ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 総合トップページ > 平和宣言・平和への誓い > 平成7年(1995年)

本文

ページ番号:0000009420更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

平成7年(1995年)

平和宣言

原子爆弾による広島壊滅の日から五十年が経過した。あの日をしのび、犠牲者の御霊に心から哀悼の意を表するとともに、高齢化が目立つ被爆者の苦難を思い、改めて核兵器の開発と保有は人類に対する罪であることを強く訴える。

この半世紀の間、私たちは原子爆弾がもたらした人間的悲惨、とりわけ放射線被害という人類史上初めての惨禍を広く世界へ知らせ、核兵器の廃絶を一貫して呼びかけてきた。しかし、国家間の不信は根強く、核兵器はなお地球上に大量に蓄積され、私たちの願いに正面から立ちふさがっている。核兵器の保有を国家の力の象徴と考える人達がいる現実に、私たちは深い悲しみを覚える。

原子爆弾は明らかに国際法に違反する非人道的兵器である。どこの国であれ、また、いつの時代であれ、核兵器がある限り、広島・長崎の悲劇が再び地上に現出する。それは人類の存在を否定する許されない行為である。

人類が未来に希望をつなぐためには、今こそ勇気と決断をもって核兵器のない世界の実現に取り組まなければならない。私たちは、その第一歩として核実験の即時全面禁止とアジア・太平洋における新たな非核地域の設定を求める。日本政府は、日本国憲法の平和主義の理念のもとに、非核三原則を高く掲げ、核兵器廃絶に向けて先導的役割を果たすべきである。また、核時代の証人である内外の被爆者に対する暖かい援護について一層の努力を要請する。

核兵器の保有は決して国家の安全を保障するものではない。また、核兵器の拡散や核技術の移転、核物質の流出も人類の生存を脅かす。それらは人権抑圧、飢餓・貧困、地域紛争、地球環境の破壊などとともに平和を阻む大きな要因である。

現代は地球の安全保障を考えなければならない時代である。私たちは国家の枠を超えて人間として連帯し、英知を結集し、平和を築くために行動していきたい。

第二次世界大戦終結五十年を迎えるにあたって、共通の歴史認識を持つために、被害と加害の両面から戦争を直視しなければならない。すべての戦争犠牲者への思いを心に深く刻みつつ、私たちは、かつて日本が植民地支配や戦争によって、多くの人々に耐えがたい苦痛を与えたことについて謝りたい。

記憶は過去と未来の接点である。歴史の教訓を謙虚に学び、次代を担う若い世代に原爆や戦争の悲惨さを語り継いでいくとともに、平和の基礎となる人間教育に力を傾けたい。生命と人権が何よりも大切にされる社会にこそ、若い世代は限りない希望を抱くであろう。

被爆五十周年の平和記念式典にあたり、核兵器の廃絶と平和な世界の実現に向けて、今後も努力を続けていく決意をここに表明する。

1995年(平成7年)8月6日

広島市長 平岡 敬