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平成25年第12回教育委員会議(11月定例会)会議録

平成25年第12回広島市教育委員会議会議録

 平成25年11月19日(火曜日)、平成25年第12回教育委員会議(定例会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

  • 開会 午前9時30分
  • 閉会 午前10時40分

2 出席委員

  • 委員(委員長) 井内 康輝
  • 委員 溝部 ちづ子
  • 委員 藤本 圭子
  • 委員 栗栖 長典
  • 委員 鈴木 由美子
  • 委員(教育長) 尾形 完治

3 事務局等の出席者

  • 教育次長 川添 泰宏
  • 青少年育成部長 児玉 尚志
  • 指導担当部長 湧田 耕辰
  • 教育センター所長 生田 一正
  • 総務課長 橋場 忠陽
  • 育成課長 松田 裕子
  • 教職員課長 梶田 英之
  • 健康教育課学校安全対策担当課長 池脇 雅彦
  • 指導第一課長 市川 昭彦
  • 指導第二課長 登 民夫
  • 特別支援教育課長 島筒 篤
  • 生涯学習課長 林 達雄
  • 文化振興課文化財担当課長 江崎 一博

4 傍聴者等

 2名

5 議事日程

  • 議題1 平成25年度全国学力・学習状況調査及び「基礎・基本」定着状況調査の結果について(報告)
  • 議題2 広島市教育委員会規則の一部改正について(議案)
  • 議題3 公の施設の指定管理者の指定議案及び平成25年度12月補正予算議案に対する意見の申出について(代決報告)【非公開】
  • 議題4 訴訟について(報告)【非公開】
  • 議題5 教職員の人事について(議案)【非公開】

6 議事の大要

井内委員長

 ただ今から、教育委員会議定例会を開催します。
 本日は、傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただき、静粛に傍聴していただきますようお願いします。
 本日の議事録署名者は、溝部委員と藤本委員にお願いします。
 それでは、議事に移ります。
 本日の議題は、お手元の議事日程のとおりですが、本日審議予定の議題3から議題5までにつきましては、広島市教育委員会会議規則第7条第3号、第6号及び第7号の規定に該当することから、審議を非公開としたいと思いますが、御異議ありませんか。
 (異議なし)
 それでは異議なしと認め、議題3から議題5までについては、非公開と決定しました。
 それでは、議題に入ります。
 議題1「平成25年度全国学力・学習状況調査及び『基礎・基本』定着状況調査の結果について」を議題といたします。
 本件は報告案件でございます。内容につきまして、指導第一課長から報告を受けます。

