本文
請願第11号
国道2号の高架延伸事業は行わないことについて
(要旨)
国道2号の高架延伸事業は、当初予算より124億円を上積みした。コストに対する便益を数値化した「費用便益比」は下がるが、 1.1で僅かに上回っていると言い訳もわざわざしている。
広島高速5号線シールドトンネル工事はずさんな契約が大問題になった。そればかりか、これまで凍結されていた高速2号線と5号線の連結道路の整備を復活させるとして347億円の予算を増額した。こんな道路行政であるから、国道2号高架の方の予算増も便益比も信用することができない。
通行時間の僅かな時間短縮を主な名目にしているが、市中部の南には国道2号と並行して広島南道路という広い道路が吉島の元安川まで整備されており、将来これに橋を架ける計画もあり、東方面につながれば市中部の通過車両はこちらに回る。また将来的な市外の人口減による通勤者減もあって、市中部への交通渋滞は自動的にかなり改善される。このような状況で総費用446億円まで膨らました高架延伸工事を行う必要性は疑問である。
高架道路が延伸されれば渋滞緩和を期待して一定数の人が公共交通利用から自家用車通勤に切り替え、かえって渋滞がひどくなり、通行車両の増大により騒音被害、大気汚染がひどくなることが考えられる。市中部は沿線にマンションなど高層ビルが林立する中で、その上で道路に蓋をするような高架道路は一層閉塞感を増すことになり、中央分離帯の植樹の緑も無くなっては景観の後退は著しいものが予測される。今急ぐべきは、毎年のように起きている集中豪雨による水害の危険から守るための堤防や橋の補強工事ではないだろうか。
ついては、国道2号の高架延伸工事を断念するよう請願する。