ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 分類でさがす > くらし・手続き > 教育 > 広島市教育委員会 > 教育委員会 > 教育委員会のご案内 > 平成26年第14回教育委員会議(12月定例会)会議録

本文

ページ番号:0000017068更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

平成26年第14回教育委員会議(12月定例会)会議録

平成26年第14回広島市教育委員会議会議録

 平成26年12月24日(水曜日)、平成26年第14回教育委員会議(定例会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

  • 開会 午後 1時30分
  • 閉会 午後 3時10分

2 出席委員

  • 委員(委員長) 井内 康輝
  • 委員 溝部 ちづ子
  • 委員 栗栖 長典
  • 委員 鈴木 由美子
  • 委員(教育長) 尾形 完治

藤本圭子委員は欠席

3 事務局等の出席者

  • 教育次長 川添 泰宏
  • 青少年育成部長 熊田 一雄
  • 学校教育部長 隅田 一成
  • 指導担当部長 湧田 耕辰
  • 教育センター所長 市川 昭彦
  • 総務課長 橋場 忠陽
  • 施設課計画担当課長 和田 広
  • 育成課長 松田 裕子 
  • 育成課非行防止・自立支援担当課長 高山 茂己
  • 教職員課長 梶田 英之
  • 指導第一課長 島筒 篤
  • 指導第二課長 登 民夫

4 傍聴者等

 1名

5 議事日程

  • 議題1 平成27年広島市成人祭の開催について(報告)
  • 議題2 平成26年度「えべっさん」における暴走族等の状況について(報告)
  • 議題3 平成26年度全国学力・学習状況調査及び「基礎・基本」定着状況調査の結果について(報告)
  • 議題4 広島市立小学校及び中学校通学区域に関する規則の一部改正について(議案)
  • 議題5 教職員の人事について(議案)【非公開】

6 議事の大要

井内委員長

 ただ今から、教育委員会議定例会を開催します。
 本日は、傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただき、静粛に傍聴していただきますようお願いします。
 本日は、藤本委員が所用により欠席となりますが、定足数を満たしています。
 本日の議事録署名者は、溝部委員と栗栖委員にお願いします。
 それでは、議事に移ります。
 本日の議題は、お手元の議事日程のとおりですが、本日審議予定の議題5につきましては、広島市教育委員会会議規則第7条第1項第3号の規定に該当することから、審議を非公開としたいと思いますが、御異議ありませんか。
 (異議なし)
 それでは異議なしと認め、議題5については、非公開と決定しました。
 それでは、議題に入ります。
 議題1の「平成27年広島市成人祭の開催について」を議題といたします。
 本件は報告案件でございます。内容につきまして、育成課長から説明を受けます。

育成課長

 「平成27年広島市成人祭の開催について」です。
 1の「目的」は、成人としての自覚を持って自ら生き抜こうとする新成人を祝福し激励することとしています。
 平成27年の「日時」は、1月12日になります。去年から30分ほど開催を遅らせて、11時30分から開催し、14時までとしています。
 「場所」は、例年どおりの広島サンプラザホールで、「主催」も例年どおり、広島市、教育委員会と選挙管理委員会です。
 「企画」の方も、広島市の成人祭実行委員会、公募による若人の実行委員8人が中心となって企画をしています。男性4人、女性4人、うち新成人が5人となっています。
 6の「運営協力」ですが、昨年度までは入れておりませんでしたが、運営協力のボランティアをここに挙げさせていただきました。広島市立の中学校の生徒が30人、毎年、成人祭手提げ袋引換え、障害がある新成人の参加支援に協力してくれています。次に、(2)の広島市高校生交換留学生、これも昨年度から受入生たちに手伝いをしていただいていて、昨年は5人でしたが、今年は4人です。(3)の運営ボランティアですが、これは例年公募で募集していますが、20人で募集しましたが、少し多くて22人が運営協力してくれます。特に、シャッター押します隊の同窓会コーナーでの活躍が非常に好評を博しています。(4)の広島市明るい選挙ユースボランティアは、ロビーで模擬投票体験コーナーを行いますが、それの手伝いを行うボランティアです。
 7の「対象」ですが、平成27年は、11,979人です。昨年が11,801人でしたので、178人増えている状況です。
 8の「テーマ」ですが、実行委員会の若者たちが決定したのですが、「Departure~輝く未来へ~」ということです。
 9の「内容」ですが、11時に開場して、アトラクションが11時半から12時半で、今年は、式典に先立つアトラクションとしては、小・中・高校生によるマリンバ演奏、有名な広島ジュニアマリンバアンサンブルの皆さんが演奏します。続いて広島修道大学混声合唱団による混声合唱、アカペラで混声合唱を行います。実行委員会の中のメンバーが引っ張ってきたものです。12時半からが成人式で、エリザベト音楽大学学生と新成人全員で国歌斉唱するようになっています。記念品贈呈、式辞、祝辞がありまして、参列者の紹介、新成人の宣誓、三本締めとなっています。
 その他の催しですが、模擬投票体験コーナー、これは例年どおりです。イの成人祭手提げ袋引き換えコーナーも例年どおりで、ウの同窓会コーナーも例年どおりです。エの新成人祝福・激励着付け直しコーナーも例年どおりです。オの、これが新しいのですが、郵便局長会の協力により、はがきで感謝を伝えようコーナーを今年新設しています。無料ではがきを提供してくださるということで、新成人が感謝の気持ちを御両親とか恩師の方に出すコーナーを設けたということです。若い子がどれくらいはがきを書いてくれるか不透明ですが、定着させたいという長い試みで行いたいと思います。今年は初年度ですので、今年度の実績を見て、改善をしていこうと思っています。
 10の「記念品」ですが、昨年は市立大学の学生の作品を載せたクリアファイルの3枚セットでしたが、今年は比治山大学短期大学部美術科の新成人の学生にデザインをしていただいて、昨年は初めてだったので既存の学生さんの作品を載せたのですが、今年は、今年のテーマに合わせた作品をデザインしてくれたものを配ることができることとなります。それぞれの作品の意図を記載しています。
 以上でございます。

