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○広島市ふぐの処理に関する条例

令和4年3月18日

条例第14号

(目的)

第1条 この条例は、ふぐの処理(業として行うものに限る。)に関し必要な規制を行うことにより、当該ふぐの処理に関する食中毒の発生を防止することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) ふぐの処理 ふぐを食用に供する目的で、その卵巣、肝臓、胃及び腸並びにこれら以外の部位のうち人の健康を害するおそれのあるもの(以下「有毒部位」という。)の除去をし、又はその塩蔵処理をすることにより人の健康を損なわないようにすることをいう。

(2) ふぐ処理者 ふぐの種類の鑑別に関する知識及び有毒部位を除去する技術等を有する者として第4条第1項の規定により市長の免許を受けたものをいう。

(3) ふぐ処理施設 食品衛生法に基づく営業の基準等に関する条例(平成12年広島県条例第11号。以下「県条例」という。)別表第3第2号に規定する営業について食品衛生法(昭和22年法律第233号)第55条第1項の規定による許可を受け、かつ、同号イからハまでに掲げる要件を満たす施設をいう。

(4) ふぐ処理業者 ふぐ処理施設において、業として、ふぐ処理者又はその者の立会いの下に他の者にふぐの処理を行わせる者(自らふぐ処理者としてふぐの処理を行う者を含む。)をいう。

(ふぐの処理の制限)

第3条 ふぐ処理者以外の者は、業としてふぐの処理に従事してはならない。ただし、ふぐ処理施設において、ふぐ処理者の立会いの下にその指示を受けてふぐの処理に従事する場合は、この限りでない。

(免許)

第4条 ふぐ処理者の免許(第2号及び第18条第1項を除き、以下「免許」という。)は、次の各号のいずれかに該当する者に対して市長が与える。

(1) 市長が行うふぐ処理者試験(以下「ふぐ処理者試験」という。)に合格した者

(2) 都道府県知事、保健所を設置する本市以外の市の市長又は特別区の区長(以下「都道府県知事等」という。)からふぐの処理に関する免許その他これに類するもの(以下「免許等」という。)を受けている者であって、ふぐ処理者試験に合格した者と同等以上のふぐの処理に関する知識、技術等を有すると市長が認めるもの

(3) 都道府県知事等が行うふぐの処理に関する試験に合格した者であって、ふぐ処理者試験に合格した者と同等以上のふぐの処理に関する知識、技術等を有すると市長が認めるもの

2 免許を受けようとする者は、規則で定めるところにより、市長に申請しなければならない。

3 免許は、ふぐ処理者名簿に登録することによって行う。

4 市長は、免許を与えたときは、ふぐ処理者免許証(第18条第2項を除き、以下「免許証」という。)を交付する。

5 ふぐ処理者は、第2項の規定により申請した事項のうち規則で定めるものに変更があったときは、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。

(ふぐ処理者試験)

第5条 ふぐ処理者試験は、ふぐ処理者として必要な知識、技術等について行う。

2 市長は、ふぐ処理者試験を毎年1回以上行うものとする。ただし、都道府県知事等によりふぐ処理者試験と同等以上のふぐの処理に関する知識、技術等について行われる試験が実施され、業としてふぐの処理に従事しようとする者が当該試験を受験する機会が確保されると認められる年においては、ふぐ処理者試験を行わないことができる。

(受験資格)

第6条 ふぐ処理者試験は、学校教育法(昭和22年法律第26号)第57条に規定する者でなければ、受けることができない。

(不正受験者の処分)

第7条 ふぐ処理者試験に関して不正の行為があったときは、市長は、その不正行為に関係のある者に対しては、その受験を停止させ、又はその試験を無効とすることができる。

(絶対的欠格事由)

第8条 市長は、次の各号のいずれかに該当する者に対しては、免許を与えない。

(1) 第13条の規定により免許の取消処分(次条第2号に該当するに至った者が第13条第2項の規定により受けたものを除く。)を受けた者のうち、当該取消処分を受けてから1年を経過しない者

(2) 都道府県知事等から免許等を受けた者であって、当該免許等の取消処分(次条第2号に該当する場合に係るものと同等のものと認められるものを除く。)を受けた者のうち、当該取消処分を受けてから1年を経過しない者

(相対的欠格事由)

