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ページ番号:0000000234更新日:2013年3月7日更新印刷ページ表示

衛研ニュース/貸しおしぼりの衛生基準と検査について

 今回は、とっても身近な話題です。

おしぼりの写真

 おしぼり。夏、暑くて汗が噴き出ている時の冷たく冷やした感触。冬、寒くてブルブル凍えそうな時のアツアツの感触。気分転換をする時の感触。本当に心身ともにホッと一息つきますね。

 とある食事会でAさんが、おしぼりで手をふきながら「あぁ~、気持ち良いわ~。これって何気なく使っているけど、何か決まりごとがあるのかしら。」としげしげとおしぼりを眺めながらつぶやきました。

 そうなんです。あるんですよ。これが。

 身近なおしぼりですが、これにもれっきとした衛生基準が定められています。

 「貸しおしぼりの衛生確保について」(昭和57年11月16日付け厚生省環境衛生局長通知 環指157号)

衛生基準

  1. 変色及び異臭がないこと。
  2. 大腸菌群が検出されないこと。
  3. 黄色ブドウ球菌が検出されないこと。
  4. 一般細菌数は、一枚当たり10万個を超えないことが望ましいこと。

検査法

1.官能検査

 検体(おしぼり)を広げ、不潔な変色及び塩素臭以外の不快な臭気の有無を官能的に調べる。

2.細菌検査

試料の調整

  1. ストマッカー法
    ストマッカー用滅菌ポリ袋に検体1枚及び滅菌生理食塩水100mlを入れ、ストマッカーで3分間程度処理して抽出液を得る。
  2. 手振法
    約500ml容量の広口ビンに生理食塩水を100ml入れて高圧滅菌したものに検体1枚を入れ、3分間程度振って抽出液を得る。

一般細菌

 試料1mlを採り、滅菌生理食塩水を用いて、4~5段階まで10倍段階希釈を行い、その各希釈液1mlを滅菌ペトリー皿各2枚に入れ、これにあらかじめ溶解して約45℃に保った標準寒天培地約15mlを加え、静かに回転混合して冷却凝固させ、更に前記標準寒天培地約5mlを重層して静置する。
 凝固後、これを倒置して、37℃で約48時間培養した後、発生した集落を数え、計算により検体の細菌数を算定する。

大腸菌群

 試料各1mlを2本のBGLB発酵管に入れ、37℃で培養し、48時間まで観察してガスが発生した場合には、その発酵管からEMB平板培地に画線塗抹し、37℃で24時間分離培養を行い、平板培地上に定型的な大腸菌群の集落を認めたときは、陽性とする。

黄色ブドウ球菌

 試料各0.2mlを2枚の卵黄加マニット食塩寒天平板培地上にコンラージ棒で塗抹し、37℃で48時間培養する。
 平板培地上にマニット分解及び卵黄凝固集能が認められる集落が発生した場合は、その集落について塗抹グラム染色及びコアグラーゼ試験を行い、ブドウ状グラム陽性球菌を確認し、かつ、血漿凝固又はフィブリンの析出を認めたときは、陽性とする。

 ちょっと法律用語・専門用語が並んで分かりづらいと思うので、簡潔に説明すると次のようになります。

  1. 見た目が清潔なのと塩素系漂白剤の臭い以外の変な臭い・嫌な臭いがしないこと。
  2. おしぼり1枚に対して滅菌した生理食塩水100mlを加えて細菌を取り出した液から、大腸菌群と黄色ブドウ球菌を見つけ出せないこと。また、一般細菌数が10万個を超えないことが望ましいこと。

 いかがでしょうか。予想外に基準が厳しい、細かいと思われるのではないでしょうか。

検査結果

 広島市では、貸しおしぼりの衛生確保のため、貸しおしぼり業者を立入り指導しています。平成14年から18年までの検査結果を表に示します。

 一般細菌が、合計31検体のうち3検体から望ましい範囲を超えて検出されました。またそのうち1検体から大腸菌群も検出されました。

 この結果をもとに、クリーニング業者に対し、その処理を適正に行うよう指導するとともに、再度、検査を行い、改善を確認しています。

【表】貸しおしぼりの検査結果
年度 件数 変色・異臭 大腸菌群 黄色ブドウ
球菌
一般細菌
適合 不適合 適合 望ましい範囲越え
平成14年 7 適合 7 0 適合 7 0
平成15年 7 適合 7 0 適合 6 1
平成16年 5 適合 5 0 適合 5 0
平成17年 6 適合 5 1 適合 5 1
平成18年 6 適合 6 0 適合 5 1
合計 31 31 30 1 31 28 3

利用時の留意点について

 次に貸しおしぼりを利用する時の留意点について考えてみましょう。

 一般的には、おしぼりのマナーは、おしぼりは手を拭くもの、顔を拭くのはタブーとありますが、通知上では下記のとおり、顔を拭いても良いこととなっています。

 しかし、おしぼりでテーブル等を拭くことは、マナーでも通知上でもタブーとなっています。貸しおしぼりは、通常、使う→回収→洗濯・消毒→包装→出荷→保管→使う→・・・の繰り返しなので、利用する皆様も綺麗に使ってリサイクルできる回数を増やせるよう協力しましょう。

「貸しおしぼりの衛生確保について」(昭和57年11月16日付け厚生省環境衛生局指導課長通知 環指157号)

1.~4.省略。

5.貸しおしぼり業者の指導に当たっては、その製品(おしぼり)を貸与する飲食店等の営業者に対して、当該製品の適正な使用及び衛生保持に必要な次の事項について周知し、その遵守について協力要請を行うよう指導されたいこと。

  1. 貸与後4日を過ぎた製品は、客に提供しないこと。
  2. 手指及び顔面等の清拭のために貸与するものであること。
  3. 未使用の製品は、客に提供する前に加温する場合を除き、4℃以下に保存することが望ましいこと。
  4. 使用済みの製品は、ふた付の容器等に入れておくこと。
  5. その他製品の適正な取扱いに関して必要な事項。

 どうりで、冷たくて気持ち良いんですね。寒い時期にアツアツのおしぼりを差し出されるのは、施設側のお客様を大事にしようとする「おもてなしの心」なんですね。

 普段、何気なく使う(貸し)おしぼりにも、皆様が安全に安心して使えるように決まりごとがあるのでした。