井内委員長

 ただ今の説明について、御質問等はございませんか。

栗栖委員

 その他の催しのところで、模擬投票体験コーナーというのがありますが、例年、どのくらいの方が体験されるのでしょうか。
 選挙管理委員会が運営されるのでしょうが、先般の衆議院選挙でも、若い人の投票率が低いということが話題になっていますので、せっかく新成人の方が来られるので、選挙に行くことの重要性などをPRできるよいチャンスではないかと思いますので、一工夫すればよいのではないかと思います。

育成課長

 投票数が215人です。

栗栖委員

 少ないですね。

育成課長

 少ないですが、同窓会コーナーと式典参加を含めて、昨年は大体7,000人くらい参加者がいました。その中で、3,200人くらいが式典に出て、3,200人が出た中で、ロビーで模擬投票を行ったのが215人ということです。ただ、昨年度からは、開設場所をホールの入口付近にしましたので、一昨年度よりは81人増えています。215人のうちの81人はかなり大きい増だったと思われます。今年も同じところに設けていますので、ユースボランティアの方に声かけを頑張ってもらうようにお伝えしたいと思います。

栗栖委員

 模擬投票をした結果が、新成人の皆さんに興味があるような内容にするなどすると、投票に興味を持たれるのではないかと思いますし、選挙に対する意識付けの向上に寄与できるのではないかと思いますので、工夫されたらよいのではないかと思います。

溝部委員

 例年行かせていただいて、年々、緊張感のある、よい雰囲気の成人式になっているなと感じていますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 その中で、運営協力の中にボランティアを入れられたということで、ここが見えるようになりましたが、⑶と⑷のボランティアの年齢層はどのようになっているのでしょうか。私は、中学生や高校生がここにたくさん入ってくればいいなと思います。

育成課長

 運営ボランティアの22人は、ほとんどが高校生です。手挙げ制なので、若い高校生が手を挙げてくれました。明るい選挙ユースボランティアは、青年と言いますか、20代くらいと聞いています。

溝部委員

 これも公募ですか。

育成課長

 はい。

溝部委員

 最後に、新しい催しのはがきで感謝を伝えようですが、大変いいことだと思っています。今、ほとんどの小学校で、2分の1成人式を行っていると思います。必ず保護者を呼んで、感謝の言葉を伝えていく、また、ここに至るまでどういう成長を辿ってきたかという分析と感謝の気持ちを伝えるというように工夫して行っていると思います。そういう意味でも、20歳になった時に、多くの人がはがきを手にして、感謝の気持ちを伝えられることができるような一工夫があればいいと思います。ただはがきがあって書けますよというだけでは書かないのではないかと思います。

井内委員長

 私もこれはいい試みだと思いました。ただ、今、溝部委員が言われたのと同じ感想を持ちました。何もないはがきを渡したからといって書くものではないと思います。何かそこに、御褒美ではないですが、彼らに何か戻ってくるようなものがあればいいなと思いました。感謝を伝えるということは意義深いことだと説明するのは簡単ですが、実際に行動を起こしてもらうためには工夫が必要かと思いました。文字離れの時代なので、はがきを書くというような、古めかしいけれども大事なことなのだよ、本当に大事なことは文章で伝えるべきであるということを伝えた方がいいと思います。是非頑張っていただければと思います。
 次に、議題2の「平成26年度『えべっさん』における暴走族等の状況について」を議題といたします。
 本件は報告案件でございます。内容につきまして、育成課非行防止・自立支援担当課長から説明を受けます。

育成課非行防止・自立支援担当課長

 それでは、11月18日から20日まで3日間開催された「えべっさん」における暴走族等の状況について説明します。
 まず、「平成26年度『えべっさん』における暴走族等の状況について」を御覧ください。
 「えべっさん」の開催期間中、市民局と共同で「暴走族対策本部」を設置し、延べ90人の市職員が対応に当たりました。
 1の「期間中の状況」を御覧ください。
 3日間を通じて、アリスガーデン及びその付近一帯で監視及び街頭補導活動を行いましたが、特異な状況はありませんでした。
 3日目は、中央通りを車両通行止めとして夜神楽や和太鼓のパフォーマンスが実施され、3日間を通じて祭り客が最も多い状況でした。
 なお、県警からの情報によりますと、3日目の監視体制を解除した後の深夜、中央通りにおいてバイク4台による暴走行為や消火器の噴霧事案が発生したとのことでありましたが、集会等の状況はありませんでした。
 2の「当課における街頭補導活動」として、職員は、期間中アリスガーデンや本通り商店街などにおいて、喫煙、服装や髪型が目立ったものなどの少年118人に対し、声かけ活動を実施しています。活動人数や声かけをした少年の内訳は、資料のとおりです。
 次に、中学校と連携し実施したものとして、8中学校の教職員、PTA等が自主的に実施されました街頭補導活動に当課職員が同行し、アリスガーデンや本通り商店街などにおいて、合同で見回りや声かけ活動などを行いました。
 3の「総括」ですが、開催期間中、県警からアリスガーデン及び付近において、面倒見が姿を現しているという情報がありましたが、集会などの状況はなく、またトッコウ服、統一ジャンパーを着用した者の出没も見られませんでした。3日間を通じて広島市暴走族追放条例に基づく中止命令を適用する事案の発生はありませんでした。
 期間中に警察と合同で行った清掃活動は、アリスガーデンの美化に効果的であるとともに、アリスガーデン内の滞留する祭り客の帰宅を促し、トラブルの未然防止につながっています。
 また、警察の発表によりますと、祭りの期間中、主なものとして、喫煙、飲酒、不良交友で、延べ18人の少年が補導されており、昨年に比べて40人の減少となっています。
 今後とも、警察、学校など関係機関との連携を密にしながら、新たな暴走族を生まないための対策に、粘り強く取り組んでまいります。
 以上で、「えべっさん」における暴走族等の状況についての説明を終わらせていただきます。

井内委員長

 ただ今の説明について、御質問等はございませんか。

鈴木委員

 質問ではありませんが、夜遅くまで、職員の方々に御協力いただきましてありがとうございました。特に、「総括」の(2)にありますように、清掃活動というのはとても大事で、きれいであることが当たり前であるということが分かっていけば、ここに今後集まる人もごみを出さないようになるし、自分たちもきれいにする側だということが分かって、とても良かったのではないかと思います。
 質問ですが、2の「街頭補導活動」の(2)ですが、8中学校の教職員、PTAということですが、これは手挙げ制なのですか、それとも当番のようにされているのですか。同じ学校に負担が重なっていないかということです。

