○広島市ペット霊園の設置の許可等に関する条例
令和7年6月26日
条例第36号
(目的)
第1条 この条例は、ペット霊園の設置及び管理が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障なく行われるために必要な事項を定めることにより、市民の良好な生活環境の保全に資することを目的とする。
(1) ペット 犬、猫その他の愛玩することを目的として飼養される動物(化製場等に関する法律(昭和23年法律第140号)第1条第1項に規定する獣畜を除く。)をいう。
(2) 墳墓 ペットの焼骨(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物に該当するものを除く。以下同じ。)を埋蔵し、又はペットの死体(同項に規定する廃棄物に該当するものを除く。以下同じ。)を埋葬する施設をいう。
(3) 墓地 墳墓を設けるための区域をいう。
(4) 納骨堂 ペットの焼骨を収蔵するための設備を有する施設をいう。
(5) 火葬施設 ペットの死体を火葬するための設備(以下「火葬設備」という。)を有する施設(火葬設備を有する車両を使用し、一定の場所で反復継続してペットの死体を火葬するものを含む。)をいう。
(6) ペット霊園 墓地、納骨堂若しくは火葬施設を有する施設又はこれらを併せ有する施設をいう。ただし、専ら自己の使用に供するために設置するものを除く。
(7) 近隣関係者 次に掲げる者をいう。
ア ペット霊園に係る土地に隣接する土地の所有者
イ 墓地から100メートル以内、納骨堂から50メートル以内又は火葬施設から200メートル以内の距離にある建物の所有者、管理者又は占有者
ウ ペット霊園に係る土地の区域に係る町内会・自治会等(地方自治法(昭和22年法律第67号)第260条の2第1項に規定する地縁による団体をいう。)の代表者
(設置者等の責務)
第3条 ペット霊園を設置し、又は管理する者は、その事業を行うに際しては、周辺の生活環境に与える影響に配慮するとともに、良好な近隣関係を構築し、及び維持するよう努めなければならない。
(設置等の許可)
第4条 ペット霊園を設置しようとする者は、あらかじめ市長の許可を受けなければならない。許可を受けたペット霊園について次に掲げる変更をしようとするときも、同様とする。
(1) 墓地の新設又は拡張
(2) 納骨堂の新設又は拡張
(3) 火葬施設の新設若しくは拡張又は火葬設備の増設
2 市長は、前項の許可(以下「設置等の許可」という。)に公衆衛生その他公共の福祉の見地から必要な範囲内で条件を付することができる。
2 申請予定者は、前項の規定により標識を設置したときは、規則で定めるところにより、速やかに、その旨を市長に届け出なければならない。
(説明会の開催等)
第6条 申請予定者は、規則で定めるところにより、近隣関係者(許可を要する変更をしようとする場合にあっては、当該許可を要する変更に係る部分についての者に限る。)に対し、ペット霊園の設置又は許可を要する変更に係る計画について説明会を開催しなければならない。ただし、これにより難いときは、規則で定める方法により説明を行うことにより、説明会の開催に代えることができる。
(許可の申請等)
第7条 設置等の許可を受けようとする者(以下「申請者」という。)は、規則で定めるところにより、市長に申請しなければならない。
4 市長は、設置等の許可をする場合にあっては許可証を申請者に交付するものとし、設置等の許可をしない場合にあってはその旨を申請者に通知するものとする。
(設置場所の基準)
第8条 ペット霊園の設置場所の基準は、次に掲げるとおりとする。
(1) 墓地又は納骨堂に係る土地及び建物にあっては申請者がそれらの所有権を有し、火葬施設に係る土地及び建物にあっては申請者がそれらを使用する権原を有すること。
(2) 人家又は学校、保育所、病院、老人福祉施設その他これらに類する施設から、墓地にあっては100メートル以上、納骨堂にあっては50メートル以上、火葬施設にあっては200メートル以上の距離を保つこと。ただし、市長が土地の状況その他特別の事由により公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めたときは、この限りでない。
(3) その他公衆衛生上支障がないと認められる場所であること。
(構造設備の基準)
第9条 ペット霊園の構造設備の基準は、次に掲げるとおりとする。ただし、市長が土地の状況その他特別の事由により公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めたときは、この限りでない。
(1) 必要に応じて駐車場、給水設備、ごみ容器等が設けられていること。
(2) 墓地、納骨堂又は火葬施設は、その周囲に美観を呈する塀、密植した樹木の垣等が設けられ、外部と区画されていること。
(3) 墓地にあっては、前2号に掲げるもののほか、次に掲げるとおりとする。
ア 墳墓は、ペットの焼骨を埋蔵するものに限られていること。
イ 適当な通路及び排水設備が設けられていること。
イ 火葬設備は、燃焼に必要な量の空気の通風が行われるものであること。
ウ 火葬設備は、燃焼室内の燃焼ガスの温度を測定するための装置が設けられていること。
エ 火葬設備は、燃焼ガスの温度を保つために必要な助燃装置が設けられていること。
