予算特別委員会の主な質疑

 議長を除く全議員で構成される予算特別委員会(山路英男委員長、川村真治・椋木太一・川口茂博・山下正寛各副委員長)において、延べ133人の委員が、令和6年度一般会計予算など61議案について、活発な質疑を行い、慎重に審査を重ねました。その審査における主な質疑と答弁を掲載します。

※紙面の都合上、掲載質問数の上限は、各会派の人数按分により決定しています。
※質疑の内容は、各会派からの提出によるものです。
※質疑・答弁の趣旨を簡潔にまとめています。


自民党・市民クラブ

【こども医療費補助の拡充】
 補助対象者のさらなる拡大、所得制限の撤廃等について本市の見解は。

 国が統一的な制度を創設すべきと考えるが、今回の拡充後の状況を踏まえ、さらに在り方を検討していく。

【放課後児童クラブ】
 放課後児童クラブで宿題を指導することは可能か。

 放課後等の生活の場として児童を預かる児童福祉事業のため、指導員による学習指導は行っていない。

【小学校のWiーFi環境整備】
 小学校の体育館やグラウンドにおけるWiーFi環境の整備状況は。

 ホームルーターを全学校に整備するなどにより、体育館等における学校行事等でインターネットを利用できる環境を整備している。

【放課後児童クラブの保護者会】
 「区連協」、「市連協」は本市の組織の一部なのか。

 「区連協」および「市連協」は、本市の組織ではなく、一部の保護者会により任意に組織された団体である。

【休日の部活動の地域移行】
 初めて指導に携わる方の研修内容を充実してはどうか。

 経験のある指導者や専門家による実技研修を実施するなど、初めて中学生の指導に携わる指導者のための研修内容の充実に努める。

【地震災害に備えた対策を】
 災害発生時には官と民の垣根を越えた連携を取る必要があると思うがどうか。

 災害対策本部等で各省庁や関係機関が協議し方針を決め、その下で各機関が密に連携して各種対応を行う。

【自転車の安全利用】
 高校生の自転車事故を減らすため、講習で何か強く訴えることはできないか。

 自転車イベントで行っている事故写真により、視覚に訴える展示を高校生対象の取り組みにも盛り込みたい。

【本市の雇用施策】
 若い世代や女性の転出人口が多い状況を本市はどう受け止めているのか。

 近年、特に就職期の若い世代、女性の転出超過数が多い傾向が続いており、深刻な問題と認識している。

【有害鳥獣対策】
 周辺市町との有害鳥獣対策の連携はどのようになっているのか。

 周辺市町とは、必要に応じて有害鳥獣に関する意見交換会の開催や情報交換を行っている。

浅野文庫資料
 デジタル化を進め、ネット上での公開を拡大してほしいがどうか。

 新たな図書館の設置を機に貴重資料のデジタル化とホームページ上での公開の取り組みを加速させる。

【避難所運営】
 女性や管理栄養士等専門職の意見を取り入れる必要があるがどうか。

 避難所においては、栄養士等の巡回指導体制を整えている。また、女性の意見を反映した運営マニュアル作成を地域に促す。


【断水時における応急給水】
 災害時に備え、民間・公設の井戸を整備し、登録する制度を確立しないのか。

 平時から災害用井戸として登録していただく取り組みを進める。また、公設の井戸の整備について、検討する。


【原爆被害を免れた美術工芸品】
 原爆被害を免れた寺などには文化財として保護すべき美術工芸品があるのではないか。

 これまで価値が高い美術工芸品を順次文化財に指定している。その後に把握したものは文化財審議会委員の助言を受け調査を進める。


【被爆80周年記念事業】
 ぜひとも歴史に残る被爆80周年にしてほしいが、市としてどう考えているのか。

 被爆80周年が、本市の核兵器廃絶に向けた取り組みのターニングポイントとなるよう、市を挙げて全力で取り組みたい。


市民連合・市民の声

【発達障害児への早期支援】
 専門員を保育園に巡回させるなど、丁寧なサポートをしてほしいがどうか。

 まずは現行の「保育所等訪問支援」の専任職員を令和5年度に引き続き令和6年度も増員し、早期支援の充実を図りたい。

【不登校児童生徒の保護者の支援】
 不登校児童生徒を抱える保護者同士の交流会があるが、拡充してはどうか。

 保護者同士の交流機会を提供することは重要だと考えており、こうした機会のさらなる拡充について検討している。

【市街化区域外の下水道整備促進】
 市街化区域外の下水道整備はいつ頃までに終わらせるのか。

 整備エリアが広大であるため、完了時期を示すことは困難であるが、所要の財源を確保し、さらなる整備促進に努めていく。

【マンホールトイレ設置の拡充】
 災害等の非常時に役立つマンホールトイレの今後の整備計画はどうか。

 令和6年度は舟入高等学校に24基設置することとしており、令和12年度末までに新たに指定避難所9カ所で整備を進める。

協同労働団体の支援】