育成課非行防止・自立支援担当課長

 これは自主的に行われるものです。自分の中学校で、来た方がいいかなと思うところが、自主的にPTAの方を集められたり、先生のみが街頭活動をされる時に、一緒に回りましょうということになったものです。

鈴木委員

 自主的な活動ということですね。

育成課非行防止・自立支援担当課長

 はい。

鈴木委員

 先生方が来ていれば、子どもたちもきちっとすると思いますし、先生が見守ってくださっているのも良い影響になると思います。

井内委員長

 不良行為での補導人数が激減していますが、これは何か原因があるのでしょうか。

育成課非行防止・自立支援担当課長

 複合的な原因があると思います。アリスガーデンの隣のドン・キホーテの地下1階にゲームセンターがありますが、ここのゲームセンターでは、徹底した未成年者の年齢確認をされて、入らせないようにされていて、少年たちがそういうところに溜まらなかったということと、たばこを持っている子どもが少なかったということが減少した原因の一つではないかと思っています。

栗栖委員

 ドン・キホーテに対して何か働きかけをしたのですか。

育成課非行防止・自立支援担当課長

 中央署の方がそういう行政指導を行いました。

栗栖委員

 この結果をドン・キホーテに還元されたらよいのではないかと思います。「御協力いただいたおかげで、昨年に比べて随分減少しました。それはチェックしていただいたおかげです。今後もよろしくお願いします。」などと還元されたらよいのではないでしょうか。

育成課非行防止・自立支援担当課長

 分かりました。

井内委員長

 私は中央通りに事務所がありますが、以前、ごみが散らかって大変なのだと言いましたが、今年は、確かにきれいだったと思います。町をみんなできれいにしましょうということを徹底するということは若い人にとって大変よい教育になると思いますので、是非続けていただきたいと思います。
 次に、議題3の「平成26年度全国学力・学習状況調査及び『基礎・基本』定着状況調査の結果について」を議題といたします。
 本件は報告案件でございます。内容につきまして、指導第二課長から説明を受けます。

