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ページ番号:0000106122更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

ホームページに掲載している教育委員会議議事録は、汎用性を考慮し、人名や地名など一部の表記について原本と異なる場合があります。

平成31年度 第1回「人材育成のための意見交換会」議事要旨

平成31年度第1回人材育成のための意見交換会議事要旨

1 開催日時

   令和元年7月31日(水曜日) 午後2時00分~午後3時30分

2 開催場所

   広島市役所北庁舎(中区役所)6階 教育委員室

3 出席者

(1) 学識経験者・教育関係者・関係団体代表者

    深澤 悦子【座長】(広島都市学園大学子ども教育学部子ども教育学科准教授)
    伊藤 唯道    (広島市私立保育園協会 副理事長)
    清川 里佳    (広島市私立幼稚園協会 副理事長)
    是平 千栄    (広島市保育園長会 副会長)
    坂本 玲子    (広島市立幼稚園長会 副会長

(2) 事務局(広島市こども未来局・広島市教育委員会事務局)

4 議題(公開)

   「幼稚園教諭・保育士・保育教諭の人材育成の基本的な考え方」について

5 傍聴人の人数

   0名

6 意見交換資料名

   ・平成31年度「人材育成のための意見交換会」名簿

   ・人材育成のための意見交換会開催要綱

   ・人材育成のための意見交換会公開に関する取扱要領

   ・人材育成のための意見交換会傍聴要領

   ・平成31年度人材育成のための意見交換会計画

   ・「幼稚園教諭・保育士・保育教諭の人材育成の基本的な考え方」の構成(たたき台)

   ・人材育成体系(たたき台)

7 出席者の発言要旨

  【○学識経験者・教育関係者・関係団体代表者 ●事務局職員の発言を表す。】

  「幼稚園教諭・保育士等の人材育成の基本的な考え方」について

  事務局の説明に対し、以下のような意見・質問等があった。

○ 事務局としては幼児教育・保育の現場における保育者の現状や課題をどのように捉えているのか。

 

● 経験や知識が多様な保育者がいる中で、それぞれの保育者の立場や状況も多様なため、これという共通の課題は捉え切れていないのが実態である。幼稚園教育要領、保育所保育指針及び認定こども園教育保育要領の各総則において、類似性のある部分を踏まえて、目指す保育者像として整理している。

 

○ 業務量や人員体制の現状から保育現場での課題の一つとして、保育者を園外への研修等に参加させることが容易でないということがある。この課題を基に広島市としてどのように人材育成を行うかを考えて、研修のあり方を組み立てることが重要になる。

 

○ 新任の保育者には、子どもや保護者と会話する際、語彙数が少なく単語のみで会話する姿が多く見られる。養成校では、保育に関する基本については学んでいるが、まだ、社会人として働くために必要な経験が十分でないことから、そもそも社会人として求められる力が備わっていない保育者が多いという課題をよく耳にする。

 

○ 事務局が提示している目指す保育者像の3つの項目は適切であると思われる。現状を踏まえて考えると、項目【1】「子どもとの信頼関係を基盤とする保育を行う保育者」の育成については、大変難しいとは思うものの一番大切なところである。

   項目【2】「子どもの主体的な活動を引き出す適切な環境の構成を行う保育者」については、若い保育者は容易に理解できていると思われるが、ベテランの保育者は理解が困難な場合があるのではないか。その理由として、若い保育者は自分がこのような幼児教育や保育を実際に受けた経験があるものの、ベテランの保育者にはこうした経験が乏しいことが考えられる。また、このことと関係するが、新規採用者は、研修で学んだ内容とベテラン保育者が実践する保育の内容とにギャップを感じて戸惑うことがある。子どもの主体的な活動を引き出すためには、子ども理解が必要だが、これが難しい保育者がベテランにも多いということが、様々な保育現場の園長から聞いている。子ども理解ができないと子ども主体の保育はできない。

    項目の【3】「子どもの特性と発達の課題に即した保育を行う保育者」については、子どもの発達が基本的に理解できていない保育者も多く支援に繋げられず困っているという実態もある。

 

○ 研修に参加できない実態には、「時間が確保できない」ことや「保育者の人員不足」といった原因がある。さらに、1人で出席した場合、持ち帰った研修内容を共感できず「園で学びが広がりにくい」という実態がある。