第9条 市長は、次の各号のいずれかに該当する者に対しては、免許を与えないことができる。

(1) 麻薬、あへん、大麻又は覚醒剤の中毒者

(2) 心身の障害により、ふぐの処理を適正に行うことができない者として規則で定めるもの

(免許証の書換え交付)

第10条 ふぐ処理者は、その免許証の記載事項に変更があったときは、規則で定めるところにより、当該免許証の書換え交付を市長に申請しなければならない。

(免許証の再交付)

第11条 ふぐ処理者は、その免許証を破り、汚し、又は失ったときは、規則で定めるところにより、当該免許証の再交付を市長に申請することができる。

2 免許証の再交付を受けたふぐ処理者は、失った免許証を発見したときは、速やかに当該免許証を市長に返納しなければならない。

(免許証の返納)

第12条 ふぐ処理者は、業としてふぐの処理に従事しないこととしたときは、その免許証を返納しなければならない。

2 ふぐ処理者は、次条の規定により免許を取り消されたときは、直ちにその免許証を市長に返納しなければならない。

3 ふぐ処理者が死亡し、又は失踪の宣告を受けたときは、戸籍法(昭和22年法律第224号)の規定による死亡又は失踪の届出義務者は、遅滞なく、当該ふぐ処理者の免許証を市長に返納しなければならない。

(免許の取消し等)

第13条 市長は、ふぐ処理者が次の各号のいずれかに該当するときは、その免許を取り消すものとする。

(1) 偽りその他不正の手段により免許を受けたとき。

(2) 第8条第2号に該当するとき。

2 市長は、ふぐ処理者が次の各号のいずれかに該当するときは、その免許を取り消し、又は期間を定めてその効力を停止することができる。

(1) 第9条各号のいずれかに該当するに至ったとき。

(2) 次条の規定に違反したとき。

(3) その責めに帰すべき事由により、ふぐの処理に関し食中毒その他の衛生上重大な事故を発生させたとき。

(ふぐ処理者の遵守事項)

第14条 ふぐ処理者は、ふぐ処理施設以外の場所で業としてふぐの処理に従事してはならない。

2 ふぐ処理者は、免許証を他人に譲り渡し、又は貸与してはならない。

3 ふぐ処理者は、業としてふぐの処理に従事する場合は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 凍結したふぐを使用する場合は、急速凍結法により凍結したものを用い、解凍は、有毒部位の毒が筋肉部に移行することがないよう流水等を用いて迅速に行い、解凍後は直ちにふぐの処理に供することとし、再凍結は行わないこと。

(2) 有毒部位の除去は、的確に行うこと。

(3) 除去した有毒部位は、焼却等衛生上の危害を生ずるおそれがない方法で確実に処分すること。

(ふぐ処理施設の登録等)

第15条 ふぐ処理施設を営もうとする者は、規則で定めるところにより、施設ごとに、市長に申請し、その登録を受けなければならない。

2 市長は、前項の規定による申請があった場合において、当該申請に係る施設が県条例別表第3第2号イからハまでに掲げる要件を満たしていることを確認したときは、同項の登録をするものとする。

3 市長は、第1項の登録をしたときは、ふぐ処理施設登録証(以下「登録証」という。)を交付する。

4 ふぐ処理業者は、その登録証の記載事項に変更があったときは、規則で定めるところにより、当該登録証の書換え交付を市長に申請しなければならない。

5 ふぐ処理業者は、第1項の規定により申請した事項のうち規則で定めるものに変更があったときは、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。

6 ふぐ処理業者は、その登録証を破り、汚し、又は失ったときは、規則で定めるところにより、当該登録証の再交付を市長に申請しなければならない。

7 ふぐ処理業者は、登録証をふぐ処理施設の見やすい場所に掲示しなければならない。

8 ふぐ処理業者は、ふぐ処理施設を営まないこととしたときは、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。

(立入検査等)

第16条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、ふぐ処理者、ふぐ処理業者その他の関係者に対し、必要な事項について報告を求め、又は本市の職員に、ふぐ処理施設、事業所等に立ち入り、不特定若しくは多数の者に対する授与の用に供し、若しくは営業上使用する食品、施設、帳簿、書類その他物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2 前項の規定により立入検査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3 第1項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(手数料)

