予算特別委員会の主な質疑

 議長を除く全議員で構成される予算特別委員会(碓氷芳雄委員長、岡村和明・田中勝・西佐古晋平・三宅朗充各副委員長)において、延べ136人の委員が、令和7年度一般会計予算など51議案について、活発な質疑を行い、慎重に審査を重ねました。その審査における主な質疑と答弁を掲載します。

※紙面の都合上、掲載質問数の上限は、各会派の人数按分により決定しています。
※質疑の内容は、各会派からの提出によるものです。
※質疑・答弁の趣旨を簡潔にまとめているため、実際の発言とは言い回しが異なることがあります。


自民党・市民クラブ

【公立認定こども園開設】
質問 幼稚園部分の園児と保育園部分の園児の生活時間はどう設定するのか。

答弁 両方の園児が共に過ごす時間帯には、こども同士の学び合いや豊かな経験が積み重ねられるよう、また、保育園部分の園児のみで過ごす時間帯には、穏やかにくつろいで生活できるようにしていきたい。

【充実した英語教育の推進】
質問 今後、英語指導助手の授業をどう増やしていくのか。

答弁 今後、中学校第1学年において、第2・第3学年と同様に全学級で週1回以上の授業を展開していきたいと考えている。

【病児・病後児保育】
質問 病児・病後児の受け入れ施設を増やすため、どのように取り組むのか。

答弁 市の医師会を通じて、小児科医に対して事業実施の意向照会を実施するとともに、安定的な事業運営のため、国に委託料の増額を継続して要望する。

【拉致問題を風化させないために】
質問 アニメ「めぐみ」での人権教育を全児童・生徒に実施すべきでは。

答弁 活用している学校の取り組み事例を紹介するなど、拉致問題を含めた人権教育のさらなる充実に努めたい。

【公立認定こども園の整備計画】
質問 東区拠点園となるわかくさ保育園と近隣の公共施設をいかに連携するのか。

答弁 こどもや子育て家庭の支援を行う施設が集中する地域特性を生かし、近隣施設との連携を一層強化していきたい。

【減災への取り組み】
質問 大規模地震や林野火災に備え、どのような対策を講じているか。

答弁 市民の生命を守ることを最優先し、水の確保や的確な避難対策、関係機関との協力体制の構築等に取り組んでいる。

消防団サポーター制度】
質問 大学生などの理解が得られるような観点で取り組んでいることはあるか。

答弁 やりがいや魅力を高めるため、活動内容を見直すとともに、活動を通じて得られるメリットを発信している。

【インクルーシブな公園の整備】
質問 各区に一つずつは「インクルーシブな公園」を設けてはどうか。

答弁 公園へのアクセスのしやすさなどに配慮することも重要であり、今後検討していきたいと考えている。

【毘沙門台駅のバリアフリー化】
質問 駅と毘沙門台中バス停をつなぐ連絡通路への昇降施設設置は地域と連携して取り組むべきでは。

答弁 地域が目指すまちづくりを実現するため、引き続き地域と連携しながら、昇降施設設置の可能性を検討していく。

【瀬野川公園の売店】
質問 駄菓子や菓子パンなどの軽食を売店で販売してはどうか。

答弁 指定管理者業務への影響など総合的に検討しながら、まずはキッチンカーを拡充し、賑わいを増やしていく。

【中長期的な観点での維持管理】
質問 道路の維持管理など、ライフサイクルコストを考慮して予算編成すべきでは。

答弁 これまでもライフサイクルコスト等を考慮して予算編成しており、各施設の特性を踏まえつつ、引き続き取り組んでまいりたい。

【ファミリープールの再整備】
質問 ワクワクするような流れるプールとウォータースライダーを造ってほしいがどうか。

答弁 市民ニーズの期待に応えられる内容になるよう、検討を進めていきたいと考えている。

【こども文化科学館等の整備】
質問 合築される3施設は、リニューアル後どのような連携を図るのか。

答弁 多目的ホールにおいて、こども文化科学館、こども図書館、青少年センターの連携イベントなどを実施したい。

【持続可能なまちづくり】
質問 「広島型公共交通システム」をどのように構築しようとしているか。

答弁 この取り組みは、全国初の取り組みで時間を要するため、目下の懸案課題について現行の枠内で対処しつつも、中長期的には将来の交通政策体系を見据えた根本的な治療とも言うべき新しいシステムの構築を同時並行的に進めていく。