指導第一課長

 それでは、議題1「平成25年度全国学力・学習状況調査及び「基礎・基本」定着状況調査の結果」につきまして、御報告いたします。
 2ページを御覧ください。
 教科に関する調査結果と質問紙調査結果について柱立てしていますが、以前、8月28日と9月26日の2回にわたって、速報という形で御報告いたしました。
 この度、別冊1と別冊2として、双方の学力調査につきまして、分布、各領域における定着状況、誤答の多かった主な問題、質問紙調査結果という形でまとめましたが、量がかなりありますので、この中でポイントのみ抽出して御説明させていただきます。別冊につきましては、後ほど御覧いただければと思います。
 2ページの柱立てのうち、1の「教科」につきましては、(1)正答数の分布状況、(2)課題となった設問、2の「質問紙」につきましては、児童生徒に関しては(1)学習意欲・自尊意識、(2)思考力・表現力、(3)学習習慣、学校に関しては(4)指導方法の4点を抽出しながら御説明したいと思います。
 それでは資料3ページを御覧ください。
 まずは左側でございます。「基礎・基本」と全国学力の分布状況を抽出しています。
 「基礎・基本」の正答数の分布状況ですが、国語につきましては、小・中学校ともに分布は右よりの山形であり、学習内容は概ね定着していると捉えています。
 その下、算数と数学についてです。小・中学校ともに、国語と同様に、分布は右よりの山形となっており、学習内容は概ね定着していると捉えています。
 3段落目の理科についてです。小学校では分布が中央によった山形、中学校では左よりの山形であることから、学習内容の定着に課題があると捉えています。
 最後に英語についてです。これは中学校のみですが、分布状況は右よりの山形であるということで、理科に比べれば定着しているのではないかと思っています。
 続きまして、その下、全国学力・学習状況調査です。
 まず、国語につきましては、小学校「国語B」においては、分布がはっきりとした山形になっておらず、ばらつきが大きいというような状況になっています。
 その下、算数・数学についてですが、小学校「算数B」、中学校「数学A」においては、分布がはっきりとした山形になっておらず、ばらつきが大きいという状況になっています。「数学B」においては、左よりの山形であり、定着状況に課題があるというように捉えています。
 続いて右側、(2)課題となった設問というところで、まずは、国語の中でも、今回、全国学力・学習状況調査の小学校のB問題を例示しています。
 ここでは、町田さんと山下さんの2人の意見を読み取り、比較・整理した上で、自分の考えを書くというものです。
 主な誤答は、必要な内容を取り上げていないなどであり、目的に応じて複数の文章を読み比べたり、必要な情報を読み取ったりする力が十分身に付いていないというような状況が窺えます。
 特に、誤答率は61.4%ということで、かなり誤りが多かったことが分かります。
 その下、算数・数学では、全国学力・学習状況調査の中学校のB問題を例示しています。
 ここでは、図3を読み取り、碁石の個数を求める式が、「3(n-2)+3」となる理由を説明する問題です。
 主な誤答は、辺ごとに囲んだ個数をn個ととらえていることであり、図や式など数学的に表現された結果を、事象に即して解釈したり説明したりする力が十分身に付いていないという状況が窺えます。
 これは無答率が42.2%ということで、半数近くの生徒が答えられていないという状況です。
 続きまして、1枚めくっていただきまして、左上、(2)課題となった設問の理科でございます。「基礎・基本」定着状況調査の小学校のタイプ2、全国でいえばB問題に該当するものです。
 ここでは、乾電池を直列につないだ場合と、並列につないだ場合では、直列につないだ方が強い電流が流れるという知識を、プロペラカーレースという具体的な場面に適用し、速く走る理由を説明する問題です。
 主な誤答は、比較の基準が書かれていないことなどで、基礎的な知識を具体的な場面に適用して思考することができていないというような状況があります。誤答率は70.6%で、極めて間違いの多かった問題でした。
 最後に、英語ですが、これは「基礎・基本」定着状況調査の中学校です。
 ここでは、エミとトーマスの会話文をもとにしながら、エミになったつもりでトーマスの紹介文を書く問題です。
 主な誤答は、代名詞や動詞を適切に使い分けて、まとまりのある一貫した文章を書くことができていない状況が窺えまして、ここも40%の者が間違っていたというような状況でした。
 以上、各教科における主な誤答又は誤答率の高かったものを例示しましたが、他の問題でもこういった傾向が現れているということです。
 最後、右側、質問紙調査、これは今まで御報告しておりませんが、この度、質問紙のデータを整理しました。
