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ページ番号:0000017053更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

平成26年第13回教育委員会議(11月定例会)会議録

平成26年第13回広島市教育委員会議会議録

 平成26年11月26日(水曜日)、平成26年第13回教育委員会議(定例会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

  • 開会 午前 9時30分
  • 閉会 午前10時30分

2 出席委員

  • 委員(委員長) 井内 康輝
  • 委員 溝部 ちづ子
  • 委員 藤本 圭子
  • 委員 栗栖 長典
  • 委員 鈴木 由美子
  • 委員(教育長) 尾形 完治

3 事務局等の出席者

  • 教育次長 川添 泰宏
  • 青少年育成部長 熊田 一雄
  • 学校教育部長 隅田 一成
  • 指導担当部長 湧田 耕辰
  • 教育センター所長 市川 昭彦
  • 総務課長 橋場 忠陽
  • 施設課計画担当課長 和田 広
  • 育成課長 松田 裕子
  • 学事課長 植永 勝成
  • 健康教育課学校安全対策担当課長 池脇 雅彦
  • 市民局生涯学習課課長補佐 田村 直樹
  • 市民局文化振興課文化財担当課長 江崎 一博

4 傍聴者等

 2名

5 議事日程

  • 議題1 広島市立学校通学区域審議会の答申について(報告)
  • 議題2 平成26年11月の「子ども安全の日」について(報告)
  • 議題3 広島市指定重要文化財の指定について(議案)
  • 議題4 市長が作成する議会の議案に対する意見の申出について(代決報告)【非公開】

6 議事の大要

井内委員長

 ただ今から、教育委員会議定例会を開催します。
 本日は、傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただき、静粛に傍聴していただきますようお願いします。
 本日の議事録署名者は、栗栖委員と鈴木委員にお願いします。
 それでは、議事に移ります。
 本日の議題は、お手元の議事日程のとおりですが、本日審議予定の議題4につきましては、広島市教育委員会会議規則第7条第1項第8号の規定に該当することから、審議を非公開としたいと思いますが、御異議ありませんか。
 (異議なし)
 それでは異議なしと認め、議題4については、非公開と決定しました。
 それでは、議題に入ります。
 議題1の「広島市立学校通学区域審議会の答申について」を議題といたします。
 本件は報告案件でございます。内容につきまして、施設課計画担当課長から説明を受けます。

