○広島市食品衛生措置基準条例
平成12年3月29日
条例第39号
目次
第1章 総則(第1条)
第2章 危害分析・重要管理点方式を用いる場合の食品衛生措置基準(第2条~第19条)
第3章 危害分析・重要管理点方式を用いない場合の食品衛生措置基準(第20条・第21条)
附則
第1章 総則
(平26条例63・章名追加)
(趣旨)
第1条 この条例は、食品衛生法等の一部を改正する法律(平成30年法律第46号)第1条の規定による改正前の食品衛生法(昭和22年法律第233号。以下「法」という。)第50条第2項の規定に基づき、営業(食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律(平成2年法律第70号)第2条第5号に規定する食鳥処理の事業を除く。)の施設の内外の清潔保持、ねずみ、昆虫等の駆除その他公衆衛生上講ずべき措置に関し、必要な基準を定めるものとする。
(平15条例68・平26条例63・令2条例22・一部改正)
第2章 危害分析・重要管理点方式を用いる場合の食品衛生措置基準
(平26条例63・章名追加)
(施設の衛生管理)
第2条 施設の衛生管理は、次に掲げる基準によらなければならない。
(1) 施設及びその周辺は、毎日清掃し、衛生上支障のないように清潔に保つこと。
(2) 調理場、製造室、処理室、販売場等(以下「作業場」という。)には、不必要な物品等を置かないこと。
(3) 作業場内の採光、照明、換気及び通風を十分にするとともに、必要に応じ、適切に温度及び湿度を管理すること。
(4) 排水溝は、排水がよく行われるよう清掃及び補修を行うとともに、廃棄物の流出を防ぐこと。
(5) 排気設備に付着した油及びじんあいは、除去し、排気設備を清潔に保つこと。
(6) 手洗設備には、手洗いに適当な消毒液等を備え、常に使用できる状態にしておくこと。
(7) 洗浄設備は、常に清潔に保つこと。
(8) 便所は、常に清潔にし、定期的に清掃及び消毒をすること。
(9) 施設においておう吐があった場合は、直ちに殺菌剤を用いて適切に消毒すること。
(平17条例25・平26条例63・一部改正)
(食品取扱設備の衛生管理)
第3条 食品取扱設備(清掃用器材を含む。)の衛生管理は、次に掲げる基準によらなければならない。
(1) 機械器具類は、食品等の種類及び取扱方法に従って区別し、その使用目的に応じて使用すること。
(2) 機械器具類の洗浄に洗剤を使用する場合は、適正な洗剤を適正な方法で使用すること。
(3) 機械器具類及びその部分品は、それぞれ所定の場所に衛生的に保管すること。
(4) 機械器具類及び計器類は、常に点検し、故障、破損等があるときは、速やかに補修し、常に適正に使用できるよう整備しておくこと。
(5) ふきん、包丁、まな板その他の食品取扱器具は、熱湯、蒸気、殺菌剤等で消毒し、乾燥させること。
(6) 施設、設備等の清掃用器材は、専用の場所に保管すること。
(7) 食品等の運搬に用いる車両、コンテナ等は、衛生上支障のないように清潔に保つこと。
(平17条例25・一部改正)
(使用水等の衛生管理)
第4条 使用水等の衛生管理は、次に掲げる基準によらなければならない。
(1) 食品等の取扱施設で使用する水は、飲用に適する水であること。ただし、食品等の安全に影響を及ぼすおそれのない目的で使用する場合は、この限りでない。
(2) 水道水以外の水を使用する場合は、年1回以上(アイスクリーム類製造業、乳処理業、乳製品製造業、清涼飲料水製造業、乳酸菌飲料製造業、氷雪製造業、醤油製造業及び酒類製造業にあっては、6か月に1回以上)水質検査を行い、その成績書を1年間保存すること。
(3) 前号の水質検査の結果、飲用に適しないとされたときは、直ちに保健所長の指示を受け、適切な措置を講ずること。
(4) 滅菌装置又は浄水装置を設置したときは、これらの装置が正常に作動しているかを常に確認すること。
(5) 貯水槽を使用する場合は、定期的に清掃し、清潔に保つこと。
(平17条例25・一部改正)
(班の編成等)
第5条 営業者は、食品等の製造、加工等における衛生管理を実施させるため、食品衛生管理者、第13条第1項の食品衛生責任者その他の製品についての知識及び専門的な技術を有する者により構成される班を編成しなければならない。
2 営業者は、製品についての食品衛生上の安全性に関する必要な事項を記載した製品説明書を作成しなければならない。
3 営業者は、製品の全ての製造、加工等の工程が記載された一覧図を作成しなければならない。
(平26条例63・全改)
(食品等の取扱い)
第6条 営業者は、次に掲げる方法により、食品等の安全性を確保する上で重要な危害の原因となる物質及び当該危害が発生するおそれのある工程を特定し、評価し、及び管理しなければならない。
