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米国による新たなタイプの核実験に対する抗議文(2014年11月4日)

ページ番号:0000009918 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

アメリカ合衆国

バラク・オバマ大統領閣下

駐日アメリカ合衆国大使館特命全権大使

キャロライン・ケネディ大使閣下

抗議文

貴国が、今年の9月と10月にニューメキシコ州の研究施設で新たなタイプの核実験を実施した。

 核爆発を伴わないとはいえ、新たなタイプの核実験の実施は、今後も核兵器を持ち続ける意志を表したものであり、断じて許すことはできない。こうした行為を続けることは、被爆者をはじめ核兵器廃絶を求める多くの人々の願いに背くとともに、他の核保有国や核保有願望国に核開発推進の口実を与え、オバマ大統領自身が2009年にプラハでの演説において目指すとした「核兵器のない世界」の実現を一層遠のかせるものである。被爆地ヒロシマを代表して厳重に抗議する。

 昨年6月のベルリンでの演説においても、核軍縮の決意を表明したオバマ大統領は、貴国自らを核軍縮の模範となるよう先導すべきであるにも拘わらず、核実験を繰り返していることに憤りの念を禁じえない。今後、実際に原爆を体験した被爆者の辛く悲しい体験や平和への思いを深く理解していただき、私たちの期待を裏切ることのないよう、一日も早い核兵器廃絶の実現に向けて努力されるよう強く求める。

2014年11月4日
広島市長 松井 一實