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請願第29号
「広島市こども図書館」のエールエールA館への移転中止と現在地近辺での建替、整備を求めることについて
(要旨)
要旨
広島市こども図書館のエールエールA館への移転について、下記のとおり連署をもって請願する。
記
1 「広島市こども図書館」のエールエールA館への移転計画を中止すること。
2 「広島市こども図書館」は、子どもの文化エリアである現在地近辺で建て替え、整備すること。
3 平和文化都市広島の子どもの文化を大切にし、一緒に育てていくために、早急に結論を急ぐことなく、議論や提案の場を設け、広く市民の意見を聴くこと。
理由
この度広島市は、「こども図書館」、「中央図書館」、「映像文化ライブラリー」を集約し、商業施設であるエールエールA館へ移転する計画を、市民に広く告知することなく、十分な議論もないまま、早急に進めようとしている。市民の財産であり、文化と民主主義を支える柱ともなる図書館の問題を、このように扱われることに、私たちは大きな疑問を抱いている。
「広島市こども図書館」は、原爆の廃きょに暮らす子どもたちに、夢と希望を持ってほしいと、米国南カリフォルニア州広島県人会の寄附などによって1953年に設立された「広島市児童図書館」を始まりとし、たくさんの人の平和と子どもたちへの思いが込められた、歴史ある全国でも珍しい独立した子どものための図書館である。併設の「こども文化科学館」、緑豊かなハノーバー庭園、C59形蒸気機関車、河岸の桜並木などと併せ、多くの子どもたちに親しまれ、愛されてきた。この環境こそが「子どもの心を育む文化」ではないであろうか。また、「こども図書館」は、これまでの長きにわたり、ベル・コレクションを始めとする貴重な資料の収集保存、学校図書館や子どもの読書に関わるボランティアへの支援、講演会の開催など、平和文化都市広島の子どもの文化において大切な役割を担ってきた。
「広島市こども図書館」が他の施設と集約され、商業施設内のフロアに移転することにより、これらの特長、環境、サービス内容の消失や縮小が予想される。よって私たちは、要旨のとおり、連署をもって請願する。