市民連合・市民の声

【高齢者いきいきポイント利活用】
質問 地域活性化を後押しするような工夫を考えてもらいたいがどうか。

答弁 地域活性化に資する公共目的の事業とポイント事業の連携について、モデル的な取り組みを念頭に速やかに検討を進める。

【地域に開かれた対話的支援を】
質問 「オープンダイアローグ」の研修受講者からの意見と令和7年度の研修計画は。

答弁 「対話」によるケア手法が、相談支援の技術水準の向上につながったことを踏まえ、研修内容を充実させる予定である。

【休日部活動の地域移行を早急に】
質問 複数の学校が合同で活動するクラブ活動を試験的に取り組んではどうか。

答弁 競技人口が減少しているクラブにおいて、試行的に複数校が合同でクラブ活動を実施することを予定している。

【救急車の病院対応時間の短縮を】
質問 救急車の病院対応時間短縮に向けた実証実験では何が期待されるのか。

答弁 救急搬送の迅速化として、医療機関収容から検査・処置開始までの時間短縮につながることが期待される。

【安芸区の荒野橋の今後】
質問 幅員が狭い荒野橋は交通に混雑が生じている。今後の対策はどうか。

答弁 橋入口付近への待避所設置等を検討しており、令和7年度は詳細な調査などを実施し、関係機関と協議を行う。

【広島復興の軌跡を世界へ発信】
質問 Pride of Hiroshima展への今後の対応をどう考えているか。

答弁 より多くの人、特に若い世代を中心に、平和の尊さを伝え、地元企業への愛着を醸成できるよう集客に努める。

【被爆80周年記念事業】
質問 被爆ピアノによる慰霊演奏会に本市はどのような協力を行うのか。

答弁 演奏場所の提供のほか、出演する高校生の選定や演奏会の広報などを行うこととしている。

【広域都市圏における救急医療体制】
質問 夜間・休日の救急患者の受け入れ体制づくりの成果はどうか。

答弁 令和5年度は、広島地区で3万7652人、安佐地区で8476人の救急搬送患者を受け入れ、適切な医療を提供した。


公明党

【終活支援】
質問 「エンディングノート」を活用した取り組みは大事だと思うが、本市の見解は。

答弁 高齢者が人生を振り返り今後の希望や思いを整理する重要性の普及・啓発の具体的取り組みの一つとして検討する。

【通級指導教室の新たな設置】
質問 中学校の通級指導教室を、安佐南安佐北エリアへ設置してはどうか。

答弁 今後、情緒障害通級指導教室を増設する際には、安佐北区や安佐南区の生徒が遠方まで通っている状況も踏まえ設置場所を検討したい。

【下水道事業の老朽化対策】
質問 先端技術を下水道管検査にも積極的に活用すべきではないか。

答弁 新技術を活用して維持管理を高度化・効率化させる上下水道DXについて、国等の動向を注視し、導入を検討する。

【利便性の良い管理運営を】
質問 市営住宅に予約制駐車場マッチングサービスを導入してはどうか。

答弁 一定の効果がある一方で課題もあるため、他都市における先行事例等を調査し、実現性を見極める必要がある。

【ごみ処理事業者の働く環境整備】
質問 業務委託先の事業者に寄り添い、どのような取り組みを行っているのか。

答弁 実勢を踏まえた予定価格の算出、車両運転免許の取得費用に対する助成など、さまざまな取り組みを行っている。

【経済情勢に合った見直しを】
質問 物価や人件費高騰に伴い工事の発注標準を見直すべきと思うがどうか。

答弁 予定価格の上昇分を考慮し、入札参加機会が適正に確保できるよう、発注標準の見直しの検討を行っていきたい。

【新中央市場の整備】
質問 卸売業者と仲卸業者を力強く支える整備であってほしいがどうか。

答弁 使い勝手の良い市場となるよう、意見や要望をしっかりと受け止め整備を進めていく。

【市総合防災センターの活用】
質問 同センターの市民研修に避難所運営の体験型メニューを追加できないか。

