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ページ番号:0000016953更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

平成25年第5回教育委員会議(4月定例会)会議録

平成25年第5回 広島市教育委員会議会議録

 平成25年4月16日(火曜日)、平成25年第5回教育委員会議(定例会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

  • 開会 午前10時
  • 閉会 午前11時15分

2 出席委員

  • 委員(委員長) 井内 康輝
  • 委員 溝部 ちづ子
  • 委員 藤本 圭子
  • 委員 栗栖 長典
  • 委員 鈴木 由美子
  • 委員(教育長) 尾形 完治

3 事務局等の出席者

  • 教育次長 川添 泰宏
  • 青少年育成部長 児玉 尚志
  • 学校教育部長 隅田 一成
  • 指導担当部長 湧田 耕辰
  • 教育センター所長 生田 一正
  • 総務課長 橋場 忠陽
  • 健康教育課学校安全対策担当課長 池脇 雅彦
  • 指導第一課長 市川 昭彦
  • 文化振興課文化財担当課長 江崎 一博

4 傍聴者等

 4名

5 議事日程

  • 議題1 通学路の安全対策について(報告)
  • 議題2 平成24年度専門家評価(専門家による第三者評価)の実施について(報告)
  • 議題3 訴訟について(報告)【非公開】
  • 議題4 広島市文化財審議会委員の委嘱について(代決報告)【非公開】

6 議事の大要

井内委員長

 ただ今から、教育委員会議定例会を開催します。
 本日は、傍聴の方もお見えになっておられますが、傍聴の方は、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただき、静粛に傍聴していただきますようお願いします。
 それでは、事務局の人事異動がありましたので、議事に入る前に、事務局新任職員の紹介をしてください。

総務課長

 (事務局新任職員の紹介)

井内委員長

 今年度の最初の教育委員会議でございますので、議事に移ります前に、この場をお借りして、一言申し上げたいと思います。
 教育委員長を拝命しております井内でございます。どうぞよろしくお願いします。新任の職員をはじめ多くの方が異動され、また新たな体制でスタートが切れることをうれしく思っています。
 今日の新聞にもありましたが、政府の教育再生実行会議からの様々な提言が報道されています。我々の行っている内容というのは、我々が独自に考えたというよりは、過去の経験から、教育委員会の持つべき性格が、必ずしも行政的な視点、あるいは指標の考え方だけではなく、教育の公平性や中立性を両立するための一つの機構としての役割を果たしてきたのではないかと思います。
 我々は非常勤でございますので、皆さん方の立案を、この場でいい方向にもっていけるよう議論を活発にしていきたいと思っています。
 広島市教育委員会の教育委員は皆、教育委員会そのものの活性化を考えています。
 新しい年度に入りまして、これまでにない意義あるものにするために最善の努力をしたいと思いますので、是非、御協力の程よろしくお願いします。
 それでは、議事に移ります。
 本日の議事録署名者は、溝部委員と鈴木委員にお願いします。
 本日の議題は、お手元の議事日程のとおりですが、本日審議予定の議題3及び議題4につきましては、広島市教育委員会会議規則第7条第5号及び第7号の規定に該当することから、審議を非公開としたいと思いますが、御異議ありませんか。
 (異議なし)
 それでは異議なしと認め、議題3及び議題4については、非公開と決定しました。
 それでは、議事に入ります。
 議題1「通学路の安全対策について」です。
 本件は報告案件でございます。内容について、健康教育課学校安全対策担当課長から報告を受けます。

