ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 核実験等への抗議文 > 核実験等への抗議文 > 2001年~2005年 > アメリカの小型核兵器の開発に関する抗議文(2003年4月21日)

本文

アメリカの小型核兵器の開発に関する抗議文(2003年4月21日)

ページ番号:0000009380 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

アメリカ合衆国大統領
ジョージ・W・ブッシュ 閣下

抗議文

貴国が、1993年以来禁じられてきた爆発力5キロトン以下の核兵器開発を始めるため、2004会計年度国防権限法案に、小型核の研究・開発を禁じた「ファース・スプラット条項」の廃止を盛り込むよう議会側に提案し、開発費用の計上を要請したとの報に接した。

貴国が、小型核兵器の開発を進める意思を明確にしたことは、核兵器の使用を現実的なものにすると危惧せざるを得ない。イラクへの軍事攻撃を強行し、無辜のイラク国民に多大な被害を与えたのみならず、核兵器の開発を進めようとする貴国のこうした態度は、世界の人々の平和を求める願いを踏みにじるものであり、被爆地ヒロシマの市長として激しい憤りを覚える。広島市民を代表し、厳重に抗議する。

また、国連で開催されるNPT再検討会議準備委員会を目前に控えた貴国の表明、さらに、地下核実験再開や新型小型核兵器の早期開発の必要性を言明するなど、核軍縮の流れに逆行する貴国の行動は極めて遺憾である。

貴国が、NPT再検討会議で採択された「核兵器の全面廃絶に対する核保有国の明確な約束」を誠実に履行する意志を持ち、明哲な判断を持って、一切の核実験を中止し、核兵器のない平和な21世紀の実現に向け全力を尽くすよう強く要請する。

2003年4月21日

広島市長 秋葉 忠利