(1) 発生するおそれのある食品衛生上の危害の原因となる全ての物質を製造、加工等の工程ごとに記載した一覧表(次号において「危害要因一覧表」という。)を作成し、及び当該物質が人の健康に悪影響を及ぼす可能性、製品の特性等を考慮して各工程における食品衛生上の危害の原因となる物質を特定すること。
(2) 食品衛生上の危害が発生するおそれのある工程ごとに、当該危害の原因となる物質及び当該危害の発生を防止するための措置(以下「管理措置」という。)を検討し、危害要因一覧表に記載すること。
(3) 製造、加工等の工程のうち、管理措置の実施状況を連続的に、又は相当の頻度で確認すること(以下「モニタリング」という。)が必要であるもの(以下「重要管理点」という。)を定めること。ただし、重要管理点を定めることが困難な場合は、その理由を記載した文書を作成し、これを定めないことができる。
(4) 重要管理点ごとに、食品衛生上の危害の原因となる物質を排除し、又は人の健康を損なうおそれのない程度に低減するための基準(以下「管理基準」という。)を定めること。
(5) 管理基準の遵守状況を確認し、及び管理基準が遵守されていない製造、加工等の工程を経た製品の出荷を防止するためのモニタリングの方法を定め、製品の特性等に応じた適切な頻度でモニタリングを実施すること。
(6) 重要管理点ごとに、モニタリングにより重要管理点に係る管理措置が適切に講じられていないと認められたときに講ずべき措置(以下「改善措置」という。)を定め、適切に実施すること。
(7) 改善措置には、管理基準の不遵守により影響を受けた製品を適切に処理することができるようにするための措置を含むこと。
(8) 製品の製造、加工等の工程について、食品衛生上の危害の発生が適切に防止されていることを確認するため、製品の特性等に応じた適切な頻度で検証を行うこと。
(平26条例63・追加)
(ねずみ及び昆虫対策)
第7条 ねずみ及び昆虫対策は、次に掲げる基準によらなければならない。
(1) 施設及びその周辺は、維持管理を適切に行うことにより、常に良好な状態に保ち、ねずみ及び昆虫の繁殖場所を排除するとともに、防そ設備及び防虫設備の設置及びその点検により、ねずみ及び昆虫の施設内への侵入を防止すること。
(2) ねずみ及び昆虫の駆除作業を必要に応じ実施するとともに、ねずみ及び昆虫の発生を認めたときは、食品等に影響が及ばないよう直ちに駆除すること。
(3) ねずみ及び昆虫の駆除の記録を1年間保存すること。
(4) 殺そ剤又は殺虫剤を使用する場合は、食品等を汚染しないようその取扱いに十分注意すること。
(平17条例25・追加、平26条例63・旧第6条繰下)
(廃棄物処理)
第8条 廃棄物の処理は、次に掲げる基準によらなければならない。
(1) 廃棄物の容器は、他の容器と明確に区別できるようにし、汚液及び汚臭が漏れないよう管理するとともに、常に清潔にしておくこと。
(2) 廃棄物の保管場所は、食品等に影響を及ぼさないよう適切に管理すること。
(3) 廃棄物の処理は、適切に行うこと。
(平17条例25・追加、平26条例63・旧第7条繰下)
(従事者の衛生管理)
第9条 従事者の衛生管理は、次に掲げる基準によらなければならない。
(1) 従事者(自ら営業に従事する営業者を含む。以下同じ。)について、食品衛生上必要な健康状態の把握に留意して健康診断を行うこと。
(2) 保健所長から検便を受けるべき旨の指示があったときは、従事者に検便を受けさせること。
(3) 従事者が食中毒の症状若しくはこれに類する症状を呈したとき又は食中毒の原因となる病原体を保有していることが判明したときは、当該従事者にその旨を営業者又は食品衛生管理者若しくは第13条第1項の食品衛生責任者に報告させ、食中毒のおそれがなくなるまでの期間、食品等に直接接触することがないよう適切な措置を講ずるとともに、医師の診断を受けさせるよう努めること。
(4) 従事者が感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第6条第2項の1類感染症、同条第3項の2類感染症(結核を除く。)、同条第4項の3類感染症若しくは同条第7項の新型インフルエンザ等感染症の患者又は同条第11項の無症状病原体保有者であることが判明した場合は、当該病原体を保有していないことが判明するまでの期間、食品等に直接接触する作業に従事させないこと。
(5) 従事者には、作業中は清潔な外衣を着用させ、作業場内では専用の履物を用いさせ、並びに必要に応じて帽子及びマスクを着用させるとともに、これらを身に着けたまま便所に入らせないこと。
(6) 従事者には、指輪等装飾品、腕時計、ヘアピン等を作業場内に持ち込ませないこと。
