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関係者へ審判書が送付(告知)
2週間以内は異議申立てが可能
審判確定後、家庭裁判所が東京法務局に登記手続きを行う
「登記事項証明書」を取り寄せ、成年後見人等の支援が開始
審理期間について
法定後見制度の申立てをしてから成年後見人等の支援が開始するまでの期間はだいたい1~3か月程度です。
ただし、利用する本人の状況や事前準備の状況に応じて期間に差がでます。
1月以内 | 48.9% |
---|---|
1月超え2月以内 | 26.2% |
2月超え3月以内 | 11.8% |
3月超え4月以内 | 6.4% |
4月超え5月以内 | 2.9% |
5月超え6月以内 | 1.5% |
6月超え | 2.3 |
最高裁判所「成年後見関係事件の概況」より(平成22年)
まず、本人の判断能力、日常生活の状態、経済的状態をできる範囲で把握し、整理をします。
次に、広島家庭裁判所に出向き、成年後見制度の手続きに関する説明を受けた後に、申立ての手引きと必要書類をもらいます。そして、これらの書類に必要事項を記入するとともに、必要な書類、資料を集めます。
医師に家庭裁判所が定める様式の診断書を書いてもらいます。
診断書とは
通常の診断書と同様に当事者が医師に依頼して作成してもらうものです。作成する医師の資格等に限定はありません。日常生活を知っているかかりつけ医がいる場合は、その医師から診断書をもらうとよいです。
診断書に記載される事項
申立てを行う際には、あらかじめ類型(成年後見、保佐、補助)を決めて申立てることになります。どの類型で申立てるかは、本人の状態や医師の診断書を参考にします。
何を目的に、どの類型で、どのような後見事務を期待するのか(特に保佐類型、補助類型の場合の代理権、同意権・取消権の範囲)整理しておきます。また、本人の意思や希望がある場合は十分に配慮することが必要です。
成年後見、保佐、補助類型の詳細については「1 成年後見制度の概要」でご確認ください。
本人の住所地(原則住民登録している場所)を管轄する家庭裁判所に申立てをします。
(施設に入所している場合や長期入院の場合は、その場所を住所地と判断して、管轄する家庭裁判所に申立てる場合もあります。)
申立てができる人は、本人、配偶者、四親等内の親族、検察官などです。
その他に、市町村長が申立てることもできます。(注釈「広島市成年後見制度利用支援事業」参照)
なお、これらの人が多忙であったり、ひとりで手続きをすることが不安な場合には、弁護士や司法書士に申立ての手続きをしてもらうこともできます。また、社会福祉士等に相談にのってもらうこともできます。その際には別途費用が必要となります。詳しくは相談先に問い合わせてください。
四親等内の親族とは、主に次の人です。
(3)四親等内の親族図表を参照
(注釈)広島市成年後見制度利用支援事業
身寄りのない高齢者又は障害者が判断能力が十分でないため財産管理ができない場合などに、成年後見人、保佐人、補助人の選任の申立てを市長が家庭裁判所に行います。
【対象となる人】
次の1~4のいずれにも該当する人です。
(注釈)各区役所厚生部健康長寿課又は保健福祉課にご相談ください。
市町村長が後見開始の審判を申立てた事例
本人の状況:知的障害 申立人:市長 成年後見人:司法書士
本人には重度の知的障害があり、現在は特別養護老人ホームに入所しています。本人は、長年障害年金を受け取ってきたことから多額の預貯金があり、その管理をする必要があります。本人にはすでに身寄りがなく、財産管理がむずかしいことから、市長が知的障害者福祉法の規定に基づき、後見開始の審判の申立てをしました。
家庭裁判所の審理の結果、本人について後見が開始され,司法書士が成年後見人に選任されました。
その結果、成年後見人が財産を管理し、本人にとって必要な様々なサービスを受けられるようになりました。
申立てを行うには、次のような各書類が必要です。
1 必ず必要なもの
〔1〕申立てに関する書類等
〔2〕申立人についての書類 (申立人が候補者と同じ場合は〔4〕の書類も必要です)
戸籍謄本
〔3〕本人(判断能力が十分でない人)についての書類等
〔4〕成年後見人等候補者についての書類
2 本人に該当する場合に必要なもの(財産・収支についての資料)
〔1〕不動産に関する資料
〔2〕預貯金に関する資料
〔3〕有価証券(株券・国債・手形など)に関する資料
〔4〕生命保険等に関する資料
保険証書の写し
〔5〕負債に関する資料
〔6〕収入内容を証明する資料
〔7〕支出内容を証明する資料
