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陳情第204号
中央図書館等のエールエールA館への移転整備の推進について
(要旨)
「中央図書館」や「こども図書館」の移転計画について、広島市が移転先とするエールエールA館に対して賛否があると報道などで知った。
図書館は、私たち視覚障害者にとって、自分たちと社会とをつなぐ窓のような、かけがえのない施設である。「中央図書館」には朗読室があり、私たちは、そこで対面朗読やデイジー図書で本と触れ合うことができる。しかし、現在の「中央図書館」は、バスセンターや電停等から行くには、交通量が多い上、横断歩道や歩道に段差があるなど、私たち視覚障害者には、決して安全なロケーションとは言い難いのが現状である。
広島市の計画では、広島駅からエールエールA館まで、屋根付きのペデストリアンデッキが設置される予定である。計画どおり、「中央図書館」がエールエールA館に移転すれば、駅や電停から、段差がなく、冬場など薄暗い日でも明るい通路を通り、雨にもぬれず、安全・安心に図書館に行けるようになる。さらに、図書館が商業施設との複合施設となるため、エレベーターを利用する上下への移動だけで買物が可能になり、利便性が向上するとも期待している。また、私たちが利用することの多い広島市総合福祉センターや、当協会の活動拠点である心身障害者福祉センターに近く、視覚障害者が図書館をより身近に感じ、利用が促進されると考える。
障害者差別解消法が施行され、私たちをめぐる環境も変化しつつある。私たちの社会参加を一層推進するためにも、「中央図書館」などについて広島駅前に立地するエールエールA館への移転整備を進めていただくとともに、整備後の図書館には充実した朗読室を配置していただくよう陳情する。