 事業を継続していく上で、今後はより専門的な支援が必要と思うがどうか。

 専門家の派遣や技術指導等を行い、団体の事業活動を継続できる十分な支援体制を整えていきたい。

【ものづくりは人づくり】
 ものづくり企業の人材育成にどのように取り組むのか。

 従業員が自主性を持って課題解決に取り組めるよう、従来の専門家派遣の事業に人材育成計画の作成を加える。

【指導調整団体の臨時職員の給与】
 令和6年度の1時間当たりの賃金は、いくらとするよう指導調整したのか。

 本市の会計年度任用職員の給料改定率を踏まえ、事務職の内勤では1時間当たり62円引き上げ、1,062円とするよう考え方を示した。

【こども医療費補助の拡充を】
 所得制限の撤廃を含めて本制度を拡充してもらいたいが、どう考えるか。

 国が統一的な制度を創設すべきと考えるが、今回の拡充後の状況を踏まえ、さらに在り方を検討していく。


公明党

【小児における人工内耳】
 小児の人工内耳対外装置紛失に対し助成すべきだと思うがどうか。

 将来の言語獲得のために必要な装置であるため、他の指定都市に働き掛け、国に対しての新たな要望項目として検討したい。

【ひとり親家庭学習支援】
 開催場所に行けない児童生徒へのオンライン学習支援はできないか。

 他都市の状況や学習支援を行っている学生の意見等も参考に、どのような方法が可能か研究していきたい。

【不登校児童生徒への学びの保障】
 フリースクール等の民間施設とはどのような連携を行っているのか。

 毎年意見交換会を開催し支援内容等を情報共有するとともに、学校とのより良い連携について協議を行っている。

【広島市総合防災センター】
 利用促進のため日曜開館や開館時間の延長を考えていくべきではないか。

 日曜開館の需要を把握するため、令和4年から研修が集中していない月の日曜日を試行的に開館している。

【「水の都ひろしま」としての情報発信】
 SNS等で川の魅力をもっと発信してほしいがどうか。

 多くの観光客に川の魅力を知ってもらえるよう、引き続き、SNS等を活用した積極的な情報発信に取り組む。

【視覚障害者のためのハザードマップを】
 視覚障害者に防災情報を伝える音声読み上げアプリを導入すべきではないか。

 アプリ利用者の位置情報を基に、避難場所等の情報を読み上げることができるため、今後、導入について検討する。

【市有施設のZEB化推進を】
 基本設計段階からZEB導入の検討が必要であることを関係課で共有できているか。

 計画段階から検討することを局長等で構成する会議で共有するなど、全庁的に推進している。

【「守破離」による行政経営・行政改革】
 業績を向上させて後任に引き継げる管理職職員の評価を高くしては。

 管理職職員に、担当する業務について行政経営・行政改革に関する目標を設定させ、達成度を評価している。


日本共産党

【国保料、子どもの均等割廃止を!】
 国保加入世帯で子どもが増えると保険料はいくら増額するか。

 未就学の子どもは均等割が半額となるため、令和5年度の保険料では、1人につき1万7,635円の増額となる。

【江波児童館】
 テラスに蓄積するハトのふんに対し、緊急に対応すべきでは。

 上階にある市営住宅の全ての空き家のベランダの手すりにハト除けのワイヤーを設置することについて所管課と協議している。

【シールドトンネル工事で騒音振動被害】
 家屋被害の発生や仮住まいとなるのは工事が原因だ。なぜ被害と認めないのか。

 「騒音・振動等への対応は調停に基づき行っており、引き続き丁寧な対応に努める。」と高速道路公社から聞いている。

【瀬野川水系から有機フッ素化合物】
 米軍川上弾薬庫での化合物使用状況等の公表要請に対する米軍の回答は。

 「有機フッ素化合物を含む薬剤を保有していたが、使用したことはなく、全て処分した。」との回答であった。

【「服務の宣誓」に憲法順守を】
 市職員には、服務の宣誓の際に憲法の尊重・擁護を誓わせるべきだがどうか。

 宣誓書について、職員に、憲法を尊重し擁護する義務を負うという自覚をより一層促すための修正を行いたい。

【能登半島地震の教訓を生かそう】
 地域防災計画は複数の断層が連動した被害を想定して見直すべきではないか。

 今後、国や県の地震被害想定の見直しの結果に基づき、本市の地震被害想定を見直していきたい。


新政クラブ

【制限区域内喫煙・ポイ捨てを危惧】
 国内外からの観光客に対する喫煙所への誘導案内が十分ではないのでは。

 令和6年度から開催する広島市タバコ対策懇談会の意見も踏まえながら、関係部署と連携して、必要な対策を検討していきたい。

【診療報酬・介護報酬・障害福祉サービスの報酬改定】
 事業者や利用者への影響は。

 医療機関や事業所にとっては、医療・介護・福祉従事者の確保と、安定した事業運営につながる選択肢が増え、利用者にとっては、個々のニーズに応じたサービスの選択肢が広がる等の影響が考えられる。