答弁 避難所運営に係る資機材の組立体験などができるよう、関係課と調整を図りつつ検討していく。


日本共産党

【医療費窓口負担の減免制度拡充を】
質問 低所得者の負担軽減のため、国保の一部負担金減免制度の拡充が必要では。

答弁 一部負担金減免は一時的な救済制度であり、恒常的な低所得世帯へは個々の状況に応じて適切に対応していく。

【広島特別支援学校】
質問 過大規模のため分離・新設すべきだと思うが、県との協議の進捗は。

答弁 県は児童生徒数増加への対応のため、令和11年度までの計画を立て環境整備を行っている。引き続き、施設配置の在り方等について協議等を行う。

【雨水管工事の陥没事故】
質問 シールドマシンの性能、設計、製造が適切だったのか検証すべきだがどうか。

答弁 「広島市下水道工事事故調査検討委員会」において意見を聴取し、検証することとしている。

【階段の両側に手すりを】
質問 令和7年度、階段の両側に手すりをつける予定の市営住宅はどこか。

答弁 令和7年度は、光第12・13アパートに設置する予定である。

【「平和の丘」にふさわしい整備を】
質問 人権侵害があった場所に結婚披露宴ができるレストランを整備する計画であるが、見直すべきでは。

答弁 放影研移転後の敷地を活用した具体的な整備内容は、改めて、市民や民間事業者等の意見を聴きながら検討していきたい。

【被爆体験伝承活動】
質問 人による伝承を重視し、担い手を広げる努力をすべきだがどうか。

答弁 引き続き、さまざまな取り組みを通じて被爆体験を収集するとともに、収集した被爆体験の活用を進めてまいりたい。

ひろしま清風会

ポリファーマシー支援事業】
質問 患者の服薬情報共有のためICT化を強力に推進すべきではないか。

答弁 ICTによる情報共有は重要と考えており、引き続き服薬情報の確認ができるマイナ保険証の普及を図っていく。

【住民に寄り添う対応を求む】
質問 陥没事故の補償は原因究明と切り離し、速やかに行うべきではないか。

答弁 補償対応は事故直後より優先して行っており、今後も丁寧な対応を継続する。

【運賃値上げと減資で経営改善】
質問 広島高速交通は、値上げと減資で7億円の収支改善が見込まれている。市への返済に充てるべきでは。

答弁 市への返済にも充てるが、今回の運賃改定等は社会情勢の変化に対応しつつ設備更新を実施できるよう行うと聞いている。

【ひろしまLMOの透明性】
質問 会計監査以外に、事業そのものの中身は監査するのか。

答弁 LMOが事業計画書を作成する際に、本市、市・区社協が地域の会合の場に同席し、必要な助言を行っている。


広島維新の会

【ひろしま子育て応援アプリ 母子モ】
質問 システム改修の概要は。

答弁 保護者が、問診票をアプリから入力できる機能と、測定や診察の結果をアプリ上で確認できる機能を追加する。

【似島の活性化】
質問 リニューアルオープンした似島歓迎交流センターの利用状況は。

答弁 宿泊者数は基準値の7割強の達成率で、その他の利用者数は基準値の2倍以上、合計も基準値を達成している。

【文化の壁を超えて外国人材の活用を】
質問 諸問題解決のため外国人労働者への日本語教育にどう取り組むのか。

答弁 企業等からの日本語教育に関する相談体制の強化と、ニーズ等に応じた日本語教育の充実を図っていきたい。


新政クラブ

【共生社会の実現】
質問 認知症の人が住み慣れた地域で暮らし続けるため、どう取り組むのか。

答弁 市民一人一人が認知症や認知症の人に関する正しい理解を深めることが重要。地域団体等と連携し、普及・啓発等に取り組む。

【もう暑い体育館に耐えられない】
質問 令和7年度、スポットクーラーの設置効果を検証し、導入可否を決定するのか。

