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アメリカの臨界前核実験に対する抗議文(2000年12月15日)

ページ番号:0000009280 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

アメリカ合衆国大統領
ウィリアム・ジェファーソン・クリントン 閣下
駐日アメリカ合衆国大使館
特命全権大使 トーマス・S・フォーリー 閣下

抗議文

 貴国は14日、ネバダ州の地下核実験場で13回目の臨界前核実験を実施した。戦争の世紀、核兵器の世紀であった20世紀が終わりを告げようとし、世界の人々が21世紀こそ核兵器のない平和の世紀にしようと取り組んでいる中で、臨界前核実験をなおも繰り返し、21世紀においても核兵器を持ち続ける姿勢を保持することは、核兵器廃絶を求める世界の人々の願いを踏みにじるものであり、強い憤りを覚える。広島市民を代表して厳重に抗議する。

 今年5月には、核不拡散条約(NPT)再検討会議で「核兵器全廃に向けた核保有国の明確な約束」が盛り込まれた最終文書が採択されたにもかかわらず、貴国は臨界前核実験を繰り返し、核兵器を廃絶する意志が見られない。こうした貴国の動きは、核兵器廃絶を求める国際社会の動きに水を差す行為であり、非核保有国の不信を一層増大させ、新たな核拡散の動きを誘発することを危惧する。

 貴国は、20世紀の歴史において、核抑止論が戦争を防止するどころか、かえって核兵器の増強と拡散を招き、人類を滅亡の危機にさらしたかを深く認識すべきである。その上で、核兵器の廃絶を願う国際社会の声に真摯に耳を傾け、直ちに臨界前核実験を中止するとともに、21世紀を核兵器のない世紀とするよう、率先して核兵器廃絶に取り組むべきである。

平成12年(2000年)12月15日

広島市長 秋葉 忠利