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陳情第111号
コロナ禍の経験をふまえ誰もが安心できる国民健康保険・後期高齢者医療保険・介護保険へ、制度と運営の改善を求めることについて
(要旨)
2020年の新型コロナウイルスによるパンデミック(感染爆発)は、日本国内でも地域の経済活動や国民生活に深刻な影響を及ぼすとともに、国民の命と健康が脅かされる事態が広がった。現在もなおその終息は見通せず、感染予防対策の拡充とともに地域住民の営業や暮らしの立て直しが自治体にとっても喫緊の課題となっている。
取り分け、自営業者や非正規雇用労働者などが加入する国民健康保険では、コロナ禍の下での雇用・営業、生活不安の影響が深刻である。国はこうした事情を考慮し、国民健康保険や介護保険、後期高齢者医療保険の保険料への「特例減免」を設けた自治体に対して財政支援を行うこととしている。
しかし、せっかくの措置も周知を欠いては目的を果たすことができない。また、今でさえ他保険と比べ加入者負担が高い国保では、一層大量の滞納者を生み出す可能性や受診抑制の拡大も心配されている。
国民健康保険法第1条は、「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。」と規定している。
ついては、コロナ禍に立ち向かい、誰もが安心して医療を受けることができるように、国民健康保険制度などについて下記の事項を決議していただくよう陳情する。
記
1 国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料の新型コロナウイルス感染症に係る特例対応減免措置について、住民や関係団体への周知をより徹底し、必要な方が有効にこれを活用できるよう、一層の手立てを講じること。
2 国は、新型コロナウイルス感染者に対して設けられる傷病手当金(国民健康保険・後期高齢者医療保険)について、その支給対象者や要件を拡充すること。
3 社会保障制度としての国民健康保険を維持し、住民の福祉を公平に確保できるよう、国や県に対しその財政負担を引き上げるよう求めるとともに、子どもに係る保険料(均等割)額の負担軽減措置を設けるなど保険料・税の軽減を図ること。