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稲生物怪録(いのうもののけろく)ゆかりの品 ばけもの木槌、ご開帳!

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所蔵・写真提供 國前寺

 稲生物怪録は、江戸時代中期に実在した三次藩士・稲生武太夫(いのうぶだゆう)の体験を記した妖怪物語です。この物語の中で重要な役割を持つ木槌が、東区の國前寺に奉納されています。今回は、物語の内容と毎年1月にその木槌を開帳する國前寺稲生祭を紹介します。
◆問い合わせ先:区政調整課(電話568-7703、ファクス262-6986)

 稲生物怪録は、三次市が舞台の妖怪物語です。江戸時代の国学者平田篤胤(あつたね)によって広められ、民俗学者の折口信夫や作家の泉鏡花(いずみきょうか)が作品化したことでも知られています。

ものがたり

 人並み外れた勇気を持つと評判だった16歳の武太夫は、近所に住む権八とどちらが勇気があるかを試すため、比熊山(ひぐまやま)に登り、「百物語」をします。「百物語」とは、怪談を百話語り終えると本物の妖怪が現れるとされるもの。その後、武太夫の屋敷に30日間連続で、さまざまな妖怪が出没します。さあ、武太夫の身にどんなことが起こったのでしょうか。
(内容は「國前寺稲生武太夫化物語」を参考に要約)

6日目

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 戸口をふさぐほどの老婆の顔を見た武太夫は、その眉間に小刀を打ち込んだが、痛がる様子もない。翌朝見ると老婆は消えており、空中に浮かんでいた小刀はぽとりと地面に落ちた。

12日目

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 夜、押入れから大きなヒキガエルが現れ、寝ている武太夫の上に飛び乗った。武太夫は、カエルの胴体に巻いてあるひもを握ったまま寝たところ、朝には腹の上につづらが乗っていた。

22日目

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 朝、納屋の中からほうきが一本、居間へひとりでに飛び出し、部屋の中を隅まできれいに掃いて回った。朝出るのにふさわしい化け物だと武太夫は笑いとばした。

國前寺稲生祭(こくぜんじいのうさい)

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●木槌のエピソード

 30日目、武太夫のもとに、「山本(さんもと)五郎左衛門」と名乗る妖怪の魔王が現れます。武太夫の勇気に恐れ入った五郎左衛門は、木槌を手渡し、「他の魔王が現れた時、この木槌を打てば、自分が助けに来る」と告げ、他の妖怪ともども雲の中へと姿を消しました。この日以来、武太夫の前に妖怪が現れることはなくなりました。

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●木槌はなぜ國前寺に?

 三次藩が廃藩となり、浅野家に召し抱えられた武太夫は、浅野家の菩提寺である國前寺に木槌を奉納します。これを開帳し、法要を行う稲生祭は、江戸時代の宝暦年間から約250年間続いてきた行事で、毎年300人以上の人が集まります。

●稲生祭のあらまし

 100日間の修行をした僧侶十数人による読経が始まると、渋い風合いの木槌の入った厨子(ずし)が祭壇中央に運ばれてきます。祭壇前には、干支と参加者の名前が記された開運木槌(要申し込み)も並べられ、法要後は、隣室で厄除け祈願の祈祷が行われます。

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開帳されるばけもの木槌

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開運木槌

●國前寺稲生祭
◆日時:平成29年1月7日(土)午後1時から
◆会場:國前寺(東区山根町32-1)
◆申し込み方法:開運木槌の予約は、電話かファクスで國前寺(電話261-4578、ファクス263-4861)へ

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武太夫のふるさと三次を訪れてみませんか

 うだつのある建物が残る石畳の通り。その中で、ひときわレトロな趣の「三次市歴史民俗資料館」の2階には、稲生物怪録の絵巻やパネルが展示されています。(平成29年2月末まで。入館無料)
 1階には、三次市出身の人形作家・辻村寿三郎人形館(1階部分は要入館料)があり、艶やかな人形が展示されています。「妖怪のルーツとされる三次にぜひお越しください。」と同館の鷲尾操館長。
 鑑賞の後は、三次の風情ある街並みを散策してみてはいかがですか。

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資料館の外観(1927年に三次銀行本店として建築。国の有形文化財として県内7番目に登録)

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通りの風景

◆住所:三次市三次町1236
◆電話:0824-64-1036
◆入館時間:午前10時〜午後4時半
◆休館日:水曜日(水曜日が祝日の場合は翌日休館)
◆駐車場:(18台)あり

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