 まず、「基礎・基本」定着状況調査の児童生徒についてです。
 太線で3つのブロックに分けています。
 一番上の児童生徒の3つの項目については、「学習意欲・自尊意識」を現しており、二つ目の枠の固まりが「思考力・表現力」で、一番下が「学習習慣」という形で分けています。
 まず「学習意欲・自尊意識」につきましては、「学校へ行くのは楽しい」と回答した割合が、小学校では平成21年度88.3%から平成25年度89.7%、中学校でも84.1%から86.3%になっています。
 このように、学校に対する肯定的な意識は高く、夢や目標を持ち、自尊感情が高まっている状況が見受けられます。
 続いて、「思考力・表現力」についてですが、「ものごとを解決したり決めたりするとき、なぜそうなるのか理由を考えている」と回答した割合が、小学校では平成21年度70.6%から平成25年度73.1%、中学校でも60.5%から64.9%になっています。
 このように、学習や生活の中で思考したり表現したりすることへの意識が高まっていることが窺えます。
 そして、3つ目の「学習習慣」についてですが、「学校の授業の復習をするようにしている」と回答した割合が、小学校で平成25年度57.8%、中学校で48.6%であるなど、日常的な家庭学習の定着に課題があると捉えています。
 続いて、学校についてです。
 これは「指導方法」についてですが、「各教科のねらいを達成するために、授業において、言語活動を充実した」と回答した割合が、小学校では平成21年度72.7%から平成25年度93.6%、中学校でも46.9%から93.8%と、かなり上昇しています。
 そして、「思考力・表現力の育成に焦点を当てた研修を行った」と回答した割合が、小学校では平成21年度79.9%から平成25年度89.3%、中学校でも62.5%から78.1%になっています。
 このことから、言語活動を充実させた授業づくりを進めることが有効であるという認識が定着してきているということです。
 最後に、下の「全国学力・学習状況調査」の質問紙についてです。
 ここでも「基礎・基本」と同様の傾向が出ています。
 まず、「学習意欲・自尊意識」を見てみますと、「自分にはよいところがある」と回答した割合が、小学校では平成19年度73.9%から平成25年度79.4%、中学校でも65.6%から72.3%になっています。
 「国語の勉強は大切である」と回答した割合が、小学校では平成25年度90.3%、中学校で88.2%で、「算数・数学の勉強は大切である」と回答した割合が、小学校では平成25年度91.4%、中学校で81.4%ということで、自尊感情及び学習意欲が高まっている状況が見られます。
 次に、「思考力・表現力」です。
 「普段の授業では、児童の間で話し合う活動をよく行っていると思う」と回答した割合が、小学校では平成21年度62.6%から平成25年度80.0%、中学校でも62.6%から77.5%になっています。
 次に、「学校の授業などで、自分の考えを他の人に説明したり、文章に書いたりするのは難しいと思う」と回答した割合が、小学校では平成21年度74.5%から平成25年度54.6%、中学校でも74.5%から65.6%に減っています。
 このようなことから、話し合いの活動を通して、自分の考えを説明したり書いたりするなど、思考したことを表現することへの抵抗感がなくなってきている状況が見られます。
 最後に、「学習習慣」についてですが、「普段の1日あたりの勉強時間」が「30分未満」と回答した割合が、小学校で7.7%、中学校で9.3%であるなど、やや減少はしているものの、「基礎・基本」と同様に、家庭学習の定着に課題があるという状況が見受けられます。
 最後に、学校の「指導方法」についてですが、「児童・生徒の様々な考えを引き出したり、思考を深めたりするような発問や指導をしている」と回答した割合が、小学校では平成20年度92.9%から平成25年度94.4%、中学校でも85.9%から92.2%になっています。
 続いて、「児童・生徒の発言や活動の時間を確保して授業を進めている」と回答した割合が、小学校では平成21年度96.4%から平成25年度98.6%、中学校でも90.7%から93.7%になっています。
 このことから、児童生徒の考えを引き出したり、深めたりするような発問をしたり、活動を仕組んだりする授業を行う教師が増えてきているという状況があります。
 以上、主なものを報告しましたが、今後こうした結果を、各学校に周知を図るとともに、来年度も計画している授業改善推進校での取組においても、こういった点の改善策について検討を進めていくよう学校を指導していきたいと考えていますし、先般報告しました次年度の学力向上の対策にも、ここの点を踏まえながら取組を強化していきたいと考えています。

