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パキスタンの核実験に対する抗議文(1998年5月30日)

ページ番号:0000009315 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

パキスタン・イスラム共和国
首相 ムハンマド・ナワズ・シャリフ 閣下
駐日パキスタン・イスラム共和国大使館
臨時代理大使 ドゥ-レイ・シャ-ワ-ル・クレシ 閣下

抗議文

 貴国は、国際社会の自制を求める要請を振り切って実験を強行したことに対して、世界中から強い非難を受けたにもかかわらず、再度実験を強行した。このことは、核兵器のない世界の実現を求める人びとの願いを踏みにじる暴挙であり、強い怒りを覚える。広島市民を代表して重ねて厳重に抗議する。
 この度の実験は、日増しに緊張が高まっているインド、パキスタン両国の関係を一層悪化させ、国境地帯における紛争へと発展し、核兵器が使用される危険性を限りなく高めた。また、我々は、両国の核兵器開発競争が周辺諸国やその他の核疑惑国へと波及し、歯止めのない核軍拡競争へと発展することを強く危惧する。
 貴国は、核廃絶を求める国際世論を真剣に受け止め、核実験を即刻中止するべきである。そして、53年前の広島・長崎の被爆の体験から、ひとたび核兵器が使われれば、人類滅亡の道をたどりかねないことを深く理解して、核武装に自国の安全保障を委ねる政策を放棄し、南アジアの平和と安定に向けて信頼関係の回復に取り組むよう強く求める。

平成10年(1998年)5月30日

広島市長 平岡 敬