特別委員長報告

 大都市税財政対策等特別委員会、都市活力向上対策特別委員会および人にやさしいまちづくり特別委員会は、調査・研究を目的として平成23年6月30日に設置され、これまでの約2年間、鋭意、調査・研究を行ってきました。6月18日の本会議において、各委員長から、これまでの調査・研究の概要について報告がありました。なお、紙面の都合上、委員の意見を中心に掲載しています。

大都市税財政対策等特別委員長報告


 本特別委員会において調査・研究を行った各調査項目に対する委員の意見は次のとおりです。

1 大都市税財政制度の充実強化
●指定都市の国の施策および予算に関する提案

▼障害者自立支援法の見直しに当たっては、障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言、基本合意を全て反映するよう求めるべきである。
▼国民健康保険事業の安定的運営を図るため、まず、国庫負担の復元を求めるべきである。など

●大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望
▼定額課税の見直し、税負担等の軽減措置の整理合理化を求めているが、道府県から指定都市に移譲されている事務についての財源措置が税制上不十分であることを改善することが先決である。
▼指定都市として継続して要望をしていくことも大切であるが、確実に実現できるものを絞り込んで提案していくことも一つの方法ではないか。など

●本市の主要事業に関する国への要望
▼主だった指定都市では国際戦略総合特区の指定を受けているが、広島市は受けていない。二葉の里地区の開発にしろ、都心づくりを進めるに当たっては、その指定を受けるべきである。思い切った政策を進めるべきである。
▼大規模盛土団地における危険地域への対策が早急に講じられるよう、国に対して財政支援を求めるべきである。など

●党派別要望に係る本市の個別要望事項
 指定都市の税財政関係特別委員会による国会の各党派への「大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望」活動に併せて、各市の個別要望の機会が持たれることから、本市の個別要望事項を次のとおり決定しました。
 「原子爆弾被爆者に対する援護措置の拡充強化等」「道路整備事業の推進」「広島駅周辺整備の推進」「太田川における洪水対策および内水氾濫対策の促進」「2020年までの核兵器廃絶に向けた取り組みの推進」「ひろしま西風新都の都市づくりの推進」の6項目。

2 地方分権の推進
▼第1次一括法、第2次一括法に基づき、本市が条例で基準や事務手続等を定める必要があるが、関係団体の意見を聴き、ぜひとも、地域特性を生かしたものにしていただきたい。
▼国と共同で進める雇用対策に関しては、基礎自治体での労働行政に関する一層の関与については、ぜひ、頑張っていただきたい。
▼県・市連携で、公営住宅の一体的な管理運営体制を構築するため、窓口を市で一本化することにしているが、県から財源の移譲がなければならない。
▼県・市連携に当たっては、市内部で戦略的に十分議論し、言うべきところはしっかりと県に言いながら、政策上広島市のプラスになるようにしていただきたい。など

3 財政健全化の推進
(財政運営方針)
▼歳出の抑制に当たっては、巨大事業については、必要性、緊急性の観点から見直すことも必要である。
▼生活保護費が平成19年から平成23年で倍以上になっているが、まだまだ増えると思う。このままにしておくと、財政を極端に圧迫することになることから、適切に対応していただきたい。
▼市税収入、法人税収入を向上させるためにも、経済の振興を図る方向で検討していただきたい。
▼観光起こしに当たっては、観光資源の掘り起こしや修学旅行生の昼食場所の確保などきめ細かな点にも目配りが必要である。
▼会計制度は、全体像が分かるように、連結方式で出す必要がある。など
※新しい「財政運営方針」は、市民意見募集を行った後、平成24年2月に策定された。

 以上が調査の概要ですが、委員各位の貴重な意見を真摯に受け止め、大都市税財政制度の充実強化、真の分権型社会の実現、財政健全化に向けた取り組みを推進していただくよう、強く要望します。

委 員 長  酒入忠昭
副委員長  原 裕治
      八條範彦
委  員  山内正晃
      米津欣子
      中原洋美
      元田賢治
      木山徳和
      山本 誠
      藤田博之
      碓井法明
      木島 丘
      中本 弘