指導第二課長

 議題3「平成26年度全国学力・学習状況調査及び『基礎・基本』定着状況調査の結果」につきまして、御報告いたします。
 9月12日に、速報という形で御報告いたしましたが、この度、別冊1として「全国学力状況調査の結果」、別冊2として「『基礎・基本』定着状況調査の結果」を、正答数の分布、各領域における定着状況、誤答の多かった主な問題、質問紙調査結果等についてまとめるとともに、別冊3として、学校の特色ある取組事例をまとめましたが、量がかなりありますので、この中でポイントのみ抽出して御説明させていただきます。別冊につきましては、後程御覧いただければと思います。
 5ページを御覧ください。
 「1 調査結果の概要」、「2 課題となった設問」、「3 学校の特色ある取組について」の3つについて、柱立てしています。
 1点目の「調査結果の概要」でございますが、(1)「教科に関する調査の結果」につきましては、丸1「正答数の分布状況」を、(2)「質問紙調査の結果」につきましては、児童生徒の丸1「学習意欲・自尊意識」、丸2「思考力・表現力」、丸3「学習習慣」について、学校に関しては、丸4「指導方法」について、以上4点を抽出しながら御説明したいと思います。
 2点目の「課題となった設問」については、全国学力・学習状況調査の問題から、(1)「小学校算数」、(2)「中学校国語」を例に説明したいと思います。
 昨年度までは、全体的な傾向分析までとしていましたが、今年度は、加えて、学力の向上につながった「学校の特色ある取組」について、小学校2校、中学校2校を説明いたします。
 それでは資料6ページを御覧ください。
 まずは左側でございます。「基礎・基本」定着状況調査と全国学力学習状況調査の正答数の分布状況を抽出しています。グラフの中央にある棒線は、概ね満足できると考えている、正答率(通過率)60%を示しています。
 「基礎・基本」の正答数の分布状況ですが、国語につきましては、小・中学校ともに分布が右よりの山形であり、学習内容は概ね定着していると捉えています。
 その下、算数と数学についてです。小・中学校ともに、国語と同様に、分布は右よりの山形となっており、学習内容は概ね定着していると捉えています。
 3段落目の理科についてです。小学校では、分布が右よりの山形であり、学習内容は概ね定着していると捉えていますが、中学校では、分布が中央によった山形であることから、学習内容の定着に課題があると捉えています。
 最後に英語についてです。これは中学校のみですが、分布状況は右よりの山形であり、学習内容は概ね定着していると捉えていますが、下位の層も相当数いることが課題であると捉えています。
 続きまして、その下、全国学力・学習状況調査です。
 まず、国語につきましては、中学校「国語B」においては、分布がはっきりとした山形になっておらず、ばらつきが大きい状況になっています。
 その下、算数・数学についてですが、小学校「算数A」については、分布が右よりの山形となっていますが、小学校「算数B」、中学校「数学A」「数学B」においては、分布がはっきりとした山形になっておらず、ばらつきが大きいという状況になっています。
 次に、(2)「質問紙調査の状況」についてです。
 右側の質問紙調査の状況を御覧ください。質問紙のデータを整理したものです。
 まず、「基礎・基本」定着状況調査についてです。「基礎・基本」定着状況調査については、平成22年度の結果と比較して分析しています。また、平成22年度の結果より、5ポイント上昇した項目について、網掛けをしています。
 児童・生徒の結果については、成果と課題に分けています。
 成果についてですが、「学校に行くのが楽しい」と思っている児童が0.4%、生徒が4.3%増加しており、また、「自分にはよいところがある」と思っている児童が3.0%、生徒が7.7%増加しています。
 さらに、物事を解決したり決めたりするときに理由を考える児童が1.9%、生徒が8.3%増加しており、自分と違う意見を受け入れながら自分の考えを話している児童が3.4%、生徒が8.6%増加しています。
 課題としては、予習・復習をする児童生徒は増加していますが、予習を全くしていない児童が15.1%、生徒が22.7%、復習を全くしていない児童が11.4%、生徒が14.1%いるという状況です。
 続いて、学校についてです。成果としては、言語活動の充実を図っている小学校が19.9%、中学校が23.5%増加しています。また、考える方法を教える指導に重点をおいて指導を実施している小学校が12.1%、中学校12.5%増加しています。
 続いて、下の「全国学力・学習状況調査」についてです。
 「全国学力・学習状況調査」については、平成19年度調査、一部平成21年度調査ですが、これと比較して分析しています。また、平成19年度調査より5ポイント上昇した項目に網掛けをしています。
 まず、児童・生徒の結果についてですが、「基礎・基本」と同様に成果と課題に分けています。
 成果についてですが、「自分にはよいところがある」と回答している児童が6.7%、生徒が6.9%増加しています。また、人の役に立つ人間になりたいと思っている児童が12.4%、生徒が5.7%増加しています。
 また、授業で児童生徒が話し合う学習活動が小学校で24.9%、中学校で21.1%増加しています。さらに、自分の考えを説明したり、文章に書いたりすることに苦手意識をもっている児童が22.2%、生徒が9.7%減少しています。
 課題としては、家庭での学習時間が30分未満の児童生徒が減少しているものの、全く勉強していない児童が2.6%、生徒が4.9%いることです。
 続いて、学校についてです。
 成果ですが、生徒の発言や活動の時間を確保して授業を進めている小学校が1.4%、中学校が3.1%増加しています。
 また、国語で、目的や相手に応じて話したり聞いたりする授業を実施している小学校が5.0%、中学校が17.8%増加しています。さらに、算数・数学で、実生活と関連を図った授業を実施している小学校が23.1%、中学校が27.6%増加しています。
 次に2の「課題となった設問」について説明します。
 7ページを御覧ください。
 課題となった設問として、全国学力・学習状況調査の小学校算数のB問題を例示しています。
 ここでは、「一あたの長さ」と身長の関係、妹の身長、使いやすい箸の長さのめやすの三つの情報を基にして筋道を立てて考え、「一あた半」の求め方を言葉や式を用いて記述するというものです。
 正答率が、34.6%、誤答率が、52.4%、無答率が13.0%です。
 主な誤答は、「妹の身長から妹の一あたの長さを求める式(140×0.1など)や言葉だけの記述で、妹の一あたの長さから妹の箸の長さを求める式(14×1.5など)や言葉の記述がない。」というもので、示された情報を整理し、解決の見通しを立てる力が十分身に付いていないというような状況がうかがえます。
 8ページを御覧ください。
 全国学力・学習状況調査の中学校国語のB問題を例示しています。
 ここでは、接着剤について書かれた説明文の情報を根拠にして、封筒に貼ってある切手を水の中に浸すと、きれいにはがすことができる理由を条件にあわせて書く問題です。
 正答率が、25.9%、誤答率が、55.6%、無答率が18.5%です。
 主な誤答は、「切手の裏ののりは、ぬらすと液体の接着剤となり、これが物にくっつく仕組みをアンカー効果という。」のように、切手をきれいにはがす理由ではなく、アンカー効果の説明を書いているものなどであり、文章や資料から必要な情報を取り出し、伝えたい事柄や根拠を明確にして自分の考えを書く力が十分に身に付いていないというような状況がうかがえます。
 以上、誤答率の高かったものを例示しましたが、他の問題でもこういった傾向が現れています。
 それでは、最後になりましたが、成果のあった学校の特色ある取組について説明させていただきます。
 9ページを御覧ください。
 石内小学校ですが、特に、「『ゴールから作成する』授業作り」を重点として取組を進めています。
 1の「全国学力・学習状況調査の結果」ですが、左のグラフのとおり、国語A・B、算数A・Bともに全国平均を上回ることができました。特に、算数のB問題は、全国平均を大きく上回っています。また、右のグラフからは、国語A・B、算数A・Bともに、30%未満の児童の割合が大きく改善された様子が分かります。
 2に「効果があったと思われる取組」を示しています。⑴として全学級で「めあて」「まとめ」カードを活用するとともに、本時で目指す評価規準(児童の姿)を達成するための授業づくりである「授業はゴールから作成する」を意識した授業改善の取組をしています。⑵として、考えを伝え合い、深め合う授業づくりを目指し、児童の思考の跡が残るワークシート及び板書の工夫、自分の考えを伝えたり広げたり深めたりするための話し合い活動の工夫等について研究を進めています。(3)は授業後の協議会ですが、授業後の協議会では、授業前に協議に柱を示しておき、全教職員で授業改善の取組の方向性を共通認識して取組を進めています。
 具体的には、(1)にあります「ゴールから授業づくり」の取組については、授業の終わりに、児童がどのような姿になったらよいかを、本時の目標、評価規準をもとに授業設計を行っています。評価規準を児童の姿で具体的にイメージして「ワークシートにこんなことを書いてほしい。」「このような発言が出て欲しい。」このような目標を達成した児童の姿に迫るために、「中心活動は何になるのか。どのような活動にしたらよいのか。」「時間配分をどのようにしたらよいのか。」「どのような支援をしたらよいのか。」など、ゴールからの授業づくりに取り組んでいます。これらの取組により、明確な「めあて」を児童に示し、それに対応する「まとめ」を行うことができ、付けたい力が明確な授業を行うことができるようになってきています。
 次に、(2)の「考えを伝え合い、深め合う授業づくり」については、思考力・判断力・表現力育成のために、児童が思考しやすいワークシートの工夫や、児童が思考する時間の確保に努めています。児童にどのような思考をさせるのか、思考したことをどのように書かせるのか、ワークシートの工夫を行うことで、一人一人の児童にしっかりと思考させています。また、自分の考えを友達に伝え、友達の考えを聞くことで、更に自分の考えを深める話し合い活動も取り入れています。
 次に、(3)の「児童の発言、ワークシートを根拠に振り返る協議会」ですが、研究授業では、協議の柱を事前に伝えるとともに、教員が観察する児童を決め、それをもとに授業観察を行っています。協議会では、具体的な児童の発言、つぶやき、ワークシートの記述内容をもとに、協議の柱に沿って協議を行っています。
 「本校は、授業の基本を大切にしています。その中で、授業力を学校で育てていく必要があります。それにはチームワークが必要です。『みんなで若手教員を育てる』『ベテラン、ミドルリーダー、若手教員それぞれの役割を果たす』、そして何よりも『全員が同じ方向を向いて進んでいく』ことが大切だと思います。本校はとてもチームワークがよい学校です。」というメッセージを校長からいただいています。
 続きまして11ページを御覧ください。
 安西小学校では、「めざす児童の姿の具体化と共有化」を重点として取組を進めています。
 1の「全国学力・学習状況調査の結果」ですが、国語A・B、算数A・Bの全ての教科で全国平均を大きく上回っています。特に、B問題は、平成25年度を大きく上回っています。右のグラフにあるよう、国語A、算数A・Bで、正答率30%未満の児童が「0」になっています。
 2の「効果があったと思われる取組」ですが、(1)として、既習事項の定着を図るため、既習事項を活用した自力解決の充実をめざす研究を進めています。次に(2)としては、自分の考えを相手に分かりやすく伝える方策や、ペアトーク等のグループ活動の効果的な活用の研究をしています。(3)は、校内研究授業において、評価の視点を明記したシートを活用して児童の姿を見取り、それをもとに協議会を行うことで、教職員全員でめざす児童の姿の具体化と共有化を図っています。

