1. サイトマップ

本文の開始

請願第24号

  • 印刷用ページを表示する
  • 通常ページへ戻る
  • このページを印刷

  恵下埋立地計画による戸山地区一極集中の負荷を軽減するために出島廃棄物処分場の活用を求めることについて 

  

要旨
 私たちは、広島市が平成32年度供用開始を目指して佐伯区湯来町に建設中の恵下埋立地(仮称)に隣接する安佐南区沼田町阿戸・吉山(以下「戸山地区」という。)に在住し、戸山地区の自然と子供たちを始めとする全ての地域住民の健康・安全を守るために行動している子育て世代有志である。
 恵下埋立地(仮称)整備事業(以下「恵下埋立地計画」という。)における現在の計画において、戸山地区は埋立地の地元ではないものの、非常に多くの負荷と不安を背負うことを余儀なくされている。
 広島市の一般廃棄物処理の過程で発生する焼却灰は玖谷埋立地に埋め立てられ、玖谷埋立地供用終了後は恵下埋立地に埋め立てることになっているが、広島市内には一般財団法人広島県環境保全公社が管理・運営する最終処分場、出島廃棄物処分場がある。当初計画どおりに埋立てが進まず、地元との約束の期間中に埋立てが終了しない見通しであることから、広島県は市に対して一般廃棄物の搬入を求めている。
 そこで、出島廃棄物処分場を活用して焼却灰を埋め立てることにより、戸山地区の負担の軽減を図るよう請願する。


