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ページ番号:0000016833更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

ホームページに掲載している教育委員会議議事録は、汎用性を考慮し、人名や地名など一部の表記について原本と異なる場合があります。

少人数教育推進のための段階的プラン(第I期)

平成19年8月 広島市教育委員会

目次

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第1 少人数教育推進のための段階的プラン(第I期)策定にあたっての基本的な考え方

1 少人数教育の目的

少人数教育推進のための段階的プランは、児童生徒の発達段階や教科の特性を踏まえて、義務教育9年間を見通した少人数教育による個に応じたきめ細かな指導を進めることにより、基本的な生活習慣の確立と基礎・基本の学力(※注1)の確実な定着を図り、個性や能力を伸長する教育の充実を目指すことを目的とする。

※注1 「基礎・基本の学力」とは、基礎的な知識・技能(読み、書き、計算)に加え、「ひろしま型カリキュラム」で定着を図ることにしている言語運用能力・数理運用能力のことをいう。

2 少人数教育の効果

学級集団を少人数化することにより、子ども一人一人に担任の目が行き届き、個に応じたきめ細かな指導の徹底を期することができるとともに、子どもの多様性に応える教育活動を展開することを通して基本的な生活習慣の確立と基礎・基本の学力の向上に効果が発揮できる。
また、教育効果をあげるためには、学習指導上の小グループ分けよりも、生活集団そのものを少人数とする学級体制が有効である。特に、小学校低学年は性格形成や集団生活そのもののルールなど総合的な指導が緊急の課題であり、生活基盤としての学級集団の少人数化が必要である。
さらに、少人数化により、学級集団が現在抱えている不登校、いじめ、過度のいたずら、無気力、学級崩壊などの諸課題の解決に向けたきめ細かな取組を一層推進することが可能となる。

小学校1年生においては、入学直後から生じる「教室に秩序が生まれない」という問題(小1プロブレム)がある。小学校低学年(1・2年生)は教員に対する依存傾向が強く、同級生との交流よりも担任との信頼関係の構築が優先されることに加えて、学校教育における同年齢集団生活の初期にあたることから、基本的な生活習慣の確立をめざし、家庭との連携の下に、個別対応に重点を置いた集団指導が不可欠である。
また、中学校1年生では、教科担任制への移行や指導方法の違い、新しい友人関係などの変化に対応できないことなどから、不登校やいじめが急増するという問題(中1ギャップ)があり、生徒が新しい環境にスムーズに適応できるよう、教員が学習・生活の両面からきめ細かく指導する必要がある。

3 段階的プランの目標と段階的プラン(第I期)の位置づけ

個に応じたきめ細かな指導を推進し、基本的な生活習慣の確立と基礎・基本の学力の確実な定着を図り、個性や能力を伸長する教育を充実させるため、小学校・中学校で概ね20人程度の少人数学級による教育を行う。その実現に向けて計画的・段階的に取り組むため、第一段階として、小学校低学年(1・2年生)を概ね20人程度の学級編制とし、その他を概ね30人程度の学級編制とすることを目標とする。(※注2)

※注2 少人数教育推進のための段階的プラン(素案)の策定・公表(平成16年(2004年)4月)

段階的プラン(素案)の目標

小学校・中学校で概ね20人程度の少人数学級による教育を行うこととし、その実現に向けて計画的・段階的に取り組むため、第一段階として、小学校低学年を概ね20人程度の学級とし、その他を概ね30人程度の学級編制とすることを目標とする。

今回の段階的プラン(第I期)は、下図のように、プラン全体の第一段階の実現に向けて、小学校1年生から中学校1年生の学年に、平成20年度から順次、35人以下の学級を導入するプランである。
なお、段階的プラン(次期)については、教職員の定数改善計画や学校・市区町村への学級編制に係る権限の移譲など国の動向、本市の財政状況や児童生徒数の推移等を踏まえるとともに、段階的プラン(第I期)の成果と課題を検証しながら検討を行う。

少人数教育推進のための段階的プランの第一段階の実現に向けての取組

少人数教育推進のための段階的プランの第一段階の実現に向けての取組の画像

第2 実施内容

1 学級規模

(1)学級規模は、35人以下とする。

現在、小学校1・2年生において、児童数が学級平均35人を超える学級が3以上の学校に教諭1名を加配し学級数を増やすことにより、各学級を35人以下の学級とする「はばたきプラン」(県費)を実施している。(学級平均35人を超える学級が2以下の学校には1学級につき非常勤講師1名を加配。)
この「はばたきプラン」は、集団生活や学習の規律が早期に定着するとともに、きめ細かな指導の実現が図られることにより、児童に分かりやすい授業が実施できているという成果をあげており、その拡充を求める保護者や学校現場の声は強い。また、少人数学級を活かした指導方法等の蓄積も進んでおり、その活用が期待できる。
こうしたことから、段階的プラン(第I期)の学級規模は35人以下とする。

