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2011年11月18日記者会見「第8回平和市長会議理事会の開催及び国連欧州本部での被爆に関する常設展示開会式への出席等について(帰国報告)」

市からの報告案件

第8回平和市長会議理事会の開催及び国連欧州本部での被爆に関する常設展示開式への出席等について(帰国報告)

市長 それでは、第8回の平和市長会議理事会の開催及び国連欧州本部での被爆に関する常設展示開会式への出席等についての帰国報告をさせていただきます。

今回の訪問日程は、11月の7日から13日までの7日間の日程でまいりました。私と広島平和文化センター理事長のスティーブン・リーパーほか3名ということで行ってまいりまして、概要そのものはお手元にお配りしている資料のとおりでありますが、ポイントをざっとご説明いたしますと、スペインのグラノラーズ市におきまして、第8回の理事会を開催するということが、一つです。それから、もう一つはスイスのジュネーブの国連欧州本部での被爆に関する常設展示開会式出席ということでございました。

順を追ってまいりますと、8日火曜日にはまず、グラノラーズ市の市内の内戦の跡の視察ということをさせていただきまして、ここの市長さん、マイヨラル市長さん。学校の先生でした。奥さんも学校の先生ということで、非常にいい方でありまして、かつまた同年輩ということもありまして、親切に市内を見させていただきましたけども、この町も戦災にあった記憶の残る町ということで、平和への思いというのはすごくある町、あるいは市長さんだということを実感いたしました。ここに書いてないんですけども、1938年5月31日というこの日付のあるマークが、市の至る所、路面に貼り付けてありまして、ここに爆弾が落ちたんだよということが分かるような仕掛けになってまして、当時そのフランコ将軍が援軍を得てイタリアの飛行機が5機やって来て爆弾をどんどん落として、222人の市民の方が死んだというふうなことがあって、そういう被害があってはならないということを町全体が訴えているような趣がありました。そんなところであった最初の会議が、2020ビジョンキャンペーン協会の運営委員会ですけども、これは平和市長会議の機動部隊としてビジョンキャンペーンを展開している組織といいますか、ここでの今後の組織の運営報告、今までの活動報告を受けながら、今後に向けての議論をするということを行いました。

その後、ここにありますようにユネスコの前の事務局長、現平和文化財団のフェデリコ・マイヨールさんという方と会って、ここでも平和についての議論をさせていただきました。ここで私が共感しましたことを書いていますけども、核(兵器)を無くすというのは、一人の人間の力ではなし得ないと、多くの人が無くそうという気持ちを持つということですね。いろんな政治的な思惑は別にして、いわゆる核(兵器)を持っちゃいかんという気持ちを一人一人というように持てば、いずれそういう事態が実現できるんだと、そういう信念を持っていろんなことをやろうということで、話をさせていただきました。本当に共感いたしました。

あと、その絵にありますように、グラノラーズの市民交流会ということで議論をさせていただくということで、約50人ほどの市民の方が出られる中で、ここのカン・ジョンク平和文化会館というところで、小さなたたずまいの建物ではありましたけれども、旧市街にある建物の中で、皆さんの思いを聞かせていただくというふうなことをやりました。最後にありますように、会場から、人が人種が異なったとしても寛容な気持ちを持って、いろんな平和問題に取り組まにゃいかんということと、そして、その平和というのは正義といいますかね、そういった信念が必要だってことを、言われたような意見があったと思っております。

それから改めて、グラノラーズの市長さんを表敬訪問いたしまして、私はここの場で、ずっと市長さんといろいろお話をしながら同行してまいりましたので、改めて過去というものをしっかり振り返って、今後どうするかということが大切ですねと、町自身が過去の出来事をしっかりと受け止めて、今後の展開を考えているということ。「自分の信ずる言葉で言うと、温故知新にあたるというふうなことを思います」というようなことを話しておりましたので、芳名録にちょっとそういうようなことを書かせてもらいました。あと、市長さんの歓迎夕食会を開いていただくということで、楽しくやりながら、ここでチャリティーコンサート収益金ということで、日本円にして32万円相当を2020ビジョンキャンペーン(協会)に頂いたという事実がございます。