施設課計画担当課長

 議題1の「広島市立学校通学区域審議会の答申について」御報告させていただきます。
 お手元の資料の2ページを御覧ください。
 広島市立小学校の廃止に伴う通学区域の改廃につきまして「1 開催日時」にありますように、去る10月22日に「3 出席者」のとおり審議会委員7人の出席のもと、広島市立学校通学区域審議会に諮問しまして、答申を受けましたので、御報告いたします。
 「4 諮問事項」ですが、諮問の内容は、9月の教育委員会議で御説明し御了承いただいたとおり、来年の4月1日付けで廃止を予定しております小河内小学校の通学区域の廃止及び統合先の飯室小学校の通学区域の改正についてです。
 表にありますとおり、現行の飯室小学校の通学区域につきましては、「安佐北区安佐町大字飯室」となっております。
 また、現行の小河内小学校の通学区域は、「安佐北区安佐町大字小河内」の区域となっております。
 小河内小学校を廃止し飯室小学校に統合した後の通学区域案につきましては、現行の小河内小学校の通学区域を統合先である飯室小学校の通学区域に含めまして、統合後の飯室小学校の通学区域を「安佐北区安佐町大字飯室、安佐町大字小河内」とする通学区域の案として諮問いたしました。
 次に、「5 答申内容」ですが、出席者7人の全会一致での採決により、「諮問のとおり小河内小学校の廃止に伴い通学区域を改廃することを適当と認める。」旨の答申をいただきましたので、御報告させていただきます。
 なお、今後の予定ですが、「6 今後のスケジュール」のとおり、12月の市議会定例会に小河内小学校の廃止に伴う「広島市立学校条例の一部改正議案」を提出させていただきます。
 議会の議決を受けた後、12月の教育委員会議におきまして、「通学区域に関する規則の一部改正議案」を提案させていただき、正式に通学区域を決定したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 資料といたしまして、次ページ以降3ページに諮問書、4ページから5ページに審議会当日の説明資料、6ページに答申書、7ページから8ページに審議会の会議要旨を添付させていただいております。
 当日の主な質疑内容ですが、8ページを御覧ください。
 委員の方からは、全般的に通学方法や通学の際の安全対策などに関する御意見や御質問が出されました。
 具体的には、(3)の「諮問事項の審議」の「質疑の要旨」にありますように、まず1番目の白丸(〇)ですが、児童一人当たりの交通費はどのようになっているのかとか、市からの助成について質問がありました。これにつきましては、黒丸(●)にありますとおり、小学校の場合、4km以上から通学にかかる必要経費を実費で助成することになっておりまして、小河内小学校と飯室小学校の距離が約12.5kmということから、基本的に助成の対象となっている、そして一つの例として小学校北側のバス停である「野外活動センター入口」から飯室小学校の最寄のバス停である「安佐営業所」までの運賃が片道380円ということで、子ども料金はその半額であると回答しています。
 次に、統合後の旧小河内小学校区の見守り活動について質問がありました。これについては、次の黒丸(●)にありますように、登校については、午前8時9分に飯室小学校最寄のバス停着のバス便に乗車してもらうことを考えておりまして、皆が一斉の登校になり、同じバス停で下車ということになります。下校につきましては、下校の時間や降りる場所がそれぞれバラバラということがありますので、一点目として、教員が下校時に児童をバス停まで連れて行って、バスの運転手に停車するバス停をそれぞれ伝える、二点目として、上級生が下級生をフォローしながらバス下校をすることについて指導を行う、三点目として、非常時のバスの運行情報などを保護者にメールで一斉に連絡する、四点目として、毎年度、年度当初に、飯室小学校とバス事業者との間で安全対策について協議することとしている、ということなどについてお伝えしました。
 次に、同じ中学校区であります清和中学校の生徒が小学校の児童の面倒を見ることについての質問がありました。これにつきましては、小河内小学校区から清和中学校へ通学する生徒は9人いまして、小・中学校や地元と協議していきたい旨お答えしています。
 また、年度初め、バス停から自宅までの通学路について安全点検を行うよう提案がありました。これにつきましては、年度初めにPTAや地域の方との協議の場を設けまして、地域、保護者、バス事業者、警察などと連携しながら総合的に取り組んでいきたいと回答しています。また、小河内小学校の児童が早く飯室小学校の環境に慣れてもらうため、事前に小河内小学校と飯室小学校との間で交流事業を行っておりまして、この事業の中で実際にバスを利用した通学を経験してもらっていることなどもお伝えしております。
 最後に、小河内小学校の跡施設利用や今後の展望についても質問がありました。これについては、地元で組織されました二つの委員会のうち、跡施設利用を協議する委員会におきまして、現在、地元と一緒になって検討している旨回答しています。
 以上が審議会当日の委員からの質疑とそれに対する応答です。
 報告は以上でございます。

井内委員長

 この件に関しては、本委員会では、すでに小河内小学校廃止に関する審議は行っておりまして、審議会で審議をされて、答申を得たということです。
 問題は、これまで小河内小学校に行かれていた児童の通学路のことだと思います。
 一点質問ですが、8時9分のバスに乗るということですが、これにもし遅刻したらどうなるのですか。8時9分の次は何分ですか。

