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ページ番号:0000009461更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

昭和41年(1966年)

平和宣言

本日、わたくしたちは、ふたたび8月6日を迎えた。

21年前のこの日、あの恐るべき惨禍を体験したわたくしたち広島市民は、戦争がその性格を一変する時代が来たことを知った。

原子爆弾は、それが単に強力な破壊兵器であるというだけでなく、その放射能は、永く大地や海中にとどまって生物の生命を脅かすばかりか、この兵器が多量に使用されるならば、完全に大気は汚染され、ついには、地球そのものをも人間の生存を許さないものとすることが明らかとなった。更にまた、月にロケットを到着せしめ得るほどの科学技術をもってすれば、開戦と同時に相手国の都市や主要施設を破壊し尽くし、数千万の国民を一挙に殺傷することさえも困難なことではないであろう。

原子力時代の戦争は、既に自己を防衛する手段ではなく、人類自体の自殺行為以外の何ものでもない。

しかるに、今なお、一、二の国家は、この悪魔的な兵器の開発を目ざして大気圏の実験を強行し、またベトナム、中近東その他世界各所において、大いなる危険を冒しつつ、武力抗争が続けられていることは、まことに悲しみに堪えない。

今や人間の運命共同体は、個々の民族国家ではなく、地球全体であることを自覚し、すべての国家、すべての民族が一切の利己心と行きがかりを捨てて、人類保全のため立ち上がるべきときであることを確信するものである。

本日、原爆の日を迎え、犠牲者の霊を弔うとともに、重ねて広島市民の所信を披瀝して全世界に訴える。

1966年(昭和41年)8月6日

広島市長 浜井 信三