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ページ番号:0000009360更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

アメリカの核兵器に関する姿勢に対する抗議文(2002年1月18日)

アメリカ合衆国大統領
ジョージ・W・ブッシュ 閣下
駐日アメリカ合衆国大使館
特命全権大使 ハワード・H・ベーカー 閣下

抗議文

貴国国防総省が、核戦略の指針となる報告書「核体制の見直し」の概要を発表したとの報に接した。報道によると、その内容は、核兵器に依存していた従来の国防戦略を修正し、現在配備されている核兵器を大幅に削減するとともに、高性能通常兵器やミサイル防衛を充実させ新たな脅威に対応する新体制を目指すとされている。

核兵器への依存度を下げ、核弾頭を削減すること自体は核軍縮の第一歩であると言えるが、削減する核弾頭は廃棄せずに実戦配備を外すだけとされており、将来的な再配備の余地を残すものであり、真の核軍縮とは言えない。削減にあたっては、条約など法的に拘束力のある文書締結により不可逆性を担保する形で行い、核弾頭そのものを廃棄すべきである。

また、地下核実験についても将来再開する可能性を残しており、さらに再開する場合の手続きの迅速化を求めているとされる。地下核実験は包括的核実験禁止条約(CTBT)で明確に禁止されたものであり、発効していないとはいえ、その条約に署名をした貴国がそれに違反する地下核実験を行う意思を示すことは国際信義にもとるものであり、言語道断である。国際社会における核軍縮プロセスに多大な悪影響を与え、核の拡散を招きかねないことを強く危惧する。

貴国は、ABM制限条約からの一方的な離脱や、昨年の国連総会での核兵器廃絶決議案への反対、CTBT発効促進会議への欠席など、国際社会における核軍縮努力に水を差す行為を度重ねており、強い憤りを覚える。被爆地広島市民を代表して厳重に抗議する。貴国は、核大国の責務としてNPT再検討会議で採択された「核兵器の全面廃絶に対する核保有国の明確な約束」を誠実に履行し、国際的な枠組みの中で真摯にこの問題に取り組むよう、強く要請する。

平成14年(2002年)1月18日

広島市長 秋葉 忠利