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ページ番号:0000006131更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

1 成年後見制度の概要

(1)成年後見制度について

成年後見制度は、認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力が十分でない人が財産管理や日常生活等での契約を行うときに、判断がむずかしく不利益をこうむったり悪質商法の被害者となることを防ぎ、権利と財産を守り、支援する制度です。

成年後見制度の利用者本人とその支援者の関連性を表した図

大きく分けると「法定後見制度」と「任意後見制度」の2つがあります。

法定後見制度

既に判断能力が十分でない人を保護・支援する制度です。利用するためには、家庭裁判所に審判の申立てをします。
本人の判断能力に応じて「成年後見」「保佐」「補助」の3つがあります。

任意後見制度

現在、判断能力がある人が、将来、判断能力が低下した場合に備えて、「誰に」、「どのような支援をしてもらうか」をあらかじめ契約により決めておく制度です。

(2)法定後見制度について

法定後見制度は、判断能力が十分でない人を法律的に保護し、支援する制度です。
判断能力が十分でない人は、不動産や預貯金などの財産を管理したり、医療や介護の契約を結んだり、遺産分割の協議をしたりする必要があっても、自分でこれらのことをするのがむずかしい場合があります。また、自分に不利益な契約であってもよく判断ができずに契約を結んでしまい、悪質商法の被害にあうおそれもあります。このような人のために家庭裁判所が援助者を選び、本人を保護し支援を行います。
法定後見制度には、判断能力の程度に応じて「成年後見」「保佐」「補助」の3つがあります。
対象となるのは次のような人です。

「成年後見」「保佐」「補助」の対象者
成年後見 保佐 補助

通常は判断能力がないために、自分だけで物事を決定することがむずかしく、買い物に行ってもつり銭の計算ができず、必ず誰かに代わってもらうなどの援助が必要である程度の人です。

精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者(民法7 条)

日常の買い物くらいは自分で判断してできますが、車を購入する、不動産を売却するなどの重要な財産行為は、自分では適切に判断することができないために、常に誰かの援助が必要である程度の人です。

精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分な者(民法11 条)

判断能力が十分でないながらも自分で契約等ができるかもしれないが、不安な部分が多く誰かの支えが必要であったり、代わりにしてもらった方がよい程度の人です。

精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な者(民法15条1項)

法定後見制度利用の流れの概要図

成年後見人等には次の権限が与えられます。

代理権

本人に代わって、契約などの法律行為を行う権限です。

★補助人には本人のための法律行為の代理権は自動的には与えられず、申立てをして家庭裁判所が認めてはじめて代理行為を行うことができます。
次の同意権・取消権も同様です。

本人以外のものが、補助人に代理権を付与する申立てをする場合には、本人の同意が必要です。
次の同意権・取消権も同様です。

同意権

補助人には、申立ての範囲内で家庭裁判所が定める「特定の法律行為」(重要な財産行為(注釈)の一部)について同意権が与えられ、本人がその法律行為を行うには、「補助人の同意」が必要となります。
例:○○万円以上の高額な買い物をする場合、補助人の許可を得なければなりません。

同意権

本人が契約などの法律行為を行う際に、成年後見人等がその内容が本人に不利益でないか検討して、問題がない場合に同意する権限です。

取消権

本人が成年後見人等の同意がないまま契約などの法律行為を行った場合に、成年後見人等がその行為を無効なものとして、原状に戻す権限です。

〔1〕成年後見とは

「成年後見」は、判断能力が常に欠けている状態の人を保護・支援するための制度です。
このような人のため、家庭裁判所に「成年後見人」をつけてもらい、法律によって包括的に支え、本人に代わって必要な法律行為を行ってもらいます。
成年後見人は幅広い権限を持つため、本人の財産をきちんと管理するとともに、本人に必要なサービスの利用契約を行うなど、本人の生活や健康に配慮し安心した生活がおくれるよう支援しなければなりません。
また、成年後見が開始されると本人は選挙権を失います。

成年後見人はどのようなことをするのか?

