全部解除いたします。安佐北区に関しては。ただ、もう少し詳しく申しますと、指示・勧告だけそうなんですけど、例えば避難所などは、現に避難所を利用されている方がいますので、これを閉じるということはいたしません。それは、避難されている方々への対応ですね。
もう少し詳しく、安佐北の方についての解除判断について説明しますと、昨日TEC-FORCEからの会議への情報提供を安佐北、安佐南両区の183の箇所、渓流箇所についての調査をやったということと、点検結果として、ABCの3段階評価というのを示していただきまして、A評定は70渓流、B評定は38渓流、C評定は75渓流となりました。
そしてこの点検結果のABCの内容なんですが、私どもが受け止めた中身は、まずAというところは、緊急避難体制を確保するということをやりながら、緊急的な対応をやるということがまずいるだろうというエリアだということです。Bの方は当面は警戒避難体制を強化するものとしながら、状況を確認した上で必要に応じた対応が必要ということで、Aよりも少し事態は悪くはないという評価だと。Cはさらに特に変化はなく、ということです。危険度は低いが、降雨状況によっては注意をするものとあります。
この3ランクにあった中で、もう一つは今後の雨量が少雨であれば、ABCいずれに当たっても土石流が発生する危険性はないというのが前提であります。少雨であれば。
そこで、これからの見込みで雨がほとんど降らないという中で、問題はBCに該当するところは、避難勧告なり避難指示になっているエリアだったとしても、解除するということは問題ないだろうと。問題はAという評価の所でした。
そうすると、Aのところは、この緊急避難体制と、緊急的な対応というのはどういうことなんですかということだったんですが、緊急避難体制の確保というのは、TEC-FORCEからの説明によりますと、大雨警報の時には即避難勧告を出すというような構えをするということ、そして土砂災害警戒情報が出たら避難指示といった判断、異議を許さない判断ができると、いわゆる警戒避難体制を強化するということをまずやっておくということが前提、その上で、ここで出た緊急的な対応というのがいるという中で、例えば緊急的な対応はどんなことなんですかとなると、土砂災害や低地での浸水、河川、渓流、水路の急な増水等は、起こっても道が変わったりすることのないような応急措置を講じて、きちっと逃げられるような道を確保すると、臨時救済の対応というのができていればいいんじゃないかということです。
それで、そういった対応がそれぞれの指摘された箇所で、出来上がっているかどうかということを調べるところ、安佐北区の方は、もちろん区長さん中心に現場の隊員が全部回って、対応できているという話がありました。そして、私も主要なポイントの所を自分なりに改めて認識をして、安佐北区はいいだろうということになりました。
安佐南の方は、被害が面的に広がっていまして、点のような形ではないんです。そういったことで、やるとしても、とりわけAに該当するところが、緊急的な対応をどこまでできているかという評価についての皆さんの意見が、なかなか収れんしなくて、緊急避難体制、大雨警報が出れば避難勧告をする。土砂災害警戒情報を出せば避難指示をするという判断を今度やりますということは決まったんですが、場所の状況については、現在の対応状況、とりわけ面的な被害が出ていて、安佐南区についてはそこへの避難場所へのアクセスの通路もまだ確保できていないという状況もあるときに、避難確保ということを確認する以前の問題、まずそこの道を造り上げておかないと、話が進まないんじゃないかという議論がありまして、その進捗状況をもう一度加速させるということをやり、そんな中で、ただそれをやるためには、その地域に入っての応急対応を急ぐようなこともしないといけないとなると、危険との背中合わせの中で作業させるといったときに、どういった制約をかけるのがいいかという点についても、なかなか議論が収れんしなくて、安佐南区については、もうしばらく判断を後に、さらに詰めようということになったという状況です。ですから、今しばらく時間をいただきたいということです。
記者 今しばらくというのは、一両日中なんですか。
市長 それくらいのタイミングでと。急いでいますから。
記者 一両日中という認識ですか。
市長 また今日もやりますので、ちょっと今日の進捗状況によります。
記者 勧告が解除される安佐北区民に対して、言葉をかけるとすればどんな言葉を。
市長 今申しましたことと同時に、個別にまた地域の方々に、今同時に安佐北区役所の方から、情報伝達をいたしております。避難指示・避難勧告の解除についてという形でやらしていただいておりまして・・・。
記者 そういうことじゃなくて、松井市長のお気持ちというか。市民にどういう声を具体的にかけるか。
市長 あ、私の気持ちですか。20日の発生以来、当座の対応ということで、あのエリアを避難指示・避難勧告地域と設定いたしまして、第二次災害を防ぎながらも復旧・復興をやるという対応をするための、指示・勧告等を出しておりましたが、そういった中で、天候が回復してくることに従い、多くの皆様の気持ちは一刻も早く復旧に向けた対応が可能なような状況作りをしてもらえないだろうかという気持ちにどんどんシフトしていきました。
そして同時に、死亡者を含めて被災された方々の状況も、安佐南区に比べて安佐北区の方は、そこまで程度がひどくない中で、皆さんの気持ちは当然、死亡された方々への思いもありますけれども、残った方々の復旧対応への柔軟な動きができるような対応を、早くやってくれないかというご要望がありました。そんな中で、第二次の災害を防ぎながら、しかし復旧は急がないといけないという対応をどの点に見出すかということについて国・県・市の中での情報共有とそして判断するための基本的な判断基準を調整して、少し時間がかかってしまいましたが、その点はご容赦いただきたいんですけれども、ようやく整いましたので、これを前提に次へのステップに進んでいただきたいと、これから大変だと思うんですけれど、ぜひやっていただきたいと思うんです。