都市活力向上対策特別委員長報告

 本特別委員会において調査・研究を行った各調査項目に対する委員の意見は次のとおりです。

1 当面する都市活性化に関する課題
●旧広島市民球場跡地の活用

(跡地委員会の設置・検討状況など)
▼商工会議所の移転の有無によって、全体的なイメージも変わってくることから、ある程度商工会議所とも協議をしながら、早めに詰めていただきたい。
▼財政上の制約に関する考え方も一定程度明確にした方が議論がしやすいのではないか。
▼建設的な議論をするためにも、市が方向性を出すことが必要である。
▼できるだけ早く市民に絵を示して、議論をしていただかないと、本当の意味で実現性の高いものになっていかないのではないか。など
(跡地委員会の中間とりまとめの内容など)
▼この度の中間とりまとめで、跡地委員会はある種その役割を終えている。今後は、市内部で検討、検証を進め、議会とのコンセンサスを構築して、最終的に市長の施策として打ち出すべきである。など
(その後の跡地委員会の検討状況、最終とりまとめなど)
▼実現可能性を誰でも判断できるような指標をまずは出していただく必要がある。
▼3月に方策を出すときには、きちんと議会で議論できるものを示していただきたい。
▼広島だけでなく、圏域の発展に寄与するとともに、次世代の財産にもなる重要な案件であることから、十分検討し、方向性を示していただきたい。
▼一つに決めるのではなく、複数のより精度の高いものをできるだけ早く出していただかなければ、議会も市民も判断できない。
▼市民が納得する形で、旧市民球場跡地も含め中央公園全体を将来どうしていくかということも併せて考えていただきたい。など
(跡地の活用方策の内容など)
▼サッカースタジアムの建設に向けた協議会で、旧市民球場跡地を適地とする結論が出れば、一緒に研究すればいいのではないか。
▼サッカースタジアムの協議は、一定の期間を区切って、目標をつくって早期に結論を出していただきたい。
▼サッカースタジアムの建設地について旧市民球場跡地を視野に入れるのであれば、基本計画の策定を待つという決断が必要ではないか。
▼現時点では、サッカースタジアムを導入対象から除外して考えること自体おかしいのではないか。など
(サッカースタジアムの整備に向けた協議会の状況)
▼結局この何年、何も生み出していない。一日も早く進めていただきたい。
▼サッカースタジアム建設に向けた協議会については、県市トップ会談でも議論されており、どちらがリーダーシップをとるか、決めておかなければ、最終段階になって、また同じ協議のような話が出てくるのではないか。
▼協議会において旧市民球場跡地を適地とする具体案が取りまとめられた場合に、活用方策に係る基本計画との比較検討を行うことにしているが、精度の異なる資料では比較できないのではないか。
▼結論を出したにもかかわらず、改めて比較検討し、また、結論を出すというのは非常に分かりづらい。
▼まずサッカー専用球場の建設場所をどこに持っていくかということを決めて、それからスタジアムの規模等の大きさとかいろいろな機能とかを決めても遅くはないのではないか。など
 以上が旧広島市民球場跡地の活用についての調査の概要ですが、都心のにぎわいを創出し、一層の魅力づくりを進めていく上で、旧市民球場跡地の活用は重要な課題であることから、精力的に調査・研究を行いました。そうした調査・研究の経過等を十分踏まえた上で、今後の取り組みを進めていただくよう、特に求めておきます。

●広島大学本部跡地の有効活用
▼旧理学部1号館周辺に関しては土壌汚染の懸念がある。何よりも大切なのは市民の健康であり安全面であることから、そのことを最優先に考えて進めていただきたい。など

●広島駅周辺地区の整備
▼広島駅南口B・Cブロック市街地再開発事業について、地権者や借家人に対する十分な説明と理解を得られるよう、組合に対する指導を行っていただきたい。
▼広島駅周辺の整備に関しては、まずはマスタープランを考えて、決して焦ることのない、もっと深い議論を行うことが必要である。
▼広島駅南口広場の再整備については、投資の平準化を図る観点からも、もう少し時間を掛けて検討していくことも考える必要がある。
▼電車の駅前大橋ルートへの変更については、地元に対して、十分な配慮や説明をしていただきたい。
▼広島駅周辺全体の道路計画の検討をしていただきたい。など

