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アメリカの臨界前核実験に対する抗議文(1998年9月27日)

ページ番号:0000009313 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

アメリカの臨界前核実験強行に対する抗議文
アメリカ合衆国大統領
ウィリアム・ジェファ-ソン・クリントン 閣下
駐日アメリカ合衆国大使館
特命全権大使 ト-マス・S・フォ-リ- 閣下

抗議文

 本市や被爆者団体をはじめ、多くの都市や団体が、新たな核拡散の動きにつながりかねないとして中止を求める要請を行ったにもかかわらず、貴国が実験を強行したことに対し、強い怒りを覚える。広島市民を代表して厳重に抗議する。
 今回の臨界前核実験強行は、核兵器を今後とも持ち続けたいという貴国の姿勢を明確にした。核抑止論に固執し、核拡散防止条約(NPT)で義務づけられた核軍縮を誠実に履行しなかったことが、インド、パキスタンの核実験を招いたように、私たちは、臨界前核実験が核保有国への不信を一層増大させ、核兵器開発競争に拍車をかけることを恐れる。

 貴国は、核兵器に頼らず国家の安全が保てる国際社会や信頼関係の実現を求める国際世論に真剣に耳を傾け、国際社会において核兵器の使用と拡散の危機に直面している現状を打開する努力が行われていることを理解し、臨界前核実験を直ちに中止するとともに、自らの責務として積極的かつ具体的な核軍縮に取り組むべきである。

平成10年(1998年)9月27日

広島市長 平岡 敬