【PTAと子ども会の今後は】
 任意団体であるPTAと子ども会にどのようなことを期待しているのか。

 PTAには家庭、学校、地域の橋渡し役等を、子ども会にはさまざまな行事や体験活動を提供していただくことを期待している。

【デザインマンホールふた】
 市内中心部以外の特徴的なエリアにも設置してはどうか。

 一定規模以上の設置個数が見込まれる地区については、地域等とも連携し、実現の可能性について検討していきたい。

【次期乗車券システム二つは嫌だ】
 PASPYの替わりのシステムが二つになる。一本化しないのか。

 高いレベルのサービスに移行するまでの過渡期と事業者も認識しており、共に一本化の検討を進めたい。

【水産振興センターの移転】
 草津漁港周辺のにぎわいづくり施設とすることが検討されている。どう考えているか。

 施設更新のため建て替え等を行う場合には、移転についても候補と考え、調査・研究しながら検討していく。


ひろしま清風会

【児童養護施設に保護された後は?】
 「保護」=「安心」ではない。入所後も子どもの声を聞く体制はあるのか。

 児童相談所の職員による定期的な面接等を実施している。令和6年度以降、意見表明等支援員の派遣を進める。

【学校図書館の潜在力を発揮せよ】
 司書が授業に役立つ蔵書情報を提供するなど、図書館と教室の連携を強めては。

 学校図書館から積極的に発信している学校では読書習慣の定着等の成果があるため、好事例の普及に引き続き努める。

【乗り合いバス共同運営は利用者目線で】
 バスの途中乗り換えは不便になり外出機会を奪うことにならないか。

 実証運行結果を分析し、利用者への影響をできるだけ軽減するとの視点に立ちながら検討を深めていきたい。

【中枢館機能を維持するために】
 こども図書館の宝は本。整備後は書庫の広さ等十分な収蔵能力を確保できるのか。

 基本設計の中で書架や諸室の配置等を見直すことにより、収容能力を高めていきたい。


広島維新の会

産婦健康診査事業
 死産や流産された方への案内はどのように行っているのか。

 産婦健康診査補助券冊子等で案内しているが、死産および流産した方も対象であることを明確には記載していないため、掲載内容の見直しを行う。

【似島の活性化】
 似島臨海公園における人工芝の整備の目的は。

 似島歓迎交流センターの施設機能や周辺環境を継続的に向上させる取り組みとして、似島臨海公園のグラウンドを人工芝化する。

【DV被害者支援】
 性差に関係なくDV被害は発生する。男性被害者への支援内容は。

 相談員による相談、弁護士による法律相談など、性別を問わず被害者の状況に応じて必要な支援を行っている。


無党派クラブ

いきいき活動ポイント事務費2・7億円】
 継続するならば、事務費削減のため「としポ」と統合の見積もりを取っては。

 事業費の削減を引き続き図るとともに、将来的なデジタル化を見据え情報収集や調査を行う。


自民党・至誠会

【財政健全運営は市民に対する義務】
 二元代表制の下、市は議会に情報を提供し、議会はチェック等を行う。こうして税金を適正に使うべき。この認識に誤りはないか。

 認識に誤りはない。


新風クラブ

【積極的な土地の貸し付けを】
 多少の費用負担が必要となった場合でも、貸し付けを検討してはどうか。

 関係課等とも調整するなど、歳入確保につながる委員の提案について検討を進めていきたいと考えている。


鈴蘭会

【縦割り組織から横串組織へ】
 縦割りを超え、複数の組織が連携して経営改革に取り組んでいるのか。

 市長や副市長、各局・区の長等で構成する推進本部会議を設置し、連携して課題の解決に当たる体制を執っている。



〔用語解説〕

浅野文庫資料
 旧広島藩主浅野家から寄贈を受けた和漢の古書・図記類のうち、疎開により原爆の被災から免れた約1万点の資料のこと。広島市立中央図書館に主にマイクロフィルムで収められている。

協同労働
 メンバー全員が自らできる範囲で出資し、対等な立場でアイデアを出し合って、人と地域に役立つ仕事に取り組む働き方のこと。メンバー全員が経営者であり、出資者であり、労働者である。

ZEB(ゼブ)
 Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)の略称。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のこと。

守破離(しゅはり)
 物事を習得する上での段階を表す言葉。もともと茶道や武道で使われていた概念であり、学びの場・ビジネスの場でも用いられるようになった。「守」基本となる型を忠実に学ぶ、「破」その型を破る、「離」型から離れた独自のスタイルを確立するといった三つの過程から成る。

意見表明等支援員
 一時保護所、児童養護施設等に入所している児童の意見や意向を聴取し、児童の希望に応じ、意見表明を支援したり、意見を代弁したりする役割を担う。

産婦健康診査事業
 産婦健康診査とは、出産後間もない時期の女性がこころとからだの健康を守るために受ける健診のことであり、本市では、受診に係る費用に対し1回につき5千円を助成している。

高齢者いきいき活動ポイント事業
 高齢者の社会参加活動を奨励するための事業の一つで、活動実績に基づき付与されるポイント数に応じて高齢者に奨励金が支給される。


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