施設課計画担当課長

 約1時間後となりますので、その際は、学校の教員と保護者が連絡を取り合いながら、適宜対応させていただきたいと思います。

井内委員長

 1時間バス停で待つということはあり得ないということですね。
 ただ今の説明について、御質問等はございませんか。
 (質問等なし)
 次に、議題2の「平成26年11月の『子ども安全の日』について」を議題といたします。
 本件は報告案件でございます。内容につきまして、健康教育課学校安全対策担当課長から説明を受けます。

健康教育課学校安全対策担当課長

 平成17年11月22日に発生した矢野西小学校児童殺害事件から、丸9年目が経過しました。
 毎年11月には、事件の風化を防ぐとともに、事件後に一層強化された見守り活動等の子どもの安全対策を後退させることなく、子どもを地域全体で守っていく態勢づくりを継続することを目的に、2の「事業内容」に掲げた取組を行っています。
 まず、(1)の「全小学校での取組」ですが、本年は11月22日が学校休業日にあたったことから、前日の21日を中心として、アの、保護者と一緒に、通学路上の危険箇所の確認や見守り活動参加者に挨拶しながらの「保護者参加による複数登下校」、また、イの、木下あいりさんの御冥福を祈るなど、9年前の事件を振り返り、安全について考える「一斉朝会」を実施しました。
 また、ア・イの取組に加えて、各小学校で工夫し、さまざまな取組を行いました。主な取組の事例を表に掲げております。
 8区ありますので、各区1校ずつ記載しております。
 次に、(2)の「市職員による見守り活動」についてです。アの、通勤途上での見守り活動の強化として、この日、職員はジャンパーや緑色のカバン札、腕章などを着用し、通勤時に見守り活動を行いました。イの、各区役所の見守り・巡回活動等では、各区役所において、日頃の活動に加え、この日には、各区役所に1台ずつ配備している「子ども見守りパトロールカー」、これは写真を掲載しておりますが、車体が白黒塗装で屋根に青色回転灯やスピーカーがついている車両で、警察のパトロールカーと非常によく似ています、これにより各区内のパトロールを行うとともに、区役所職員が地域の見守り活動へ参加しました。
 続いて10ページでございますが、各区の取組概要を表にしております。教育委員会においても、21日の朝を中心に、梅林小学校を訪問しました教育長をはじめとして、課長級以上の職員がそれぞれ市立小学校に出向き、地域の方々と共に見守り活動を行いました。
 次に、3の「小学校における登下校体制等の現況」についてですが、(1)の「登下校体制、見守り活動の状況」について、毎日、全ての小学校で、2人以上の複数での登下校体制としています。
 また、多くの小学校で、毎日、保護者・地域の方による見守り活動を実施していただいています。
 (2)の「地域団体等の協力」につきましては、現在、全小学校区で、約420団体・約3万4千人の方々に、登下校時の組織的な見守り活動に御協力いただいております。
 また、今年度の「広島市安全なまちづくり功労表彰」では、子どもの見守り活動や防犯活動に功績がありました43の個人・団体を市長表彰いたしました。
 (3)の「地域学校安全指導員による巡回指導」につきましては、警察官OB10人に「地域学校安全指導員」を依頼し、小学校・幼稚園を、およそ2週間に一回のペースで定期的に巡回指導して、登下校指導や見守り活動者へのアドバイス、防犯教室などを実施しています。
 冒頭に申し上げましたとおり、矢野西小学校の事件から9年が経過いたしました。
 校長会・園長会におきましても、管理職自らが油断、慢心せず、こうした事案について風化、忘却しないよう、常に危機管理意識をもって職務に当たるよう指導しているところです。
 今後も、事件を風化させることなく、市として、それぞれの地域で頑張っていただいている「見守り活動」を支援していくことが重要であることから、引き続き、子どもの安全対策に全力で取り組みたいと考えております。
 なお、本案件につきましては、同様の内容で、11月21日開催の閉会中議会の文教委員会においても報告いたしました。
 説明は以上でございます。