(7) 従事者には、常に爪を短く切らせるとともに、作業前、作業中及び用便後は、手指の洗浄及び消毒を行わせ、並びに使い捨て手袋を使用する場合には交換を行わせること。
(8) 従事者には、作業場においては、所定の場所以外で着替え、喫煙、放たん、食事等をさせないこと。
(平17条例25・旧第6条繰下・一部改正、平19条例38・平20条例48・一部改正、平26条例63・旧第8条繰下・一部改正)
(製品の自主検査)
第10条 営業者は、製造し、又は加工した製品について定期的に衛生検査を行い、その記録を1年間保存しなければならない。
(平17条例25・旧第7条繰下、平26条例63・旧第9条繰下)
(特定の営業に関する事項)
第11条 飲食店営業(旅館、仕出し屋及び弁当屋に限る。)及びそうざい製造業(煮豆、つくだ煮等保存性のあるそうざい以外のそうざいを製造する場合に限る。)にあっては、検食を摂氏10度以下で72時間以上保存しなければならない。
2 自動販売機により食品を販売する場合は、次に掲げる基準によらなければならない。
(1) 設置場所、自動販売機及び収納されている食品の温度等について定期的に点検管理を行い、常に清潔かつ衛生的にしておくこと。
(2) 自動販売機は、食品衛生に関する法令上必要な表示事項が容易に識別できるように管理すること。
(3) 食品の収納又は回収を行う場合は、その都度品名、数量等を記録し、その記録を1年間保存すること。
(4) 自動販売機の管理を行う者を定め、その氏名及び連絡先を自動販売機の見やすい位置に表示すること。
3 食品の放射線照射業にあっては、1日1回以上化学線量計を用いて線量を確認し、その結果の記録を2年間保存しなければならない。
(平17条例25・旧第8条繰下、平26条例63・旧第10条繰下)
(管理運営要領)
第12条 営業者は、施設及び設備の管理、食品の取扱い等について衛生上の管理運営要領を作成し、従事者に遵守させなければならない。
(平17条例25・旧第9条繰下、平26条例63・旧第11条繰下)
(食品衛生責任者)
第13条 次に掲げる施設の営業者は、その施設又はその施設の部門ごとに、従事者のうちから食品衛生に関する責任者(以下「食品衛生責任者」という。)を定め、当該施設における衛生管理を行わせなければならない。
(1) 食品衛生法施行令(昭和28年政令第229号)第35条に規定する営業の施設(法第48条の規定により食品衛生管理者を置かなければならない施設を除く。)
(2) 食品衛生に関する条例(昭和26年広島県条例第49号)第2条第1項に規定する加工水産物販売業及び加工水産物の製造業の施設
(3) かきの処理をする作業場に関する条例(昭和33年広島県条例第64号)第2条第2項に規定する作業場
(4) 次に掲げる営業の施設(第1号の営業の施設を除く。)
ア 乳搾取業
イ 食品製造業
ウ 添加物製造業
エ 器具、容器包装又はおもちゃの製造業
2 食品衛生責任者は、営業者の指示に従い、衛生管理に当たるとともに、食品衛生上問題となる事項を発見したときは、営業者に対し、これを報告するものとする。
3 営業者は、前項に規定する報告を受けたときは、速やかに適切な措置を講ずるものとする。
4 前3項に定めるもののほか、食品衛生責任者に関する事項は、市長が定める。
(平15条例68・一部改正、平17条例25・旧第10条繰下・一部改正、平26条例63・旧第12条繰下)
(自家製ソーセージ食品衛生責任者)
第14条 前条第1項第1号に掲げる施設のうち食肉販売を行う施設において、自家製ソーセージを調理して販売する場合は、当該施設に係る営業者は、その施設ごとに、従事者のうちから自家製ソーセージの衛生に関する責任者(以下「自家製ソーセージ食品衛生責任者」という。)を定め、自家製ソーセージの調理時における衛生管理及び製品の管理を行わせなければならない。
3 前2項に定めるもののほか、自家製ソーセージ食品衛生責任者に関する事項は、市長が定める。
(平17条例25・旧第11条繰下・一部改正、平26条例63・旧第13条繰下)
(記録の作成及び保存)
第15条 営業者は、食品衛生上の危害の発生の防止に必要な限度において、食品等に係る仕入状況、製造又は加工の状況等に関する情報及び出荷又は販売の状況等に関する情報の記録の作成及び保存に努めるものとする。
2 営業者は、第6条第1号の規定による特定、管理措置の検討並びに重要管理点、管理基準、モニタリングの方法及び改善措置の設定に関する記録を作成し、及び保存しなければならない。
3 営業者は、モニタリング、改善措置及び第6条第8号の検証の実施に関する記録を作成し、及び保存しなければならない。