代理権

成年後見人は、本人が行う法律行為について全面的な代理権を有しています。
例:本人に代わって遺産分割の手続きを行います。

取消権

成年後見人には、本人が行った法律行為について取消権が与えられます。
例:訪問販売などで必要のないものを買ってしまった場合、後から取り消すことができます。
ただし…
自己決定の尊重の観点から日用品の購入などの日常生活に関する行為は成年後見人の仕事からは除かれ本人ができることとなっています。

成年後見を利用した事例

本人の状況:認知症 ・申立人:妻 ・成年後見人:申立人

本人(57 歳)は5年程前から物忘れがひどくなり、勤務先の直属の部下を見ても誰かわからなくなるなど、次第に社会生活を送ることができなくなりました。日常生活においても、家族の判別がつかなくなり、その症状は重くなる一方で回復の見込みはなく、2年前から入院しています。
ある日、本人の弟が突然事故死し、本人が弟の財産を相続することになりました。弟には負債しか残されておらず、困った本人の妻が相続放棄のために、後見開始の審判を申立てました。
家庭裁判所の審理を経て、本人について後見が開始され、夫の財産管理や身上監護をこれまで事実上担ってきた妻が成年後見人に選任され、妻は相続放棄の手続きをしました。

〔2〕保佐とは

「保佐」は、判断能力が著しく不十分な人を保護・支援するための制度です。
このような人のために、家庭裁判所に「保佐人」をつけてもらい、本人が重要な財産行為(民法13条1項所定の行為)(注釈)をすることに同意したり、本人が保佐人の同意を得ないでしてしまった行為を取り消したりすることで、本人が日常生活に困らないよう配慮します。また、本人の代わりに法律行為を代理することもできます。
このように、保佐人は、本人の考えを尊重し、その心身の状態及び生活の状況などをよく考えて、代理権や同意権・取消権を適切に使うことにより、本人を援助します。

保佐人はどのようなことをするのか?

代理権

保佐人には、申立ての範囲内で家庭裁判所が定める「特定の法律行為」について代理権が与えられます。しかし、全面的な代理権付与はできません。
例:本人に代わって、本人の土地や建物の売却又は購入を行います。

★保佐人には本人のための法律行為の代理権は自動的には与えられず、申立てをして家庭裁判所が認めてはじめて代理行為を行うことができます。
本人以外のものが、保佐人に代理権を付与する申立てをする場合には、本人の同意が必要です。

同意権

保佐人には、重要な財産行為(注釈)について同意権が与えられ、本人がその財産行為を行うには、「保佐人の同意」が必要となります。さらに、家庭裁判所へ同意権の追加付与を求めること(重要な財産行為以外の行為についても同意権を与えること)もできます。
例:家の改築・増築などを行う場合に、保佐人の許可を得なければなりません。

取消権

本人が、あらかじめ保佐人の同意を得ないで、同意権の範囲内の行為をした場合、この法律行為を取り消すことができます。
例:保佐人の許可なく高額な商品の購入契約を行った場合、後から取り消すことができます。
ただし・・・
自己決定の尊重の観点から日用品の購入などの日常生活に関する行為は保佐人の仕事からは除かれ本人ができることとなっています。

(注釈)重要な財産行為
保佐人はどのようなことをするのか?の画像(民法第13 条1項所定の行為)

  1. 元本を領収すること、これを利用すること
  2. 借金すること、保証すること
  3. 不動産その他の重要な財産に関する権利を得ることや失うこと
  4. 原告として訴訟行為をすること
  5. 贈与をすること、和解すること、仲裁契約をすること
  6. 相続を承認すること、相続を放棄すること、遺産分割をすること
  7. 贈与を断ること、遺贈を断ること、負担付贈与を受けること、負担付遺贈を受けること
  8. 新築、改築、増築、大修繕をすること
  9. 土地について5年以上の賃貸借をすること、建物について3年以上の賃貸借をすること

