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請願第20号

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広島市の廃棄物最終処分の見直しについて 

 

要旨
 広島市の一般廃棄物は、現在、玖谷埋立地において最終処分されている。玖谷埋立地は、平成31年度末で埋立てを終了し、平成32年度からは恵下埋立地に埋め立てる計画で、現在工事が進められている。
 しかしながら、1 恵下埋立地の計画には安全性や機能性について幾多の問題があり、その見直しが必要であること、2 「出島処分場」という広島県が整備した最終処分場が利用されておらず、地元との約束が履行できない状況にあり、広島県も広島市の一般廃棄物を出島処分場に搬入することを求めていること、3 出島処分場に搬入することによって大幅な経費節減になるとともに、税金の無駄遣いがなくなることなどから、出島処分場に搬入しながら、恵下埋立地の計画を再検討し、後世に禍根を残さない事業実施とする見直しを行うよう請願する。 

理由
 恵下埋立地の計画には、安全・安心に関わる様々な疑問点があり、私たちは、それらを再検討するよう広島市に求めてきた。平成24年8月20日には6項目の要望書を提出し、さらに、平成25年11月13日には、623名の署名を添えて再度要望書を提出した。
 しかし、これらの要望にはほとんど聞く耳をもっていただけず、当初計画ありきで進んできた。
 その間、広島市は、自ら最も安全であると地元に説明した、全線圧送による浸出水の送水を、実施不可能な計画であったとして安全性の低い計画に自ら変更したことや、平成26年8月20日の土砂災害が起こって初めて、私たちの要望に挙げた斜面の安全性の検討を始めるなど、当初計画が不十分なものであることを、広島市自身が証明してきた。
 広島市は当初、恵下埋立地を「日本一の処分場にする」と言われ、水内地区町内会連合会の会長と取り交わした建設合意書にも「他都市の先進的な事例を参考にし」「最新技術の導入等を図ることにより」安全確保に万全を期すと明記されている。
 これは約束事項であるから、その履行が不可欠である。
 例えば、(1)遮水構造を強化すること(全国の先進事例によれば、二重遮水シート+自己修復シート+ベントナイト混合土によるフェイルセーフ構造となっており、劣化するシートだけでなく劣化しない土の層と自己修復層をセットで構築している。)、(2)気候変動に伴う豪雨化に対応した調整池を整備すること(過去30年間の降雨データによって計画したのでは、能力不足に陥ることは明らかなため、今後の雨の降り方を考慮して整備しなければならない。)、(3)浸出水の送水計画を変更すること(現計画はポンプによる圧送とう回やアップダウンを繰り返し、山を越え谷を越えて、延々13キロメートル(アストラムラインの本通・長楽寺間の距離)にも及ぶ専用送水管を設置する稚拙な計画であり、常識で考えてもその見直しが必要)などがある。
 恵下埋立地は国の標準とする15年間の2倍の30年間を埋立期間として計画されたばかりか、建設合意書で期間を更に延伸する可能性に言及しており、埋立期間が何十年間になるか分からない。
 このような計画でありながら、他都市の事例にあるような底面部での自己修復シートや斜面部でのべントナイト層がない。斜面部の最初の小段までにすらベントナイト層は計画されていない。
 福島原発の放射能汚染水漏れ事故の時、東京新聞の社説には「遮水シートが破れやすいのも、継ぎ目部分が弱いのも、ごみ処理の世界では基本知識と言っていい」と明確に記述されていたが、遮水シートがその程度のものであることは業界の常識である。
 調整池の大きさについては、気候変動により雨の降り方が変化していることが認められているにもかかわらず、過去のデータで決めていては能力不足になることは、誰の目にも明らかである。コンクリートと鉄筋の量を少し増やすことで池を大きくすることが可能である。
 浸出水送水計画については、言語道断と言わざるを得ない。
 最も低い所に集めた浸出水(焼却灰等の中の有害物質が溶け込んだ水)を、水柱にして100メートルにも及ぶ水圧をかけて、大きくう回して山越え谷越えで、延々13キロメートルも全線圧送することが最も安全な方法であると地元に説明しておきながら、実現不可能な計画であったため、それを隠し「より安全にするために」送水方式を変更したと、戸山地区で説明した。その時、水内地区には何の説明もなかった。
 広島市のこの虚偽の説明には開いた口が塞がらない。さらに、不測の事態に備えるため全線2条管にするとしていた計画を、あろうことか、マンホールが少ない方が車の通行に良いという理由で、突然自然流下部で1条管に計画変更するなど、当事者能力を欠いた対応が続いている(マンホールは大部分が小型で通常の大きさのものではないにもかかわらず)。
 送水ルートは、自然の摂理に反してポンプで押し上げるのではなく、小断面トンネルを掘削し、その中に適正勾配で流れる自然流下の管を敷設する方が、安全性・維持管理性・敷設距離・コスト面・安心面など全てに有利であり、戸山のメイン通りを延々と通過する必要がないと考えている。