 

○ 公立幼稚園では、平成11年度から平成23年度まで新規採用者が採用されず、若手やベテランの教諭に比べて中間の年齢層に当たる教諭が少なく人員構成のアンバランスという課題がある。 また、臨時採用教諭も多く、若手教諭や臨時採用教諭に対して保育に必要な実践力をつけることも急務の課題である。

 さらに、中間の年齢層の教諭が少ないことにより、保育経験の浅い1,2年目の教諭が主任になることもあり、自分自身の保育観や保育力を身に付けるために取り組みながら、園をまとめる中堅の役割ついても担わなくてはならないという現実がある。 こうした現実を踏まえると園内研修や研修体制の充実等により、若い教諭に力を付ける取組が必要である。

 

○ 公立保育園においても、人員構成のアンバランスという課題がある。例えば正規の職員数は22名が確保されているが、このうち50代は園長・主任を含む3名、40代の5名のうち1名は経験年数7年なので、40代としての経験年数をもっているのは4名、30代の7名のうち育休中が5名、そして20代が7名というような例がある。若い世代が多いものの、20代後半からの産休・育休の取得状況次第では、5,6年程度のブランクが空き、2人目の出産に至るケースでは30代後半からの復帰になることもあるため、よりブランクが空く職員も出てくる。こうしたことから、在職年数は長くても、実践経験が浅い職員も多いという現状がある。

   スキルについては、経験を積みながら学んで伸ばすこともできるが、倫理観、保育観、人生観などについては若いうちに育み身に付けることが重要だと考えられる。

 

○ 保育者の学びが主体的でないことも課題としてある。保育者が「学ばされている」と捉えてはいないだろうか。これを、「自分が学びたいから学ぶ」というように意欲的に、かつ主体的な学びへ変えることが必要ではないか。

 

○ 人材育成においては、どのように研修の体制や仕組み作りをするのかということが必要であり、併せて保育者が研修の必要性を求めたくなるということも必要である。

 

○ 保育者の主体的な学びを引き出すためには、園内における風土が必要である。  また、園外へ保育者が学びに出ることが難しい現状においては、園内研修は人材育成の要である。園内で目の前の子どもの姿を見てお互いの学びを深める研修を進めることは効果的である。

 

○ 現状や課題等のキーワードとしては「若手の育成」「人員構成」「社会性」「ベテラン保育者」「保育実践をどう生かす」「子ども理解」「遊び」「保育内容・教育内容の充実」などが見えてきた。

 

○ ビデオを活用した研修や実践をお互いに見合うことなどは、よいと思われる。

 

○ 私立幼稚園においては、毎年1園が公開保育を実施している。公開する園においては自園の課題等を洗い出し、課題解決へ向けた取組の実践を公開している。

  その際、参加者は、その公開保育における気付き等を意見交換している。これにより多様な意見を聞くことができ、学び合うことができる研修となっている。

 

○ 保育園では、園内研修コーディネーター養成講座という研修を実施し、受講した者が自園の研修についてコー ディネートしている。公開保育の内容や参加者等について検討し、計画から実施に至るまでのすべてをコーディネートするものである。近隣園のみが参加する小規模の公開保育は多数実施しており、実施した園や参加した保育者からは「やってよかった。」という感想を多数いただいている。

 

○ 「実践を中心として保育者が育つ」これは1つのキーワードとなる。

 

○ 広島市立幼稚園教育研究会では、毎年数園が公開保育を実施している。他園における実践を参観することは、保育者にとって大変な刺激となると同時に、実践の参考にしているという保育者も多いことから、意義があるものと思われる。

  以前は、経験の少ない保育者が、園内の先輩から実践を通じて学ぶことができる機会が多かったが、現在の人員構成等では、そうしたことが難しくなっている。 実践を見ることで成長するということも人材育成では大切にしていきたい。

 

○ キャリアステージの設定については、昨年度まで開催されていた「研修に関する連絡協議会」においてもまとめることが難しい部分だった。例えば、ミドルリーダーと言ってもどこまでできるようになることがミドルリーダーなのかなど、その定義はまだ難しいところである。

