臨時店舗における衛生指導要領

平成17年3月30日 制定

第1 目的
 この要領は、催事等に伴う臨時店舗における食品の取扱いに関して、届出及び取扱食品の条件等について必要な事項を定め、臨時店舗に対して適切な指導を行うことを目的とする。

第2 定義
 この要領で臨時店舗とは、露天商、食品等事業者等が同一場所で連続して3日以内の期間食品を調理又は販売する営業施設をいう。ただし、自治会や学校等が開催するバザー等に伴う食品の取扱いであって、社会通念上営業とは見なされない行為は、これを含まない。

第3 営業開始届
1 臨時店舗において営業を行おうとするときは、広島市食品衛生法施行細則第9条第1項第5号に基づき、営業開始届を提出させること。
2 届出は、原則としてイベント等の主催者又は出店団体の代表者から一括して提出させること。
3 届出は2部提出させ、受付印を押印した後、1部を届出者に交付すること。

第4 取扱条件
臨時店舗において食品を取扱う場合は、次の条件を満たすこと。
1 調理を行う場合
(1)刺身、生クリーム等、生ものは提供しないこと。
(2)原材料の細切等の仕込み行為は行わず、簡易な調理のみを行うこと。
(3)アイス類、清涼飲料水及び酒類を除き、提供前には十分に加熱を行うこと。
(4)アイス類を取扱う場合は、器具類、手指等からの汚染防止措置がとられていること。
(5)取扱いを認める品目例は、別表1の1に掲げるとおりとする。
(6)取扱いを認めない品目例は、別表1の2に掲げるとおりとする。
2 販売を行う場合
(1)加工食品は、許可を不要とする食品を除き、許可施設で製造又は加工された製品を仕入れて販売すること。
(2)食品のカット、スライス等の加工及び小分けは行わないこと。
(3)販売品目例及び販売に係る注意事項は別表1の3に掲げるとおりとする。

第5 調理を行う場合の設備
調理を行う場合は、別表2の設備を満たすこと。

第6 注意事項
調理を行う場合は、別表3注意事項を遵守すること。

第7 その他
(1)臨時店舗における営業行為が次のいずれかに該当する場合は、営業許可を必要とすること。
ア 1年間に同一場所で、通算して3日を超えて営業する場合。
イ 第4で規定する取扱いを認めない食品を取扱う場合。
(2)第2のただし書きで規定する自治会や学校等が開催するバザー等に伴い食品を取扱う場合にあっては、第4から第6の規定に準じて指導すること。
また、別に定める様式により届出を提出するよう指導すること。
(3)別表1の取扱いを認める品目例以外の食品であって、取扱いの可否に疑義を生じた場合は、調理条件等を考慮した上で個別に判断を行うこととする。

別表1

1 取扱いを認める品目例

分  類

取 扱 条 件

品 目 例

煮物類

事前に仕込んだ具材を、その場で煮込む。

おでん、豚汁、煮込み、いも煮

焼き物

事前に仕込んだ具材を、その場で焼く。

焼き鳥、いか焼、焼とうもろこし、焼かき、焼肉、焼いも

お好み焼類

事前に仕込んだ具材と、その場で調製した生地を混ぜ合わせて焼く。

お好み焼、たこ焼、ピザ、モダン焼、はしまき、チヂミ、焼そば

めん類

事前に仕込んだ具材と、その場で加熱調理したものを調製する。

うどん、そば、ラーメン、ナポリタンスパゲティー

揚げ物

事前に仕込んだ具材を、その場で調製した生地等をつけて揚げる。

フライドチキン、フライドポテト、コロッケ、串かつ

アイス類

事前に調製された材料を、その場で小分け等の簡易な加工をする。器具類、手指等からの汚染防止措置がとられていること。

アイスクリーム、ソフトクリーム、かき氷

焼菓子類

事前に仕込んだ具材と、その場で調製した生地を焼く。

たい焼き、二重焼き、ベビーカステラ、焼餅、クッキー、五平餅、クレープ(生クリームをサンドするものを除く)