井内委員長

 ただ今の説明について、御質問等はございませんか。

鈴木委員

 質問というわけではありませんが、子どもの見守り活動はとても大事なことだと思いますので、続けていただきたいということと、見守り活動をすることで、地域の活性化、子どもの役に立っているという意識も出てくると思います。やっておられる方が高齢化してきているのではないかということもありますので、ぜひ出来る世代につないでいただいて、長く続けていけるような運動にしていただきたいと思います。

栗栖委員

 安全についての意識を維持することが大事だと思います。
 一斉朝会というのが実施されておられ、「安全について考えました。」とされていますが、一斉朝会は、どういった内容で実施されているのですか。

健康教育課学校安全対策担当課長

 一斉朝会は、平成17年のあいりちゃんの事件について、校長先生から子どもたちに話してもらっています。

井内委員長

 校長先生の話が中心ということですか。

健康教育課学校安全対策担当課長

 はい。

井内委員長

 子どもたち自身が話し合って、自分たちの安全意識を高めるというようなことはされていないのですか。

尾形委員(教育長)

 「しあわせのひまわり」というあいりちゃんが育てたひまわりの種を各学校に配って、育てています。合わせて、矢野西小学校が作った「しあわせのひまわりのたね」という絵本も各学校に配り、教材として道徳の授業に活用しています。それを読んで、命の大切さについて学んでいます。

健康教育課学校安全対策担当課長

 今、教育長が言われたように、あいりちゃんが大事に育てていたひまわりの種を、「しあわせのひまわりの種」として、たくさんの学校に配るとともに、命の大切さについても話してもらっています。また、毎月22日は「子ども安全の日」として「自分の身は自分で守る」ことを指導していますが、11月22日は特別な日として、重点的に取組を行っています。

溝部委員

 二点ほどあります。
 まず、一点目は、こういう素晴らしい取組があるので、最近の安全が守られているのだろうと思うのですが、そういった中でも、不審者情報は絶えずあると思います。最近、どのような不審者情報がありましたかというのが一点目の質問です。
 二点目は、この素晴らしい取組は、各学校も悩みながら、どんな取組をしたら効果的だろうかということを考えておられると思います。年間を通して、これ以外に、防犯教室であるとか、安全を守るためとか不審者から身を守るためのさまざまな取組を行っておられると思いますが、そういうことをどのような形で市民の方にお知らせをしているのかというのが二点目の質問です。

健康教育課学校安全対策担当課長

 まず、不審者の情報ですが、平成25年度は289件発生しています。これは平成24年度と比べますと、34件減となっています。さらに遡って、平成23年度は275件と、これまで平均して年間300件ほど発生しています。
 毎月22日の子ども安全の日には、小学校全学年で防犯ブザーの所持や作動状況についての確認や使用方法についての指導を行っています。
 また、集団登下校を特別に行ったり、先生方が出て行って登下校指導を行ったり、防犯教室も実施しています。安全意識啓発マップを作成しておりまして、その発表会を22日に行っている学校もあります。
 さらに、先程から言われていますように、ボランティアの高齢化・固定化という課題がある中、いつもお世話になっている学校安全ガードボランティアの方々に感謝する会を行っています。
 これらの取組事例については、広島市のホームページを通じて広報を行っています。その他、市の広報番組に職員が出演するなど取組を進めていますが、これからもさまざまなアイデアを出しながら、広報に努めていきたいと考えています。

藤本委員

 安全マップ作りの話が出ましたが、子どもたちに考えてもらうというのは非常によい方法だと思います。安全マップ作りの取組は、全学校で取り組んでいるのですか。それとも学校によって取組に違いがあるのですか。

健康教育課学校安全対策担当課長

 全小学校で取り組んでいます。
 学校によっては、子どもたちだけが歩くのではなくて、保護者の方も一緒になって歩いていただいています。これにより、非常に見えにくい所であるとか、子どもがここから一人になるであるとか、地域の状況を親も子どもも知るという良い機会になっています。