 具体的には、(1)の「自力解決の充実をめざす研究」として、帯時間の活用や家庭学習の内容の工夫などを通して、計算力の向上を図っています。校内全体研修会では、全学年が授業公開し、具体的な授業場面での自力解決に向けた手立てについて研究を進めています。児童からは、「自分の考えをみんなに見せました。結果は間違っていたけど、自分の考えをもつことができたのでよかったです。」「〇〇君が分からないと言い、みんなの考える元となりました。考えも1つだけでなく2つ出てきておもしろかったです。」などの感想が書かれています。(2)の「相手に分かりやすく伝える方法の指導」については、自力解決場面の思考の充実を継続し、思考を整理し表現する場の一つとして、ノート指導の充実を図っています。年度始めにノートの雛形を示し、各学年の発達段階や実態に応じて工夫をしています。また、説明が苦手な児童への支援の一つとして、各学年の発達段階や実態に応じた話型を掲示しています。この例は5年生の話型です。また、伝え合う経験の場を数多くし、ペアトーク等のグループ活動を効果的に活用しています。
 次に、(3)の「めざす児童の姿の具体化と共有化」につきましては、各学年を基盤に取組を進めています。校内全体研修会では、評価の視点を明記したシートを全教職員が持って児童の姿を見取り、協議会を進めています。
 校長先生からは、「本校では、どの学級でも同じ学びを保障できるよう、具体的な児童の姿を共通理解し研究を進めています。各学年や各ブロックで指導案を検討するだけではなく、授業観察を行っています。どの教員も、楽しんで研究や授業をしています。」というメッセージをいただいています。
 続きまして13ページを御覧ください。中学校の事例です。
 矢野中学校では、「効果的な指導方法等を全教員が共有し、継続的に実施した取組」を重点とした取組を進めています。
 1の「『基礎・基本』定着状況調査の結果」ですが、一番左のグラフは県平均との差です。全ての教科で、通過率の向上が見られました。また、理由を考えたり、理由をつけて話したりする生徒が増加しています。
 「効果があったと思われる取組」として二点挙げられています。(1)として、「矢野中学校授業モデル」を作成し、全教員が共通認識をもって、「聴く・つなぐ・もどす」を軸にした授業改善に取り組んでいます。二つ目としては、4つの研究チームで、チームテーマを設定して、研究授業を組織的・計画的に実施しています。
 (1)の「全教員が共通認識をもつための取組」につきましては、右側にありますように、「本時の目標の明示」、「ポイントを絞った板書」、「目標に即した中心発問の設定」、「目標に対する振り返りの設定」の4つからなる「矢野中学校授業モデル」を作成し、先ほどの「聴く・つなぐ・もどす」を中心に据えた授業づくりに取り組んでいます。
 14ページを御覧ください。
 4つの研究チームで効果的な指導方法を共有する取組については、組織的な授業改善に取り組むために、教員をAからDの4つの研究チームに分け、それぞれのチームが「学び合うための協同学習」、「安全・安心・学びのための学習規律」、「すべての子どものためのユニバーサルデザイン」、「心を通い合わせる挨拶・学習環境づくり」というテーマで研究に取り組んでいます。4つの研究チームは、中学校区で統一されており、年に3回、合同研修を行っています。
 実践例を御覧ください。
 2学年の社会科の授業です。「A町の過疎対策を考えよう」というめあてを設定し、資料から様々な情報を読み取り、活用し、授業を進めています。
 校長先生からは、「『矢野中学校授業モデル』を作成したことで、教員が同じベクトルで授業づくりに取り組むことができるようになり、生徒が考えたことを伝え合う活動を取り入れた授業が増えてきました。各研究チームの研究協議会では、生徒の学びの課程はどうだったか、意味のあるグループ活動だったかなどの視点から、教科の枠組みを越えた協議ができつつあります。」というメッセージをいただいています。
 それでは最後になりますが15ページを御覧ください。
 二葉中学校では、「生徒の自己肯定感や自尊感情を高める取組」を進めています。
 1の「学力調査の結果」ですが、「知識」、「活用」のどちらとも向上しています。また、家庭で学習する生徒の割合も増加しています。さらに、生徒の自己肯定感や自尊感情が向上しています。特に、一番右のグラフにつきましては、25年度の3年生と26年度の3年生で、2年生の時と比較しています。
 2の「効果があったと思われる取組」ですが、(1)は、生徒の学習意欲や基礎的・基本的な学力の向上を図るため、地域の方々の協力を得て、学習支援活動を実施しています。(2)は、学習習慣の定着を図るため、生徒一人一人に「自主学習ノート」を配布し、自主学習時間が多い生徒に感謝状を贈呈しています。(3)は、生徒の自己肯定感や自尊感情を高めるために、地域貢献活動を実施しています。
 (1)の「地域住民等による学習支援活動」については、「できる喜び」や「分かる喜び」を実感させることで、生徒の学習意欲の向上を図るとともに、基礎的・基本的な知識・技能の定着を図るため、地域の方々等に学習支援者(サポーター)になっていただき、放課後や夏休みに学習会を実施しています。
 次に16ページを御覧ください。
 (2)の「『自主学習運動』の実施」についてですが、二葉中学校では、家庭学習の習慣が身に付いていない生徒が多かったため、「家で毎日1時間以上自主学習することができる生徒を70%以上にする」ことを目標に、昨年度から、生徒一人一人に自主学習ノートを配布しています。生徒は、毎日1ページ以上、その日に受けた授業の内容をまとめたり、次の日の授業の予習をしたりしています。1ヶ月の自主学習時間が、塾での学習を除いて100時間以上に達した生徒には、全校生徒の意欲向上に貢献したとして、毎月の全校朝会で、感謝状を贈呈しています。家庭学習を継続することで、自分と二葉中学校の未来づくりに大きく貢献したことを、先生たちから感謝されることを通して、意欲的に家庭学習に取り組む生徒が増加しています。
 (3)の「地域貢献活動の実施」についてです。生徒の自己肯定感や自尊感情を高めるために、中学校と小学校、家庭、地域が協働して実施している地域清掃体験活動やプランターや地域の散歩道への花苗の植え付え等のボランティア活動などの地域貢献活動を実施しています。保護者や地域の方々から、「生徒さんに草取りをしていただき、公園がきれいになりました。ありがとうございました。」「中学生が小学生をフォローしながらリードしていく姿に感動しました。」などの意見が寄せられ、そのことが生徒の自己肯定感や自尊感情の向上につながっています。
 校長先生からは、「二葉中学校は一体感がある学校づくりと生徒・教職員の自尊感情を育むことに重点的に取り組んできました。授業改善、学習習慣の形成、家庭・地域との連携強化による学力向上や生活改善等の成果から生徒は自信を高めました。『小学校・家庭・地域とともにさらに前進を!』と、学校は活気に満ちています。」というメッセージをいただいています。
 以上、主なものを報告しました。
 今後こうした結果や取組を、各学校に周知するとともに、来年度も計画している授業改善推進校や小中連携教育重点校等での取組においても、こういった点の改善策について検討を進めていくよう学校を指導していきたいと考えています。