健康教育課学校安全対策担当課長

 「通学路の安全対策について」御説明いたします。
 まず、「1 通学路緊急合同点検実施箇所に対する対策案の策定」でございます。
 平成24年4月以降、京都府亀岡市など全国で相次いで発生した通学途中の事故を受けて、5月30日付けで、文部科学省から都道府県・指定都市に対して、学校、保護者、教育委員会、道路管理者及び警察により合同点検を実施し、改善が必要な箇所について対策を講じるよう依頼がありました。
 これを受け、全ての小学校が、主として交通安全の観点から危険個所の調査を実施したところ、58校の158箇所については合同点検の必要が認められたため、8月までに合同点検を実施しました。
 合同点検の結果を踏まえ、11月末までに道路幅や交通量など、様々な地域の実情等を勘案して全ての箇所で対策案を策定し、121箇所については昨年度末までに改善策を実施しました。
 次に、「2 対策の実施状況」を御覧ください。
 「平成25年2月末現在」となっている左側の表は、2月の教育委員会議で御報告した箇所数になります。
 その後、右の表のとおり、3月末現在で、先ほど御説明しましたように121箇所については昨年度末までに改善策を実施し、その下のガードパイプの設置や歩道の新設など5箇所についても平成25年度中に実施する予定です。
 検討中の残り32箇所については、関係機関や地元関係者等の協力を得ながら、実施に向けて協議を進めていきます。
 「3 今後の予定」ですが、(2)にありますように、これらの対策を着実に進めるとともに、「交通安全教室」及び今年度から道路交通局と連携して実施する「自転車運転免許制度」の活用等、児童生徒が自ら身を守る力を高める取組を実施し、地域住民の方などのお力を得て、見守り活動の充実を図るなど、引き続き安全対策に取り組んでまいります。
 なお、(3)にありますように、小学校区ごとの対策実施状況については、道路交通局と連携して、広島市ホームページに公開する予定としています。
 説明は以上でございます。

井内委員長

 緊急点検で158箇所、問題が指摘されて、そのうち32箇所を除いては対策を打つことができたということですが、残念ながら32箇所、2割ぐらいは検討中ということで、これらは難しいという状況ですか。

健康教育課学校安全対策担当課長

 検討中の危険箇所については、信号機のように、年間数基しか設置できず順番待ちの状況になっているものや、歩道の拡幅のように、地域住民の同意が必要なものなど、現時点で実施が困難な箇所があります。
 そのため、引き続き、警察や区役所などの関係機関や地元関係者などの協力を得ながら、実施に向けて協議を進めていくとともに、先ほど御説明しました自ら身を守る力を高める取組などを実施して、見守り活動の充実を図っていきたいと考えています。引き続き安全対策に取り組んでまいります。

井内委員長

 こういった箇所については、当面は、地域住民の協力を得て、見守り活動を充実させて事故を防ぎたいということですね。
 ただ今の報告について、御質問等はございませんか。

溝部委員

 新年度に入って、一年生など、初めて学校へ通う子どもたちがたくさんいます。
 これは、緊急点検をしたという結果ですが、年間計画の中で、通学路の安全点検はどのようにやっておられますか。

健康教育課学校安全対策担当課長

 新一年生が入ってきますし、地域によっては、例えばマンションが新築されるなどにより、児童数が非常に増えたりする場合があります。その際に、これまでの通学路で良いかどうかということを、学校、地域、保護者の皆さんで考えていただき、検討の上、教育委員会に届けていただくこととなっています。これについては、各学校全て取り組んでいます。

溝部委員

 毎年1回は、各学校で取り組んでいるということですね。届出があった場合は、できるだけ早い対応をお願いしたいと思います。

栗栖委員

 検討中の箇所についてはいろいろと事情があると思いますが、できるだけいつまでに行うといった具体的な目途を立てられていますか。

健康教育課学校安全対策担当課長

 先ほど申し上げましたとおり、例えばガードパイプの設置や歩道の新設など、ハードの面の対応で、地域住民との合意形成がなされてすぐに対応できるものもあります。しかしながら、この32箇所については、地権者の問題や道路管理者、警察が考えながらやっていくものもあり、非常に時間が掛るということで、目途が立ちにくい状況です。したがいまして、学校から、地域の関係団体、ボランティアに御協力をいただいて、対応していくこととしています。

井内委員長

 例えば信号機を設置するのは教育委員会ではなく警察であるとかという問題で、我々がこうしてほしいと言ってもすぐに実現するということが難しい場合もあるでしょうから、何年までにやりましょうというのは難しいということですね。

尾形委員(教育長)

 県警などに伺うと、信号機は全県で年間20基程度が設置されていますが、人口按分等で信号機を設置しているという状況ではないということですので、今、委員長がおっしゃられたように、広島市を優先してすぐにというわけにはいかない状況です。

井内委員長

 亀岡の事故を見ていると、結局、施設や道路の状況という前に運転者のマナーの問題が大きかったと思います。通学路での運転のルールをもう一度徹底してもらうということも必要であると思います。少しずつでも交通事故撲滅の方向に向かって取り組んでいかないといけないと思います。
 今後も継続して、通学路の安全対策を立てていただきたいと思います。
 続きまして、議題2「平成24年度専門家評価(専門家による第三者評価)の実施について」です。
 本件も報告案件です。内容について、指導第一課長から報告を受けます。