翌九日はいよいよメインの(平和)市長会議理事会を開きまして、ここで三つほど掲げておりますが、核兵器の禁止条約の交渉開始を求めた署名活動の展開の仕方とか、要請文とか声明文(の発信)等々ですね、それから5,000都市を突破したということで、2012年のNPT再検討会議でいろんなことをやってきたということと、それぞれの進捗状況をご報告するとともに、今後の展開についての提言をするというようなことをさせていただきました。

そこで一旦、議事をやりながら、実は第32回の平和賞授賞式というのがありましたので、抜けまして、これはスペインの国連協会、国連の経済社会理事会が認めている、そこに登録されているNGOなんですけども、1962年に設立されたこの組織から受賞するということで。この平和賞の受賞は私の成果というか、今までの平和市長会議の取り組みをトータルで評価していただいたということで、それをたまたま私の立場で受け取ったということであります。ここでも表彰状を頂くとともに、副賞として日本円にして190万円相当の賞金を頂くということができました。これは先ほど言った寄付とかこういったものは、今後の取り組みに使うための原資になるんじゃないかなというふうに思っております。

それから翌十日に二日目の理事会がございました。この理事会の冒頭で、実は「ひろしま」という映画を15分ほど上映いたしましたところ、出席の皆さんから非常に高い評価を得たというふうに実感いたしました。この映画そのものは、1953年に制作されたものでありまして、阿鼻叫喚の原爆被災現場を克明に描いた映画でありまして、非常に心を打つようなものであります。今後実相を伝えるときの一つの重要なツールになればいいなというふうなことを思いました。

その後、議論を経て、資料を添付しておりますけれども、決議文とコミュニケということを採択できるようになったということでございます。

その後、都市自治体連合というUCLGの事務総長と面会いたしました。これは世界の自治都市のキャパシティ、その能力を高めるための連合体ということで、自治都市全体のいろんな連絡をしっかりやっている組織でありまして、国際的に認知された機関でありますので、5,000を超える加盟都市になり、10億人を擁する我々(平和)市長会議として、この会議、連合体に認知してもらって、今後とも連携を深めるということで表敬訪問させていただきました。

その後、グラノラーズ市はカタロニアという自治州の中の一都市でありますので、そこの自治州の首相とも面談させていただきまして、広島の思いというのを伝え、そうすると偶然ですけども、カタロニア州というのは日本の企業を多く受け入れていて、ここの首相も結構日本企業を訪れるために、日本に来ているというようなことがありましたので、「その機会にはぜひ広島に来て実相を実感してください」というようなことを申し上げましたら、快くお受けいただいたということがございました。

翌11日は、ジュネーブの方に移りまして、赤十字国際委員会、ICRCの総裁、ヤコブ・ケレンバーガー総裁とお会いいたしました。会ったきっかけは、2010年の4月に、この総裁が、ここにありますように核兵器の使用というのが国際人道法に適合する状況を想像するのは難しいっていうことを発言されているので、思いを十分共有できるということと、その赤十字活動というものが、いろんな意味で災害を受けた方々、市民を救済するというしっかりした組織、国際的に認知された大きな組織であると(いうこと)で我々の平和市長会議が、いわばそういったものを未然に防ぐ役割、そういったものをやめましょうという組織ですから、一脈通じるものがあるんじゃないですかということを総裁にお話して、今後の我々の運動展開に、ご支援いただくようにとお話しました。バーガーさんは、私が言ったように、確かに皆が広島、長崎を訪れるというような話とともに、これから一緒に連携するに当たっては、地方組織から、地方でいろんな、我々がいろいろな活動をするときに連携を取っていくというやり方で十分連携が深められていくんじゃないかということを言われました。

それからその後は、ジュネーブの安全保障政策センターというところにも参りまして、ここのセンター長と会いました。ここではフレッド・タナーさんという方でございましたが、これは、その日の夕刻開く展示会のいわゆるオープンセレモニーというか記念集会をここでやっていただいているという関係もあり、ここのセンター長とお会いして、話を進めましたところ、この安全保障政策センターというのは、各国の外交官、取り分け安全保障政策に関与する外交官などをトレーニングするセンターにもなっているということでありましたので、そのトレーニングの際には、広島の思いといいますか、こういうものをしっかり頭に入れていただいて、外交官が、安全保障政策を作り上げるときの一助にしていただきたいというようなことを申し上げましたところ、賛同を得て、そういったことを実現するべく、しっかり連携したい、してもいいよというようなことをお話しいただいたという結果がありました。