井内委員長

 ただ今の説明について、御質問等はございませんか。

鈴木委員

 学校が日々変わってく、先生方が一生懸命研究指定を受けて、実践される中で学校が目に見えてきれいになっていく。そうすると先生方の取組が目に見えて、子どもが変わってきます。そして、地域の方が、先生に対する尊敬というか、敬意が現れてきて、変わっていきます。突然学校というのは変わります。そういうのを目の当たりにしてきまして、変わるということを信じて、私たち教育委員会は、支援していくことが大事かなと思います。それが数値に現れてきていることが大事だと思いました。
 課題として出ている、学校の授業の予習、復習というのをどのように改善していくのかということについて、後で御意見があれば聞きたいのですが、今日見せていただいた4つの学校がかなりヒントを与えてくれているような気がしました。自主学習ノートであるとか、ほめて育てるようなやり方とか、授業内でも自分の意見が言えるようにするためには勉強していないとできませんので、そういったことがヒントになるのかと思いました。授業の予習、復習をしているという子どもの比率が低いということが課題になっていましたので、その点について、改善をするための手立てを考えておられれば教えてください。

指導第二課長

 例えば家庭学習、これは全国学力のところですが、家庭での学習時間が30分未満の児童・生徒は減少していますが、全く勉強をしていないと答えた児童が2.6%、生徒が4.9%となっています。ということは、宿題も十分できていないということになり、学習したことの定着が難しいという現状があります。発達段階、あるいは各学校の実態によっては異なるとは思いますが、一つの例としては、自主学習ノートを活用して、それを評価していくということがあります。あるいは、別の中学校ですが、自主学習ノートはないのだけれども、生徒からの申告によって、これを表彰して評価を与えるという学校もあります。こういった事例を学校に周知していきたいと考えています。
 また、小学校では、生活習慣の問題が非常に強く関わってきますので、家での生活リズムも含めて、指導は必要かと考えています。

鈴木委員

 私の意見としては、2.6%や4.9%という確実に勉強していない子どもがいるということであれば、学校で付けるべき力は、学校で付けなければいけない、宿題任せにしてはいけないということがまず一点です。一つの参考になるかと思いますが、正答率が下回った、文章から必要な情報を取り出し、根拠を明確にして自分の考えを書くという、中学校国語の問題は説明文です。説明文を読んで勉強する前段階として、視写をするというやり方があって、国語はもちろん英語もそうですが、必ず書くということを授業の中に取り入れていて、分からないことと分かったことを自分で分析する、分かったことを下にまとめて書くとかいった、学習の方法のようなことを広めていかれたらよいのではないかと思います。国語の説明文をきちんと読むような力が付けば、先ほどの算数で出てきている課題というものも解決できますし、視写をするという習慣を付けるということで、勉強の習慣を付けることができるのではないかと思います。これは意見です。
 もう一点、正答率の分布状況の英語のところですが、ふた山になっています。これは確実に二極化です。すなわち、できる子とできない子、好きな子と好きでない子が分かれていく可能性があるように思われますが、この点について何か対策、山型になるためのアイデアとかありましたら聞かせてください。

指導第二課長

 先ほど委員から御指摘がありましたように、学校での授業がベースであり、家庭学習の取組は、学習意欲を高めていくための有効な手段ではあると考えています。
 中学校の英語についてですが、調査には、英語のタイプ1とタイプ2があり、タイプ1は知識や理解、タイプ2は活用となっています。ここで示した英語のグラフは、タイプ1とタイプ2を合算しています。今回の平均通過率を見ますと、タイプ1は67.4と非常に高くなっていて、タイプ2は46.8と非常に低く、約20ポイントくらい差があります。タイプ1だけなら右寄りになり、タイプ2ではやや左寄りになっており、これらを合わせたことによってこういった分類状況になっています。したがって、活用場面、とりわけ英語においては、文章を読んで、必要な情報を取り出して、その情報に関連する英文を書くことや、根拠を持って考えを伝える英文を書くことに課題があるため、今後、活用力であるタイプ2に力を入れていく必要があると考えています。

溝部委員

 今の英語について追加の質問ですが、基礎基本ですから、中学校2年のテスト結果ですよね。中学校2年生の春ですよね。だから、中学校1年生で勉強しただけの結果がこういことになっているというのはとても重いかなと思います。もう少し細かい分析があるとよいと思いました。
 この度は具体的な取組が小学校、中学校から出ていて、先生方の御努力がよく見えます。全部の市内の小・中学校に例示されるのではないかと思いますが、参考にしていただいて、これからどの学校も一工夫、二工夫されていると思いますので、実態に合わせて工夫をすればどうなったということはどの学校も言いたいと思いますので、それをクローズアップしていただきたいと思います。過去5年の実績を見ると随分と上がってきています。上げることは難しいことだと思いますので、よく努力されているなというのが感想です。
 6ページのデータは、上がっているものはよく見えるのですが、すごく下がっているというようなものはないのですか。

