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ロシアの新「軍事ドクトリン」に対する抗議文(2003年10月4日)

ページ番号:0000009345 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

ロシア連邦大統領
ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン 閣下

抗議文

貴国のイワノフ国防相が、核兵器の限定的使用の可能性を明記した「ロシア軍近代化ドクトリン」を発表し、貴殿に提出したとの報に接した。

米国や北朝鮮の核政策などにより、世界が新たな核の拡散や核兵器使用の危機に瀕している中、NPTを遵守する立場にある貴国が「力の支配」を強行に推し進める米国の核政策に追随し、核の使用を軍事ドクトリンにおいて明記したことは、NPT体制を崩壊させ、核の超拡散や使用という人類滅亡への道に踏み出すものであり、激しい憤りを覚える。被爆地ヒロシマを代表し、厳重に抗議する。

貴国は、北朝鮮の核開発の放棄を要求するとともに、自国の核管理において「G8グローバル・パートナーシップ」により国際社会から支援を受けようとしているにもかかわらず、自らは核兵器の使用を意図することは、国際社会に対する背任行為と言わざるを得ない。

貴国が、あらためて広島と長崎の記憶に思いを致し、新たな「暴力と報復の連鎖」を生み出すことのないよう、紛争や国際的問題の平和的解決に向け努力するとともに、核超大国として、核兵器のない平和な21世紀の実現に向け真摯に力を尽くすよう強く要請する。

2003年10月4日
広島市長 秋葉 忠利