井内委員長

 ただ今の報告について、御質問等はございませんか。
 理科の成績がすごく気になりますが、先生方はどういうふうに感じておられますか。

指導第一課長

 先生の意識という前に、県教育委員会もそうですが、理科の問題は昨年度に全国で行った時も同様に低かったという結果があります。中学校におきましては、県市合同の理科教諭を対象とした研修を、本年度と来年度の2ヵ年にかけて実施しようということで、先生の指導力アップに向けた取組を進めています。
 小学校につきましては、中学校に比べればやや中央よりということにはなっています。小学1、2年生では生活等で、3年生からは理科の授業を行っていますが、実験、観察という辺りをもっと重視していかないといけないということで、本年度も国の事業で、実験観察等のアシスタントを配置して、授業の充実に向けた取組をしています。
 したがって、現場の先生方においてはかなり課題意識を持っていますし、教育委員会もそういう意識を持ちながら現在取組を行っています。この結果を重く受け止めて、対策、取組を充実していかなければならないと考えています。
 なお、一点だけ申し上げますと、昨年度は抽出ではありましたが、小学校のA問題が70.1%、B問題が59.2%という結果でした。今ここで表している分布図は、AとBの問題を一緒にした結果です。これをタイプ1とタイプ2で分けて見てみますと、小学校ではタイプ1で60.2%が理解しており、タイプ2は53.8%で、やや落ちます。中学校を見てみますと、全国ではA問題が54%、B問題が45.9%と5割弱となっています。今回の中学校の県の「基礎・基本」のタイプ1が42.4%、タイプ2が23.8%となっています。抽出といいながら、全国の結果を見た時に、B問題が中学校は低いといえます。したがって、ここが本当に子どもの理科の学力が反映されているのか、今回の出題傾向がかなり文章題的な長い問題だったことが影響しているのか、ここら辺りを今後もう少し分析をしながら今回の結果を正しく整理し、対策を打ちたいと考えています。いずれにしても、他教科に比べて理科の結果に課題があるということは間違いありません。

井内委員長

 理科の対策をどう進めればいいのかということは非常に難しいですね。国語や算数であれば、教科書を復習することで学力は上がると思いますが、いかに興味、関心を持たせるかということに一番工夫が必要だと思います。小学校から中学校に行くときに、興味を持つ子ががたっと少なくなるのか、学力が急激に下がっているのは、大きな課題として、我々も捉えなければならないと思っています。

溝部委員

 児童にも生徒にも言えるのですが、うれしいと思うことがあります。質問紙調査の下の方に、「人の役に立つ人間になりたい」という項目がありますが、小学校も中学校も93、4%というのはすごくうれしいと思います。これを迷いなく丸を付けられる子どもがいるということは、大変うれしいことだと思っています。
 質問ですが、子どもたちの無答率が気になります。例えば、算数の「全国学力状況調査」B問題の6の問題ですが、無答率は約42%となっています。無答というのは、途中まで書いて間違っているのではなくて、全く白紙状態ということです。小学校の国語も約20%の無答率、理科は少ないですが、外国語も約20%となっています。質問紙を見ても、先生方の授業の中で自分たちの考え方をお互いに出し合うような授業が出来てきているのだと思いますが、この状況を見ますと、子どもたちの書く力、英語でも日本語でも、自分の考えを文章にして書く力、この辺りの分析が必要ではないかと思います。

指導第一課長

 入り口で、子どもたちは分からない、もうだめだと投げている。今、大分、表現したりということにつきましては、子どもたちの意識は高くなってきましたが、書くこと、表現するところがまだ進んでいないと言えます。ここの辺りはもっと掘り下げて、授業改善推進校等においても検討していく必要があると考えています。事務局としても、この辺りを考察、分析しながら指導の内容を検討していかなければならないと考えています。

鈴木委員

 一つは、4ページ目になりますが、児童生徒への(2)の「思考力・表現力」のアップのことですが、これがひろしま型カリキュラムの成果なのかどうかということです。教育委員会事務局としてはどのようにお考えですか。

指導第一課長

 昨年度、学力向上評価推進委員会独自の調査で、情報の取り出し、思考・判断、表現に関する調査を行いましたら、かなり高い数字を出していました。その時点でも、ひろしま型カリキュラムによる成果であるという捉え方を私どもはしていましたが、改めて、悉皆調査の結果でこのように出ているということは、ひろしま型カリキュラムの取組の成果が出ていると受け止めています。

