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陳情第46号
日米地位協定の抜本的改定を求めることについて
(要旨)
在日米軍の兵士らによる事件・事故は、旧日米安保条約が発効した1952年から現在までに全国で21万件を超え、日本人の死者は1,093人に達している。中でも、沖縄での事件・事故が圧倒的多数を占めていると言われている。
こうした事件・事故の背景には、国内法を無視した米軍用機の低空飛行などを認める航空特例法や、事故の際日本側に立入権のないこと、刑事裁判権における米軍の特権などを定めた日米地位協定がある。
全国知事会は、2018年7月、日米地位協定の抜本改定を含む「米軍基地負担に関する提言」を全会一致で採択した。これは、2016年に故翁長雄志沖縄県知事が全国知事会に要望して設置された「全国知事会米軍基地負担に関する研究会」において、2年間にわたって研究、検討された内容を踏まえて出された画期的な提言である。その後、2019年7月時点での全国自治体の意見書採択は7道県と152市町に達している。
日米地位協定によって、米軍関係者の事件・事故の中には刑事責任を問うことができず、住民が危険を訴える訓練を止めることができない。オスプレイが航空法で定められた最低安全高度を違反して訓練している実態を止められない。また、基地内で環境汚染が発覚しても、米軍に立入りを拒否される状態である。
にもかかわらず、日米地位協定は1960年に締結されてから一度も改定されておらず、日本政府は改定交渉を提起したこともない。
米軍が駐留しているドイツやイタリアでは、受入国が基地の管理権を確保し、自国の国内法を米軍に適用している。日米地位協定は余りに不平等と言わざるを得ない。
ついては、下記の事項について、地方自治法99条に基づき、国に対して意見書を提出していただくよう陳情する。
記
国は、日米地位協定を抜本的に見直し、基地提供の期間や使用目的など条件の明記、米軍への国内法の原則適用、基地内の事故現場での日本側の立入りなどを実現すること。