そして、(展示開設)記念集会で私も発言をさせていただきまして、ここでは今までの思いをここでご披露いたしました。それとたまたまですけれど、ここにマルセル・ジュノーさんの息子さんが来ておられまして、医師会の方のお招きで(広島に)来られた方と再会いたしまして、また旧交を温めたという場面もございました。

その後、軍縮会議日本政府代表の天野さんのところにも訪れまして、一連の動きをご説明するとともに、この平和市長会議、いわば世界的な組織に認知していただく動きをしていますので、我々の動きをしっかりと認識していただいた上で、日本政府として軍縮会議に臨んでいただきたいというようなお話をして、趣旨はよく分かりましたというふうなことを言っていただいたという状況がありました。

その後、国連の欧州本部、パレ・デ・ナシオンに行きまして、そこの欧州本部長 カシムジョマルト・トカエフさんにお会いしまして、今までの一連の動きと今回(の展示)開催が実現したことについてお礼を申し上げました。この場合主に長崎の市長さんの方からお礼をということであり、私も一連の動きの方をしっかり説明したつもりであります。たまさか(たまたま)、このトカエフさんは、カザフスタンの出身の政治家でありまして、セミパラチンスクに関係するお話しをしたところ、共感を直ちに得られまして、この方が本部長であったということもあったりして、国連での展示がうまくいったという背景もあるんじゃないかということを、長崎の市長さんとお話しながら実感したところでありました。

そして常設展示の開会式とレセプションについては、ここにありますように、(私も)出席いたしまして、関係者100人近く集まっておられる中で、開会式を挙行いたしました。そんな中で、多くの方々から熱心にパネルを見ていただいたということでありますが、このパネルは常設でありまして、今後このパレ・デ・ナシオンの、見学コースにも入れていただくということで、世界各国多くの方からこれを見ていただくということができるようになりますので、それを見ていただき、本当に広島の、あるいは長崎の被爆の実相というものに思いを致した方々が直接また広島、長崎に来ていただけるようになればありがたいな、と思っているところであります。

まとめということで整理しておりますが、今回、一連のこういった動きは、正に平和市長会議というものを、これだけの組織、5,000を超え10億人の人々を擁する組織となっておりますので、広島市としては本当に、(被爆の)実相を伝えるということが、この市の使命ということを前提としながら、こういういろんな国際機関、団体を通じて、その思いを受け止めて、それぞれの使命にのっとったさまざまな活動をしていただく中で、核兵器廃絶あるいは恒久平和実現に向けた動きが加速するように、その原動力であり続けたいと思っているところであります。

なお、映画「ひろしま」、これ、見て、これすごく何て言うんですかね、どきっとするというか共感を、実相を実感できる映画でありますけれども、長崎の市長さんなんかは、こういう映画の話をした後、その場におられる方々に、実相っていうのはこんなもんじゃないんですよと。現場では、映画では感じない臭いなんかもありますよと。臭いなんていうのは、ある意味死臭漂う中で皆さんが本当にもがき苦しんだと。この状況を二度と起こすことがないようにというようなコメントを加えられていました。正に私もそのとおりだと思っておりまして、これは希望があれば、今後この映画を見ていただけるような手配をしていけたらなと思っております。

あと常設展示場につきましては今申し上げましたように、ニューヨークの国連本部に続いての欧州本部であります。この展示が、本当に国際的な機運醸成、すなわち核兵器廃絶ということに向けて、いろんな機運醸成するための一助になればありがたいと(思っています)。取り分け、このパレ・デ・ナシオンについては、各国政府の代表とか軍縮担当者なども、容易に訪れられる場所でありますから、そこでしっかりこれを見ていただくということができれば効果が上がっていくんじゃないかなと思っています。以上帰国の報告にさせていただきます。