4 モニタリングの実施に関する記録には、モニタリングを実施した担当者及び責任者が署名しなければならない。
(平17条例25・追加、平26条例63・旧第14条繰下・一部改正)
(回収等)
第16条 営業者は、食品等に起因する食品衛生上の問題が発生する場合に備え、問題のある食品等の迅速かつ適切な回収のための連絡体制、回収の手順等をあらかじめ定めるものとする。
2 営業者は、食品等に起因する食品衛生上の問題により食品等の回収を行うときは、速やかに保健所長に報告するものとする。
(平17条例25・追加、平26条例63・旧第15条繰下)
(情報の提供)
第17条 営業者は、消費者に対し、食品等についての安全性に関する情報提供に努めるものとする。
(平17条例25・追加、平26条例63・旧第16条繰下)
(健康被害等に関する情報に係る保健所長への報告)
第18条 営業者は、製造し、加工し、又は輸入した食品等に係る消費者からの健康被害(その症状が、当該食品等に起因し、又はその疑いがあると医師により診断されたものに限る。)に関する情報及び法に違反する食品等に関する情報について、速やかに保健所長に報告するものとする。
2 営業者は、消費者から、製造し、加工し、又は輸入した食品等についての異臭又は異味の発生、異物の混入等に係る苦情であって健康被害につながるおそれがあるものの申出を受けた場合は、速やかに保健所長に報告するものとする。
(平20条例48・追加、平26条例63・旧第17条繰下・一部改正)
(従事者の衛生教育)
第19条 営業者、食品衛生管理者、食品衛生責任者及び自家製ソーセージ食品衛生責任者は、食品等の製造、加工、調理、販売等が衛生的に行われるよう、従事者に対し、食品等の衛生的な取扱方法、食品等の汚染防止方法、適切な手洗いの方法、健康管理等食品衛生上必要な事項に関する衛生教育に努めなければならない。
2 営業者は、保健所長から指示のあった衛生講習会等に従事者を出席させ、従事者の衛生知識の向上に努めなければならない。
3 営業者は、食品衛生責任者に市長が実施する講習会又は市長が指定する講習会を受けさせなければならない。
(平17条例25・旧第12条繰下・一部改正、平20条例48・旧第17条繰下、平26条例63・旧第18条繰下・一部改正)
第3章 危害分析・重要管理点方式を用いない場合の食品衛生措置基準
(平26条例63・追加)
(食品等の取扱い)
第20条 食品等の取扱いは、次に掲げる基準によらなければならない。
(1) 原材料、添加物、製品等の仕入れに当たっては、品質、鮮度、表示等について点検すること。
(2) 原材料として使用する食品は、適切なものを選択し、当該食品に適した状態及び方法で衛生的に保存すること。
(3) 冷凍された原材料を解凍する場合は、衛生的な場所で、衛生的な器具、容器及び流水を用いて、衛生的に行い、解凍した原材料の陳列及び保管に当たっては、冷凍食品と区別して取り扱うこと。
(4) 冷蔵庫又は冷蔵室内では、収蔵物は、相互汚染が生じないよう、区画して保存すること。
(5) 添加物を使用する場合は、正確に計量し、適正に使用すること。
(6) 食品は、その特性に応じて冷蔵保存する等調理、製造、保管、運搬、配達、販売等の各過程において時間及び温度の管理に十分配慮して衛生的に取り扱うこと。
(7) 食品等の製造及び加工に当たっては、原材料として使用していないアレルギー物質が製造及び加工の工程において混入しないよう措置を講ずること。
(8) 原材料及び製品の運搬及び配達に当たっては、露出運搬等を行わないよう衛生的に取り扱うこと。
(9) 洗剤、殺虫剤、殺菌剤等は、添加物、食品等と区別して保管すること。
(10) おう吐物等により汚染された可能性のある食品は、適切に廃棄すること。
(平26条例63・追加)
(平26条例63・追加)
附 則
この条例は、平成12年4月1日から施行する。
附 則(平成15年12月25日条例第68号)
この条例は、食品衛生法等の一部を改正する法律(平成15年法律第55号)附則第1条第3号に掲げる規定の施行の日から施行する。
附 則(平成17年3月30日条例第25号)
この条例は、平成17年10月1日から施行する。
附 則(平成19年6月29日条例第38号)
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(平成20年9月29日条例第48号)
この条例は、平成20年11月1日から施行する。
附 則(平成26年12月19日条例第63号)
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(令和2年3月24日条例第22号)
この条例は、令和3年6月1日から施行する。ただし、第2条の規定は、令和2年6月1日から施行する。