藤本委員

 防災や防犯はもちろんですが、地図や社会科の勉強にもなりますので、いろいろな意味でとても有益な方法であると思います。今後も充実していただきたいと思います。

健康教育課学校安全対策担当課長

 安全マップについては、例えば1年でやったから2年でやらなくてよいというものではなくて、毎年つくることで発達段階に応じた理解が進むことに繋がっていきますので、とても重要なものだと考えています。

井内委員長

 先日の神戸の事件にありますように、一旦家に帰って、かばんを置いて、私服姿で出て行って、それから被害に遭うということがありますが、そういうところは、こういう見守り活動から抜けている。学校の責任とはいえないので、そこは子どもたち自身の自覚を高める以外に方法がないと思いますが、それについて何か考えていますか。

健康教育課学校安全対策担当課長

 まだ記憶に新しいのですが、平成24年度に、子どもがタクシーで連れ去られたという事件がありました。あの時、子どもはナイフで脅されてトランクに入れられましたが、大きな声で叫んだため、タクシーの運転手が気付いたということです。これは、子どもが自分の身を自分で守るという緊急的な行動をとったものです。6年生だったということであのような判断ができたのだと思います。
 不審者対応については警察官OBである地域学校安全指導員などからいろいろなことを教えていただいておりまして、大きな声で叫んで逃げるとか、笛を吹くとか、防犯ブザーを鳴らすとかいったことが効果的と伺っています。家に帰ってからの行動については、学校も具体的に教えているところです。

井内委員長

 やはり学校の中での教育が大事だと思います。つまり、通学の問題だけではなくて、その後の自分の行動、どのように動けばいいのか、もし不審者が来た場合にどうすればよいかということを、常時話し合っていく姿勢が必要だと思います。

尾形委員(教育長)

 今の9ページの具体的な取組の中で、これまで9年取り組んだ中で、今委員長が言われたように、今一番重点を置いていることは、自分の身は自分で守るという力です。確かに地域で多くの大人の目で見るということも大事ですが、一人になる区間ができるので、自分の身は自分で守る意識が大事になります。そこで、安全マップ作りは、どの学校でもしっかりやっています。そこにありますように、6年生が1年生のところに行って、マップ作りを指導したり、一緒に連れて歩いたりするなど、マップ作りはかなり充実しています。
 また、矢野西小学校の取組にありますように、命の大切さを考えるだけでなく、地域のボランティアの方々に感謝するという取組がかなり出てきています。子どもたちがただ見守ってもらっているというだけではなくて、自分たちから積極的に感謝の思いを伝えるということを大事にしているということが最近の傾向としてあります。
 先日、梅林小学校の校長先生が、「あいさつを大きな声ですることで不審者を近寄らせないようにすることができる。身を守るのに一番大事なことはあいさつだ。」と言われていました。
 子どもたちが進んであいさつや感謝の言葉を伝えることができるよう、指導を一層充実させていかなければならないと思っています。

井内委員長

 あいさつをするとか、感謝の気持ちを述べるということが、心の盛挙に直結すると思います。
 次に、議題3 議案第37号の「広島市指定重要文化財の指定について」を議題といたします。
 本件は審議案件でございます。議案の内容につきまして、文化振興課文化財担当課長から説明を受けます。

