決算特別委員長報告

【総括的な指摘・要望事項】
各会計歳入歳出決算については、財政運営の安定性と行政活動の自主性を確保する上で極めて重要である市税等の自主財源について、引き続き収入の確保に努める必要がある。そして、今後とも厳しい財政状況が続くことが見込まれる中で、多様化する行政需要に的確に対応するためには、「選択」と「集中」による政策の重点化・効率化を図りつつ、すべての事務事業の見直しにより、経費の節減を行う必要がある。また、臨時財政対策債の発行などの影響により、令和6年度末の一般会計の市債残高は1兆2233億円となっており、将来世代へ過度の負担を残さないよう市債残高の抑制により一層努める必要がある。
企業決算については、水道事業、下水道事業及び安芸市民病院事業いずれも、その経営環境は依然として厳しいものと予想されることから、従来にも増して、経営の効率化を図り、独立採算制の原則のもと健全で安定した事業経営の確保に努める必要がある。ついては、最少の経費で最大の効果を挙げることを基本に全庁を挙げてさらなる行政経営改革に着実に取り組み、弾力性のある健全な財政体質を確立するとともに、市民サービスのさらなる向上をめざして、なお一層努力されるよう強く求めておく。

【個別の要望事項】
市の人事・組織については、質の高い行政サービスを継続して提供できるよう、男性職員の子育てに関する休暇の取得促進など、職員のワーク・ライフ・バランスを実現できる勤務環境の整備に引き続き努めるとともに、多様で有為な人材の確保に一層取り組むこと。また、若手職員の退職が増加している状況を踏まえ、退職理由などの適切な把握に努め、今後の対策に活かすこと。
指定管理者制度については、指定管理者において、引き続き満足度の高い市民サービスを提供することができるよう、物価上昇等の状況を十分に踏まえた指定管理料の設定等を行うとともに 、賃金の適切な引き上げがなされるよう努めること。また、施設の特性等を踏まえた評価基準について検討すること。
上下水道事業については、市民の安全・安心な暮らしを支える安定的なサービスを提供できるよう、先進技術の活用などにより効率化を図りながら施設の維持管理や耐震化等に引き続き取り組むとともに、金利や物価の上昇、さらに人口減少といった社会情勢の変化を踏まえた上で、健全な経営により一層努めること。
すべてのこども・若者の現在(いま)と将来(みらい)を社会全体で支える、こども・若者と子育てに優しいまち“ひろしま”の実現に向けて、潜在保育士の現場復帰支援や処遇改善等に取り組むことにより、子供の健やかな成長を支える保育士の安定的な確保を図るとともに、安心して赤ちゃんを迎えるためのパパとママの育児教室や増加する児童虐待の防止に係る取組など、きめ細やかな支援の一層の充実に努めること。
小・中学校の特別教室や避難所としての側面を持つ体育館について、空調設備の整備に努め、良好で安全・安心な教育環境を確保すること。
有害鳥獣対策については、農作物被害の抑制や人身被害の未然防止を図るため、引き続き駆除や防除等に取り組むとともに、県や周辺市町等と連携して各地域の実態を調査し、さらなる対策を検討すること。
ゼロエミッションシティ広島の実現に向けて、ごみのリサイクル状況の可視化など市民意識のさらなる向上を図る取組をはじめ、市民・事業者・行政が一体となったごみの減量とリサイクルの推進により一層努めるとともに、ごみの持ち運びが困難な高齢者を支援する「ふれあい収集」や資源ごみの持ち去り行為対策を着実に進めるなど、分別区分・収集運搬体制の再構築に引き続き取り組むこと。
こども医療費補助については、子供が心身ともに健やかに育成されるよう、現役の子育て世代の声に丁寧に耳を傾け、必要な財源の確保に努めつつ、制度のさらなる拡充に向けて着実に取り組むこと。
安芸市民病院については、地域の中核病院としての役割を担い、質の高い医療を安定的に提供できるよう、引き続き健全な経営に取り組むこと。また、今後の運営体制を検討する際は、指定管理者である広島市医師会と丁寧に協議を行うこと。
市営住宅については、住宅需要に的確に応えられるよう、計画的な修繕を着実に推進すること。また、次期市営住宅マネジメント計画の策定に当たっては、人口動態等を踏まえた適切な管理戸数を設定すること。


令和7年第4回臨時会の議案と議決結果
議案に対して賛成  議案に対して反対

■令和7年10月28日議決分
区分 議案番号 件名
質疑・討論
会派名 ( )内は所属議員数
議決結果
自民党・市民クラブ
(14)
市民連合・市民の声
(8)
公明党
(8)
日本共産党
(6)
ひろしま清風会
(4)
広島維新の会
(3)
新政クラブ
(3)
無党派クラブ
(2)
至誠会
(1)
清流クラブ
(1)
鈴蘭会
(1)
新風クラブ
(1)
決算認定案等 - 令和6年度各会計歳入歳出決算
第1号 一般会計
討論
認定
決算認定案等 令和6年度各会計歳入歳出決算
第8号 後期高齢者医療事業特別会計
第9号 介護保険事業特別会計
第10号 国民健康保険事業特別会計
第11号 競輪事業特別会計
第14号 駐車場事業特別会計
第15号 開発事業特別会計
討論
認定
決算認定案等 令和6年度各会計歳入歳出決算
第2号 母子父子寡婦福祉資金貸付特別会計
第3号 物品調達特別会計
第4号 公債管理特別会計
第5号 市民球場特別会計
第6号 用地先行取得特別会計
第7号 西風新都特別会計
第12号 中央卸売市場事業特別会計
第13号 国民宿舎湯来ロッジ等特別会計
第16号 市立病院機構資金貸付特別会計
第17号 元宇品町財産区特別会計
第18号 高南財産区特別会計
第19号 三入財産区特別会計
第20号 小河内財産区特別会計
第21号 砂谷財産区特別会計
 
認定
決算認定案等 令和6年度水道事業決算  
認定
決算認定案等 令和6年度下水道事業決算  
認定
決算認定案等 令和6年度安芸市民病院事業決算  
認定
決算認定案等 105 令和6年度水道事業会計未処分利益剰余金の処分  
原案可決
決算認定案等 106 令和6年度下水道事業会計未処分利益剰余金の処分  
原案可決
決議案 ガザ地区を始めとする中東地域の平和的解決を求める決議案 討論
原案可決

※「討論」は議案について討論があったことを示します。
※ 議長(自民党・市民クラブ 八條議員)は表決には参加していません。


議決時の会派別所属議員

●自由民主党・市民クラブ
 (略称 自民党・市民クラブ)
(電話504-2734) 平岡 水野 川口 碓井 山田 母谷 八條 宮崎
山路 椋木 西佐古 三宅 豊島 沖本
●市民連合・市民の声 (電話504-2444) 山内 山本 岡村 若林 山下 有田 丸山 松本
●公明党 (電話504-2445) 西田 石田 川村 碓氷 並川 田中 川本 幸城
●日本共産党 (電話504-2446) 中森 中村 中原 清水 藤本 大西
●ひろしま清風会 (電話504-2908) 定野 桑田 永田 森畠
●広島維新の会 (電話504-2946) 大田 福田 長井
●新政クラブ (電話504-2442) 平野 森野 元田
●無党派クラブ (電話504-2910) 門田 吉田
●至誠会 (電話504-2983) 亀井
●清流クラブ (電話504-2845) 大野
●鈴蘭会 (電話504-2948) 石川
●新風クラブ (電話504-2834) 木村