指導第二課長

 大きく下がっているというところはありません。ただ、年度ごとに上がったり下がったりということはあります。この度はある程度絞って、抽出しました。

溝部委員

 それから家庭学習、学習指導要領でも学習習慣というのが学力の一つになっていて、学習の習慣を付けることが学力の一つであると言われていますので、大変重い課題になっていると思います。
 毎年、二葉中学校に学生と一緒に行っているのですが、年々バージョンアップして、学校全体の取組が素晴らしくなっているのが見えます。何が見えるかといえば、掲示物にすごくそれが見えるようになっています。この感謝状ですが、去年の秋に行った時には、校長先生が今からやろうと思うのだという時でしたが、今年行った時には、学級にこの一人一人の感謝状が張ってありまして、それはすごいなと思いました。たった1日、1時間行っただけで、それが見えるということが、皆さんの刺激になるし、地域の方も保護者もやる気が生まれるのだろうと思いました。
 この感謝状も素晴らしいのですが、毎日出てくるノートを、おびただしい量を先生方が毎日見られているということを聞いてきました。「丁寧には見れないけれども、必ず検印を押すのだ。」と言われて、どのように時間を捻出してのかとも思いました。そういう先生方の頑張りを、何か教育委員会としても報いるような方向で考えていけないかと思いました。
 何か取り組もうと、学校全体でベクトルをひとつにすると、必ず結果が二つ、三つ出てくるということを感じています。是非先生方の素晴らしいところを評価していただければと思います。
 予習、復習というのは大変難しい、その境目は一体何なのか、宿題ではないのか宿題なのか分からないというところもあります。学校も、予習、復習の区別はあいまいで、困っているのではないかと思います。宿題も入れるのか入れないのか、いろいろあるので、そこも広島市教育委員会として予習、復習、あるいは家庭学習ということのある程度のエリアを提案してみてはどうかと思います。

栗栖委員

 資料を見させていただいて、レベルが上がっているように見受けられますが、これはひろしま型カリキュラムの効果が出てきていると解釈してよいのでしょうか。

指導第二課長

 今回の結果を5年前と比較してみますと、少しずつではありますが、子どもたちの意識、例えば、理由を考えて意見を述べるとか、指導方法においても、実体験に基づいたところで関連を図った授業展開をする、こういった意識などの面で、ひろしま型カリキュラムの成果が出ているものと考えています。

栗栖委員

 いろんな評価点検や検証作業がありますが、ひろしま型カリキュラムの成果が出ているということを反映していただきたいのと、こういう良い取組はどんどん周知していただいて、例えば似たような学校があれば、それを取り込んでいくようにしてほしいと思います。
 もう一点は、なかには、やろうとしたことが思うようにいかなかったとか、ネックになるようなことがあって思うように進まなかったとかのような取組もあると思いますので、そういうところもきちんと分析していただいて、なぜうまくいかなかったかなど、うまくいかなったことも、総合的に考えて対応されれば、良いことはもっと進めていく、悪かったことは改善していくというように、全体のレベルアップにつながるのではないかと思います。そういった分析を是非行っていただいて、次回に反映していただければと思います。

指導第一課長

 9ページの石内小学校は、24年度から、ひろしま型カリキュラムの言語数理運用科の授業改善推進校です。言語数理運用科は5、6年だけなので、そこに合わせて、24年と25年は1年生から4年生に対しては、特に国語を中心に基礎学力の定着を図ってきたので、こうした結果が出ていると思います。ひろしま型カリキュラムを踏まえて、取り組んでいるということで、この学校の効果的な取組が見えているのではないかと思います。

溝部委員

 大学生を見ていて、最近はパソコンをよく使うようになって、「書く」力はどうなのかと思っています。学力テストは両方とも結構「書く」のですね。「書く」ということ、安西小学校の帯時間の活用とか家庭学習をやられいますが、たくさん「書く」というということの取組をどこかでされるようなことがあればよいのではないかと感じています。
 家庭学習が先ほどから話題になっていますが、家庭学習では、ノートを使ったりして、「書く」ことに非常に重きを置くことになるのではないかと思います。そういうことと連結させるとよいのではないかと思います。

鈴木委員

 先ほど二葉中学校の名前が出ましたので、私が関わっています矢野中学校についてお話します。
 5年かかって学力が上がりました。最初の3年くらいは、学校が落ち着く、皆で勉強をしていくような雰囲気を作ることに力を注ぎ、結果として学力の向上が見えたということです。そういうことからみても、1年、2年の取組ですぐに結果が出るわけではなく、長い目で見て、子どもたちを育てていくということが大事かと思いました。
 矢野中学校の良いところは、小中連携をしっかりやっているということです。通常は、小学校は小学校、中学校は中学校ですが、小学校から育てていただいて、引き続いて中学校で育てるというように、小学校、中学校の先生が、14ページにあったかと思いますが、研究チームに分かれ、チームに小・中の先生が入って、共有化がうまくできていると思いました。
 本日も研修に行ってきたのですが、結果として学力が向上するということを目指すべきではあると思いますが、学校というのは人間教育の場ですので、人間教育の根幹というものを大事にしながら、学力を付けていくということをお話ししてきました。
 いずれにしましても、大変良かったと思うのは、モデル校が4つ出て、しかも校長先生からのメッセージも付き、効果があったという取組の具体例まで示されているということで、各学校においても、非常に勇気付けられる報告だったのではないかと思います。
 先ほど溝部委員が言われましたが、表彰とか、研究指定校で顕著な効果があったところに対して、表彰するような制度とか顕彰するような制度を入れていって、勇気付けていくということも今後考えてみてはどうかと思うくらい素晴らしい取組であったと思いました。
 また、先ほどひろしま型カリキュラムの話が出ましたが、私はデータにも出ていると思いました。それは、全国学力・学習状況調査の学校の成果の横にありますが、生活と改善を図った授業を実施している割合が20%以上増加しているということは、先生方がかなり意識して、子どもたちの学びを生活にいかしていく、生活で経験したことを学びにいかすということをされているのだと思います。そのためには、子どもの生活をよく見なければいけません。今、子どもが何に関心を持っていて、世の中はどのように動いているかということを知っているということが必要ですので、先生方の教材研究も高まっているのではないかと思います。
 昨日の新聞にもありましたが、今後、大学入試が変わっていくとありまして、学校の授業も、評価の方法も変わっていくと思いますが、それはひろしま型カリキュラムの方向と同じだろうと思いますし、これまでの効果の検証とか取組というものをアピールしていく良い機会ではないかと思いました。