(2)児童生徒数が学級平均35人を超える学級が2以上の学年に教諭1名を加配する。

本市が計画している段階的プラン(第1期)の少人数学級は、小学校1年生から中学校1年生の各学年において、学級平均35人を超える学級が2以上の学年に教諭1名を加配して学級数を増やす。
また、1学級の場合は、その学年に非常勤講師1名を加配し、ティーム・ティーチングを実施するが、中学校1年生については加配は実施せず、これまで通り、生徒数が30人を超える学級の場合に国語・数学・英語のうち希望する教科に非常勤講師を加配する「はつらつプラン」(県費)または「ティーム・ティーチングによる中学校1年生少人数指導」(市費)(※注3)を実施する。

※注3 「ティーム・ティーチングによる中学校1年生少人数指導」とは、教室の確保が困難なことから、「はつらつプラン」が実施できない、中学校1年生の学級平均が30人を超える学校に、国語・数学・英語のうち希望する教科に非常勤講師を加配し、ティーム・ティーチングを行う市独自の施策。

学級数と教員配置の状況(イメージ図)

 学級平均35人を超える学級が2の場合(例:71人)

学級数と教員配置の状況(イメージ図)
学級数と教員配置の状況(イメージ図)

学級数と教員配置の状況の画像1

学級数と教員配置の状況の画像2

2 実施学年

小学校1年生から中学校1年生までとする。

実施学年については、発達段階を考慮するとともに、中1ギャップに対応するため、小学校1年生から中学校1年生までとする。
中学校1年生については、生徒数が30人を超える学級の場合は、国語・数学・英語のうち希望する教科に対して非常勤講師を加配する「はつらつプラン」(県費)または「ティーム・ティーチングによる中学校1年生少人数指導」(市費)を引き続き実施する。
なお、中学校2・3年生については、生徒数が30人を超える学級に、国語・数学・英語のうち希望する教科に対して非常勤講師を配置する「中学校2・3年生習熟度別指導」(県費)を実施しているが、生徒が意欲的に授業に取り組むとともに、教員が個に応じた指導がしやすいという成果をあげていることから、段階的プラン(第I期)では、教科指導における個に応じたきめ細かな指導の充実を継続し、現行の40人以下の学級とする。
また、中学校1年生の少人数学級の実施により、教室の確保が困難となり、「中学校2・3年生習熟度別指導」(県費)ができない学校については、新たに「ティーム・ティーチングによる中学校2・3年生習熟度別指導」(市費)を実施する。

3 実施スケジュール

平成20年度(2008年度)から順次、少人数学級を導入する。
  • 平成20年度(2008年度)小学校1~3年生及び中学校1年生に導入
  • 平成21年度(2009年度)小学校4年生に拡大
  • 平成22年度(2010年度)小学校5年生に拡大
  • 平成23年度(2011年度)小学校6年生に拡大[段階的プラン(第1期)完成]
段階的プラン(第I期)実施スケジュールのイメージ

段階的プラン(第I期)実施スケジュールの画像

4教育内容・指導方法の充実

少人数教育を推進し、よりきめ細かく指導できる教育環境を整備するとともに、教育内容等についても、「ひろしま型カリキュラム」の導入による教育内容の充実や「はばたきプラン」及び「少人数教育研究校における実践研究」を踏まえた指導方法の工夫・改善を図るなど、より大きな教育効果が現れるよう総合的な取組を進める。

現行の少人数教育と今後の取組
区分 現行
(少人数教育の実施)
今後の取組
少人数教育の実施 ひろしま型カリキュラムの導入
1学級の児童生徒数 その他 1学級の児童生徒数 その他
小1
小2
35人学級
はばたきプラン(県)
- 35人学級
段階的プラン(第I期)
の導入(市)
- 《前期》

 学びの基盤づくりと基礎の徹底

国・算の反復学習

小3 40人学級 少人数指導

 算数(市)

小4
小5 - 《後期》

 思考力・判断力・表現力の向上と発展

英語科の導入(小5・6)

言語・数理運用科の導入(小5~中3)

英語科の時間数増(中1~3)

小6
中1 少人数指導(はつらつプラン)

 国数英(県)

TT による中学校1年生少人数指導
 国数英(市)

少人数指導(はつらつプラン)

 国数英(県)

TT による中学校1年生少人数指導
 国数英(市)

中2 習熟度別指導

 国数英(県)

40人学級 習熟度別指導

 国数英(県)

TT による習熟度別指導
 国数英(市)

中3

※太字は新規の教育内容

第3 実施方法

1 教員採用等

(1)採用数

段階的プラン(第I期)の実施に伴って新たに必要となる教諭数は、平成19年(2007年)8月の児童生徒数の推計値による試算では、小学校が単年度平均約164人(単年度最大数は約203人)、中学校が単年度平均約30人(単年度最大数は約36人)となる。
この教諭については、現在、広島県が実施している小学校1・2年生の「はばたきプラン」による加配教諭を引き続き活用することにし、不足分については、本市が独自に採用する教諭(以下、「市費負担教諭」)により対応する。