  また、「人材育成体系(たたき台)」に示されているステージセレクトの視点等では、将来的に、経営やマネジメントができる人材の育成に向けての観点が強いように思われる。保育者には多様な人材がいる。厚生労働省では専門リーダーというような表現をすることもあるが、保育技術は高いが園長や主幹などの管理、監督する立場(マネジメントステージ)を目指さない保育者もいる。そのような保育者についてどうするのかということも考える必要がある。

    キャリアは、個々の保育者が選ぶのだから、年齢を重ねると皆が必ずマネジメントステージを選ぶのではなく、別立てで保育の専門性を高める流れのものもあってよいのではないか。

 

○ 園長は園に1人であり、皆が目指してなれるものではないことから、ステージの示し方を考えなくてはならない。マネジメントステージを目指すようなコースと、保育技術の向上を目指す専門的なコースを設けるなど複数のコースを示してもよいのではないか。

 

○ キャリアコースを保育者自身が選べることは重要だと考えられる。保育者自身がキャリア設計できることが必要ならば、ステージ設定はこの3つでよいのかということや、複数のコースを設定するという考えもある。

 

○ ミドルリーダーを養成するという方向性と保育者の保育の質の向上がリンクするようにしなければならない。

 

○ 資質をメインとした視点だけでなく、保育者にとって必要とされる能力の視点からも整理することが必要かもしれない。子どもの理解や遊びの内容という視点で保育を観て語ることができる保育者の育成が必要だ。

 

○ ベーシックステージでは子どもの理解や遊びの理解ができ、アドバンスステージではそれらを多様で柔軟に発展させるというような要素についても示すことが考えられる。

 

○ 若手育成の弊害とならないように、ベテランの育成に関する考え方も必要である。子どもの理解や遊びの理解が不十分なベテランがいることも課題として捉えなくてはならない。

 

○ 園内研修が生かされることで、経験や子どもの理解や遊びの理解に差があっても研修によって揺さぶられることが重要だ。「若手もベテランも学べるのが研修である」という考え方もある。園内の雰囲気が重要であり、ベテランも若手も同じ様に会議で意見が述べられる風土がなくては、人材育成は難しい。

 

○ 多様な意見を言える環境で育ってきた若い保育者と、常に答えを求められる環境で育ってきた中堅保育者では捉え方が異なるということは確かにある。

  そうなると、「人材育成体系(たたき台)」のマネジメントステージには、園の環境づくりや雰囲気づくりといった視点が入ってくるのではないだろうか。

○ 保育者の倫理観、人生観についての御意見もあったが、保育者が自分自身のことを知っていく中で、園の運営に興味をもつ保育者にも、保育そのものを追求したいという保育者にも対応した育成ができるとよいと思う。

 

○ 保育者は、多様な人材がいてよい。満遍なくいろいろなことができるようにならなくても、それぞれに特技があり、例えばピアノが全く弾けない保育者がいてもよいのではないかとも考えられる。ピアノが弾けない先生がいれば、弾ける先生がカバーするというように、チームで保育していくという考えも重要なのではないだろうか。そうした体制になるためにも、園内の環境や人間関係が重要ということになる。

 

○ 「人材育成体系(たたき台)」を見ると、マネジメントのステージに向かうためのステップアップのような設定が示されているように見えてしまう。園のマネジメントができるようになることを目指すコースと、専門分野に特化して保育の質を高めるコースがあるのもよいのではないか。

 

○ 私立の場合、保育者としての経験を積まなくても世襲により園長になることもある。そうしたことからも、保育内容の向上とマネジメント能力の向上とは、分けて考えることも必要ではないだろうか。

 

○ こども未来局が実施する研修には、同じ障害児に関する研修でも初級と中級に応じた研修がある。同じような内容の専門研修でもステージによって分けて整理することはよいかもしれない。

 

○ 人材育成については、園内研修や公開保育をどのように組み合わせるのかを考えると、よい取組になるのではないか。広島市の乳幼児教育保育アドバイザーに来ていただくとよい。

 

○ 園内研修や公開保育も視野に入れて研修メニューを組むという考えでよいのではないか。

 

○ 公開保育が減少した原因のひとつに、参加者による評価のあり方に問題があったことが考えられる。保育実践の表面的な良し悪しを述べるだけではなく、多様な意見を認め合うことや、子どもについて語り合うことなどが研修では必要なのではないかと思われる。