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ロシアの臨界前核実験に対する抗議文(2000年9月5日)

ページ番号:0000009284 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

ロシア連邦大統領
ウラジミール・ウラジーミロヴィチ・プーチン 閣下


抗議文

 貴国は4日、先月28日から今月3日にかけて3回の臨界前核実験を実施したことを発表した。今年4月から5月にかけて開催された核不拡散条約(NPT)再検討会議において、「核兵器全廃に向けた核保有国の明確な約束」がなされた中で、米国とともにその中心的役割を担うべき貴国が、臨界前核実験を繰り返し、核兵器維持の姿勢を明確にすることは、核兵器廃絶を求める世界の人々の願いを踏みにじるものであり、広島市民を代表して厳重に抗議する。

 とりわけ、プーチン大統領閣下が唯一の被爆国であるわが国を訪問中の今、この事実を公表されたことの意味を考えると、貴国は核兵器を持ち続ける意思を明確にしたものとしか捉えようがなく、極めて遺憾であり、強い憤りを覚える。

 また、折しも、ハノーバーで開催した世界平和連帯都市市長会議の理事会で核保有国に対し核兵器廃絶に向けた明確な約束を期限を明示した上で履行することを求める決議文を採択したばかりであり、この意味からも、遺憾の意に堪えない。

 貴国や米国は、こうした核兵器廃絶を願う国際世論を真摯に受け止め、直ちに臨界前核実験を中止するとともに、21世紀を核兵器のない世紀とするよう、率先して核兵器廃絶に取り組むべきである。

平成12年(2000年)9月5日

広島市長 秋葉 忠利