記者 このヨーロッパ訪問全体を通して、松井市長のご感想を伺いたいと思います。

市長 全体ですか。

記者 はい。初めての外遊となったというふうに思うのですが。

市長 もちろんそうです。初めての市長で初めての、まあ初めて尽くしですけれども、平和市長会議のですね、私自身、皆さんに説明するときには、まず、そのメンバーをですね、5,000を超える都市が加盟している会議ですよと。そしてその後ろには10億人を超える方々を擁する組織になっておりますと。その組織が、核(兵器)廃絶と恒久平和を願っているというようなことを申しましたならば、その受け手の方々が、本当にうなずくといいますかね、納得していただけるという状況を実感いたしました。

で、この、その思いというのは、私はお会いしたそれぞれのその使命を持った、しっかりした組織のトップの方々、そういう方々に訴えることで、それぞれの組織の活動の中に、この思いを取り込んでいただいて、それぞれの動きの中で、こういった思いを共感しながら、方向性をしっかり見定めて、いわば核(兵器)廃絶あるいは恒久平和に向けての動きを少しでもやっていただけると。その手応えがあったように思ってまして、可能な限り、さらにまたこの組織、加盟都市を増やしながら、ぜひそれを背に受けて、いろんな関係機関との連携を深めると。そして我々の思いを伝えて、それを受け止めていただいて、それぞれの組織の本務を遂行する中で、この思いの実現に向けての対応をより加速していただけるとありがたいなというふうに思いました。そんなところであります。

記者 今回の訪問の、松井市長ご自身の成果というか、どういうふうに考えておられますか。

市長 成果ですか。平和市長会議について、主要な国際機関、そういったところでの認知度が高まったということですかね。と受け止めています。高まったんじゃないかというふうに。というのは、具体的に今後いろんな協力をお願いしますという申し出もいたしましたところ、それぞれのところで、地方と言いますか、地域ごとの連携をしていきたいという申し出については快くどこの方々も受けていただいたというふうに思っております。と申しますのは、5,000加盟しているといいますけれども、地域ごとに取り組み方がまだまだばらばらでしてね、必ずしも組織だった対応ということになっていませんので、取り組みをしっかりしているところについては、我が平和市長会議のメンバーとして、こう動いている都市がその国際機関の支部とかそういうところに働き掛けて、より強い連携をしながら活動を強化するというようなことをやるという説明をいたしましたところ、それぞれの地域ごとでの取り組みについての協力は、私の受け止めとすれば、それぞれやぶさかではないといいますかね、大いにいいことだというふうな反応を得たという意味で認知度が高まり、これからいよいよグローバル、地球規模でさまざまな活動ができる足掛かりができたんじゃないかなというふうに思います。

記者 今回の会議では、理事会の中では、加盟都市への負担金のお話が課題にあったと思うんですけれども、具体的にどういった案を提示をして、どういった反応があったか。再来年のその総会に向けて、どういった対応をしていくかと、いった辺りについて、お聞かせください。

市長 経費負担につきましては、単に話すだけではということなんで、具体的な現在掛っている費用などをお示しし、もしその費用負担をお願いするとということで、自分としては例示のつもりで、国連方式と言いますかね、それぞれの国のGDPとかといったことを目安に費用負担する方法がありますよということで、それとすればどれくらいお金が掛かりますよと。さらにはその理事都市メンバーといいますかね、そこだけで持つようにするというやり方もありますよと。それもいわゆるウエイト付けをしてということで、複数案提示いたしまして、それを背景にしながら本市は今後ここまでしっかりした組織になった、あるいはなりつつあるこの我々の(平和市長)会議が、地球規模で平和に向けてのいろんな取り組みをするときには、もう少し、要はその場で言葉で申し上げたのは今まで、いわゆるゲマインシャフト(共同体)的な組織だったのを、言わばゲゼルシャフト(機能体)的な、組織にこう変質すると。