(注釈)必要書類の書式は、直接広島家庭裁判所本庁の受付窓口に取りに行き、そこで詳しい説明を受けるようにしてください。(所要時間約1時間)。
申立てにあたって次の手数料や費用がかかります。
これらの申立費用(各種書類の発行手数料など)や鑑定費用は、申立人の負担となっています。
必要な書類がそろったら…
家庭裁判所へ
必要書類等と印鑑を持参のうえ、家庭裁判所の受付窓口に行きます。
なお、窓口へ行く際、申立人だけでなく、成年後見人等候補者も一緒に行く方が望ましいです。
(注)広島家庭裁判所は申立ての受付が予約制となっています。
広島家庭裁判所
〒730-0012
広島市中区上八丁掘1-6
(電話)082-228-0563(後見係直通)
審判前の財産保全処分とは
審判前の財産保全処分とは、法定後見の申立てから審判までの間に、本人の財産管理が第三者に侵害されるおそれがある場合や、施設入所契約を緊急に締結するなどの場合に、審判が決定するまでの間、家庭裁判所が申立て又は職権によって財産の管理者を選任し本人を支援することです。
申立て後、家庭裁判所の調査官が、申立人、成年後見人等候補者、本人から事情を聞いたり、本人の親族に成年後見人等候補者についての意見を照会することがあります。また、必要に応じて、家事審判官(裁判官)が事情をたずねること(審問)もあります。
申立人や候補者はこんなことを聞かれます
成年後見人等として選任された場合、候補者は今後長い期間において本人を守る援助者となります。そこで、候補者に対しては、適任かどうかを慎重に判断するため、収入や資産、負債の有無、家族の状況などプライバシーに関することも確認します。
成年後見人等候補者とは
成年後見人等の候補者は、本人の親族でなくてもよいのですが、成年後見制度の内容や成年後見人等の職務や責任について理解がある人を候補者としてあげます。
家庭裁判所が成年後見人等にふさわしいかどうかを総合的に判断します。
鑑定とは、本人の判断能力がどの程度あるかを医学的に判定するための手続きです。
申立て時に提出する成年後見用診断書とは別に、家庭裁判所が医師に鑑定依頼をする形で行われます。鑑定は、「成年後見」及び「保佐」制度の開始の手続きとして必要です。(ただし、本人がいわゆる植物状態にあるような場合などは鑑定を行わない場合もあります。)
なお、「補助」の場合でも判定が困難な場合など、必要がある場合には、「鑑定」が求められ ることもあります。
鑑定料は、約5~10万円程度です。
鑑定書に記載される事項
5万円以下 | 66.9% |
---|---|
5万円越え10万円以下 | 31.9% |
10万円越え15万円以下 | 1.1% |
15万円越え20万円以下 | 0.1% |
最高裁判所「成年後見関係事件の概況」より(平成22年)
成年後見等の類型、成年後見人等の選任と仕事の内容・支援の範囲が決定されます。
家庭裁判所での審判がおりると、審判書謄本(注釈)が関係者(成年後見人等及び本人)に郵送で送達されます。これを告知といいます。場合によっては、成年後見人等の監督人が選任されます。
(注釈)「これは謄本である。」という裁判所書記官の認証が入っている文書です。
審判に不服のある人は、不服申立て(即時抗告)を行うことができます。ただし、成年後見・保佐・補助の開始決定についてのみ不服申立てができるもので、誰を成年後見人等に選任するかという家庭裁判所の判断については不服申立てができません。
審判書謄本の送達後、2週間を経過しても即時抗告がなければ、その時点で審判が確定することになります。
審判が確定すると、本人と成年後見人等に審判結果を通知し、それと同時に審判の内容が東京法務局に送られ、登記されます。
登記された後、法務局に申請をすれば「登記事項証明書」が発行されます。成年後見人等はそれを提示することで第三者に自らの法的権限の範囲や内容を証明できるようになり、実務上はこれをもって成年後見人等の活動を開始することができるようになります。
ケースによって異なりますが、申立てから成年後見人等が決まるまでの期間は1~3か月です。
審理を早めるために…
(注釈)親族の範囲:六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族(民法725条)
電話: 082-504-2145
Fax: 082-504-2136
メール: korei@city.hiroshima.jp
電話: 082-504-2148
Fax: 082-504-2256
メール: jiritsu@city.hiroshima.jp
電話: 082-504-2228
Fax: 082-504-2256
メール: seishin@city.hiroshima.jp