指導第一課長

 それでは、議題2「平成24年度専門家評価(専門家による第三者評価)の実施について」御報告いたします。
 3ページを御覧ください。
 まずは専門家評価の目的ですが、1にありますように、各学校が主体的に行う評価活動(自己評価・学校関係者評価)や教育委員会の支援について評価し、学校及び教育委員会に対して、その改善に向けた意見・提言を行うことにより、適切な学校の取組や教育委員会の支援を促進することです。
 学校の自己評価、学校関係者評価、専門家評価の関係について説明します。
 7ページの参考資料を御覧ください。
 広島市学校評価システムは、この図の中央にあります「学校における自己評価」であり、学校評価委員会を設けてPDCAサイクルで毎年自己の評価を行っています。
 あわせて、左側にあります「地域等からの学校関係者評価」を行っています。ここで学校協力者会議の評価部会で、外部からの学校の教育に対する意見・提言を行っています。
 こういった評価活動に加えて、一番下にあります、専門家による第三者評価として、外部の方が特定の学校の取組に対して意見・提言を行う仕組みを設けています。これから御報告いたしますのは、この専門家による第三者評価です。
 なお、学校における自己評価については、平成20年度から省令改正により義務化されました。学校関係者評価については、努力規定になっています。専門家評価については、平成19年度から22年度の間、国の委託を受けて実施をしていましたが、平成23年度からは単市財源で取り組んでいる状況です。
 資料の3ページにお戻りください。
 24年度については、対象校として、牛田小学校、二葉中学校、五日市南中学校の3校です。
 実施体制については、イメージ図を付けていますが、まずは評価委員会の評価委員3名のもとに、評価チームを3チーム編成し、それぞれ3校に配分し、学校の校長先生のインタビュー、学校内の視察を行った後、最終的に評価報告書案をとりまとめ、評価委員会で決定したものを教育委員会に提言として提出いただくこととなっています。
 なお、教育委員会については、イメージ図の右に「評価に基づく支援」とありますように、この意見・提言をいただいてから後3年間は、継続してその学校への取組の支援を行うこととなっています。
 その下で(1)に評価委員会のメンバーを記載していますが、林委員長、高妻、曽余田両副委員長の3名で構成しています。この下に(2)にありますように評価チームとして、それぞれ曽余田先生、高妻先生が、各校のチーフを担当しました。
 4ページを御覧ください。
 本日は、評価報告書を配布していますので詳細については後ほど御覧いただければと思いますが、その中から主なところを抽出して、3校のまとめについて御報告いたします。
 まず、牛田小学校です。
 牛田小学校については、(1)の「評価目的」に下線を引いていますが、学校の「授業づくり」や「指導の状況」について、24年度の自己評価活動の重点に掲げて、取組を進めていました。こういう取組に対して幅広い意見・提言をいただいています。
 まず学校に対しては、これからの牛田小学校が取り組む方向性について現在の学力・学習面、生活面の課題を今一歩深く掘り下げて、それに向けた具体的、明確な取組を進めるべきであるという意見・提言をいただいています。
 「児童の学力」については、もう少し細かく分析し、課題の有無を絞る必要がある、すなわち、県が行う「基礎・基本」の定着状況調査の結果を見れば、非常に上位校でありますが、それだけにとらわれるのではなく、自校のどこに子どもの課題があるのかを、もう一歩掘り下げていくべきであるという意見・提言をいただいています。
 3の「研究目標」については、目指すべき授業像を、教員全体が理解し自覚するための研修が必要、すなわち、掲げている授業像が一人一人のものになっていないという委員からの指摘がありました。
 「授業の状況等」については、今後教師の説明や友達との関わりの中で、子ども自身が自分の考えを試し、新しい知識や考えを、自分で獲得していく主体的な学びを育てていく授業が必要である、すなわち、子どもが非常に受け身である、もっと主体的な学びに重点を置いた研修を掲げていく必要があるとしています。
 5の「課題把握と解決の取組」についてですが、「課題把握とその解決に、『校長―教頭―企画委員会―各学年会』が組織的に取り組んでいる。今後は、個々の教員が自己申告書等へ反映させることにより、一層効果的なものとする必要がある。」とあります。すなわち、学校では、先生方が自己申告し、1年間の目標を立てるようにしていますが、その自分の計画と学校が目指しているところを対にしていく視点が必要であるということです。
 こういった幅広い意見をいただいていますが、教育委員会に対しては、3点の支援が必要としています。
 まず、掲示スペースが限られているので、掲示スペースを確保する必要があるということです。
 次に、指導主事等による校内授業研究推進のための指導が必要であるということです。昨年度の牛田小学校の指導主事の研修会への派遣要請はゼロでしたので、学校が行っている研修会に指導主事も入るべきであるということです。
 3番目の「人事上の配慮」については、教諭の年齢構成を見て分かるように、50代が50パーセント近くあるということで、若い教師に対して指導できるような中堅教員の配置が必要という意見をいただいています。これについては、この度は指導教員を引き続き1名配置し、指導ができる体制をとれるように配慮しました。