そうしながら、地域における活動というのは多様なものを許すと。そんなイメージでやりながら、しっかりしたものをするためには、何といっても、その財政基盤というもの、これはしっかりしたものがいるんじゃないでしょうかと。それで、こういうことをお示ししましたという趣旨の話をしたところ、その考え方についてはおおむねご承認をいただけました。ただその具体的な負担については、それぞれの国の事情もあろうしというようなことで、来年のNPTの再検討会議(準備委員会)で、また集まる。そこでもう一遍しっかりした議論をするということにして、総会に諮る原案を固めようというふうなところまで、ご議論いただいて、そうすると、放っておいて来年というわけにはいかんから、じゃあすぐにでもどうしましょうというふうに申し上げましたら、ハノーバーの方から、事務局だけでもすぐに集まって、そのたたき台を作ろうじゃないかと。というようなことになりましたので、具体的な提示をするということで、成案作りに向けての動きが始まったというふうに受け止めました。

記者 総会では、やはり、そのために合意を得ていきたいと。

市長 平和市長会議での最高の意思決定機関は総会でありますから、そこで全体了解を得ると。その全体了解を得られるような案作りを理事都市メンバーを中心として常に代表の方々に練っていただくと。ということですね。ですから、皆の合意を得ながら、案を作るということが、たぶん、手続き的には手間と思われるかもしれませんが、皆さんの合意を得るための、言わばデュープロセス(適正手続き)ではないかなと思っております。

記者 市長の内面的なことに対する質問になるかもしれないですけれども。今回の外遊の平和に関することで初めて海外訪問ということになったと思うんですけど。常々広島市長の責任や重みというのを感じられていると思うんですけれども。国際的な場面にデビューされたことで、今回市長の中で実感されて感じられて、変化とかそういったことはあるんでしょうか?

市長 そうですね。それぞれの組織のトップの方と話すときに、自分の自己紹介をしながら、相手の方の顔を見ながらしたんです。結局のところ、この平和市長会議の、いわゆる主催者的な立場でお会いしているとときの最初の反応というか、話し込んでいてね、広島というまちを代表して広島の市民が原爆投下ということで悲惨な思いをして、私から言うと理屈抜きでね、(原爆は)本当に嫌だという、そういうものが世の中にあっちゃいけないという気持ちを呈して皆さんにお願いしているという、そういう言い方をずっとしてきたんですけれど、その言い方に皆さん、本当にうなずいていただけました。共感していただいたと思うんですね。だから自分の、平和を目指して被爆の実相を伝えて、その思いを伝えた中で、相手の方に原爆というものがあっちゃならん、それだから国際恒久平和を願うんだという、極めてシンプルといいますかね、そういう訴えというのが、やっぱり各国共通だなと思ったわけです。ですから、直接皆さんに話し掛けして、やめようじゃありませんか、ということをどれだけ多くの方に言えるかということが、平和実現に向けての手堅いやり方じゃないかなというのを改めて思ったわけであります。

その他の質問

子どもに対する手当制度について

記者 来年度から支給される、子ども手当に代わる拡充児童手当の話なんですけれども。先日市長もおられた厚生労働省の大臣が、地方負担を拡大すべきだという話をされてたと思うんですけれども、それに対しての受け止めをお願いしたいと思うんですけれども。

市長 手当ですね、新しい。私自身も、提案そのものをよく見させていただいて。提案する気持ちは分からなくはないんですけれども。二つの面からどうかなという気がします。まず一つは手続きの面から、ある意味では疑問なんですけども、厚労省の方から地方に対して案が提示されたんですね。

何でこういう提示があるんかなということで、ちょっと調べました。平成23年度における子ども手当の支給等に関する特別措置法という法律がありまして。この附則で、その規定がありましてね。平成24年度以降の恒久的な子どものための金銭給付の制度については、法制上の措置を講ずる際に国と地方の協議の場において、地方と十分な協議をして理解を得るようにという趣旨の規定があるんですね。

その規定がありますからね、普通さっと読むと、具体的なこういう国からの案を提示するときにね、事前に調整してね、ある程度意見聞いて出すと思うじゃないですか。そういう面から見ると実はそういう調整はしていないんですよ。いきなりポンと出されたというふうに感じますよね。たぶん厚労省のことですからこの条文を違反してやってるというふうには言わないんじゃないかと思うんですけれど。ただざっと読む限りですよ、法的な、法制上の措置を講ずる際に協議の場でやれとこうあるのに、事前に話しかけなくこうポっと出てくるって言うのはいかにも唐突の感じがしましてね。ちょっとこう手続き的にどうかなっていうのがまずあります。もっと用意周到というか、十分やってやれなかったのかなと。それが一つ。

