ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 核実験等への抗議文 > 核実験等への抗議文 > 1994年~2000年 > アメリカの臨界前核実験予告に対する抗議文(1999年9月29日)

本文

アメリカの臨界前核実験予告に対する抗議文(1999年9月29日)

ページ番号:0000009306 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

アメリカ合衆国大統領
ウィリアム・ジェファ-ソン・クリントン 閣下
駐日アメリカ合衆国大使館
特命全権大使 ト-マス・S・フォ-リ- 閣下

抗議文

 貴国は28日、今月30日にネバダ州の地下核実験場で7回目の臨界前核実験を実施することを発表した。ジュネーブ軍縮会議において、昨年開始が決まった兵器用核分裂物質生産禁止(カット・オフ)条約の交渉開始の見通しが立たないなど、国際社会における核軍縮の流れが停滞する中で、率先して核軍縮に取り組むべき貴国やロシアが、臨界前核実験を繰り返し、核兵器を持ち続ける意志を明確にしていることに、強い憤りを覚える。広島市民を代表して厳重に抗議するとともに、臨界前核実験を直ちに中止するよう求める。
 先のコソボ自治州をめぐる紛争の際、核兵器の使用さえ辞さないという意見がみられるなど、被爆者をはじめとする様々な人々の努力により広島・長崎以来使われることのなかった核兵器が、現実に使用される危険性が高まりをみせている中で、貴国やロシアのこうした姿勢が、非核保有国の不満を一層高め、新たな核拡散の動きを誘発することを危惧する。

 貴国は、「核兵器は人類滅亡を引き起こす絶対悪である」という被爆者のメッセージを真摯に受け止め、核保有国の責務として「核兵器を廃絶する」という強い意志をもって、核兵器廃絶に積極的に取り組むべきである。

平成11年(1999年)9月29日

広島市長 秋葉 忠利