●広島西飛行場廃止後の跡地活用
(広島西飛行場跡地活用ビジョン)
▼何をするにしても、とにかく基幹的な道路を整備することが大前提である。
▼地元企業を活性化できるようなことを十分考慮して検討していただきたい。など
「広島西飛行場跡地活用ビジョン」は、県民・市民の意見募集を行った後、平成25年5月に策定された。

2 観光振興
▼広島市民がいかに観光都市としての認識を持って観光客に接することができるかということについて、トータルで意識啓発を図っていただけるようなアイデアを出していただきたい。
▼今後の観光振興に当たって、菓子博の中で大きなヒントがあったと思う。しっかりと検証していただきたい。など

3 災害に強いまちづくり
▼東日本大震災においても大規模盛土団地での被害が多く出ている。市内にも大規模盛土団地が三百余りあり、住民の皆さんも不安を感じられていることから、その対策を、ぜひ、事業計画の中に入れていただきたい。
▼東日本大震災を受けて、国の方針として、今後、防災施策に女性の視点をより一層取り入れるため、防災会議の女性構成員の比率を高めていこうとしていると伺っている。本市においても、適切に対応していただきたい。など

 以上が調査の概要ですが、調査特別委員会は結論を出す場ではありません。あくまでも、調査・研究する場ですが、その中では、現在の広島市政における最重要課題の解決、推進に向けての方向性を見いだすべく、行政と議会が、文字どおり、車の両輪として、力を合わせて、議論を積み重ねていく必要があります。そのためには、委員から出された意見に対しては、次回の委員会では、きちんと市の考え方を示すようにするなど、誠実な対応をしていただくことが必要です。このことを十分認識され、今後の議会対応を図られるとともに、本特別委員会の調査項目については、委員各位からの数多くの貴重な意見を真摯に受け止め、全力で推し進めることを強く要望します。

委 員 長  谷口 修
副委員長  渡辺好造
      三宅正明
委  員  石橋竜史
      森畠秀治
      森本健治
      豊島岩白
      大野耕平
      碓氷芳雄
      村上厚子
      母谷龍典
      平木典道
      若林新三
      太田憲二
      永田雅紀
      沖宗正明
      山田春男
      佐々木壽吉
      土井哲男
      月村俊雄


人にやさしいまちづくり特別委員長報告

 本特別委員会において調査・研究を行った各調査項目に対する委員の意見は次のとおりです。

1 子どもの健全育成
●子ども施策総合計画の推進状況

▼経済的に自立している母子家庭の割合を増やすことを目標として掲げ、児童扶養手当を受けていない母子家庭の割合を指標としているが、手当を必要とする方を排除すれば、この目標は容易に達成できる。むしろ、自立に向けて就労支援を受ける人を増やすことを目指す方が適切ではないか。
▼障害のある方々の子育てへのサポートの視点を計画に取り入れることも検討していただきたい。
▼子育て家庭に対する養育支援として実施されている生後4か月までの乳児のいる家庭への訪問率を高めるためには、新たな戦略が必要になってきているのではないか。
▼重点施策として、「知・徳・体の調和のとれた教育の推進」が掲げられているが、その指標に「徳育」に関するものがないのは適切ではないのではないか。など

●子どもの遊び場と居場所づくりの推進
▼児童館未設置小学校区の早期解消と、児童館や留守家庭子ども会実施施設の耐震化を図っていただきたい。
▼児童館における乳幼児向け遊具等の整備に当たっては、玩具や絵本を含めて、幼児の脳を刺激するような、興味を引くようなものをそろえていただきたい。
▼市全体を見たとき、遊び場環境が整っていない所をどうしていくかが今後必要である。子どもたちのニーズ、地域の状況を見て、区の地域特性に配慮しながら、遊び場を造っていく必要がある。
▼公園遊具の点検は、利用者の安心につながることから、その状況を表示することを検討していただきたい。
▼特別支援学校放課後対策事業と障害児いきいき活動事業に関して、保護者からアンケートを取って、必要なサービスや定員を把握し、適切に対応していただきたい。など