それから中身ですね。負担案の内容ですけどもね、自分も中央にいて感じたんですけれど。地方分権というのをいろんな面で進めておりまして、国がダイレクトにいろんな規制をするとか、いろんなやり方を統一的に示すというのは、地方自治の精神に反するということで。相当、ここ十年以上掛けてトレーニングして調整してきたはずなんですね。それが今回の案は、それにしちゃすごく乱暴だと。

それは年少扶養控除の見直しということで控除しないということですから。そうすると地方が控除することで税収が減っていたのが、逆にボンと地方の税収として増えるという事態が出ますよね。そうすると、地方で増えた税収っていうのは、地方の自治ということになると、税収財源を地方の実情において地方の工夫でどういう政策に当てるかというのを、それをやれる自由度を増やすためにやってきたはずなんですね。自由度を増やすので上げますよと言っておいて、外から見て、増えたからこっちの方に回してくれないというような主張に読めるわけですよね。

そうすると、今まで地方自治をやっていくということで、大きな流れでトレーニングしながらやってきてたあの考えはどこに行っちゃったんだろうというのがありましてね。これも内容として乱暴だしね。実際こっちに来ていろんな立場で見ると、正にそのことを何回も繰り返し言っているんですよね。つまり指定都市の市長会でも言ってますし、全国市長会でも言っているし、地方の6団体でも言ってまして。その一員として、この市も国に対して、地方自治の精神を侵すことのないようにという主張をずっと今までしてますし、要請も繰り返している。それにもかかわらず、今言っている乱暴な提示になっているということでありますので、そういう意味では、あえて言えば、強い憤りを感じざるを得ないということかなと思っています。

記者 そのことに対して何か働き掛けをされる可能性というのはありますか。

市長 すでに指定都市会議で緊急要請なんかしてますよ。それはもちろん、私も連絡を受けて了解というか、お願いしますということをやっていますんで。手続き的には、きちっと対応しているということであります。

記者 関連してなんですが、年少扶養控除を廃止して、地方の一般財源にした場合に地方税が減ってしまう場合が考えられるんですけれども、それについての感想を…

市長 地方税が減る?

記者 地方交付税ですね。一般財源が増えてしまいますので、地方交付税の義務的経費が。

市長 算定基準みたいにですか。

記者 はい。

市長 それはまたその、総務省の方で国全体の税収の観点から基礎的な費用がどうなるか、今までのルールの中できちっとやっていただいて、それで減るのであれば、それ自身は何とも言えません。手続き違反ということではないと思うんですね。

議員定数・議員報酬の削減について

記者 行財政改革についてお伺いしたいのですが、市長が公約で訴えていたいらっしゃった中に議員定数・議員報酬の削減というのがあって、これは所信表明のときに議会の判断ですね、そういう動きもあるのならお任せしたいということだったですけれども、市長が外遊に出られる前の11月2日に、月1回議会改革推進会議というのがあるんですけれども、初めてその議員報酬などについての話し合いがされて、各会派が意見を出したんですけれども、その中で報酬削減についてどちらかといえば消極的な会派が多くて、議論の中では中には上げてもらいたいというふうに発言される議員さんもいらっしゃったんですけれども、それについては市長はどう受け止めていらっしゃいますか。

市長 さまざまな意見があるな、ということでいいんじゃないでしょうか。でもあの、私も言いましたように、今の市の財政状況、市民の状況から見て、行政を進めていく上で、市当局それから議会もどのようにすべきか、というのはおのずと考えが出てくるはずですよ。さまざまな意見があったとしてもですよ、まだ途中ですから、みんな良識はあるんじゃないでしょうか。それは気持ちとかいろんなありましょうよ。だけどそれを乗り越えて、言ってますように、本当に市政を推進する上でどういうふうに率先垂範してやるか、というのを最終的には示していただけるのではないでしょうか。自分らもやりますよ。時間は掛かりますけど、やりますよ。