 続きまして、5ページを御覧ください。
 二葉中学校です。
 同校は、ここ数年、生徒指導上の課題が多く、なかなか授業に力を注ぐことができなかったですが、昨年度、校長が「授業づくり」に力点を置きたいということで、学校評価の重点目標に位置付けて取り組んでおり、ここを評価しています。
 (2)の「意見・提言」を御覧ください。
 まず、学校に対しては、学校運営として、校長が、本校の組織マネージメントの方針をシンプルに示すことが必要であるとしています。校長は今回異動されましたが、多岐にわたった方向性を示したために、なかなか絞り込みができなかったということがあります。
 2番目の「教職員・授業」についてですが、「今後は、授業の中での振り返りを重視し、生徒がどこまで理解して何を課題にしているのかを日々把握することに、意を用いることが大切である。教員が切磋琢磨する環境をつくる必要がある。継続した講師の招聘、研究指定を受け、定期的、継続的な授業公開に取り組むことなどが大切である。課題を抱えた生徒だけにとらわれず穏やかな生徒への教育効果をいかに図っていくかが大事な点である。体育大会や文化祭など現在、二葉中が自慢できるものを更に伸ばしてもらいたい。」とあります。生徒指導上の困難がありましたので、どうしてもそちらに向いてしまいますが、頑張っている生徒にもっと目を向けた取組に転換すべきであるということです。
 「生徒指導」については、教師主導ではなく、生徒会活動の自治活動を動かしていくことが大切であるということです。
 「組織」については、生徒指導の方針を共有し、ぶれることのない具体的な学校方針を決める必要があるということです。一貫性を保つという方針を皆で確認して行うべきであるということです。
 「家庭・地域」においては、現状を、保護者、地域にしっかり周知した上で、協力を更に仰ぐ必要があるということです。
 最後に、「まちぐるみ『教育の絆』プロジェクト」における、放課後学習会の取組や地域清掃活動が、是非本校の伝統となるよう継続・深化することが必要であるということです。この取組によって、地域とのつながり、協力支援体制もできるということで、本年度2年目ですが、教育委員会としても引き続き支援をしていきたいと考えています。
 教育委員会に対しては、「地域による学校支援」として、この絆プロジェクトを中心にして、地域による学校支援が活発化しているので、引き続きバックアップをしてくださいということです。
 「人事上・予算上の配慮」については、授業改善の核となるミドルリーダーの配置が必要ということですが、生徒指導実践校として、加配1名を配置しています。
 「その他」としては、学校の取組や成果について、広く市民に対して教育委員会が周知すべきであるという意見をいただいています。
 これらを踏まえながら、平成25年度の活動を行っていきたいと考えています。
 最後に、6ページの五日市南中学校です。
 五日市南中学校は、ここ数年、小学校の子どもの落ち着きがなくなって、授業等に集中できないという状況が見られる中で、自己肯定力が非常に低下しています。「基礎・基本」定着状況調査の結果で見ると、「自分には良いところがあるか。」という問いに対して、平成22年度は62.9%であったものが、平成24年度は58.8%に低下しています。なお、平成24年度の市の平均は63.3%です。校長としても、この自己肯定力をどう高めていくかがポイントとなり、自己評価活動の中の重点として、「いいとこ見つけ!カード」「ええじゃんカード」を活用しながら併せて小学校等と連携した生徒をはぐくみ育てる教育活動の充実について評価していただきたいということであります。
 これに対して、(2)の「意見・提言」の1ですが、「カードの利用」については、現在の取組に、恒常的な方法、例えば生活記録や日記等を加えながら、日々、子どもたちの良さを認めていき、これにより自己肯定感を深めていく必要があるという意見があります。
 「学級経営・生徒指導」については、活動の目標や成果を生徒自身の言葉で表現させることを多くする必要があるということです。
 「授業」については、授業力の向上が急務であり、加えて、生徒に「できる・分かる」を実感させ、学力を伸ばす授業をすることが有効であるということです。これもここ数年、学校も落ち着きがなく、どうしても生徒指導の方に目が行くという中で、やはり授業力の向上という本筋に戻すべきであるということです。
 「その他」として、生徒会を中心に、生徒の自治能力を育てる取組を積極的に進める必要があるということです。これは、先ほどの二葉中学校と同様の意見です。
 最後に、教育委員会に対して、1として「校内研修や授業研究の推進」については、指導主事等が好事例を紹介するなど、継続的に本校に対して指導をする必要があるということです。
 「人事上の配慮」としては、授業づくりと生徒指導の両面を具体的に進める取組の核となる教員の配置が必要ということで、本年度、教職員課において、こういった核となる教員2名の配置を行っています。
 小学校から中学校への引継ぎが徹底されず、十分に中学校に伝わっていなかったという状況がありました。そうしたことから、小学校から中学校への引継ぎを徹底するとともに、改めてその重要性について教育委員会としての指導が必要であるという意見をいただいています。
 以上、今回の専門家評価結果の概要について御報告いたしました。また、現在、平成25年度の専門家評価の実施に向けて、対象校の選定を行っているところです。
 以上です。