理由

 私たちの戸山地区は、地下水を生活に、山から流れ出てくる水を農業に使い、自然と共にある暮らしを守ってきた地域である。市内中心部まで約30分という立地でありながら交通量が少なく、田畑に囲まれた美しい田園風景とのどかな暮らしが今なお残る地域で、6月には蛍が飛び交い、秋には黄金色の稲穂が景色を埋め尽くす。「大都市である政令市の中で、県庁から30分の距離にこれだけの自然が残る戸山のような地区は全国的にもまれだ。」と言われるほど貴重な環境を、戸山地区住民は誇りに思い、大切にしてきた。
 こんな戸山地区の自然を愛し、未来を担う子供たちを始めとした全ての地域住民の健康・安全を守りたいという気持ちから団体を結成した私たちは、この自然豊かな環境の中で、子供たちが末永く健康に成長してくれることを願っている。
 この戸山地区の豊かな環境を求めて、田舎暮らしに関心を持つ子育て世帯がここ5年間で少なくとも17世帯約60人移住してきた(平成28年6月1日付け中国新聞朝刊「都心に近い田舎活況」に掲載)。小売店・飲食店などの出店もここ数年で相次いでいる。特別な観光資源があるわけではない戸山地区が多くの人に魅力を見い出されているのは、市内からアクセスがいい割に豊かな自然が残っているからにほかならない。私たちの中にも、一旦は都会に出て働きながらも、交通量が少なく水も空気もおいしい環境の中でのびのびと子育てできると確信して戸山地区にUターンしてきた者、戸山の自然に魅力を感じ家族で移住してきた者が多くいる。田舎暮らしをしながら市内で働くことが無理なくできるまたとない地区で、それが戸山地区最大の魅力である。
 一方で過疎・高齢化が進み、戸山小・中学校は児童生徒が減少しており存続が危ぶまれている。現在のままでは3年後には小学校入学者が非常に少なくなる見通しで、U夕-ン者・移住者を数年のうちに増やすことが急務である。また、今後も若者が住み続けられる土地であり続けるために町内会・小中学校の先生方・各種団体が知恵を絞っており、戸山学区町内会連合会は「戸山環境保全計画書」と「戸山環境宣言」を策定した。そこに明記されているとおり、戸山地区の魅力として内外に知られているこののどかで豊かな自然環境を保ち続けることこそがUターン者・移住者を増やし戸山地区を発展させる必須条件で、戸山地区が広島市の財産として、豊かな中山間地域として永続していくための最大の課題である。
 しかしながら、戸山地区は隣接する佐伯区湯来町の恵下埋立地計画に直面しており、豊かな環境とのどかな暮らしが脅かされている。恵下埋立地計画は、非常に長期間にわたる計画で、工事期間14年(取付道路3年・本体工事供用開始までに5年・供用開始後2期埋立地工事に6年)、埋立期間30年、廃棄物が安定するまで数十年〜数百年掛かると言われている(独立行政法人国立環境研究所オンラインマガジン「環境」2010年9月21日号「廃棄物最終処分場からの汚染を防ぐ技術」石森洋行)。戸山地区は埋立地の地元ではないにもかかわらず、下記2点の計画とそこから派生する多くの負荷に非常に長期間にわたって向き合うことを余儀なくされる。
<戸山地区に大きな影響を与える計画2点>
1 工事車両、ごみ搬入車両、覆土搬入車両のほぼ全てが、湯来側からでなく戸山側から埋立地に入る計画となっており、関係車両が戸山地区に集中する。
2 恵下埋立地から出た浸出水(ごみに触れて汚染された雨水を集め、処理したもの)は、戸山地区を通って公共下水道まで送水するルートが計画されている。
<上記計画から派生すると考えられる負荷>
1 (1) 小中学生の通学路となっている唯一の県道の交通量が激増する。
  (2) これまで戸山を通行することの少なかった大型車両が中心となる。
  (3) 小中学生、高齢者を始めとする住民の交通安全上のリスク(ガードレールが設置されていない区間も多い。)
  (4) 広島湯来線で山越えする際に排気ガスが多く発生し、山間の谷底に位置する戸山地区に排気ガスが滞留する。
※ 約40年前、戸山地区に廃棄物処理場の建設問題が持ち上がった際の広島市北部ゴミ埋立処理場建設差止仮処分の判決において、戸山地区の地形では汚染された空気が滞留して健康・農業に被害をもたらすことが指摘されている。
  (5) 焼却灰運搬車両から有害性の高い灰が飛散する。
  (6) (4)(5)による大気汚染と健康被害
  (7) (4)(5)による農作物の汚染と健康被害
  (8) 冬期に使われる融雪剤による水質汚染と農業への影響
2 (1) 送水管の破損、経年劣化、災害発生により浸出水が漏れ出すリスク。浸出水は埋立地内で高級処理される計画だが、塩分は除去できず、高濃度の塩分が含まれる。
  (2) (1)により地下水(=戸山地区住民の生活用水)が汚染されるリスク
  (3) (1)により農業用水が汚染されるリスク
  (4) (2)(3)により健康被害が発生するリスク
 これらは、戸山地区にUターン・移住、出店、来訪する人が見い出している魅力を損なうものである。戸山地区の魅力をいかしてUターン・移住者を増やし、小中学校を存続させたいという戸山地区住民の願いと希望の妨げにほかならない(戸山学区町内会連合会では市に対して再三にわたって上記1・2の変更を求めて申入れをしてきた。現在、2の点については取り下げる意向を市に示しているが、戸山学区の置かれている状況から苦渋の決断を迫られてのことである。)。
 工事が始まって以来、車にばいじん・粉じんが積もるようになったという報告、小中学生が登下校中に通る横断歩道に面した大きな丁字路で、恵下埋立地の工事現場から下ってきた工事車両が一旦停止やさほど減速することなく右左折して行くこと、工事車両が軽トラックに追突する事故が発生したことを取ってみても、上記の懸念が現実のものになる日が近いことを感じている。
 実際に、戸山地区への移住を検討している人が、浸出水送水管を通る阿戸地区を避けている事実がある。私たち自身も、このような計画があることを知っていたら、戸山にUターン・移住してきたかと言えば否である。戸山に家を建ててUターン・移住してきた後にこの計画を知り、非常に驚いた。私たちが期待していた未来が奪われるという絶望感に襲われる。この計画がなければどんなにいいか、関係車両の通行ルートや浸出水送水ルートの計画が変わればいいのに…。戸山地区を安住の地と見定めてここを選び暮らす私たち子育て世代にとって、ここで安心して子供を産み育てていけるのか、子供が成人した頃の環境はどうなっているのか、ここに住み続けられるのか。100年以上にわたって影響が及ぶと考えられる長期計画だけに、先の見えない不安しかない。
 言うまでもなく、恵下埋立地計画は広島市にとって重要な施策であり、広島市民の生活環境と衛生環境向上、健全な発展に欠かせない施設だと理解はしている。しかし、元々戸山地区住民にとっては寝耳に水の状態で直面させられてきた計画であり、戸山地区の受ける負の影響が大きすぎる。
 出島廃棄物処分場を活用し焼却灰をできる限り長い期間埋め立てることにより、広島市の施策の負の影響が戸山地区に集中することをどうか軽減してほしい。
<出島廃棄物処分揚に焼却灰を埋め立てることにより軽減できる負担とメリット>
 (1) ごみ搬入車両のうち、焼却灰運搬車分の交通量が減る。
 (2) 焼却灰運搬車の通行が減ることで、灰が飛散するリスクを軽減できる。戸山地区の大気汚染・農作物の汚染、健康被害のリスクが軽減される。
 (3) 塩分濃度の高い浸出水の発生源となる焼却灰を臨海地区に埋め立てることで、万が一送水管が破損した場合の生活用水・農作物への影響を軽減できる。
 私たち戸山地区に暮らす者の苦悩と不安をどうか御理解いただき、広島市の施策に反映していただきたい。