文化振興課文化財担当課長

 11ページをお開きください。
 議案第37号「広島市指定重要文化財の指定について」、御説明します。
 今回の指定につきましては、文化財保護条例第3条の規定に基づき、市内にある文化財のうち、重要な価値を有する2件の物件を指定しようとするものでございます。
 本件につきましては、所有者からの指定の打診、申請のもと、現地調査、復元指導等を行いつつ指定関係事務を進めてきたもので、また、広島市文化財審議会から、指定が適当であるとの答申をいただいています。
 それでは、各物件について御説明いたします。
 まず、12ページを御覧ください。
 「邇保姫神社の獅子舞」ですが、これは、南区に所在しています邇保姫神社に関するものです。この神社につきましては、平安時代後期頃に成立したとされる「安芸国神名帳」に、概要欄にお示ししております文字が見え、これは現在、歴史学の分野では、当社、邇保姫神社に比定されています。また、伝承によりますと、約400年前から、獅子舞が行われているといいます。
 本件での重要な点の一つに、氏子の家の一軒一軒を廻り、「みそぎ・はらえ」の行事を行っているところにあります。加えて、現存する木造獅子頭には、江戸時代中期に当たります、延享四年(1747年)の銘があります。伝承によると400年、獅子頭の銘からは250年を超える長い歴史を有しているものと判断されます。
 指定上の価値ですが、本件は、仁保島一帯で古くから行われてきたもので、獅子舞の旧来の形態をよく残している点で貴重であり、歴史的に見て、広島湾内における祭礼行事のあり方を考える上で重要であることから、指定し保存したいと考えております。
 なお、写真につきましては13ページに掲載しております。
 次に14ページを御覧ください。
 「亀山八幡の祭りはやし行事」です。亀山八幡神社につきましては、現在の安芸区阿戸町、近世では、熊野跡村という名前でしたが、ここの鎮守社であったといいます。この神社は、阿戸小学校のすぐ北の方に所在しています。
 この地域には、江戸中期に当たります1710年代の正徳年間の古文書などによると、三つの荒神祠、一つの集落を守る荒神の森、大樹の場合もありますが、この荒神の森と祠を示しており、荒神祠に加えて、地域的な区分を示す庭という記載もあり、上庭、中庭、下庭の三つの庭と荒神祠がセットで確認することができる状況にあります。この各々の祭りはやしの存在が当時の記録から窺え、各々のはやしが今日まで伝承されてきております。
 本件は、この旧熊野跡村の三つの地域である各庭のはやしが一つになって、旧熊野跡村の鎮守社である亀山八幡神社に奉納されてきていることが貴重で、これは他に例を見ないものと考えております。
 指定上の価値ですが、本件は、旧来の形態を残している点で貴重であり、今後、藩政時代の安芸国の農村部における信仰と共同体のあり方を考える上で、歴史的にも重要であることから、指定し保存したいと考えております。
 なお、写真につきましては15ページに掲載しております。
 最後に、この二つの物件とも、地域での保存継承の熱意は大変高いものであると報告させていただきます。
 以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。

井内委員長

 それでは審議に入ります。
 ただ今の説明について、御質問・御意見等はございませんか。

鈴木委員

 両方とも、保存会というところが保持されていて、これまでも長く継承されていたのだと思いますが、無形文化財になることによって、保存会での保存というのは、今後しやすくなるのか、何か変わることがあるのかということが一つ目です。
 それと、二番目の写真を見ると、子どもが参加されているので、保存会にも子どもが入っていて、継承されているのかなと思ったのですが、保存される方々の年齢層が分かれば教えてください。

文化振興課文化財担当課長

 まず、保存会についてですが、両物件とも、指定に当たって作っていただいたものです。これは、保存継承の母体が必要で、指定するということは将来に継承していくということですので、保存する母体を確実にするという意味で作っていただいています。
 その構成ですが、基本的には大人で構成しています。しかし、構成は、今はそれに賛同していても、次は賛同しない方が多くなると継承できないので、基本的には、いわゆる充て職といいますか、町内会長であるとかのずっと継承される役の方々で構成されています。

鈴木委員

 教材などで、地域の伝統を守ろうというようなことが授業でありますが、そういう時にこういうお話を授業の中で習って、そういうことを続けている人がいるのだ、自分たちも続けていこうというような授業がありますが、無形文化財の指定ということになって、子どもたちが自分の地域にこんな素晴らしい伝統があるということを知ると、継承がされやすくなるのではないかと思いました。今、これが新たにできたものであるということを聞きましたので、大人は高齢化していって、高齢化、固定化していきますので、継承するという時に、学校を巻き込んでいけばいいかなと思います。伝統があるということを誇りに思えることは必要かと思います。