鈴木委員

 これはアピールしていいことだと思いますし、先生方も、やってきた成果が数値として出たというのは、すごく励みになると思います。それを大々的に宣伝して、先生方を元気にしていただきたいと思いました。
 それがもっと分かるようにするには、正答数の分布図が単年度で出ると思いますが、5年前の分布図が出ていれば、下の人が上がったのか、上の人がさらに上に伸びたのかなどの変容が分かると思いますので、2、3年分くらい出されてみてはどうかと思います。
 それから、2点目は質問紙調査のことですが、下の方の全国版の(3)の部分で、「家での学習時間が30分未満」というのは減らしたい数値ですが、これには目標値が必要だと思います。目標値として1時間ならば良いとか、45分ならば良いというような目標値があって、例えばワークブック1日分やれば目標値である45分の家庭学習がクリアできるといったものがあると、子どももこれをやれば終わったと分かります。それは30分で終わってもいいと思います。そういうのがないと、勉強しなさい、宿題しなさいと言っても、進まないような気がします。お聞きしたいのは、目標値としてどの辺りをラインとして考えられているかということと、小学校ではあると思いますが、それを達成するためのワークブックのようなものについて何かお考えがありますか。

指導第一課長

 具体的な目標値は定めていません。生活リズムの定着に向けた家庭での家庭学習や朝早く起きたか、ごはんを食べたかなどについて、保護者の方とチェックしていただくようなものは、教育委員会から提示しています。そういう中で、御意見を参考にしながら、一つの目安としてこれから考えていきたいと思います。
 ワークシートについても、教育委員会事務局として定めるということは考えていませんが、各学校におきましては、それぞれ工夫しながら、宿題や家庭学習として提示している学校もあります。
 今後、おっしゃられるように、どのくらいを目安として示していくかについては、学校とも協議していきたいと思います。

鈴木委員

 それで成果を上げている学校はありますよね。ワークブックを作っている学校のデータを、例えばホームページに出されて、「家庭学習定着を目指す学校はここを御参考ください。」などというのを2、3出されてみるといいのではないかと思います。簡単に出来ると思います。おそらく事務局では把握されていると思いますので、そういう幾つかの例を出して、そして皆さんのモデルにしていけばいいのではないかと思います。
 3点目ですが、先ほど話題となっていた理科のことですが、一番つまづくのは具体的思考から抽象思考に移るところです。これは9歳から10歳です。そこで皆、抽象思考に移るとされていて、小学校高学年から中学生の教科書は、ほとんど抽象的に考えるものに変わっています。ところが全員は変わっていないのです。理科で変わったからといって算数で変わるとは限らないのです。ほとんどが「n」がどうこうというように、抽象的で、分かりにくくなっていますから、なるべく授業において具体的な操作をした後にそれを記号化する、単元の中でも意識的に先生がされて、中学生だから大丈夫と考えないで、中学生もまず操作から入るといった工夫をされてみたら良いのではないかと思います。
 そうすると教具の開発が必要になります。小学校では教具を大分開発していますが、中学校でも、例えば算数の教具だとか、電子黒板などを有効活用されて、具体を大事にするということを行ったら良いのではないかと思います。

藤本委員

 平均通過率3割未満の子どもの数が気になります。特に、算数において、別冊2の資料を見ますと、小学校では4.6%、中学校では8.0%というように、割合的には高くなっているという状況です。特に小学校では、この段階でつまづくと、これから先の勉強の理解が難しくなると思います。今回、段々と平均通過率3割未満の子どもの割合が増えているという点の分析とその対応について、どのようにお考えですか。

指導第一課長

 平均通過率30%未満につきましては、学力向上推進評価委員会の結果でも、この30%未満の層が課題であるとしています。今、これを受けまして、来年度、重点的な取組をしていく学校を指定していきながら、そこで30%未満の層をどのように減らしていくか、具体的な手立てを含めて検討をしていきたいと考えています。また、今後、教育委員会サイドからも重点校への一つの方向性を示した案も出していかなければならないと考えています。今後の大きな課題です。