我々行政・市としても、出来る限りのご支援をさせていただきますし、それからいろんな困った事情がございましょうけど、言っていただければできる限りのことをやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
それからもう一つは、今回の前提は、当分の間、天候がよくなるというという前提でやっておりますので、もし万が一天候が崩れて、状況が悪くなったときは先ほど申しましたように、改めてまた避難勧告・避難指示を出すということを、しかも今回は、先ほど申しましたような条件設定で画一的に出すということにしましたので、それが出た折には、ご自身の対応、とりわけ今回の被害が出た地域の方については、自らも情報収集をしながら、自らを守るという同時の対応をぜひ併せて確保しながらやっていただくということをお願いしたいと思っています。
記者 解除された安佐北区について、立ち入り禁止区域を設定は、もうこれしないということでいいんでしょうか。
市長 これも先ほど申し上げた応急対策の中で、危険箇所についてはテープなどを貼ってここからは入ってはいけないということもやっておりましたので、大丈夫だろうという判断をいたしました。
記者 あと、実際勧告は、大雨警報の場合出すとほぼ明確な対応をするということなんですが、その他天候が崩れたときのために、消防、気象台とかの情報のやり取りとか強化した面とか、備えとか、改めた面があれば教えてください。
市長 そこは、消防と気象台の関係は、今までも情報伝達をしっかりやってきたという認識があって、改めて間髪おかずに同時進行的に情報を共有できるようにしましょうという申し合わせをしました。
記者 昨日のTEC-FORCEの評価についてですが、Aがかなり多かったということが分かったんですが、市長として、結果・評価についてのまず受け止め、出たときにどのように思われたかというのと、Aがある地域についても、先ほど必要な措置をすれば大丈夫だということでご判断されたと思うんですが、安佐南区でもAのところで解除できないのは、面の被害と点の被害というところはありましたが、その結果改めて、Aだけど解除できるところとできないところの違いというのをもう一度お願いします。
市長 改めて申し上げますが、私自身の受け止めは、緊急渓流点検結果ということで、この点検結果を受けた一連の対応ができたから、その地域は完全に安全だったということではないという事実はしっかり受け止めたいと思うんです。
当座の天気が続き、これ以上雨が降らないという状況が、少雨であれば別ですが、雨が降らないという状況が続けば、この状態は維持できると、これ以上危険にはならないということで、もしまた雨が降れば、いつ何時大変になるかどうかは全体的に分かってないんです。そのための基本的対応は、また別途少し時間はかかりますけど、やらなきゃいけないという状況です。
先ほど申しましたように、そうはいってもその状況を復旧させるための作業等をやっていくために、最小限どのような対応をしながら作業をするかという時に、今緊急的に求められる措置は講じられているかどうか、その措置はどんなものかということの調査結果を頂いたわけです。
ですから、当座のぎりぎりの安全確保を図りながら、次のステップへ行くための、いわば調整的な措置なんです。恒久的なしっかりした措置ではないということです。
したがって、そのAの評価が多いというのは、今回の災害の大きさをまざまざと見せつけるということであると同時に、これだけの箇所についての復旧をしなければ、地域の日常生活が取り戻せないということですから、大変な状況だという認識はあります。
さりながら、ここについて手つかずにしておくと、ますます日常生活に帰れませんので、幸いこのいい天候が続くという状況下で二次災害を防ぐ、もし何かあれば、緊急避難体制、すなわち今度の場合は、直ちに避難勧告・避難指示を即断できるような構えをしながら、しかし、しっかりと復旧作業をやっていく、応急作業に入っていくということだということをお願いしたいんです。
ですから、絶対注意を怠ることなく次の対応をするという極めて緊張した状況が続くというような受け止めをしていただきたいと思うんです。完全安心ではありません。
記者 Aは完全な安全宣言ではないということがあると思うんですが、必要なときに、今後行政としても、少しでも危険性を避けるために、いろいろ手立てがあると思うんですが。その辺はどのような対応を。
市長 それは県・国・市を挙げてさまざまな対応をしていかなければいけないと思うんです。国土交通省の方は、全域についての引き続きの調査もやっていただいて、トータルでどんな対応が要るかということもやっていただく。それをいただきながら、もう一方で中長期的な観点からの土地利用ということを本格的に検討していかないといけないということになりました。昨日の議論でもそういうことが出ました。直轄砂防事業など、あり方をどうするかということもやらないと本格実施になりません。
それから、例えば、今回のような形で家が流されてしまった空白のエリアがあります。それを公共の土地として利用するとか、そういう形で再びそこに住居を建てられるか、危険区域として例えば公園とか共用地にして、危険性を緩和するための対応をするとか、さまざまな対応が考えられるんです。
それらは都市計画みたいなものであるかも分かりません。そうすると、国・県・市がそのための土地利用方法を根本的に見直すということをやるための作業をしなければいけないということをやります。