記者 財政状況の中でおのずと出てくる、というのは…やはりこう…削減していくという方向になるんでしょうか。

市長 決してね、だからと言って増える方向ではないんじゃないでしょうか。取りあえずその、人勧の扱いの問題が出てますでしょう。それを受けた市の職員の給与の問題がもうじき出てまいりますよ。そのときにあれ締めて増やすという方向ではいかないでしょう。ですからそれもまず一つですよね。そういう状況を見ていただきながら、いろんな思いはあろうけれども、やはり議会としてもそういうのを受け止めて多分議論していただけるはずですしね。みなさん良識あると思いますよ。

記者 良識ある判断が出てくるだろうと。

市長 期待しますし、皆さんが選んだ方々だから大丈夫ですよ。

人事委員会勧告について

記者 関連してですが、先ほど言われましたが人事委員会の勧告が出て、それを受けて考えると以前から市長言われてましたけど職員給与ですね…。

市長 それは自分の給与もね、ありますからね。しかもその皆さんの了解を得るときにやっぱり国の動きなどもね、よく見て、どういうふうになるかを前提にしながら、皆さんの生活に関わっているわけですから、やっぱり。納得していただくということをどうしていくかというのは重要だと思うんですね。ただその方向が、納得するっていうのが、皆が考えるベクトルと違う方向に行くことはないし、それは中にはもっと増やしてほしいとかね、いう気持ちもあろうかと思いますが、でも多くの方々のね、了解を得られるものというのはどういうもんだろうかということを、やっぱりちゃんと受け止めてもらえれば私は大丈夫だと思ってるんですけれどもね。

事務・事業の見直しについて

記者 来週市議会の常任委員会がありますが、6委員会それぞれ事務・事業の見直しについての中間報告というのがあるんですけれども。競輪の話であるとか、そういった部分がピックアップされているんですけれども、どうでしょう、いわゆる外部の目からの事業見直しというものよりも、庁内でというスタイルに変えて中間報告、まあ来週なんですが、かなり大なたを振るうというか、市長のスタイルとして、どういうふうにこれまで進めているという感じでいらっしゃいますでしょうか。

市長 大なたというか、私自身は、一等始め事務・事業のね、外からの見直しを廃止すると申しましたけれども、我々がやらなくするんじゃなくてね、真剣にやるんだというふうに申し上げたつもりです。実践してますよ。ですから、職員の意識をね、まず高めるというのが一番の眼目かも分かりません。それは区役所等を通じて第一線の窓口で事務を遂行してますでしょ。そこでいろんな意見あるはずですよね。それを踏まえてまずどうそれを消化するかと。そしてそれを消化しながら今やっている政策との関係で、どう思うかということを問い正すんですね。

そしてそれをきちっと反映するときに、この事業の効果それから必要性ですね、訂正の必要性、あるんじゃないかという問い掛けをして、しっかり考えてもらうと。で外から見て、第三者という方々どういう方になるか分かりませんけれどもね、そういう方々の意見を聞くことも十分重要でありますが、まず自分が責任を持って行政を執行しているわけですから、その範囲で皆の声に応えるためにどういう問題があるかをね、点検しようと。

そして今回やった作業は、勉強するだけでは意味がないんであってね、まずは、24年度の予算編成に向けて、現時点でね、すぐにでも何ができるかっていうのを早く出してみろと。ということでやる中で、問題意識として出しました。それからもう一つは、当初申し上げたように対話をしていくということも重要視しておりますのでね、これで固め打ちしてやるっていうんじゃなくて、こういうことが考えられますよという、そういう問題意識で出してくれということで整理しました。そしてそれを議会に投げ掛けて、議会の方で一旦練ってもらってね、方向性を、こうだろうかと、あるいは方向性が、これじゃおかしいということを言われるかも分かりません。それを受けてもう一回、それを踏まえて、来年度の予算案に固めていくと、こういうことをやりたいと思います。ですから、自ら検証して対話しながらね、成案を得るということをようやく実践でき始めたというふうに思ってますけれどもね。

※  ( )は注釈を加えたものです。

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