井内委員長

 私も皆さんの言われたとおりだと思いました。
 一つ付け加えるとすると、今までは、目標というものを作って、その目標を達成するためにどのようにすればよいかと考えていたけれども、実は、子どもがどのように変わるべきかというゴールを設定して、そのゴールから逆な方向で、その方略などを考え直していくというやり方の成果が出ているのではないかと思いました。そういう方法をとった時には、できる子はどんどんできるのだけど、ここでいう通過率30%未満のような子が増えないか心配をしたのだけど、これも減っていて、これは素晴らしいなと思いました。
 おそらく先生方がゴールをこういうふうにしようと思った時に、それを目指す方略をすごくしっかり考えられたのだろうな、そういう工夫というものがこの文章では見えないので、もう少しその辺りの工夫を、広く説明ができるようなものがあると、よりこれからの上昇が期待できるのではないかという気がしました。
 いずれにしても先ほどの大学改革などのいろんな取組が出ましたが、結局は少子化になって、一人一人の子どもたちを、多様化のもとで伸ばしていこうという大きな流れの一環だと思いますが、先生がゴールを作るのではなくて、自分のゴールは自分で考えるというように、一人一人の子どもたちが自分たちでゴールを作るというところから、いろんな取組を学校の中でもできるようになればいいなと思っています。
 この結果そのものに対する質問ではないのですが、先ほど言いましたが、先生の努力がもう少し見えるようなものにすればよいのではないかという気がしました。

尾形委員(教育長)

 少し補足しますと、この調査ですが、基礎・基本は小5、全国学力は小6、中3ですが、これ全て悉皆です。抽出ではありません。ということは、かなり精度の高い結果が出ているテータだと思います。
 ひろしま型カリキュラムを平成22年度から導入してきて、今年、5年目を迎えています。これである程度、本市の学力の今の状況の分析した結果がここに出ているとみてよいと思います。
 そうすると、正答率を見ても、正答率は基礎・基本的な内容ですから、ほぼ基礎・基本的な内容は定着しているだろうと思います。ただし、教科によって、理科とか英語が今後の課題を残しているので、今後取り組んでいきたいと思います。重要なのは、右側の質問紙の方で、自尊感情とか学習意欲とかいった情意面や学校の指導法がどのように変わったかを見ることです。これが大きく変わってきているということが顕著に出ています。そういった意味で、これまでの効果が出ているという評価ができると思います。
 ただ、30%未満をどうするかということについては、今後の大きな課題で、授業の中でどう定着、習熟場面を入れるのか、どのようにして家庭学習を習慣付けるのか、などに今後取り組んでいかなければならないと思います。
 それからもう一つ見ていただきたいのは、個別の事例です。これは紙面のものではなくて、5年間の変化が実感としてありますし、それが紙面に現れていると思います。これは、実践の成果ですので、各学校に還元していきたいと思います。
 ここにある二葉中の校長先生のメッセージが印象に残っているのですが、生徒の自尊感情だけでなくて、教職員の自尊感情を育むことに重点的に取り組むというように、学力の結果も高めなければなりませんが、その結果だけを追うのではなくて、児童・生徒そして教職員の自尊感情を育むことも大事だと思いました。

井内委員長

 次に、議題4 議案第38号の「広島市立小学校及び中学校通学区域に関する規則の一部改正について」を議題といたします。
 本件は審議案件でございます。議案の内容につきまして、施設課計画担当課長から説明を受けます。

施設課計画担当課長

 議題4の議案第38号「広島市立小学校及び中学校通学区域に関する規則の一部改正について」お諮りいたします。
 資料17ページを御覧ください。
 本日、ご審議していただきます案件は、「1 改正の理由」にありますように、小河内小学校の廃止に伴う、「広島市立小学校及び中学校通学区域に関する規則」の一部改正についてでございます。
 御審議をいただく「2 改正の内容」ですが、二つあります。
 一つ目は、小河内小学校の通学区域である「安佐北区の安佐町大字小河内」の区域を統合先の飯室小学校の通学区域に含めるとともに、小河内小学校の通学区域を削るものです。
 二つ目は、清和中学校の通学区域から「小河内小学校の学区」を削るものです。
 いずれも小河内小学校の廃止に伴い、通学区域に関する規則の改正を行うものです。
 「3 施行期日」につきましては、平成27年4月1日から施行することとしております。
 なお、参考までに「経緯」を挙げさせていただいております。
 まず(1)にありますように、小河内小学校の廃止に伴う通学区域の改廃について、11月の教育委員会議で御報告させていただいたとおり、平成26年10月に開催された広島市立学校通学区域審議会において、改廃することを適当と認める答申を得ております。
 次に(2)にありますように、平成26年12月市議会定例会において、小河内小学校の廃止に伴う広島市立学校条例一部改正議案が議決されています。
 以上が御審議いただく通学区域変更の内容ですが、この改正規則の本文を18ページに、新旧対照表を19ページに添付しております。
 また、参考までに小河内小学校及び飯室小学校の通学区域図を20ページに、また広島市立学校通学区域審議会の答申書を21ページに示しております。
 以上でございます。

井内委員長

 それでは審議に入ります。
 ただ今の説明について、御質問・御意見等はございませんか。
 (質問等なし)
 それでは、議案第38号の「広島市立小学校及び中学校通学区域に関する規則の一部改正について」、御異議ございませんか。
 (異議なし)
 それでは異議なしと認め、本件は、原案どおり可決することといたします。
 次の議題5は、先ほどお諮りしたとおり、非公開となりましたので、傍聴人、報道関係、及び関係者以外の方は、退席していただきますようお願いします。

 (傍聴人等退席)

 (非公開部分省略)

井内委員長

 以上で予定の議題は全て終了いたしました。
 本日の教育委員会議を終了いたします。

ダウンロード

Adobe Reader<外部リンク>

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)

<外部リンク>