藤本委員

 今年度30%未満の割合が増えているということについてはどのようにお考えですか。

指導第一課長

 30%未満の層については、先ほどありましたように、家庭学習が定着していないとか、学習の要素以外に生活環境の問題、家庭的な背景というのも大きなウェイトを占めている部分があります。したがって、こういった学習の環境の改善に加えて、家庭を巻き込んだ取組をしていかないと、30%未満の層の減少というのはなかなか難しいところがあります。そういう意味で、学力向上対策に加えて、生活面のフォローアップをやっていかなくては難しいかと考えています。

栗栖委員

 2点ほどお願いします。
 1点目は鈴木委員とほとんど同じですが、せっかくこういう調査をされたので、課題や対策については、必ずひろしま型カリキュラム等の施策と具体的な形でリンクさせて、その検証を行っていただきたいと思います。
 それから、これは全体の分析ですが、おそらく個別校で課題はそれぞれ違っていて、それは個別校で手を打たれていると思います。その辺りについても、ひろしま型カリキュラムとリンクさせながら、教育委員会としてフォローしていただきたいと思います。
 もう1点は個人的に興味を持ったのですが、4ページの下のところです。国語や算数の勉強は「大切である」と認識しているというポイントと「好き」であるというポイントのギャップが概ね30ポイントほどあります。ですから、大切と認識しているにも関わらず好きではないというように、そのギャップが何なのか、なぜ大切にも関わらず好きでないのか、そこを分析されて、具体的な対策で手を打たれると、興味も湧いてきて、学力も向上していくのではないかという印象を持ちましたので、御検討いただきたいと思います。

尾形委員(教育長)

 今幾つか御指摘がありました、理科が非常に低いということについてですが、理科は今年初めて悉皆調査で実施しました。理科で今取り組んでいるのは、実験重視です。まず予測して、実験して、確かめて、整理して、分かったことをきちっと定着させる。こういった流れで教員研修も行ってきています。実験する具体的な場面を文章で問題化するのは非常に難しいものです。長文になるし図も入って来るしで、これを短時間の中で子どもが読み取って、理解して、そこから解答していくということになります。果たして場面理解が出来ているのか、読解力の問題になってくると思います。そこらの辺りをもう少し分析をしていきながら、子どもの力がどうなのかをしっかりと把握していきたいと思います。文章ではなくて、実際にやってみたら、「直列である。」と答えられるかもしれません。

井内委員長

 理科の試験は文章ではなくて、実習試験のようなもので、そちらの方が本当に分かっているかどうかをつかみやすいとは思います。今回の調査では、国語の理解力というのも大分入っているかもしれないと思います。

尾形委員(教育長)

 ですから問題文の理解が出来るような問題の工夫が必要ではないかとは思います。
 もう一つはひろしま型カリキュラムの成果です。全国学力調査の4ページですが、これは21年度と25年度の比較です。21年度までは悉皆でした。22、23、24年度は悉皆ではなくなりました。そして25年度が再び悉皆です。ひろしま型カリキュラムは21年度の次の年度から始まり、22、23、24年度と3年間、ひろしま型カリキュラムでやってきています。したがって、21年度と25年度を比較して見ていただくと、思考表現、特に話し合う、書く、発表するといった授業に変えていった成果がよく出ていると思います。というのは、4ページの小学校の児童を見ていただくと、「児童間で話し合う活動をよく行っている」と子ども自身が思う割合が62%から80%までに上がっています。しかも、「他人に説明したり文章に書いたりするのは難しい」と思う割合は減っています。これはひろしま型カリキュラムの成果だと思います。右側の中学校も同じです。そこはひろしま型カリキュラムの成果として評価していきたいと思います。
 同時に、「自分によいところがある」という割合が増えています。自尊感情は今最も課題ですから、何か自分に自信の持てるものが出来てきているのではないかと考えられることはひろしま型カリキュラムの成果だと思います。
 ただ無答率が多いということは今後解決していかないといけない課題だと思います。
 また、家庭への働きかけは、各学校で家庭学習手引きを作っていますが、例えば、家ではこういった勉強をしよう、低学年はこのくらい、中学年はこのくらいしようというものですが、これが今広まっています。事務局としても定着させていきたいと思っています。
 30%未満の割合が御指摘のように増えてきているのは問題ですので、これから特に力を入れていきたいと思います。その中で、非常に厳しい家庭状況におかれているにもかからず、3年間、30%未満ゼロという学校がありますので、今後その秘密を探っていこうと考えています。校長先生が言われるには、支持的な風土が学級の中にあるのではないか、子どもたちが支えあっている、「僕が助けましょう。」ということが出来ているということでした。それで30%未満が3年間ゼロなんです。どうしてこういう成果が上がっているのか、今調べているところです。