保佐を利用した事例

本人の状況:中程度の認知症の症状 ・申立人:長男 ・保佐人:申立人

本人は1年前に夫を亡くしてからひとり暮らしをしていました。以前から物忘れが見られましたが、最近症状が進み、買物の際に1万円札を出したか5千円札を出したか、わからなくなることが多くなり、日常生活に支障が出てきたため、長男家族と同居することになりました。隣県に住む長男は、本人が住んでいた自宅が老朽化しているため、この際自宅の土地、建物を売りたいと考えて、保佐開始の審判の申立てをし、併せて土地、建物を売却することについて代理権付与の審判の申立てをしました。
家庭裁判所の審理を経て、本人について保佐が開始され、長男が保佐人に選任されました。長男は、家庭裁判所から居住用不動産の処分についての許可の審判を受け、本人の自宅を売却する手続きを進めました。

〔3〕補助とは

「補助」は、判断能力が十分でない人を保護・支援するための制度です。
このような人のために、家庭裁判所に「補助人」をつけてもらい、本人が必要とする一定のことがらについて、同意したり、取り消したり、代理することを通じて、本人が日常生活に困らないように配慮します。
このように、補助人は、本人の考えを尊重し、その心身の状態及び生活の状況などをよく考えて、代理権や同意権・取消権を適切に使うことにより、本人を援助します。
また、本人以外が補助開始の審判を申立てる場合には、本人の同意が必要です。

補助人はどのようなことをするのか?

代理権

補助人には、申立ての範囲内で家庭裁判所が定める「特定の法律行為」について代理権が与えられます。しかし、全面的な代理権付与はできません。
例:本人に代わって、施設や入院の際の契約を行います。

取消権

本人が、あらかじめ補助人の同意を得ないで、同意権の範囲内の行為をした場合、この法律行為を取り消すことができます。
例:補助人の許可なく○○万円以上の高額な商品を購入した場合、後から取り消すことができます。
ただし…
自己決定の尊重の観点から日用品の購入などの日常生活に関する行為は補助人の仕事からは除かれ本人ができることとなっています。

(注釈)重要な財産行為
補助人はどのようなことをするのか?の画像(民法第13 条1項所定の行為)

  1. 元本を領収すること、これを利用すること
  2. 借金すること、保証すること
  3. 不動産その他の重要な財産に関する権利を得ることや失うこと
  4. 原告として訴訟行為をすること
  5. 贈与をすること、和解すること、仲裁契約をすること
  6. 相続を承認すること、相続を放棄すること、遺産分割をすること
  7. 贈与を断ること、遺贈を断ること、負担付贈与を受けること、負担付遺贈を受けること
  8. 新築、改築、増築、大修繕をすること
  9. 土地について5年以上の賃貸借をすること、建物について3年以上の賃貸借をすること

補助を利用した事例

本人の状況:軽度の認知症の症状 ・申立人:長男 ・補助人:申立人

本人は、最近、米を研がずに炊いてしまうなど、家事の失敗がみられるようになり、また、長男が日中仕事で留守の間に、訪問販売員から必要のない高額の呉服を何枚も購入してしまいました。困った長男が家庭裁判所に補助開始の審判の申立てをし、併せて本人が10万円以上の商品を購入することについて同意権付与の審判の申立てをしました。
家庭裁判所の審理を経て、本人について補助が開始され、長男が補助人に選任されて同意権が与えられました。その結果、本人が長男に断りなく10万円以上の商品を購入してしまった場合には、長男がその契約を取り消すことができるようになりました。