蒸し物類

事前に仕込んだ具材を、その場で蒸す。

中華饅頭、ちまき、いが餅、餃子、シュウマイ

揚げ菓子類

事前に仕込んだ具材を、その場で揚げる。

ドーナツ、フライケーキ、アンダギー

餅・団子類

その場で蒸す、焼く等をしたものに、簡易な加工をする。

平餅、みたらし団子

あめ菓子類

事前に調製された原材料を、その場で簡単な加工を行う。

綿菓子、べっこう飴、果実飴

ドリンク類

 

清涼飲料水、酒類(ビール、日本酒、焼酎)、茶、コーヒー、おしるこ、甘酒、生ジュース

レトルト食品
冷凍食品

加熱調理後、手を加えず提供し、その場で喫食させる。

各種食品

米飯類

その場で炊飯及び具材の加熱調理を行い、熱い状態で提供し、その場で喫食させる。

丼物、カレーライス、ハヤシライス、焼飯、炊き込み御飯、

ドッグ類

その場で焼く、又は揚げる。

アメリカンドッグ、フレンチドッグ
ホットドッグ


2 取扱いを認めない品目例

分  類

品    目

取扱いを認めない食品の基準

米飯類

おむすび、巻寿司、にぎり寿司

1 未加熱のまま提供するもの。

2 加熱後に、成型及び具材をはさむ、トッピング等の処理があり、簡易な調理とは認められないもの。

3 冷却に多量の水を使用するもの。

4 その他、衛生上の危害が認められるもの。

めん類

冷やし中華、つけ麺、冷麺、ざるそば

菓子類

あん餅、きな粉餅、クレープ(焼成後に生クリーム等をサンドするもの)

調理パン

サンドイッチ、ハンバーガー

その他

生卵を使用するミルクセーキ、粉末ミックスを使用するソフトクリーム


3 販売に係る注意事項

品 目 例

注  意  事  項

牛乳、乳製品、清涼飲料水、弁当、

調理パン、食肉製品、魚介加工品、

レトルト食品、鮮魚介類、食肉、

菓子類、びん詰食品、缶詰、果物、

野菜

1 果物及び野菜以外は、容器包装に入れられたものであること。

2 適正に表示されていることを確認して販売すること。

3 保存基準が定められている食品は、温度計を設置した冷蔵又は冷凍庫に保管し、基準を遵守すること。

4 その他、食品に応じて、適切な保存温度で保管して販売すること。



別表2

調理を行う場合の設備

1 施設は、屋根を設置して、三方を隔壁等により区画すること。
2 食品を調理し、又は加工する箇所は、地面又は床面から70cm以上の高さがあること。
3 給水設備(場所)があること。
4 食器、器具類の洗浄設備(場所)及び殺菌設備があること。
5 手指の洗浄設備(場所)及び消毒設備があること。
6 衛生上支障がない構造の排水設備があること。
7 衛生的に処理ができる廃棄物処理設備があること。
8 食品又は器具を保管する衛生的な設備があること。
9 必要に応じて冷蔵又は冷凍設備があること。


別表3

調理を行う場合の注意事項

1 原材料又は製品の仕入れにあたっては、品質、鮮度及び表示について点検を行うこと。
2 調理は、全て施設内で行うこと。
4 調理は、原則として提供直前に行うこと。
5 原材料又は製品は、食品の種類に応じて適切な温度で保管すること。
6 原材料を解凍する場合は衛生的に行い、当日使いきりとすること。
7 食品、器具及び容器包装は、衛生的に取扱うこと。
8 従事者は、食品を取扱う前及び用便後は手指の洗浄及び消毒を行うこと。
9 従事者は下痢・発熱の症状があった時、手指に化膿創があった時は、調理作業に従事しないこと。
10 施設、設備及び施設周辺は、衛生上支障ないよう清潔に保つこと。
11 食器類は原則として使い捨て容器とし、持ち帰りが出来ないものであること。