井内委員長

 家庭の問題があっても、学校での工夫によって学力を押し上げていけるということかもしれません。是非そういう事例の調査を進めて、公開していただければと思います。
 次に、議題2「広島市教育委員会規則の一部改正について」(議案第39号から議案第43号まで)を議題といたします。
 本件は審議案件でございます。まとめて説明をいただき、その後、一括して審議に入りたいと思います。指導第二課長から説明を受けます。

指導第二課長

 議題2「広島市教育委員会規則の一部改正について」御説明します。
 資料の5ページを御覧ください。
 御審議いただく規則を、1から5まで記載しています。
 これらは関連する内容ですので、一括してお諮りします。
 いずれも、広島市立広島中等教育学校の設置に伴い、一部改正を行うものです。
 それでは、資料の6ページをお開きください。
 まず、議案第39号「広島市立学校の管理及び学校教育法の実施に関する規則の一部改正について」です。
 改正の理由ですが、広島市立広島中等教育学校の設置に伴い、中等教育学校の管理運営の基本的事項及び学校教育法の実施に関し必要な事項を定める等、所要の改正を行うものです。
 施行期日は、広島市立広島中等教育学校の設置日である平成25年12月1日です。
 なお、他の規則についても同様に、施行期日は12月1日としています。
 11ページをお開きください。
 主な改正内容について、この新旧対照表で御説明します。
 目次ですが、「第5章 併設型中学校及び併設型高等学校」の後に、新たに「第5章の2 中等教育学校」という章を設けて、「学校の組織編制等」、「職員」、「規定の準用」について定めます。
 12ページをお開きください。
 第1章「総則」の第1条の4行目ですが、この規則で定める関係学校種の中に、「中等教育学校」を加えます。
 第3章「小学校及び中学校」の第14条の「区域外就学の届出」について、広島市立中等教育学校学則第14条第2項にある届出を行った場合は、この届出は必要ないこととします。
 第5章の2は、「中等教育学校」の規定です。
 第1節では、「学校の組織編制等」について定めます。
 第68条の2にありますとおり、中等教育学校の組織編制等については、この規則及び広島市立中等教育学校学則の定めによることとします。
 13ページを御覧ください。
 第2節では、「職員」について定めます。主な内容を申し上げます。
 第68条の3の第1項にありますように、中等教育学校に校長、教頭、教諭、養護教諭、事務長、事務職員、学校医、学校歯科医及び学校薬剤師を置きます。
 第68条の3の第2項にありますように、そのほか必要があるときは、中等教育学校に主幹教諭、指導教諭、栄養教諭、助教諭、講師(非常勤を含む。)、養護助教諭、実習助手、事務長補佐、主任、学校栄養職員、技能職員、業務職員及び給食調理員を置くことができます。
 第68条の4にありますように、校長は、毎学年度の初めに、当該年度における職員の校務分掌を定めなければならないとしております。
 第68条の5の第1項及び第2項にありますように、中等教育学校に、教務主任、学年主任、生徒指導主事及び進路指導主事並びに保健主事を置きます。
 14ページをお開きください。
 第68条の6の第1項にありますように、中等教育学校に司書教諭を置きます。
 第68条の8にありますように、校長は、その権限に属する事務の一部を、教育長の定める基準に従い、職員に専決させることができることとしております。
 「職員」について規定する主な内容は、以上のとおりです。
 第3節では、中等教育学校に準用する規定について定めます。
 主な改正内容は、以上のとおりです。
 次に、18ページをお開きください。
 議案第40号「広島市教育委員会公印規則の一部改正について」です。
 改正内容ですが、中等教育学校の学校長印及び学校長職務代行者印の管理について定める等所要の改正を行うものです。
 21ページをお開きください。
 この新旧対照表のとおり、「中等教育学校」の文言を加えます。
 20ページを御覧ください。
 公印の印影の印刷ですが、卒業証書など公印の印影を拡大して印刷することがあることに鑑み、「縮小」を「伸縮」に改める改正を、今回、併せて行います。
 次に、22ページをお開きください。
 議案第41号「広島市教育委員会事務局事務分掌規則の一部改正について」です。
 改正内容ですが、中等教育学校に係る分掌事務を定めるものです。
 24ページをお開きください。
 この新旧対照表のとおり、学校教育部教職員課、学事課及び指導第二課の分掌事務に、中等教育学校に係る分掌事務を加えます。
 次に、26ページをお開きください。
 議案第42号「広島市立特別支援学校学則の一部改正について」です。
 改正内容ですが、広島市立特別支援学校がその要請に応じて障害のある生徒の教育に関し必要な助言又は援助を行うよう努めるものとされる学校に、中等教育学校を加えるものです。
 28ページをお開きください。
 この新旧対照表のとおり、「中等教育学校」の文言を加えます。
 次に、29ページを御覧ください。
 議案第43号「指導が不適切である教諭等の認定の手続、指導改善研修の実施等に関する規則の一部改正について」です。
 改正内容ですが、指導が不適切である教諭等に、広島市立の中等教育学校の教諭等のうち、児童等に対する指導が不適切で、指導改善研修を受ける必要があると認定された者を加えるものです。
 31ページをお開きください。
 この新旧対照表のとおり、「中等教育学校」の文言を加えます。
 以上、御審議のほどお願いします。

