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アメリカの臨界前核実験に対する抗議文(2000年8月19日)

ページ番号:0000009286 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

アメリカ合衆国大統領
ウィリアム・ジェファーソン・クリントン 閣下
駐日アメリカ合衆国大使館
特命全権大使 トーマス・S・フォーリー 閣下

抗議文

 貴国は18日、ネバダ州の地下核実験場で12回目の臨界前核実験を実施した。今年4月から5月にかけて開催された核不拡散条約(NPT)再検討会議において、「核兵器全廃に向けた核保有国の明確な約束」がなされた中で、その中心的役割を担うべき貴国が、臨界前核実験を繰り返し、核兵器維持の姿勢を明確にすることは、核兵器廃絶を求める世界の人々の願いを踏みにじるものであり、強い憤りを覚える。広島市民を代表して厳重に抗議する。

 最近の貴国の核兵器をめぐる状況をみると、核兵器を維持するために水爆用トリチウム精製工場の建設に着手したほか、地上での臨界前核実験を極秘に開始した可能性があるなど、核軍縮に逆行する動きが報じられている。こうした貴国の動きは、核兵器廃絶を求める国際社会の動きに水を差す行為であり、非核保有国の不信を一層増大させ、新たな核拡散の動きを誘発することを危惧する。

 貴国は、核不拡散条約(NPT)再検討会議で採択された「核兵器全廃に向けた核保有国の明確な約束」を誠実に履行すべく、直ちに臨界前核実験を中止するとともに、21世紀を核兵器のない世紀とするよう、率先して核兵器廃絶に取り組むべきである。

平成12年(2000年)8月19日

広島市長 秋葉 忠利