●児童虐待防止対策の推進
▼警察、医療機関の方々に虐待を見抜く能力、知識を高めていただくような働き掛けをぜひ行っていただきたい。また、連携を強化していただきたい。
▼他都市では、虐待を察知するチェックリストを作成し、関係機関に配付することによって、早期の通告につなげ、子どもを救済している例もある。ぜひ、本市でも検討していただきたい。
▼虐待があった家庭は、「生活困窮の訴えあり」や「社会的孤立」が見られる割合が高いというまとめがされている。今後、生活困窮面を含めて、社会的支援の仕組みを強化していく必要がある。
▼児童虐待は直接命に関わる問題である。また、相談・通告件数も増えている。的確に対応していくためには、もっと専門的な職員を増やしていく努力をしていく必要がある。
▼区役所での子どもに関する相談支援機能の強化として、安佐南区で実施されているが、全区に広げていただきたい。児童相談所だけで全てに対応するのは今後困難になってくると思われるので、区ごとの拠点を整備していただきたい。
▼小さい時から命の大切さを学ばせるため、地域のお母さん方が赤ちゃんを連れて学校訪問をする取り組みをぜひ実施していただきたい。など

●子ども・子育て新システムへの対応
▼自治体の独自性や保育の実施義務をきちんと発揮して、全ての子どもが本当に広島市で生まれて良かったと思えるような、子どもの視点で新しい制度を考えていただきたい。
▼地方版子ども・子育て会議の委員に、子育ての当事者の方が入られることになると、夜間会議ということも視野に入れていただきたい。
▼子ども・子育て支援新制度については、今後、課題等も出てくると思うので、現場の声などを聴いてしっかり検討していただきたい。など

2 高齢者福祉対策
●高齢者施策推進プランの推進状況

▼高齢化の急速な進展に対応するため、このプランももう少し細かく評価・分析して、達成率を市民が確認できるようにしていかなければならない。など

●次期高齢者施策推進プランの策定
▼介護予防、地域のコミュニティの活性化の観点から、計画に掲げられている「生涯学習、文化・スポーツ活動の振興」の主な取り組みの中に、グラウンドゴルフに対する支援を加えていただきたい。
▼ひとり暮らしの高齢者が増えてくることから、孤独死にどのように対応するかといった視点も計画に取り入れていただきたい。
▼施設を整備したり、介護保険料を決めたりするときには、きめ細かな調査を行い、実態を把握することが大事ではないか。
▼日々の生活または介護に要する費用に充当するため、資産を担保に公的な機関が必要な資金を貸し付ける制度の導入を検討していただきたい。
▼高齢化が進んだ団地での交通手段の確保について、全国の事例を学んでいただきたい。また、フリー乗車区間の提起も具体的に行っていただきたい。など
※新しい「高齢者施策推進プラン」は、市民意見募集を行った後、平成24年2月に策定された。

●高齢者の能力の活用促進、高齢者の在宅生活の支援
▼現在の乗合タクシーの運営システム自体、少し無理があると思う。抜本的に見直すことも視野に入れながら、真剣に研究していただきたい。また、赤字を補填するだけでなく、具体的な策を示して指導していただきたい。
▼東日本大震災の際、災害時の避難事業に関わられた民生委員が亡くなられて社会的な問題となったことを踏まえ、東北地方では、支援体制の見直しを始めている。ぜひ、本市においても、そうした動きを踏まえた検討をしていただきたい。
▼総合福祉センターで開講するシニアカレッジでは、教養を身に付けるだけでなく、就労のための勉強のし直しといったコースも作っていただきたい。
▼シニアカレッジの卒業生は大事な人材である。そういう人たちの能力を地域で生かすためには、それをコーディネートする新たな役割の人が必要になってくるのではないか。など

 以上が調査の概要ですが、本特別委員会で調査・研究した項目は、少子高齢化が進展する中で、非常に重要な課題です。委員各位の貴重な意見を真摯に受け止め、子どもの健全育成および高齢者福祉対策の充実に向けた取り組みを効果的に推進していただくよう、強く要望します。

委 員 長  安達千代美
副委員長  清水良三
      宮崎誠克
委  員  山路英男
      近松里子
      伊藤昭善
      八軒幹夫
      西田 浩
      星谷鉄正
      馬庭恭子
      竹田康律
      松坂知恒
      今田良治
      熊本憲三
      金子和彦
      田尾健一
      児玉光禎
      平野博昭