溝部委員

 邇保姫神社の獅子舞と獅子頭ですが、私、仁保の方に勤務していましたので、非常によく知っておりまして、頻繁に地域の方、学校の方にこの「獅子頭」を見せに来ていただきましたし、獅子舞も、歴史の授業のみならず、さまざまな授業の中で来ていただいて、子どもたちはこのことを大変誇りにも思い、身近なものに感じている地域です。
 このように無形文化財として指定されていくということがあればあるほど、教育的には、とてもよいことだと思いますが、文化財として指定する基準のようなものはありますか。

文化振興課文化財担当課長

 こういう無形文化財の場合、芸能上価値が高いということが基準となります。普遍的な、幅広い基準になっていますが、個々によって状況が違います。例えば、獅子頭と獅子舞というような演技や一軒一軒氏子の家を廻っていくという形にあります。次の亀山八幡神社というのは、荒神信仰と三つの庭の地域共同体がセットになって残ってきていて、さらに、それが地域共同体の大きな村の鎮守社に奉納していくという本来の祭り、あるいは共同体のあり方が今も残ってきているということで、視点が少し変わっていますので、細分化というのは難しいのですが、そこは学術的な調査で担保して価値を検討していくという形になります。

溝部委員

 価値を検討していくということで、数がそれほど出ないのかもしれませんが、どんどん掘り起こしていただいて、保存していただきたいと思います。

栗栖委員

 このように認定するという場合には、当事者からの申請がスタートになるのですか。

文化振興課文化財担当課長

 さまざまです。大きく分けて、地域の情報提供、個人からの指定要望、それから私たちは全市域の悉皆調査を行っておりまして、悉皆調査に基づいて指定をかけていくという方法があります。この2件の場合は、地域からの情報提供で、指定に向けて、地域と一緒になって取り組んだものです。

栗栖委員

 広島市の重要無形文化財は全部でどれくらいありますか。

文化振興課文化財担当課長

 指定の性質区分ですが、こういった民俗系の無形文化財というのは現在市域で7件あります。安佐南区の阿刀神楽、安佐北区の養山八幡の同じく祭りはやし的な行事があるのですが、そういったものが指定されています。この度2件が加われば、9件ということになります。
 先程、掘り起こしてということについて御質問がありましたが、今、こういった無形の文化財については、歴史の経過と社会情勢の変化によって、姿が変わってきますので、その姿を戻して、なんとか指定していこうという取組を私どもは行っています。今、このほかに5件ほど、地域と一緒になって、指導あるいは調査して取り組んでいるところです。

井内委員長

 先程の後継者の問題ですが、神楽などは、小学校などで、子どもたちがよく取り組んでいます。こういう祭り的な、年に1回くらいしかないものは、常に演奏したり舞ったりするものではないので、非常に後継者を育てるという意味では難しいかなと思います。保存会を作ったのであれば、年齢が高い人ばかりが集まったのでは保存には繋がらないので、何かアクションを考えて、若い人にどのように伝えるかということについて考えていく必要があると思います。よろしくお願いします。
 それでは、議案第37号の「広島市指定重要文化財の指定について」、御異議ございませんか。
 (異議なし)
 それでは異議なしと認め、本件は、原案どおり可決することといたします。
 次の議題4は、先程お諮りしたとおり、非公開となりましたので、傍聴人、報道関係、及び関係者以外の方は、退席していただきますようお願いします。

 (傍聴人等退席)

 (非公開部分省略)

井内委員長

 以上で予定の議題は全て終了いたしました。
 本日の教育委員会議を終了いたします。
 次回の教育委員会議は、12月24日(水曜日)午後1時30分からです。

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