(2)採用方法

「市費負担教諭」については、本市が面接等により選考を行い、採用する。

(3)勤務条件等

市費負担教諭は、任用期間を1年間として臨時的任用とする。
市費負担教諭の勤務条件は、年齢や職歴等を考慮した給与を支払うなど、県費の臨時的任用教諭に準じたものとする。

(4)研修

少人数学級の実施に伴って必要となる教諭については、指導方法等に関する研修会を計画的に開催し、即戦力として実働できる指導力の向上を図る。

2 教室の確保

教室の確保については、既存施設の活用を基本とし、会議室等の普通教室仕様の諸室については、原則として普通教室に転用する。また、それでもなお普通教室が不足する場合には、5年以下の短期的な不足については仮設教室、5年を超える長期的な不足については校舎増築により対応する。
なお、毎年度、児童生徒数の実績と推計を基に、教室不足等の把握に努め、学校運営に支障がないように必要な教室の確保を図る。

第4 概算事業費

今後10年間の必要経費は、現段階の概算で約154億円で、年間平均約15億4千万円が見込まれる。

概算事業費 (A)

区分 平成20年度~平成29年度の事業費(※注4)  
年平均事業費見込み
人件費(単年度平均)

《教諭》
720万円(※注5)×193人

ピーク時に必要な教諭

見込み数:239人

小:203人

中:36人

《嘱託講師》
277万950円×31人

約148億円 約14億8千万円
施設整備費
  • 仮設教室設置・増築が見込まれる学校数
    8校(小7校・中1校)
約4億円 約4千万円
備品・消耗品費 約2億円 約2千万円
約154億円 約15億4千万円
  • ※注4 事業実施にあたって必要となる平成19年度の施設整備費等を含む。
  • ※注5 臨時的任用で教職経験15年をモデルとした場合の金額。

うち、「はばたきプラン」加配教諭の概算人件費 (B)

人件費 約28億円 約2億8千万円

本市負担額 (A)-(B)

人件費 約126億円 約12億6千万円

参考1:段階的プラン(第I期)概念図

参考1:段階的プラン(第I期)概念図の画像

※注1はばたきプラン
県教育委員会の施策で、小学校1・2年生において、児童数が学級平均35人を超える学級が3以上の学校に教諭1名を加配し学級数を増やすことにより、各学級を35人以下の学級とする。なお、学級平均35人を超える学級が2以下の学校に、1学級につき非常勤講師1名を加配する。

※注2段階的プラン(第I期)
本市が段階的プラン(第I期)で計画している施策で、小学校1年生から中学校1年生の各学年において、学級平均35人を超える学級が2以上の学年に教諭1名を加配して学級数を増やす。また、1学級の場合は、その学年に非常勤講師1名を加配し、ティームティーチングを実施するが、中学校1年生について加配を実施せず、これまで通り、「はつらつプラン」または、「ティームティーチングによる中学校1年生少人数指導」を実施する。

参考2:ひろしま型カリキュラムの概要

1 小学校と中学校との連携・接続の改善

(1)4・5制の導入

子どもの発達段階や実態に即して、義務教育の区分を前期4年間・後期5年間とし、前期においては「学びの基盤づくりと基礎の徹底」、後期においては「思考力・判断力・表現力の向上と発展」をめざす。

(2)ひろしま型学習指導計画作成と到達目標の明確化

言語運用能力と数理運用能力に特に関連する教科について、小学校・中学校の連携と接続を意識した広島市独自の学習指導計画(ひろしま型学習指導計画)を作成する。作成においては、義務教育期間に育成すべき力を確実に育むため、各学年での到達目標・指導内容・指導方法等を明確に示す必要がある。また、基礎・基本の力の確実な定着のために、学年の実態に応じた方法で、年間35時間程度の授業時間増を行う。

(3)指導力の向上

ひろしま型学習指導計画に基づき質の高い学校教育を実現するため、各学校は教員が自己研鑽に努められる環境づくりを行うとともに、教育委員会はそれを積極的に支援し、また、指導力向上に向けた研修の充実を図る必要がある。

2 言語・数理運用科の新設(小学校5年生~中学校3年生)

言語運用能力と数理運用能力は、物事や事象等について思考、判断、表現するために必要な能力であるばかりでなく、将来必要となる知識や技術を得るために身に付けるべき能力である。こうした認識のもとで、これらの能力の向上を主たる目的とした言語・数理運用科を新設する。

3 小学校への英語科の導入(小学校5・6年生)

英語はコミュニケーションの重要な一手段となると考えられるため、広島市の英語学習の課題を解決し、より一層英語教育を推進する。現在、総合的な学習の時間に英語活動に取り組んでいるが、より体系的、専門的な学習ができるよう、小学校に英語科を導入し、英語の学習を通じて言語運用能力の基礎を培う。

※ 教科担任制について

小学校高学年において、国語、算数などの教科については、校内の指導体制を工夫するなど導入に向けた検討を進める。同時に、小中学校の教員が相互に交流して授業を行うなどの取組も検討する。

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