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請願第30号

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 恵下埋立地の整備において、地元住民への十分な説明と協議の場を持ち、ダイオキシン類を含む産業廃棄物及び汚染土の安全で安心できる方法での完全撤去と第三者委員会の設置を行うことについて

(要旨)

要旨

 広島市の一般廃棄物は、現在、玖谷埋立地において最終処分されている。玖谷埋立地は、平成31年度末で埋立てを終了し、平成32年度からは恵下埋立地に埋め立てる計画で、現在工事が進められている。
 しかしながら、この度建設用地内でダイオキシンが確認されるなど、工事着手以前の問題が、今更ながらに発生している。
 恵下埋立地の建設は、当初から地元住民を置き去りにしたまま、広島市の独断で行われてきた。私たちは、全ての問題の根源はここにあると考えている。
 そもそも、5候補地で選定調査をしていた時点、恵下に決めて環境影響評価をした時点で、詳細な調査を行ったはずで、専門家には分かっていたのではないかという疑念すらある。
 広島市は、昨年9月に確認された事実を隠匿し続けた。今年1月28日の新聞報道で初めて知ることとなった住民にとって、広島市の行為は、行政の市民への背信行為としか映らない。
 ここで初心に帰り、十分な検討期間と地元協議の期間をとって、安全で安心できる状態で、汚染物質を残すことなく撤去することが最重要であると考えている。
 調査された区域は、田畑跡のほんの一部にしか過ぎない。調査区域外にも存在している可能性は十分にある。
 土地がそのままの形態であるなら、残っていても後から取り除くことができる。しかし、処分場を造ってからでは、その下に残っていても、未来永劫取り除くことはできない。
 行政は行政の本来の姿に立ち返って、全体を調査し、将来に禍根を残さないようじっくり検討すべきである。
 現在、市では1,000Pg-TEQ/g以上のものを除去する考えのようであるが、それでは1,000Pg-TEQ/g未満のダイオキシンはそのまま残すということになる。自然界にそのように高い数値は存在していないので、明らかに、バックグラウンドとは違うダイオキシンが存在しているということである。ダイオキシンは難溶性であるが、その粒子が地下水の流れに乗って流れ出すと考えられ、現時点では水質検査に出ていなくても、将来発現する可能性もある。上に構造物を造って将来取り除くことができなくするのであるから、十分な調査を行い残らず撤去する必要がある。ここはそのまま更地で残すわけではないのである。
 ダイオキシン類を含む有害物質の確認、外部飛散や流出させないで施工が可能か否か、また実際に施工しているか否かの確認、完全に撤去したか否かの確認などを行う中立的な第三者機関の設置も必要である。
 どうか、広島市民そして広島県民全体のことを考えて廃棄物行政を進めていただきたい。
 その切なる願いから、恵下埋立地の整備において、地元住民への十分な説明と協議の場を持ち、ダイオキシン類を含む産業廃棄物及び汚染土の安全で安心できる方法での完全撤去と第三者委員会の設置を行っていただくよう請願する。 

