○職員をその意に反して降任し又は免職する場合の具体的基準の設定について
昭和26年9月18日
教育委員会訓令第3号
市民全体に対し、教育行政が不当な支配に服することなく、公正な民意により、地方の実情に即応した運営を期する責任をになう本市教育委員会は、有能にして服務に忠実な職員により誠実、且つ、公正に職務が執行せられることによつて、はじめてその責を果すことができるのである。従つて、常に、職員の職務に対する情熱の高揚に意を用いるとともに職員の中に怠惰、無能、非能率その他勤務成績のよくない者、あるいは職務遂行についての適格性を欠くに至つた者等のある場合には、これを降任し又は免職し、もつて職場の秩序の維持と能率の発揮に努めなければならない。
地方公務員法第28条第1項には、職員をその意に反して降任し又は免職することができる場合について規定してあるのであるが、ここにこの規定に該当する場合の具体的基準を次のように定め、もつて規定の解釈を統一して疑義なからしめるとともに、これらの条件に該当する職員に対しては断固適切な措置をとる方針であることを明らかにし、この趣旨が部内一般に徹底して、職員の勤務能率の増進及び発揮の促進に大なる効果をもたらすことを切望する。
なお、教育職員に対しては、その職務態様の特殊性にかんがみ、一応この基準とは別に勤務評価表の作成ともあわせてその具体的基準を設定いたしたいが、この訓令の意図するところについては十分なる徹底を期せられたい。
昭和26年9月18日
広島市教育長 宮川造六
地方公務員法第28条第1項の規定により職員をその意に反して降任し又は免職する場合の具体的基準
1 第1号(勤務成績がよくない場合)に該当する者
(1) 正当な理由なく無届欠勤をした者
(2) 正当な理由なく遅刻、早退、私事外出又は欠勤が重なる者
(3) 勤務時間中、私用、雑談、無断離席、職務に関係ない読み書きをする等勤務態度の悪い者
(4) 法令、条例 規則、規程又は上司の職務上の命令、指示に忠実に従わない者
(5) 職務上の研究、修習の熱意を欠き勤務能率のはなはだしく悪い者
(6) 勤務怠慢で業務に対する誠意を認め得ない者
(7) 勤務に関する手続又は届出を偽つた者
2 第2号(心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合)に該当する者
(1) 老衰のため勤務能率がはなはだしく悪い者
(2) その他心身の故障のため勤務能率が悪く職場配置の困難な者
3 第3号(前2号に規定する場合の外、その職に必要な適格性を欠く場合)に該当する者
(1) その職に必要とする資格要件にはなはだしく欠ける者
(2) 情実、因縁に頼り保身策をろうする者
(3) 派閥を結び組織秩序を乱す者
(4) 職務を利用し利慾にはしる者
(5) 職場の風紀をいちじるしく害する者
(6) はなはだしく怠惰、非協調的で職場配置の困難な者
(7) 監督的地位の職にある者で無気力、無責任、消極的で統率力及び指導力に欠ける者
4 第4号(職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合)に該当する者
前3号の基準に準じてその都度別に定めるものとする。