オ 火葬設備は、防臭及び集じんの設備が設けられていること。
カ 火葬設備は、堅ろうな構造であること。
キ 必要に応じてペットの死体の安置場、付添人控所等が設けられていること。
(工事完了の届出等)
第10条 設置等の許可を受けた者(以下「設置者」という。)は、当該設置等の許可に係るペット霊園の工事が完了したときは、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。
3 設置者は、前項の検査済証の交付を受けた後でなければ、ペット霊園(許可を要する変更の許可を受けた場合にあっては、当該許可を要する変更に係る部分に限る。)を使用してはならない。
(維持管理)
第11条 設置者は、第9条に規定する基準及び次に掲げる基準に従い、ペット霊園の維持管理をしなければならない。
(1) 常に清潔を保ち、掃除及び修繕を怠らないこと。
(2) ペット霊園の使用に伴って生ずるばい煙、汚水、廃棄物等を適切に処理すること。
(地位の承継等)
第12条 設置者からペット霊園を譲り受けた者(墓地又は納骨堂に係る土地及び建物にあってはそれらの所有権を有し、火葬施設に係る土地及び建物にあってはそれらを使用する権原を有する者に限る。)は、当該設置者の地位を承継する。
2 設置者について相続、合併又は分割(ペット霊園を承継させるものに限る。)があったときは、相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人又は分割により当該ペット霊園を承継した法人(墓地又は納骨堂に係る土地及び建物にあってはそれらの所有権を有し、火葬施設に係る土地及び建物にあってはそれらを使用する権原を有する相続人又は法人に限る。)は、当該設置者の地位を承継する。
3 前2項の規定により設置者の地位を承継した者は、遅滞なく、その事実を証する書類を添えて、その旨を所定の届出書により市長に届け出なければならない。
(変更の届出)
第13条 設置者は、許可を要する変更に該当する場合を除き、設置等の許可に係る事項を変更したときは、規則で定めるところにより、遅滞なく、その旨を市長に届け出なければならない。
(廃止の届出等)
第14条 ペット霊園の廃止をしようとする者は、当該廃止の日の30日前までに、その旨を所定の届出書により市長に届け出なければならない。
2 ペット霊園の廃止をしようとする者は、当該ペット霊園に存するペットの焼骨又はペットの死体の取扱いに当たっては、当該ペット霊園の利用者の心情に十分配慮しなければならない。
(立入検査等)
第15条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、設置者その他の関係者に対し、必要な事項について報告若しくは資料の提出を求め、又は本市の職員に、ペット霊園、事業所等に立ち入り、施設、帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(許可の取消し)
第17条 市長は、設置者が次の各号のいずれかに該当するときは、設置等の許可を取り消すことができる。
(1) 偽りその他不正の手段により設置等の許可を受けたとき。
(2) 第4条第2項の規定により付された許可の条件に違反したとき。
(3) 前条の規定による命令に違反したとき。
(使用禁止命令)
第18条 市長は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、ペット霊園の全部又は一部の使用の禁止を命ずることができる。
(1) 第4条第1項の規定に違反した者
(2) 前条の規定により設置等の許可を取り消された者
2 市長は、前項の規定により公表しようとするときは、あらかじめ、公表の対象となる者にその理由を通知し、規則で定めるところにより、意見を述べる機会を与えなければならない。
(適用除外)
第20条 墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)第2条第5項に規定する墓地と一体的な管理(公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認められる場合に限る。以下この条において同じ。)が行われる墓地若しくは納骨堂、同条第6項に規定する納骨堂と一体的な管理が行われる納骨堂又は同条第7項に規定する火葬場と一体的な管理が行われる火葬施設については、この条例の規定は、適用しない。
(手数料)
第21条 申請者は、次に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める額の手数料を、申請の際納付しなければならない。
(1) 設置等の許可の申請(次号に掲げる申請を除く。) 1件につき47,000円
(2) 許可を要する変更の許可の申請 1件につき33,000円
2 既納の手数料は、返還しない。ただし、市長が特別の理由があると認める場合は、この限りでない。
(委任規定)
第22条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(罰則)
第23条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の過料に処する。
(1) 第4条第1項の規定に違反した者
附則
(施行期日)
1 この条例は、令和7年10月1日から施行する。