答弁 大型スポットクーラー等の設置効果の検証結果や他都市の取り組み内容を参考に、令和8年度以降の対応を検討する。

【財政非常事態宣言は役目を終えた】
質問 形骸化した宣言は市民のデフレマインドを助長するだけ。解除すべきでは。

答弁 厳しい財政状況は続いているところであり、財政非常事態宣言の役割等は、財政運営方針に引き継いでいるものと考えている。


無党派クラブ

【介護人材の確保・育成】
質問 介護需要が高まる中、介護人材をどのように確保していくのか。

答弁 国・地方公共団体・事業者の役割を踏まえつつ、資格取得・就業支援など介護人材の確保・育成に向け積極的に取り組む。

【京橋、見た目の復元に約7億円】
質問 財政が厳しい中でなぜ大きな違いのない復元事業を行うのか。

答弁 京橋を戦前の姿に復元することで、市民や来訪者が歴史や平和を考えるきっかけとし、西国街道の賑わい創出につなげたい。


至誠会

【包括的支援事業】
質問 地域包括支援センターの職員の処遇改善が必要と思うがどうか。

答弁 令和7年度は職員1人当たり年間20万円の処遇改善を図るよう委託料を増額している。

【養育費確保サポート事業】
質問 本事業の目的と具体的な対象者、支援内容はどういうものか。

答弁 養育費の確保等を目的とし、離婚前後の親等に養育費に係る講座や法律相談、公正証書作成費等の補助などを行う。


鈴蘭会

【子連れでがん検診の受診】
質問 がん検診を子連れでも受診しやすくなるような工夫をする予定か。

答弁 託児付き検診の継続実施のほか、子連れで受診できる医療機関の調査を行い、周知することを検討している。


〔用語解説〕

アニメ「めぐみ」
 北朝鮮による日本人拉致問題啓発アニメ。昭和52年、当時中学1年生だった横田めぐみさんが、学校からの帰宅途中に北朝鮮当局により拉致された事件を題材に、残された家族の苦悩や、懸命な救出活動の模様を描いた25分のドキュメンタリー。

消防団サポーター
 大規模な災害発生時に消防団員の活動を支援する学生ボランティアのこと。市内に居住または通学している18歳以上の大学生、専門学校生等を対象に募集し、研修を受けた学生を登録する。1時間当たり900円の謝礼が支払われる。

オープンダイアローグ
 フィンランドで実践されている統合失調症患者に対する治療的介入手法のこと。患者や家族からの連絡を受けた医療スタッフが患者の自宅を訪問し、繰り返しの対話を通して症状の緩和を目指す。統合失調症だけでなく、うつ病、引きこもりなどの治療法としても期待されている。

Pride of Hiroshima(プライド オブ ヒロシマ)展
 被爆から復興する広島の様子を、地元企業に残る貴重な映像資料等により紹介する展示イベント。令和5年のG7広島サミットの機会を捉えて開催された企画展であったが、常設化を望む声が多くあったため、展示内容をリニューアルして常設化し、令和6年4月末からの3年間、ひろしまゲートパーク内の「シミントひろしま」の2階で開催されている。

エンディングノート
 病気で意思を伝えるのが難しくなった時や亡くなった時などに、残された者が各種手続きを行う際の手助け等になるよう、財産や相続などに関する自分の考えや希望、必要な情報等を記録しておくためのノートのこと。

ポリファーマシー
 多くの薬を服用することにより副作用を起こしたり、適切に薬が飲めなくなったりしている状態のこと。高齢者の健康寿命の延伸を阻む要因の一つとされている。


審査日程

2月27日木曜日 委員会運営
3月3日月曜日
3月4日火曜日
厚生関係
3月5日水曜日
3月6日木曜日
こども文教関係
3月7日金曜日 消防上下水道関係
3月10日月曜日
3月11日火曜日
建設関係
3月12日水曜日
3月13日木曜日
経済観光環境関係
3月14日金曜日
3月17日月曜日
総務関係
3月18日火曜日 総括質疑
3月26日水曜日 討論・採決