井内委員長

 これは毎年3校なのですか。

指導第一課長

 まず、学校からの要望があり、教育委員会が候補校を挙げて、評価委員会で最終的に実施校を決定するということになります。

井内委員長

 評価委員会で最終的に決定するということで、校数を3校と決めているわけではないのですね。
 ただ今の報告について、御質問等はございませんか。

鈴木委員

 2点お尋ねします。
 今回の専門家による評価というのは努力規定ですから、全ての学校で実施する必要はありませんが、市でこのような評価をされたということは、結果を市に反映する必要があると思います。学校ごとの評価や具体案をどのように活用しようと考えていますか。
 もう一つは質問というよりは意見ですが、その学校が良くなったで終わるのではなく、「見える化」が必要であると思います。目に見えて変わったということが、学校としても、保護者、教育委員会としても実感として感じられることになると思います。そういった指標があれば、分かる範囲で教えてください。

指導第一課長

 まず1点目の結果の反映についてですが、教育委員会として、学校、ホームページ等に結果を公表していますが、それぞれの学校に還元していくというところまではできていません。
 2つ目の「見える化」ということで定量的な数字を設定するということについては、今後、各学校で「見える化」を進めるために、今回の牛田小学校、二葉中学校、五日市南中学校とともに、評価指標の設定について検討を行っているところです。

鈴木委員

 数字ではなくて、例えば、二葉中学校で組織マネジメントが複雑で分かりにくいということであれば、「複雑であったものから、指導があってシンプルになった。」、「シンプルになった結果、教員が分かりやすくなった。」というようなものが必要ではないかと思います。また、生徒会をもっと重視した方が良いと言われたので、「生徒会の活動を生徒中心に変えたところ、生徒の意識がこのように変わった。」というようなものがあった方が良いのではないかと思います。
 3年間ありますので、1年目はどこを重点化し、どこを分かりやすくするかを検討し、3年目は結果を示すというように計画を立てた方がよいのではないかと思います。

井内委員長

 それをホームページで公開すれば、他の学校の参考にもなるということですね。個別のことよりもかなり参考になると思います。

栗栖委員

 学校によっていろいろ課題があると思いますので、教育委員会で課題を類型化し、評価委員会の提言を、同じような課題のある学校に対しても反映していくことができるようにしていけば、PDCAがうまく回転していき、広島市の教育全体のレベルアップにつながるのではないかと思います。可能であれば、全体のシステムとしてレベルアップにつながる評価の仕組みにされたらいいのではないかと思います。

溝部委員

 市内全域に広げるにはどうしたらよいかという中で、専門家評価の中で出されている評価の視点があると思いますので、視点と専門家的な指導内容をまとめたようなものを市内全域の学校に示す必要があるのではないかと思います。そうすれば、それに向けて頑張るというある程度の指標ができると思います。
 もう一つは、学校協力者会議も大変素晴らしい会議で、各学校がこれをどのように評価部会として利用して学校経営を行っているかは、各学校によって違っていると思いますが、学校協力者会議をもっと活性化させながら学校経営に反映させるようなものを整理していけばいいのではないかと思います。
 最後ですが、先日、二葉中学校に行かせていただいた時に、「地域のコーディネーターで大変効果が上がった。」と、地域の皆様や学校関係者も口をそろえて、大変良かったと言われました。この方法が、生徒指導的に課題のある学校では、大変有効であるということだと思います。それにもかかわらず、五日市南中学校では、同じような生徒指導的に課題があるのに、地域の理解のことが一言もありませんので、ここに違和感を覚えました。

