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広報紙「ひろしま市民と市政」

広島市ホームページ平成26年2月1日号トップページトピックス広島の醤油蔵(しょうゆぐら)

広島の醤油蔵(しょうゆぐら)

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 昨年、ユネスコの無形文化遺産に登録された「和食 日本人の伝統的な食文化」。その和食に欠かせない調味料のひとつが醤油です。太田川に抱かれ、きれいな水が豊富な広島は、昔から醤油の産地としても有名です。何年も杉の木桶で熟成する伝統の製法を、今もなお守っている市内の醤油蔵を訪ねました。

醤油酵母は蔵の宝もの

 市内中心部から北へ車で約50分。街の喧騒(けんそう)を抜け、太田川沿いを走ると、だんだんと緑が深くなっていきます。車窓に映る美しい景色に目を奪われていると、ひと際目を引く「搾(しぼ)りたてしょうゆ」の看板が見えてきます。明治元(1868)年創業のユーメン醤油の醤油蔵です。
 市内沿岸部でも雪がちらついたこの日、車から降りると澄んだ空気がさらに寒く感じられますが、蔵の辺り一帯は醤油のいい香りに包まれていました。
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 この醤油蔵は、市内で唯一、昔ながらの杉の木桶を使った醤油造りをしています。蔵の中二階に上がると醤油になる前のもろみが入った大きな木桶がたくさん並んでいます。そこは、しんとして張りつめた空気の神聖な場所でした。蔵には、その蔵だけにしかいない醤油酵母が棲(す)みつき、蔵独自の味を出しているそうです。
 「醤油は冷たい水を使うため、12月から3月の寒い時期に仕込むんです。この地域は特に寒くて、醤油作りに適しているんです」と、5代目の宥免(ゆうめん)国博さん。一部機械を入れた工程もありますが、天然醤油「醤魂(しょうこん)」は、木桶で熟成することを、創業以来変えていません。
 天然の醤油造りは寒い冬に仕込み、暖かくなる春から夏に発酵、翌冬には、静かに熟成させます。季節の温度変化に任せた自然醸造ですが、酸素を入れるため、一つの木桶で何トンにもなるもろみをかき混ぜなければいけません。梅雨時期は毎日、冬でも3日に一度は、櫂(かい)という棒を全身を使って上下に動かし、酸素を入れていきます。この日のように寒い中、重みのあるもろみをかき混ぜる作業は大変ですが、宥免さんは、生きている醤油のお手伝いをしているだけ、と微笑みます。木桶と蔵に棲みついた酵母菌が、ゆっくりと醤油のうま味を熟成していきます。

 天然の醤油は繊細で、その年の天候などにより、味が異なります。「良いものを造るためにいつも試行錯誤です。原料にこだわって大豆は国産丸大豆(北海道産)。使っている水は、何度も山を掘り直してやっと見つけた湧き水なんですよ」。おいしい醤油ができたときの喜びはひとしお。蔵にみんなで集まり、お祝いをするそうです。
 「醤油は塩を使うので、道具が長持ちしないんですよ。この木桶も直し直しで50年使っています」。高さ2メートル、直径が1.5メートルもある巨大な木桶は、造る職人も少なくなっています。蔵人(くらびと)は宥免さんをはじめ5人で、最年少が41歳です。最後の蔵人にならないようにしたい、と後継者問題に頭を悩ませます。
 「搾りたての醤油を味わった人から、醤油ってこんなにおいしかったんだ、と言ってもらえると、この伝統を絶対に守っていこうとあらためて思います」。宥免さんは、引き締めまった表情で話してくれました。
●ユーメン醤油(安佐北区安佐町)
◆営業時間:午前8時半〜午後5時
◆定休日:日曜日・祝日
電話838-1011、ファクス838-1137


伝統の技 生醤油(なましょうゆ)ができるまで

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1 蒸した丸大豆と、小麦、そしてこうじ菌を混ぜ合わせ、48時間かけて、醤油こうじを造る

2 醤油こうじと塩水を混ぜて発酵させ、もろみを造る

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3 もろみを2夏、木桶でじっくり自然熟成させる

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4 もろみと布を何層にも重ね、搾ると生醤油の出来上がり

市内のお醤油屋さん

 市内にある醤油製造業者を紹介します。(五十音順)

●五日市醤油製造(佐伯区五日市中央)
電話921-0050、ファクス921-0745

●川中醤油(安佐南区沼田町)
電話848-0008、ファクス848-0168 

●佐藤醤油醸造場(安佐北区白木町)
電話ファクス828-0038

●大上免十三郎(だいじょうめんじゅうざぶろう)商店(安佐北区口田南)
電話842-0107、ファクス842-0501

中川醤油醸造場(安佐北区可部)
電話ファクス812-2449

西村醤油本店(安佐北区可部)
電話812-2010

増井醤油醸造場(安佐北区可部)
電話ファクス812-2401

水落(みずおち)醤油醸造場(安佐北区大林)
電話ファクス818-2480

ヤマヤス醤油醸造(安佐南区大町東)
電話877-0058、ファクス877-5777


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