本文
アメリカ合衆国大統領
ウィリアム・ジェファーソン・クリントン 閣下
駐日アメリカ合衆国大使館
臨時代理大使 ラスト・M・デミング 閣下
抗議文
貴国政府エネルギ-省当局者が、9月中旬にネバダ州の核実験場でプルトニウムを使う第2回目の臨界前核実験を行うことを明らかにしたが、即時中止を求める国際世論を無視し、臨界前核実験を継続・強行する貴国の姿勢に強い憤りをもって抗議する。
貴国は、従来から臨界前核実験は核爆発を伴わないので包括的核実験禁止条約(CTBT)に抵触しないと強弁しているが、貴国のこのような姿勢はCTBTの発効を一層危うくさせ、新たな核開発競争を引き起こす可能性を持つものである。
貴国は、核保有国の責務として、国際社会における核軍縮の潮流を受け止め、核実験を即時に全面中止し、核兵器の廃絶に向けて積極的な取り組みを進めるよう強く求める。
平成9年(1997年)8月28日
広島市長 平岡 敬