指導第一課長

 五日市南中学校の場合、今回の始まりの論点として、自己肯定感をどう高めるかということについて、学校が一番評価してほしいということがありまして、コメントにおいて地域の方までフォローできなかったということがあります。今後は、「教育の絆」として、地域をつなぎながら教育活動に役立てる手立てとすることも考えられます。これが数に限りがありますので、今後は、我々も、3年間の中で、地域等との関わりを強めていくことを学校へも説明しながら、取組を進めていきたいと考えています。

井内委員長

 どこの学校でも生徒指導の問題は必ずあるので、地域ぐるみでバックアップすることによって、二葉中学校の場合はうまくいったという情報を発信していくことは価値があると思います。非常に効果的な情報源になるのではないかと感じました。

尾形委員(教育長)

 この学校評価システムは、10年前から始まりました。学校関係者や地域などの外部の方を入れて評価する学校関係者評価は努力義務ですが、本市では全部の学校で行っています。
 本市では、これをもう一歩進めて、全国的にもほとんど行っていない専門家評価を、単市で積極的に進めています。これは学校長が「もっと学校を良くしたい。」、「課題を解決したい。」、「もっと専門的なアドバイスをいただきたい。」ということで、専門家評価を行っています。
 もちろん、御指摘いただいたとおり、この評価結果を、同じ課題をもっている他の学校にどうやってつなげていくかは、これから取り組まなければならない課題と考えております。3年間ありますので、この中で取り組んでいきたいと思います。
 なお、以前の例ですが、非常に荒れていた中学校が、この学校評価を行って3年間取り組んだ結果、見違えるくらい変わりました。これについては校長会の研修会の中で、取組の状況や経緯を報告しあったりして他の学校にも広めてきています。

井内委員長

 3年間は短いようで長いので、単年度でも出していける情報であればどんどん出していった方がいいと思います。もちろん、個々の研修会で報告等に使われるのは、大変効果的であると思います。評価のための評価にならないようにしていただければと思います。

藤本委員

 問題行動が中学校になって増えてくるのは、小学校段階から問題を抱えている場合が多いので、小中連携や小中の情報の共有化、中学校を見通した上での小学校教育の在り方の重要性が叫ばれています。例えば今回の二葉中学校であれば、同じ時期に尾長小学校の評価も実施していれば、小中で連携してどのような改善ができるか、9年間を見通して何ができるかというような方策も考えられたのではないかと思いました。
 もう一点は、平成22年まで国の財源があったものに、平成23年からは広島市の独自の財源で継続しているということは非常に誇らしいことですし、広島市の教育行政の積極的な姿勢を表していると、高く評価できると思います。
 先ほどから話がありましたように、評価というのは、一つの財産ですので、教育委員会としてその財産を一般的な指導に生かしていくために、ノウハウとして構築していく必要があると思いました。今後、そのような長期的な視点という部分も踏まえて、この制度を活用してべきではないかと思いました。

指導第一課長

 一昨年度に、楠那小学校と楠那中学校で、小中での評価活動を行い、小中で評価しました。評価委員の方も、小中で見ていく必要があると言われました。この時はたまたまセットで上がってきたものです。
 例えば二葉中学校であれば、近くにある尾長小学校に声を掛けたのですが、授業改善の推進校になっているということで出来ませんでした。今後は、委員の言われるように、小中で見ていく視点も必要であると思います。このことは評価委員の方も言われております。
 本日いただいた、全市への普及、マニュアル化、小中の視点を入れた評価活動の3点を、この1年間の評価活動の見直しとして検討していきたいと思います。

井内委員長

 この議題はここまでといたします。
 次の議題3及び議題4は、先ほどお諮りしたとおり、非公開となりましたので、傍聴人、報道関係及び関係者以外の方は、退席していただきますようお願いします。

 (傍聴人等退席)

 (非公開部分省略)

井内委員長

 以上で予定の議題は全て終了いたしました。
 本日の教育委員会議を終了いたします。
 次回の教育委員会議は、5月14日(火曜日)午前9時30分からの予定です。

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