(3)成年後見制度一覧

成年後見制度一覧
区分 法定後見制度(判断能力が十分でない人) 任意後見制度
( 判断能力がある人)
法定後見の種類 成年後見 保佐 補助  
要件 対象者 精神上の障害(認知症、知的障害、精神障害等)により、判断能力が常に欠けている状態の者 精神上の障害(認知症、知的障害、精神障害等)により、判断能力が著しく不十分な者 精神上の障害(認知症、知的障害、精神障害等)により、判断能力が不十分な者  
医師による鑑定 必要(省略する場合あり) 必要 原則として不要  
開始の手続き 申立権者 本人、配偶者、四親等内の親族、検察官、その他 本人、配偶者等
任意後見受任者、任意後見人、任意後見監督人 任意後見受任者
市町村長  
本人の同意 不要 不要 必要  
支援者等 本人 成年被後見人 被保佐人 被補助人  
保護者 成年後見人 保佐人 補助人 任意後見人
監督人 成年後見監督人
(必要な場合)
保佐監督人
(必要な場合)
補助監督人
(必要な場合)
任意後見監督人
(必ず選任)
制度の概要
  • 成年後見人が行う法律行為について代理権を付与。
  • 成年被後見人が行う法律行為について取消し可。
  • 特定の法律行為について代理権を付与。
  • 重要な財産行為について同意権・取消権を付与。
  • 特定の法律行為について代理権を付与。
  • 特定の法律行為について同意権・取消権を付与。
  • 任意後見契約が登記されていることを前提に、任意後見監督人を選任し、必要があれば報告を求める。
  • 任意後見契約は、公正証書で行う。
代理権について
  • 全面的な代理権を付与。
  • 居住用不動産の処分(売却、賃貸、担保権設定)は、家庭裁判所の許可が必要(保佐、補助も同じ)。
  • 全面的な代理権付与は不可。
  • 特定の法律行為について申立ての範囲内で代理権を付与。
  • 本人の同意が必要。
  • 全面的な代理権付与は不可。
  • 特定の法律行為について申立ての範囲内で代理権を付与。
  • 本人の同意が必要。

任意後見契約に定められた代理権を付与。

同意権・取消権について

日常生活に関する行為以外のすべての行為に付与(取消権のみ)。

(注釈)同意権は考えられない(法律行為の判断や行うことが困難な者が前提)。

本人の同意なくして民法第13条1項所定の重要な財産行為について一括して同意権・取消権 を付与。

  • 特定の法律行為について申立ての範囲で同意権・取消権を付与。
  • 本人の同意が必要。

同意権・取消権はない。

データからみる成年後見制度

申立て件数の推移(全国数値)

申立て件数の推移(全国数値)
  平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年
総数 32,125件 24.727件 26.459件 27,397件 30,079件
後見開始 28,887件 21,151件 22,532件 22,983件 24,905件
保佐開始 1,998件 2,235件 2,539件 2,837件 3,375件
補助開始 889件 916件 947件 1,043件 1,197件
任意後見監督人選任 351件 425件 441件 534件 602件

平成18年から22年の申立て件数の推移を集計した棒グラフ
最高裁判所「成年後見関係事件の概況」より(平成22年)

  • 平成22年の申立て件数は合計で30,079 件であり、近年増加傾向にあります。また、各類型においても同様に増加となっています。
  • 「保佐」、「補助」、「任意後見監督人選任」の申立てに比べて「後見」の申立てが圧倒的に多くなっています。

主な申立て動機(全国数値)

主な申立て動機(全国数値)
財産管理処分 26,883件
遺産分割協議 4,737件
訴訟手続等 1,315件
介護保険契約 3,637件
身上監護 10,403件
その他 3,008件

主な申立て動機とその件数を集計した円グラフ
最高裁判所「成年後見関係事件の概況」より(平成22年)

主な申立ての動機としては、財産管理処分が最も多く、次いで身上監護となっています。

主な申立て動機(全国数値)の画像

お問い合わせ

健康福祉局 高齢福祉部 高齢福祉課 福祉係

電話: 082-504-2145
Fax: 082-504-2136
メール: korei@city.hiroshima.jp

健康福祉局 障害福祉部 障害自立支援課

電話: 082-504-2148
Fax: 082-504-2256
メール: jiritsu@city.hiroshima.jp

健康福祉局 障害福祉部 精神保健福祉課

電話: 082-504-2228
Fax: 082-504-2256
メール: seishin@city.hiroshima.jp

関連情報

成年後見制度ハンドブック(成年後見制度の利用の方法等)