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アメリカの臨界前核実験表明に対する抗議文(1998年3月6日)

ページ番号:0000009466 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

アメリカ合衆国大統領
ウィリアム・ジェファ-ソン・クリントン 閣下

駐日アメリカ合衆国大使館
特命全権大使 ト-マス・S・フォ-リ- 閣下

抗議文

昨日、貴国政府エネルギ-省が、今月下旬ネバダ州の地下核実験場において、3回目の臨界前核実験を行うことを明らかにした。このことは、実験の中止を求める国際社会の声を無視したものであり、広島市民を代表して強く抗議する。

核爆発を伴わず、包括的核実験禁止条約(CTBT)の規制外と主張し、臨界前核実験を継続する貴国の姿勢は、核保有国に求められている誠実な核軍縮努力を放棄し、核兵器保有の固定化を進めるものであり、インドなどの不信感をかき立て、CTBTの発効を一層危うくさせるものである。

貴国は、元統合戦略軍司令官リ-・バトラ-将軍が発表した「世界の文民指導者による核兵器に関する声明」などにみられる、核兵器廃絶を求める国際世論に真摯に耳を傾け、臨界前核実験の計画を直ちに中止するべきである。そして、今日、核抑止力に頼る国家安全保障の考え方がもはや現実的ではなくなってきていることを理解し、自らの責務として核兵器廃絶に向けて積極的な取り組みを行ってもらいたい。

平成10年(1998年)3月6日

広島市長 平岡 敬