理由
 恵下埋立地建設工事の着手は、当初から無理に無理を重ねたものであった。用地取得のできていないところがあるにもかかわらず、平成32年度からの供用開始ありきで、未取得用地内を含めて見切り発注を行い、結局このようなことになってしまった。
 本来なら、取得用地を精査し、汚染物質があったならば、それを除去した後に、工事に取り掛かるべきではないであろうか。
 もともと、玖谷の次の埋立地は4候補地で検討されていたが、湯来町の合併に伴って、恵下を加えた5候補地の比較検討となった。この時、元湯来町職員(職員の多くは消防団員でもある)への聞き取り調査や湯来町時代の記録も調査されたはずである。それなら、数日間燃え続けたタイヤ火災や消火剤などの影響について、比較検討した専門家は分かっていたはずである。しかしながら、5候補地の比較には、恵下にダイオキシンの問題のあることは触れられなかった。意図的に恵下に決定したこと自体に大きな問題がある。
 その後の環境影響評価でも、詳細な調査が義務付けられていながら、このことに触れられることなく、埋立地として是とされた。その責任は一体誰にあるのであろうか。
 私たちも、ダイオキシンのことは知らなかったが、タイヤや医療器具なども埋まっている可能性を指摘し、調査するよう求めてきた。しかし、広島市は全く聞く耳を持たず強引に工事発注した。しかも、工事に当たって、調査を設計に盛り込むことも、その可能性を説明することもしなかったため、請負業者は、着手して驚くことばかりだと言っている。
 工事着手以降、産廃処分されているはずの伐採木が、市場で売買されていたことなども含め、耳を疑うような事案が数多く発生している。
 ダイオキシン対策は、工事発注する以前に解決しておくべき問題で、市の度重なるずさんな対応には、職員の職務に対する意識の低さを疑わざるを得ない。
 燃え殻が確認されたのは昨年8月で、その中に基準を超える高濃度のダイオキシンがあることが分かったのが昨年9月ということであった。
 しかしながら、私たち地元住民は、今年1月28日の新聞報道で、初めて知った。これは一体どういうことであろうか。
 ダイオキシン類対策特別措置法、土壌汚染対策法等の法律により処理される危険な有害物質の問題である。事実を確認した時点で、まずは住民に丁寧な説明を行い、応急措置を行うことは、当然中の当然のことではないであろうか。事実を隠匿し続けた広島市の行為は、市民への背信行為でしかない。
 環境影響評価書には、「事業を進めるに当たっては、住民に対し十分な説明を行うとともに、住民の疑問、意見には誠意をもって対応すること」という市長意見に対して、事業者としての広島市長自身が「事業の進捗状況に応じて、地元関係者等に十分な説明を行うとともに、住民の疑問、意見等には誠意をもって対応する」と記載されている。
 しかしながら、広島市は、このような対応を一切行っていない。今回のダイオキシンの件についても、地元住民への説明は一切していないにもかかわらず、既に説明済みであるとの虚偽の報告がなされている。
 このような身勝手で一方的な進め方はやめ、まず事実を地元に説明し、その後対策方法について検討し、地元との協議を経て、初めて実施に移るのが筋ではないであろうか。
 全国的に有名な、和歌山県橋本市のダイオキシン汚染除去では、1997年、「3万ピコグラムのダイオキシンを検出」という新聞報道がなされた。国内で検出されたダイオキシン類では2番目に高いということであった。恵下での調査記録は、2万9,000ピコグラムであるから、それに匹敵する非常に高い濃度である。
 当時和歌山県は、高濃度のダイオキシンを搬出すると輸送経路や処理施設の周辺住民からの反対を受けることから、現地にプラントを建設して無害化処理をしている。平成12年5月から平成13年4月までの1年間に及ぶ地元協議を経て、地元と環境保全協定を締結し、常設の対策協議会を設置し、住民監視の下作業を進めている。
 環境保全協定では、粉じん、排水、悪臭、公道汚染などの環境保全対策、環境モニタリング、住民の現場立入り、事故が起こったときの緊急措置、情報公開、対策協議会の設置などが盛り込まれたということである。
 そこで処理した汚染土は約2,600立方メートルである。
 それに比べて、広島市の対応は、余りに住民を見下したもので、納得できるものではない。
 5,600トン(約4,900立方メートル)の汚染土ということであるが、これは推定に過ぎない。実際には、もっともっと多いことも考えられる。
 第三者委員会を設置し、本当に今までの調査で問題ないのか、汚染物質を完全に撤去するにはどうしたらいいのか、しっかり検討し、地元の納得の下に撤去作業を進めるべきと考える。
 ダイオキシンの掘り返しによる飛散・流出は、環境への影響が大きいため、掘削する場合には密閉建屋内で行うこと、排水を徹底的に浄化することなど、法律に基づいた処理を手抜きすることなく行わなければならない。その監視体制も必要である。
 広島市内には、十分な余力を持つ最終処分場が数多くあり、埋める所がなくなるわけではない。
 むしろ、一般廃棄物の搬入を広島市に求めている広島県公社運営の出島処分場があり、広島市の行った費用対効果分析からも、出島処分場に埋めた後に恵下に移る方が効果が大きいという結果になっている。広島市が109億円を負担した出島処分場の活用も真剣に検討すべきである。どう税金を有効に使うか、いまこそ考えていただきたい。
 原点に立ち返って、十分な検討期間と地元協議の期間をとって、安全で安心できる状態で、汚染物質を残すことなく撤去しなければならない。そのままにしておくのであれば、後から撤去することもできるが、その上に処分場を建設するのであるから、決して後から取り除くことはできない。
 遮水シートで汚染物質は一切外部に出さないと言いながら、遮水シートの下に汚染物質を残したままになっては、話にならない。