第17条 次の各号に掲げる申請又は受験をしようとする者は、申請の際(第2号に掲げる受験にあっては、その申込みの際)、それぞれ当該各号に定める額の手数料を納付しなければならない。

(1) 第4条第2項の規定による免許の申請 1件につき3,700円

(2) ふぐ処理者試験の受験 1件につき15,700円

(3) 第10条の規定による免許証の書換え交付の申請 1件につき2,500円

(4) 第11条第1項の規定による免許証の再交付の申請 1件につき2,900円

2 既納の手数料は、返還しない。ただし、市長が特別の理由があると認める場合は、この限りでない。

(手数料の免除等)

第18条 第4条第1項第2号に該当する者のうち広島県知事、呉市長又は福山市長からふぐの処理に関する免許を受けているものが行う前条第1項第1号に掲げる申請については、同項(同号に係る部分に限る。)の規定にかかわらず、手数料の納付を要しない。

2 第4条第1項第2号に該当する者のうち広島県知事、呉市長又は福山市長から交付されたふぐの処理に関する免許証の書換え交付を受けているものによる当該書換え交付に係る申請事項についての前条第1項第3号に掲げる申請については、同項(同号に係る部分に限る。)の規定にかかわらず、手数料の納付を要しない。

3 市長は、特に必要があると認めるときは、手数料を減免することができる。

(委任規定)

第19条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(罰則)

第20条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

(1) 第3条の規定に違反した者

(2) 偽りその他不正の手段により免許を受けた者

第21条 第16条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、同項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をした者は、10万円以下の罰金に処する。

第22条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

(施行期日)

1 この条例は、令和4年4月1日から施行する。

(ふぐの処理に関する経過措置)

2 この条例の施行の際現に食品衛生法施行規則(昭和23年厚生省令第23号)別表第17第1号ヘに規定する知識及び技術等を有すると市長が認めている者(以下「既存ふぐ処理者」という。)は、令和6年3月31日(同日までに第4条第2項又は次項の規定による申請について免許の拒否の処分があったときは、当該処分のあった日)までの間は、第3条本文の規定にかかわらず、引き続き業としてふぐの処理に従事することができる。

(既存ふぐ処理者に係る免許の特例)

3 市長は、令和6年3月31日までの間に既存ふぐ処理者から免許の申請があったときは、第4条第1項の規定にかかわらず、当該既存ふぐ処理者に対して免許を与えることができる。

(ふぐ処理者試験の受験資格の特例)

4 第6条の規定の適用については、当分の間、旧国民学校令(昭和16年勅令第148号)による国民学校の高等科を修了した者、旧中等学校令(昭和18年勅令第36号)による中等学校の2年の課程を修了した者及びこれらの者と同等以上の学力があると認められる者は、学校教育法第57条に規定する者とみなす。

(既存ふぐ処理施設に係る経過措置)

5 この条例の施行の際現に業としてふぐの処理を行っている施設であって規則で定めるもの(以下「既存ふぐ処理施設」という。)のうち、食品衛生法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令(令和元年政令第123号)附則第2条第1項の規定によりなお従前の例により営業を行うことができることとされた者が行っている当該営業に係るものは、当該営業に係る許可の有効期間の満了の日までの間は、ふぐ処理施設とみなす。

6 既存ふぐ処理施設のうち、食品衛生に関する条例及びかきの処理をする作業場に関する条例を廃止する条例(令和2年広島県条例第49号)附則第2項の規定によりなおその効力を有するとされた同条例による廃止前の食品衛生に関する条例(昭和26年広島県条例第49号)第3条の認定を受けている者が行っている営業に係るものは、当該認定の有効期間が満了する日又は令和6年5月31日のいずれか早い日までの間は、ふぐ処理施設とみなす。

7 既存ふぐ処理施設を営む者は、当該既存ふぐ処理施設が前2項の規定によりふぐ処理施設とみなされるものであることを証する書面として市長が認めるものを当該既存ふぐ処理施設の見やすい場所に掲示しなければならない。

(広島市行政手続等における情報通信の技術の利用に関する条例の一部改正)

8 広島市行政手続等における情報通信の技術の利用に関する条例(平成16年広島市条例第55号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう略〕

広島市ふぐの処理に関する条例

令和4年3月18日 条例第14号

(令和4年4月1日施行)