 さらに、次に述べる出島処分場を活用することで、様々な選択肢が生まれる。
 最近では、浸出水を埋立地内で循環させ外部に出さない、安全性の高い埋立地が全国各地に建設されている。
 計画見直しの必要性は多岐に及ぶが、それらを積み残したままの工事着工となっていることが残念でならない。
 今のままでは、ばく大な運営経費の支出と危険で不安な状態が幾世代にもわたる将来の市民にまで及ぶことから、これを座視することはできない。
 福島原発でも、自家発電機を地下ではなく地上に防水構造で設置するなどの僅かの配慮があったなら、事故は違った展開になっていたと思われる。安全で万能の素材と言われていたアスベストが有害物質であったことは後から分かった。非加熱製剤の危険性が疑われながら、安全であると判断され続けてきた事実も消し去ることはできない。
 少しの配慮がその後を大きく変えることを、私たちは幾度も経験し、自然の力の前には無力であることも理解している。今一度、私たちの声に耳を傾け、後世に禍根のないようにしていただきたいと考えている。
 さらに、広島県が整備した「出島処分場」が、広島市の中心市街地部に存在しながら、有効に活用されていないという問題がある。
 出島処分場は、広島県域を対象とした最終処分場である。建設汚泥の激減などから、計画の5%程度の搬入しかなく、広島県は、広島市に対して、一般廃棄物の処分場として出島処分場を積極的に利用するよう依頼文書を出している。
 私たちは、以下の理由で、広島市のごみ処分に出島処分場を活用すべきと考える。
(1) 出島処分場の建設費は約500億円(埋立護岸約470億円。受入施設約30億円)で、そのうち遮水構造に約210億円を費やしているが、この整備に、広島市は約109億円、そのうち遮水構造分として約46億円を負担しており、施設を有効活用するのは当然であること。
(2) 広島市の自前の処分場の延命化につながること。
(3) 出島処分場は中工場及び南工場の直近にあり、焼却灰等の運搬が容易で輸送コストや環境負荷が最少となること。
(4) 出島処分場の処分料金はトン当たり1万円弱であるのに対して恵下埋立地では3万円程度掛かると考えられることから、処分コストを大幅削減できること。
(5) 淡水域の内陸部処分場で問題となる浸出水の塩分濃度が、そもそも濃度の高い海域の処分場では全く問題とならないこと。
(6) 宇品・出島地区住民との約束履行につながること。地元は10年間の埋立期間の約束を遵守するため搬入量を増やすことを求めている(広島県の試算では、現状ではどのように見積もっても、約束している10年間では満杯にならないので、直近で大口の広島市の焼却灰等の搬入は不可欠)。
(7) 広島市の海の玄関口としての宇品港強化のため、埋立後の上部を緑地として整備する港湾計画の遅延を防げること。
(8) 今のままでは税金の無駄遣いになること(廃棄物を求めている処分場がありながら、それを無視してばく大な税金を費やして新たな処分場を建設することは常識では考えられない。)。
 出島処分場の前の五日市処分場には、広島市は一般廃棄物を搬入し、市と県の連携によるごみの処分が行われていた。
 広島市にとっても広島県にとっても重要な問題であるので、市と県の連携により、税金の無駄遣いをせず、広島市民であり広島県民でもある私たち一人一人が納得のいくように、ごみの処理処分を進める責任が広島市にはある。
 事実、岡村企画総務局長への、県・市連携についての質問に対して、岡村局長から「本市では、広島県と広島市がそれぞれ実施している類似の事務事業等については、県・市それぞれの所管部署において、緊密に連携・協力し、適切な役割分担の下、より効率的かつ有益な行政サービスを提供するよう努めております」という回答をいただいた。
 また、宇品・出島地区住民を抱える胡麻田南区長からも、区長御自身のお考えとして、企画総務局長同様の回答をいただいている。
 さらに、湯崎広島県知事に宛てた質問に対して、環境県民局長から、出島処分場の埋立処分計画の円滑な実施に向けて、未利用者に利用案内を行っていること、大量搬入者に対する割引制度のあること、県内市町が出島処分場を利用する時には最大限の支援・協力を行う考えであることとの回答をいただいている。
 広島県も地元も、出島処分場に埋め立てる廃棄物を求めている。
 玖谷埋立地に搬入している焼却灰等を、今すぐにでも出島処分場に変更すれば、玖谷埋立地には水に浮く不燃ごみ等の搬入だけにすることができる。プラスチック類は焼却処分になるので、玖谷埋立地にはほんの僅かの量しか入らないこととなり、地元の負担が大幅に軽減できる。
 税金の無駄遣いをすることなく、広島市と広島県が連携して廃棄物行政を責任をもって推進し、出島処分場を有効に活用していただくことが必要であると考えている。その間、恵下埋立地においては、住民の声に耳を傾け、最善の計画となるよう十分に比較検討をして、後世に禍根を残さない、世界に誇れるまち広島の最終処分場にしていただきたいと考える。