本文
駐日ソビエト連邦大使館 特命全権大使
ピョートル・アブラシモフ閣下
抗議文
ヒロシマは、いかなる理由があろうとも、核軍拡競争を激化させる核実験を許すことはできない。被爆四十周年を前にして、貴国と米国との包括軍縮交渉第二ラウンドにおいて、核軍縮への道が開かれるものと大きな期待を寄せているとき、貴国が核実験を強行したことは、誠に遺憾である。
被爆体験をもとに、核兵器の廃絶を訴え続ける広島市民を代表して、厳重に抗議する。
貴国は、人類の命運をにぎる核超大国としての責任を深く認識し、直ちに核実験を停止するとともに、米国との軍縮交渉において、人類生存への最優先課題である核兵器の廃絶の実現に向けて、最大の努力を傾けられるよう、強く求める。
1985年7月1日
広島市長 荒木 武