井内委員長

 ただ今の説明について、御質問等はございませんか。

鈴木委員

 確認ですが、13ページの第68条の3に「中等教育学校に校長、教頭」とありますが、中高一貫ではありますが、校長先生は一人ということですか。併設型の場合と同じですか。

指導第二課長

 現在の併設型では、一人の校長が中学校と高等学校を兼務しています。中等教育学校におきましても、校長一人が、前期、後期課程を合わせて担当するように考えています。

鈴木委員

 もう一点ですが、24ページの第2条6項の分掌事務の(9)と(10)ですが、学校備品の整備と学校備品台帳の整備は、「中等教育学校は除く」ということでよろしいのですか。中等教育学校には中学と高校が入りますが、両方を含めて除かれるということですか。

総務課長

 両方を含めてです。

鈴木委員

 これらの事務の所轄はどちらになりますか。

総務課長

 学校が直接行います。

井内委員長

 それでは、「広島市教育委員会規則の一部改正について」(議案第39号から議案第43号まで)について、御異議ございませんか。
 (異議なし)
 それでは異議なしと認め、本件は、原案どおり可決することといたします。
 次の議題3から議題5までは、先ほどお諮りしたとおり、非公開となりましたので、傍聴人、報道関係及び関係者以外の方は、退席していただきますようお願いします。

 (傍聴人等退席)

 (非公開部分省略)

井内委員長

 以上で予定の議題は全て終了いたしました。
 本日の教育委員会議を終了いたします。
 次回の教育委員会議は、12月25日(水曜日)午後2時からです。

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